第1話!
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「ここだ。」
海楼石の手錠を付けられ、白ひげ海賊団船長エドワード・ニューゲートの部屋の前に連れてこられた。
私の前をその長い足で歩くのは、先程会話していたエースだ。彼は能力者な為、他の隊長格では無い船員に手錠を掛けさせ、私を連行した。
「ねぇ
ここに連れてきてもよかったの?この手錠、意味ないよ?君たちの船長さん、魔法で殺しちゃうかもよ?良いの?」
本当はこんなこと言いたくないし、殺す気もさらさらない。
だが、ここが私の知っている原作通りの優しい彼らの世界なのか?
それとも、本物の海賊らしい素性の分からないものは殺すっ!て感じの彼らの世界なのかわからない以上、こちらも警戒しなくては自分の命が掛かっているんだ。
「オヤジは海賊王になる人だ。
お前みてぇなチビに殺られたりしねぇよ。」
「…分からないよ?
ありえないなんてことは無いんだから。」
だって此処は、そういう海だ。
「いいや、お前は親父を殺せねえ。」
「っなんでそう言いきれるのさ!
よく知りもしないのに!」
「さっき話してみてわかった。
俺は、お前がそう簡単に人を殺せるような奴だとは思えねぇ!」
彼は、またあの笑顔を浮かべ、そういいきった。
私はその笑顔をあちらの世界の兄と重ねてしまい、何故だか無償に泣きたくなった。
「エース、其処に居るなら突っ立ってねぇでさっさと入らねぇか!」
涙をこらえていると、部屋の中からエースを呼ぶ声がする。
彼-エース-は、いけねっ!と小さくゴチながら扉を開いた。
え、待って、心の準備まだできt...
「連れてきたか。
エース、お前ェはちと出てろ。二人で話してェ」
「わかった!
じゃーな!アキ!」
「あっ...エース...!待って...!!」
私はとっさに去っていくエースの手をつかんでしまう。彼は少し目を見開くが、ニッと笑い、私の頭二度撫でる。
「大丈夫だ。」
そう言って、部屋を出ていった。
何故かその笑顔に勇気を貰い、目の前の大きな人を見ることができた。
「…いい面構えになったじゃねェか。
牢に入れて悪かったな。改めて、俺ァエドワード・ニューゲート。この白ひげ海賊団の船長をしてる。
お前ェの話を聞かせてくれるか?」
そう言った大きな人は、エースとは違う全てを包み込むような笑顔で私を見た。
その笑顔を見た私は緊張が解けたのか、涙を零してしまう。
「っわたし、お友達のパーティからナツ達と逃げてたっ!そしたら目の前に黒いモヤモヤが出てきてっビックリしたけど、急に止まれなくってっ!ヒック…」
「おぅ、それで?」
「っあのね、そのモヤモヤの中に入っちゃったの!
それで、気づいたらここにいたのっ!
なんかの空間魔法かなって思って、魔法使ったけどっ!かえれないよぉ!!
うぇぇん!ナツー!ハッピー!るぅちゃーん!!お家かえりたいよぉ!!」
白ひげさんはぐちゃぐちゃな私の話を黙って聞いてくれていたが、決壊してしまった涙を止めるなんて今の私には無理だった。
どれほど泣いただろうか。
やっとで落ち着いた私に、白ひげさんが話しかける。
「帰れるまで俺の娘にならねぇか?」
「…ぇ?」
「お前が帰る方法を見つけるまでの間、俺の船で俺の子供として。」
白ひげさんはそう言って私の頬に流れる涙を拭ってくれた。
私は、彼の優しさに甘えてしまった。
「うぇぇ…パパー!!」
「グララララ!!!パパか!俺ァ娘なんて作る気はなかったんだがなぁ!!
なァもう一度お前の名前を聞かせてくれねェか?」
白ひげさん…パパはそう言って私をその大きな体の前に持ち上げた。
「アキ…アキ・ドラグニル。
ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いします!!」
一得一失の奇跡を乞え
「あ、パパ。お願いがあるんだけど…。」
「なんだ?言ってみろ。」