あなたとの一杯を
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「「乾杯!」」
カチン、とグラスを合わせて
勢いよく冷えたビールを流し込む。
ちょっと前まで苦くて飲めないと思っていたのに
今はこの瞬間が、たまらない。
一気にグラス半分まで飲んだ私を見て
前の席に座っている大曲と種ヶ島が笑った。
「良い飲みっぷりだし」
「ビール飲めるようになったんやな☆」
『まあね!今は一番ビールが好き!』
そう答えると、二人は笑ってくれたけど
隣の鬼は飲みすぎるなよ、と
気にかけてくれている。
今日は久しぶりに集まったGenius10のメンバーで
ビアガーデンに来ていた。
皆各地で生活しているから
予定を合わせるのは難しかったけど
8月の連休に合わせて
かなり前から計画を練ったおかげで
ほぼ全員参加している。
流石に芸能人の君島は参加出来なかったけど
あとで遠野が電話するって言っていたので
雰囲気だけでも伝わればいいなと思う。
「楽しそうだな」
『ん??楽しいに決まってるじゃん。
久しぶりに皆に会えて、お酒飲んで、笑って…
最高!』
U-17の合宿所での生活は
私にとってかけがえのない思い出。
参加したての時は緊張して、失敗しまくって
よく平等院に怒られたけど
徐々に皆と打ち解け
そのうち中学生も参加するようになって
世界にまで行って…
あんなに、ドキドキしてワクワクして
眩しい毎日は他にはなかった。
だから、大好きな皆と会えて本当に楽しいし嬉しいのだ。
「変わらねぇな。昔から楽しい時はいつも笑ってたな」
『私顔に出やすいからね〜。
楽しいときは良いけど
嫌なときも、怒ってるときもすぐバレちゃう。
この前なんてそのせいで子供かよって言われて喧嘩しちゃって』
「喧嘩?」
『うん。彼氏と』
そう答えた瞬間、何やら静かになった。
見ると鬼と二人で話していたのに、盗み聞きしていたのか
皆の視線が集まっていた。
「か、彼氏、いたんだな」
引きつった表情を浮かべた鬼がボソッと呟く。
「えっと、付き合って長いん…?」
『ううん。3,4ヶ月ぐらいかな』
「会社の人でっか…?俺らの知っとる人とか…?」
『会社の先輩の友だち。
先輩と飲みに行ったときにたまたま会って
なんとなく良いなってその時は感じて・・・って
え、何?皆どうしたの?』
なんか雰囲気が悪いと言うか
皆私の話を聞いたあと、気まずそうな感じになっている。
どういうこと?と鬼を見るもふいっと
顔を逸らされてしまって余計に意味がわかんなくて
どうしたのって聞いても埒が明かないから
とりあえず追加のビールを取りに行くことにした。
ここのビアガーデンはセルフで
好きな種類、好きな量のお酒を注ぐことができるシステムなので
私は1人でドリンクコーナーに向かった。
せっかく楽しい気持ちだったのに
なぜあんな雰囲気になったのかわからずモヤモヤする。
子供っぽいと言われたときの喧嘩も思い出してしまって
こうなったらやけ酒してやろうかと企てていたら
スッと、隣に大きな身体が現れた。
「1人で行くな。危ないだろ」
鬼はそう言うと私の手からグラスを取り上げ
飲みすぎないようにと、勝手にビールを注がれてしまった。
先程から飲みすぎないようにと心配してくれているが
彼が思うより、私はお酒に強い。
でも、その優しさが今は素直に嬉しい。
「ちょっと、その辺で少し飲まねえか・・・?」
『うん。いいよ』
私達は近くにあった立ち飲みスペースで飲むことにした。
『さっきの何だったの?
皆して私に彼氏がいたことが意外だったのかな』
「まぁその、なんだ・・・皆気を遣ったんだろう」
『気を遣うって?』
「それはだな…」
鬼はしどろもどろになって
ビールを一気にぐいっと飲み干した。
「お前のこと、昔から好きなやつがいるんだよ」
『…えぇ!?』
だからさっき気まずそうな雰囲気になっていたのか、と
やっと納得できた。
それにしても、誰のことだろう。
皆気を遣ってたってことはあの場にいた全員が
誰が私のことを好きか知ってるってことだろう。
不在の君島はまずないし
確かお頭と種ヶ島と、デューク、越前は彼女がいたはずだ。
あとのメンバーは、と考え、ふと目の前の鬼の顔を見たら
あれ?鬼ってこんなにお酒に弱かったっけ?っていうくらい
真っ赤な顔をしている。
『え?もしかして、さ・・・それって・・・』
「彼氏がいるやつに
想いを伝えて困らせるようなことはしたくねえ。
けどな、お前のこと傷つけるようなことをする奴のことは
千波が好きな相手でも許せねえよ」
真っ直ぐな言葉に、胸が締め付けられる。
「ずるいやり方かもしれんが、俺はいつまでも待つ。
この先何年今の相手と続いても俺のハートは・・・
『ちょ、ちょっと待って!もう別れてるの。元カレなの!』
一瞬間があり、鬼は今までの会話のやり取りを思い出したのか
おでこに手を当て上を向き
そういえば過去形だったな、と呟いた。
どうしよう、この状況。
鬼のこと良い人だと思うけど
まだそんな風に気持ちの切り替えができない。
「…あのな、まだ言わねえよ。
さっきも言ったが、困らせたくねえんだ。
もう少し待ってやるから、俺のこと男として見て考えてくれ」
『待ってくれるの・・・?』
「あたぼうよ。いつまでも待つって言ったろ。
だけどな、これから遠慮はしねえぜ。
ウジウジしてたら他の男に取られちまうってわかったからよ」
『多分、そんなに待たなくて良いかも・・・』
そう告げると鬼はぽんぽんと頭を撫でてくれた。
手にしていたビールは温くなってしまったけど
一緒に飲んだせいか、いつもより甘くて美味しくて
酔ってしまったかのように感じたのだった。
(なんや!元カレの話やったんか~)
(うは~。むっちゃ焦ったやんけ)
(言っとくけどな、おめえらのはフォローできてねえし。
具体的に説明させてどうするよ)
(男がいようが関係ない。モノにすれば良いだけのことだ)
(平等院、それはさして問題ある)
(お頭らしいですなぁ)
(君島ぁ、聞いてるかぁ?鬼がなやっと告ったんだぜぇ。
あぁ、祝いの酒でも送ってやんなあ)
(お、お二人さん戻って来たか。盛り上がってるぜ)
((話が進んでる…!))
カチン、とグラスを合わせて
勢いよく冷えたビールを流し込む。
ちょっと前まで苦くて飲めないと思っていたのに
今はこの瞬間が、たまらない。
一気にグラス半分まで飲んだ私を見て
前の席に座っている大曲と種ヶ島が笑った。
「良い飲みっぷりだし」
「ビール飲めるようになったんやな☆」
『まあね!今は一番ビールが好き!』
そう答えると、二人は笑ってくれたけど
隣の鬼は飲みすぎるなよ、と
気にかけてくれている。
今日は久しぶりに集まったGenius10のメンバーで
ビアガーデンに来ていた。
皆各地で生活しているから
予定を合わせるのは難しかったけど
8月の連休に合わせて
かなり前から計画を練ったおかげで
ほぼ全員参加している。
流石に芸能人の君島は参加出来なかったけど
あとで遠野が電話するって言っていたので
雰囲気だけでも伝わればいいなと思う。
「楽しそうだな」
『ん??楽しいに決まってるじゃん。
久しぶりに皆に会えて、お酒飲んで、笑って…
最高!』
U-17の合宿所での生活は
私にとってかけがえのない思い出。
参加したての時は緊張して、失敗しまくって
よく平等院に怒られたけど
徐々に皆と打ち解け
そのうち中学生も参加するようになって
世界にまで行って…
あんなに、ドキドキしてワクワクして
眩しい毎日は他にはなかった。
だから、大好きな皆と会えて本当に楽しいし嬉しいのだ。
「変わらねぇな。昔から楽しい時はいつも笑ってたな」
『私顔に出やすいからね〜。
楽しいときは良いけど
嫌なときも、怒ってるときもすぐバレちゃう。
この前なんてそのせいで子供かよって言われて喧嘩しちゃって』
「喧嘩?」
『うん。彼氏と』
そう答えた瞬間、何やら静かになった。
見ると鬼と二人で話していたのに、盗み聞きしていたのか
皆の視線が集まっていた。
「か、彼氏、いたんだな」
引きつった表情を浮かべた鬼がボソッと呟く。
「えっと、付き合って長いん…?」
『ううん。3,4ヶ月ぐらいかな』
「会社の人でっか…?俺らの知っとる人とか…?」
『会社の先輩の友だち。
先輩と飲みに行ったときにたまたま会って
なんとなく良いなってその時は感じて・・・って
え、何?皆どうしたの?』
なんか雰囲気が悪いと言うか
皆私の話を聞いたあと、気まずそうな感じになっている。
どういうこと?と鬼を見るもふいっと
顔を逸らされてしまって余計に意味がわかんなくて
どうしたのって聞いても埒が明かないから
とりあえず追加のビールを取りに行くことにした。
ここのビアガーデンはセルフで
好きな種類、好きな量のお酒を注ぐことができるシステムなので
私は1人でドリンクコーナーに向かった。
せっかく楽しい気持ちだったのに
なぜあんな雰囲気になったのかわからずモヤモヤする。
子供っぽいと言われたときの喧嘩も思い出してしまって
こうなったらやけ酒してやろうかと企てていたら
スッと、隣に大きな身体が現れた。
「1人で行くな。危ないだろ」
鬼はそう言うと私の手からグラスを取り上げ
飲みすぎないようにと、勝手にビールを注がれてしまった。
先程から飲みすぎないようにと心配してくれているが
彼が思うより、私はお酒に強い。
でも、その優しさが今は素直に嬉しい。
「ちょっと、その辺で少し飲まねえか・・・?」
『うん。いいよ』
私達は近くにあった立ち飲みスペースで飲むことにした。
『さっきの何だったの?
皆して私に彼氏がいたことが意外だったのかな』
「まぁその、なんだ・・・皆気を遣ったんだろう」
『気を遣うって?』
「それはだな…」
鬼はしどろもどろになって
ビールを一気にぐいっと飲み干した。
「お前のこと、昔から好きなやつがいるんだよ」
『…えぇ!?』
だからさっき気まずそうな雰囲気になっていたのか、と
やっと納得できた。
それにしても、誰のことだろう。
皆気を遣ってたってことはあの場にいた全員が
誰が私のことを好きか知ってるってことだろう。
不在の君島はまずないし
確かお頭と種ヶ島と、デューク、越前は彼女がいたはずだ。
あとのメンバーは、と考え、ふと目の前の鬼の顔を見たら
あれ?鬼ってこんなにお酒に弱かったっけ?っていうくらい
真っ赤な顔をしている。
『え?もしかして、さ・・・それって・・・』
「彼氏がいるやつに
想いを伝えて困らせるようなことはしたくねえ。
けどな、お前のこと傷つけるようなことをする奴のことは
千波が好きな相手でも許せねえよ」
真っ直ぐな言葉に、胸が締め付けられる。
「ずるいやり方かもしれんが、俺はいつまでも待つ。
この先何年今の相手と続いても俺のハートは・・・
『ちょ、ちょっと待って!もう別れてるの。元カレなの!』
一瞬間があり、鬼は今までの会話のやり取りを思い出したのか
おでこに手を当て上を向き
そういえば過去形だったな、と呟いた。
どうしよう、この状況。
鬼のこと良い人だと思うけど
まだそんな風に気持ちの切り替えができない。
「…あのな、まだ言わねえよ。
さっきも言ったが、困らせたくねえんだ。
もう少し待ってやるから、俺のこと男として見て考えてくれ」
『待ってくれるの・・・?』
「あたぼうよ。いつまでも待つって言ったろ。
だけどな、これから遠慮はしねえぜ。
ウジウジしてたら他の男に取られちまうってわかったからよ」
『多分、そんなに待たなくて良いかも・・・』
そう告げると鬼はぽんぽんと頭を撫でてくれた。
手にしていたビールは温くなってしまったけど
一緒に飲んだせいか、いつもより甘くて美味しくて
酔ってしまったかのように感じたのだった。
(なんや!元カレの話やったんか~)
(うは~。むっちゃ焦ったやんけ)
(言っとくけどな、おめえらのはフォローできてねえし。
具体的に説明させてどうするよ)
(男がいようが関係ない。モノにすれば良いだけのことだ)
(平等院、それはさして問題ある)
(お頭らしいですなぁ)
(君島ぁ、聞いてるかぁ?鬼がなやっと告ったんだぜぇ。
あぁ、祝いの酒でも送ってやんなあ)
(お、お二人さん戻って来たか。盛り上がってるぜ)
((話が進んでる…!))