春うらら
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「春陽さんは、タンポポの花言葉を知っていますかな?」
一緒に課題をしていたデュークくんに聞かれた言葉に
思わず目が点になった。
今は生物の課題をしているけれど
タンポポってどこかに出てたかな?
なんて考えていたら、すぐに彼は続けて
「お頭がタンポポを好きなんです」と話してくれた。
『お頭さんって、一度写真を見せてもらった
あの強そうな人だよね?』
「えぇ。タンポポが好きなようには見えませんかな?」
うん、見えない。と即答すると彼は困ったように笑った。
どうやら
合宿所のテニスコート近くに咲いていたタンポポを見て
ふっと優しく微笑んだので
好きなのかと聞いたら肯定の言葉が返ってきたらしい。
『タンポポの花言葉は
確か真心の愛、とかそういうのじゃなかったかな』
「ほう・・・」
なんとなくだけど、デュークくんから聞いた雰囲気とかから
タンポポを見て誰かを想ってたんじゃないのかなって思えた。
お頭さんにも、きっと大切な人がいるんだ。
そう言うと彼は少しだけ寂しそうに笑った。
『お頭さんの誕生日っていつなの?』
「7月4日ですなあ」
『じゃあ誕生花でもないし・・・』
「誕生花とは、誕生石みたいなものですかな?」
『うん。そんな感じ』
誕生石ほどメジャーではないけれど
誕生花といって、生まれたその日その日の花がある。
私は花とか植物が好きだから
花言葉とか誕生花が好きで調べたりしているけど
男子は特に見聞きするものではないだろうから
彼が知らなくても当たり前だ。
「では、私の誕生花はなんでしょうか?
2月1日生まれなのですが」
『ちょっと待ってね。私手帳にメモってるんだ』
2月1日の誕生花は
「梅、サクラソウ、マーガレット」
「梅」は「忠義」「澄んだ心」
「マーガレット」は「信頼」「心に秘めた愛」
「サクラソウ」は「清らか」
すごい。
どれもデュークくんにぴったり過ぎる。
「忠義」って、お頭への忠義だよねきっと。
デュークくんにそう伝えたら
ぴったりなのは忠義だけではありませんなあと
照れたようにほほ笑んだ。
困ったように笑う顔より
やっぱりこっちのほうが好きだなあって思えた。
「春陽さんの誕生日は、いつですか?」
『私は3月1日なんだけど…
あんまり良い誕生花じゃないんだよね』
3月1日の誕生花は
「アンズ」「ヤグルマギク」
「アンズ」は「臆病な愛」「疑惑」
「ヤグルマギク」は「繊細」「優美」
「臆病な愛」に至っては、耳に痛い。
ひっそりと良い友達のフリをして、この関係でいる私は
本当に臆病な愛しか持ち合わせていないのだと実感する。
「優美というのは
東さんにぴったりな言葉だとワタシは思いますよ」
『いやいや、そんなことないよ。でもありがとう』
好きな人からの優美という言葉に
じわりじわりと顔が火照る。
優美なんて言葉が聞けるなんて
この先絶対ないだろうから録音でもしておきたかったと本気で思った。
「それにしても
ワタシ達の誕生日はけっこう近かったんですなあ」
『えっ、あ、そうだね。確かに1ヶ月違いだもんね』
本当は、私は彼が載っている
U-17の雑誌を見たりしているから
彼の基本的なプロフィールは知っているのだけど
なんで知っているのか聞かれたら
けっこう気持ち悪いので黙っていることにした。
「もう過ぎてしまったのが残念ですなあ・・・」
『うん、デュークくんのお誕生日、お祝いしたかったよ』
「…でしたら、4月1日に、一緒にお祝いしませんか?
ふたりの合同誕生日会ということで」
にこやかな笑顔で言われた言葉は
私の都合のいいように解釈して良いのだろうか。
一緒にお祝いって、ふたりで過ごせるということだろうか。
『うん!一緒にお祝い、したい』
「予定を開けておいて下さい。
そうとなったら、この課題が終わったら計画を立てましょうか」
私はただただ頷いて、目の前の課題に向かった。
だけど、頭に課題なんて入ってくるわけもなく
4/1の、春の訪れのことを考えることしかできなかった。
もしかしたら、私の臆病な愛が
変わる日になるかもしれない。
彼の尊敬するお頭さん
タンポポのことを話してくれてありがとう、と
私は心のなかで感謝したのだった。
(そういえば、タンポポ占いっていうのがあるらしいよ)
(花占いとは違うのですかな?)
(綿毛をフーって一気に吹いて
全部舞ったら意中の相手から愛されてる。
少し残ったら、相手が離れていく。
たくさん残ったら、相手は無関心。
そんな占いがあるんだって)
(なんとも可愛らしい占いですなあ)
(お頭さんに言ってみたら?)
(そうですなあ。見ていたタンポポは綿毛でしたし・・・
何か思い入れがあるのかもしれません)
(お頭さんの春かもね)
(ワタシにも、4月1日に春が来そうだと思うのですが。
どうでしょう?)
(どっ、どうでしょう!?)
一緒に課題をしていたデュークくんに聞かれた言葉に
思わず目が点になった。
今は生物の課題をしているけれど
タンポポってどこかに出てたかな?
なんて考えていたら、すぐに彼は続けて
「お頭がタンポポを好きなんです」と話してくれた。
『お頭さんって、一度写真を見せてもらった
あの強そうな人だよね?』
「えぇ。タンポポが好きなようには見えませんかな?」
うん、見えない。と即答すると彼は困ったように笑った。
どうやら
合宿所のテニスコート近くに咲いていたタンポポを見て
ふっと優しく微笑んだので
好きなのかと聞いたら肯定の言葉が返ってきたらしい。
『タンポポの花言葉は
確か真心の愛、とかそういうのじゃなかったかな』
「ほう・・・」
なんとなくだけど、デュークくんから聞いた雰囲気とかから
タンポポを見て誰かを想ってたんじゃないのかなって思えた。
お頭さんにも、きっと大切な人がいるんだ。
そう言うと彼は少しだけ寂しそうに笑った。
『お頭さんの誕生日っていつなの?』
「7月4日ですなあ」
『じゃあ誕生花でもないし・・・』
「誕生花とは、誕生石みたいなものですかな?」
『うん。そんな感じ』
誕生石ほどメジャーではないけれど
誕生花といって、生まれたその日その日の花がある。
私は花とか植物が好きだから
花言葉とか誕生花が好きで調べたりしているけど
男子は特に見聞きするものではないだろうから
彼が知らなくても当たり前だ。
「では、私の誕生花はなんでしょうか?
2月1日生まれなのですが」
『ちょっと待ってね。私手帳にメモってるんだ』
2月1日の誕生花は
「梅、サクラソウ、マーガレット」
「梅」は「忠義」「澄んだ心」
「マーガレット」は「信頼」「心に秘めた愛」
「サクラソウ」は「清らか」
すごい。
どれもデュークくんにぴったり過ぎる。
「忠義」って、お頭への忠義だよねきっと。
デュークくんにそう伝えたら
ぴったりなのは忠義だけではありませんなあと
照れたようにほほ笑んだ。
困ったように笑う顔より
やっぱりこっちのほうが好きだなあって思えた。
「春陽さんの誕生日は、いつですか?」
『私は3月1日なんだけど…
あんまり良い誕生花じゃないんだよね』
3月1日の誕生花は
「アンズ」「ヤグルマギク」
「アンズ」は「臆病な愛」「疑惑」
「ヤグルマギク」は「繊細」「優美」
「臆病な愛」に至っては、耳に痛い。
ひっそりと良い友達のフリをして、この関係でいる私は
本当に臆病な愛しか持ち合わせていないのだと実感する。
「優美というのは
東さんにぴったりな言葉だとワタシは思いますよ」
『いやいや、そんなことないよ。でもありがとう』
好きな人からの優美という言葉に
じわりじわりと顔が火照る。
優美なんて言葉が聞けるなんて
この先絶対ないだろうから録音でもしておきたかったと本気で思った。
「それにしても
ワタシ達の誕生日はけっこう近かったんですなあ」
『えっ、あ、そうだね。確かに1ヶ月違いだもんね』
本当は、私は彼が載っている
U-17の雑誌を見たりしているから
彼の基本的なプロフィールは知っているのだけど
なんで知っているのか聞かれたら
けっこう気持ち悪いので黙っていることにした。
「もう過ぎてしまったのが残念ですなあ・・・」
『うん、デュークくんのお誕生日、お祝いしたかったよ』
「…でしたら、4月1日に、一緒にお祝いしませんか?
ふたりの合同誕生日会ということで」
にこやかな笑顔で言われた言葉は
私の都合のいいように解釈して良いのだろうか。
一緒にお祝いって、ふたりで過ごせるということだろうか。
『うん!一緒にお祝い、したい』
「予定を開けておいて下さい。
そうとなったら、この課題が終わったら計画を立てましょうか」
私はただただ頷いて、目の前の課題に向かった。
だけど、頭に課題なんて入ってくるわけもなく
4/1の、春の訪れのことを考えることしかできなかった。
もしかしたら、私の臆病な愛が
変わる日になるかもしれない。
彼の尊敬するお頭さん
タンポポのことを話してくれてありがとう、と
私は心のなかで感謝したのだった。
(そういえば、タンポポ占いっていうのがあるらしいよ)
(花占いとは違うのですかな?)
(綿毛をフーって一気に吹いて
全部舞ったら意中の相手から愛されてる。
少し残ったら、相手が離れていく。
たくさん残ったら、相手は無関心。
そんな占いがあるんだって)
(なんとも可愛らしい占いですなあ)
(お頭さんに言ってみたら?)
(そうですなあ。見ていたタンポポは綿毛でしたし・・・
何か思い入れがあるのかもしれません)
(お頭さんの春かもね)
(ワタシにも、4月1日に春が来そうだと思うのですが。
どうでしょう?)
(どっ、どうでしょう!?)