あなたとの一杯を
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“今からいつものコンビニ集合な”
クタクタの身体で帰宅し
簡単な食事とシャワーを済ませ
やっと一息、というときに鳴ったスマホの通知。
あれだけ事前に連絡しろと言ったにも関わらず
アイツからの連絡はいつも唐突。
今度こそ無視してやろうかと思ったけど
そうできないのは惚れた弱みか
私は上着を羽織って家の直ぐ側にあるコンビニへと向かった。
「よぉ。待ちくたびれたぜ」
『唐突な連絡から10分以内に来たんだから
文句はないでしょ』
ラケットバッグを肩から下げて
コンビニの前でケラケラと楽しそうに笑うリョーガは
また帰国したそのままの足でここに来たのだろう。
彼は、日本にいる間
時間が止まっているのではないかと思えてくるほど
半年前と寸分も変わらない姿で私を待っていた。
「なんだよ、いつも会ったばっかりの時は不機嫌だな」
『誰かさんが事前に連絡くれれば
不機嫌にならずに済むんだけど』
「カッカッカッ!それじゃ楽しくねぇだろ?」
毎度の流れにため息をつくも
心の底から嫌がっていない自分がいて悔しい。
リョーガはそんな私を見て
にんまりと口角を上げ、コンビニへと入って行った。
「お!なんだこれ、うまそうだな。
見てみろよ、オレンジ100%のチューハイだぜ」
『期間限定みたいね。あ、しかもコンビニ限定だって』
「俺はこれにするか。次いつ飲めるかわかんねぇし」
その言葉にズキッと胸が痛む。
いつ帰ってきて、いつ旅立つかわからない
自由気ままなリョーガの発言は無意識に私を傷つける。
また半年近くは姿を見せないんだろう。
『…私も同じのにする』
「つまみは適当に選ぶぜ」
リョーガはそう言うと
私の手から缶チューハイをひょい、と取って
レジへと向かった。
「ぷはっ、うまいなこれ」
気持ちの良い音をたててプルタブをあけ
ごくごくとチューハイを飲む姿は
まるでCMのワンシーンのよう。
顔が良いからか、コンビニの駐車場に腰掛けて飲んでるのに
俗っぽくならないところが羨ましい。
『今度は、どこの国に行ってたの?』
「スペイン辺りをウロウロとな。自由で良い国だぜ」
『相変わらず点々としてるのね。いいよね、縛られなくて』
私はこの男に縛られてるのに
当の本人は何も知らず
自由気ままに過ごして不公平だ、と心のなかで毒づく。
いや、勝手に自分で縛られているだけなんだけど。
縛られていることを知ってほしいようで、知られたくない。
自分の気持ちを悟られるのが嫌で
面倒な女と思われるのが嫌で
都合が良い、たまに一緒にいるのがちょうど良い
そんな微妙な立ち位置のままで良い。
そう思ってるはずなのに
リョーガの姿を見ると、自分の意思が揺らぎそうになり
私は想いを流すように、一気にチューハイを飲んだ。
「いい飲みっぷりだな。そっちは最近どうなんだよ」
『どうって?』
「仕事とか色々」
『仕事は楽しいよ。
後輩が増えたんだけど皆良い子達だし
よくある嫌味な上司もいないし平和って感じ』
たまにムッとすることがあっても
取るに足らないことばかりだし
忙しすぎず、適度な仕事量で、ちょうどよい人間関係。
多分恵まれている環境下にいるんだろけど
私には、たまに窮屈に感じる時がある。
狭い世界にいるような、そんな感じがするのだ。
「ふーん。楽しいって言う割に
つまらなさそうな顔してんな」
『!』
言い当てられたのと
突然私の肩に寄りかかったリョーガの温もりに驚いた。
今まで頭を撫でるくらいはあったのに
こんな距離は初めてで
一気に体温が上がった気がする。
「それかなんだ?俺がいなくてつまらなかったのか?」
にやっと笑い、茶化すように言われてムカついてきた。
こっちがどんな思いで過ごしているのか知らないくせに。
『別にそんなんじゃない、し。
…たまに何の変哲もない生活の中で生きてて
これで良いのかって思うだけ』
「ならもっと色々見てみろよ。
昔の馴染がよく世界は広ぇぞって言ってたぜ」
『簡単に言うけど…誰もが、リョーガみたいになれないの』
言ってて悲しくなってきた。
私はリョーガが異性として好きだけど
人としても尊敬していて憧れている。
自由に生きている姿が眩しくて、羨ましくて
私には真似できない遠い存在。
「そんな顔すんなよ。
お前の笑った顔見たくて帰って来てんだぜ。
笑顔見せてくれよな」
『何を冗談…』
「冗談じゃねえって」
リョーガはそう言うと、私の頬に手を当てて
無理矢理に自分の方へと顔を向かせた。
真剣な眼差しが私を捉える。
「会いたいと思ってなきゃ、毎回帰国なんざしねえよ。
ましてや空港からそのままだぜ?」
『会いたいって、思ってたの?私に?』
「カッカッカッ!本当に鈍感だな。
まあそういうところも全部好きだけどよ」
甘い言葉にくらくらしてしまって
私は自分の想いを言葉にすることができず
リョーガの言葉にただ頷いて
そのまま彼に思い切りだきついた。
リョーガはしっかり受けとめてくれて
大きな身体に、すっぽりと包まれる。
ふいにいつの間にか空になったチューハイの缶が倒れ
カラン、と乾いた音がした。
次にいつ飲めるかわからないなら
私が買って、取っておいてあげる。
だから絶対帰って来てねと、私は彼の頬に口づけたのだった。
(なあ、俺と一緒に来ねえ?)
(……は?)
(ずっと誘ってたのにいつもスルーしてただろ?)
(え?誘ってた?)
(海外は良いって言ってただろ)
(それで誘われたって思えるわけないでしょ!)
(はぐらかされてたわけじゃねえのか。
それで?今度はちゃんと誘ったんだけど)
(…次、ちゃんと事前に連絡して来てくれたら考える…)
(カッカッカッ!
じゃあちゃんと本気で迎えに来るからな。待ってろよ)
クタクタの身体で帰宅し
簡単な食事とシャワーを済ませ
やっと一息、というときに鳴ったスマホの通知。
あれだけ事前に連絡しろと言ったにも関わらず
アイツからの連絡はいつも唐突。
今度こそ無視してやろうかと思ったけど
そうできないのは惚れた弱みか
私は上着を羽織って家の直ぐ側にあるコンビニへと向かった。
「よぉ。待ちくたびれたぜ」
『唐突な連絡から10分以内に来たんだから
文句はないでしょ』
ラケットバッグを肩から下げて
コンビニの前でケラケラと楽しそうに笑うリョーガは
また帰国したそのままの足でここに来たのだろう。
彼は、日本にいる間
時間が止まっているのではないかと思えてくるほど
半年前と寸分も変わらない姿で私を待っていた。
「なんだよ、いつも会ったばっかりの時は不機嫌だな」
『誰かさんが事前に連絡くれれば
不機嫌にならずに済むんだけど』
「カッカッカッ!それじゃ楽しくねぇだろ?」
毎度の流れにため息をつくも
心の底から嫌がっていない自分がいて悔しい。
リョーガはそんな私を見て
にんまりと口角を上げ、コンビニへと入って行った。
「お!なんだこれ、うまそうだな。
見てみろよ、オレンジ100%のチューハイだぜ」
『期間限定みたいね。あ、しかもコンビニ限定だって』
「俺はこれにするか。次いつ飲めるかわかんねぇし」
その言葉にズキッと胸が痛む。
いつ帰ってきて、いつ旅立つかわからない
自由気ままなリョーガの発言は無意識に私を傷つける。
また半年近くは姿を見せないんだろう。
『…私も同じのにする』
「つまみは適当に選ぶぜ」
リョーガはそう言うと
私の手から缶チューハイをひょい、と取って
レジへと向かった。
「ぷはっ、うまいなこれ」
気持ちの良い音をたててプルタブをあけ
ごくごくとチューハイを飲む姿は
まるでCMのワンシーンのよう。
顔が良いからか、コンビニの駐車場に腰掛けて飲んでるのに
俗っぽくならないところが羨ましい。
『今度は、どこの国に行ってたの?』
「スペイン辺りをウロウロとな。自由で良い国だぜ」
『相変わらず点々としてるのね。いいよね、縛られなくて』
私はこの男に縛られてるのに
当の本人は何も知らず
自由気ままに過ごして不公平だ、と心のなかで毒づく。
いや、勝手に自分で縛られているだけなんだけど。
縛られていることを知ってほしいようで、知られたくない。
自分の気持ちを悟られるのが嫌で
面倒な女と思われるのが嫌で
都合が良い、たまに一緒にいるのがちょうど良い
そんな微妙な立ち位置のままで良い。
そう思ってるはずなのに
リョーガの姿を見ると、自分の意思が揺らぎそうになり
私は想いを流すように、一気にチューハイを飲んだ。
「いい飲みっぷりだな。そっちは最近どうなんだよ」
『どうって?』
「仕事とか色々」
『仕事は楽しいよ。
後輩が増えたんだけど皆良い子達だし
よくある嫌味な上司もいないし平和って感じ』
たまにムッとすることがあっても
取るに足らないことばかりだし
忙しすぎず、適度な仕事量で、ちょうどよい人間関係。
多分恵まれている環境下にいるんだろけど
私には、たまに窮屈に感じる時がある。
狭い世界にいるような、そんな感じがするのだ。
「ふーん。楽しいって言う割に
つまらなさそうな顔してんな」
『!』
言い当てられたのと
突然私の肩に寄りかかったリョーガの温もりに驚いた。
今まで頭を撫でるくらいはあったのに
こんな距離は初めてで
一気に体温が上がった気がする。
「それかなんだ?俺がいなくてつまらなかったのか?」
にやっと笑い、茶化すように言われてムカついてきた。
こっちがどんな思いで過ごしているのか知らないくせに。
『別にそんなんじゃない、し。
…たまに何の変哲もない生活の中で生きてて
これで良いのかって思うだけ』
「ならもっと色々見てみろよ。
昔の馴染がよく世界は広ぇぞって言ってたぜ」
『簡単に言うけど…誰もが、リョーガみたいになれないの』
言ってて悲しくなってきた。
私はリョーガが異性として好きだけど
人としても尊敬していて憧れている。
自由に生きている姿が眩しくて、羨ましくて
私には真似できない遠い存在。
「そんな顔すんなよ。
お前の笑った顔見たくて帰って来てんだぜ。
笑顔見せてくれよな」
『何を冗談…』
「冗談じゃねえって」
リョーガはそう言うと、私の頬に手を当てて
無理矢理に自分の方へと顔を向かせた。
真剣な眼差しが私を捉える。
「会いたいと思ってなきゃ、毎回帰国なんざしねえよ。
ましてや空港からそのままだぜ?」
『会いたいって、思ってたの?私に?』
「カッカッカッ!本当に鈍感だな。
まあそういうところも全部好きだけどよ」
甘い言葉にくらくらしてしまって
私は自分の想いを言葉にすることができず
リョーガの言葉にただ頷いて
そのまま彼に思い切りだきついた。
リョーガはしっかり受けとめてくれて
大きな身体に、すっぽりと包まれる。
ふいにいつの間にか空になったチューハイの缶が倒れ
カラン、と乾いた音がした。
次にいつ飲めるかわからないなら
私が買って、取っておいてあげる。
だから絶対帰って来てねと、私は彼の頬に口づけたのだった。
(なあ、俺と一緒に来ねえ?)
(……は?)
(ずっと誘ってたのにいつもスルーしてただろ?)
(え?誘ってた?)
(海外は良いって言ってただろ)
(それで誘われたって思えるわけないでしょ!)
(はぐらかされてたわけじゃねえのか。
それで?今度はちゃんと誘ったんだけど)
(…次、ちゃんと事前に連絡して来てくれたら考える…)
(カッカッカッ!
じゃあちゃんと本気で迎えに来るからな。待ってろよ)