小さなあなたと
あなたの名前は?
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白い世界が滲むように消えて、私は目を覚ました。
「はっ!」
思わず声が出た。
慌てて隣に寝ているれい君を見るが、起こした様子はなくぐっすり眠っていた。
寝顔が最高に可愛い。
そして私は先程まで見ていた夢を……しっかり覚えていた。
普通だったら、覚えてなかったりおぼろげになってたりするもんじゃないの?と思いもしたが、それよりもだ。
夢の中に出てきたイケメンが誰だかわかったのだ。
降谷さんの同期の萩原さんだ…。
宿題はクリアだな、と思ったりもしたが、所詮私の夢。
あの夢の続きを見ることができるのかもわからないところだ。
きっと、安室さん似のれい君に出逢ってしまったせいで、そんな夢を見てしまったんだろう。
ドリーマーな私の頭の中、万歳だな。
そんな馬鹿なことを考えながら、時間を見やれば目覚ましがなる前の起床が出来たらしい。
念のためにセットしておいたが、鳴ったら確実にれい君も起こすことになっていただろう。
妙な夢と、私の体内時計に感謝しつつ、れい君を起こさないようにそっとベッドから抜け出る。
身支度をさっさと整え、朝ごはんの準備をする。
朝はお味噌汁とご飯に焼き魚の予定です。
自分ひとりだったら、こんなにちゃんと作らないけれど、誰かの為って思ったら早起きも苦ではない。
変な夢ではあったが、悪い気はしていないので、鼻歌歌いながら作っていく。
途中から鼻歌じゃなくて普通に歌ってたのは通常運転です。
なので、好きな音楽をかけながら気分よく歌わせていただきました。
あまりに乗り過ぎてしゃもじを持ったままミュージカル風にくるんとターンを決めたところで、寝室の扉が開いていることに気が付いた。
はっとしてそちらに目をやると、目をぱちくりさせているれい君がいた。
いつからそこに。
「……おはようございます」
「お…おはよう」
「……顔洗ってきます」
「ハイ…」
少しの沈黙ののち、れい君は洗面所に行ってしまった。
れい君が見えなくなってから、悲劇のヒロインよろしく思わず膝から崩れ落ちた。
ああ!何してるの権兵衛さんってジト目で突っ込んでくれた方が良かった…!
何も触れられないのは居たたまれない…!
言い訳もできないじゃないか…!
変な気遣いやめてー!
打ちひしがれていたが、まぁ、一緒に住むならいつかは知られることだ、と自分を納得させた。
私が突然歌い出してもドン引きしないでいただきたい。
時間を見れば、8時30分ごろだった。
れい君はよほどお疲れだったのだろう。
私はれい君が戻ってくる前に、ローテーブルに朝食を並べていく。
お味噌汁をお椀に注いでいると、れい君が戻ってきた。
「いい匂いですね」
「褒めてくれて、ありがと。
今日は和食にしてみましたー」
「……美味しそう」
「おかわりあるからね」
先程の件には全く触れてこないので、私も忘れることにした。
ちょこんと座ったれい君の前にお味噌汁とご飯を置く。
私もれい君の向かい側に座って手を合わせる。
「それじゃあ、いただきます」
「いただきます」
「あ、お味噌汁熱いから気をつけてね」
「はい」
もくもくとご飯を食べているれい君、可愛さプライスレス。
時折目を輝かせるものだから、何となく和食が好きなのかな、と感じた。
途中で、インターホンが鳴ったため、私はそっちへと向かう。
例の物が届いたようだ。
これで、今日の予定は決定だね!