あなたとの一杯を
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「おや、こんなところでお会いするとは」
『え!?デュークくん!?』
近所の酒屋さんでお酒の瓶とにらめっこしていたら
聞き覚えのある優しい声がした。
しまった。こんなところで会うなんて想定外。
もっと気合の入った服を着てくれば良かった。
「お好きなんですかな?」
『え…?』
言われて手にしていた焼酎の瓶を慌ててもとに戻す。
『ち、違うの…!これはプレゼントで…!』
「プレゼント、ですか…」
え、なんだろこの微妙な空気。
プレゼントとか嘘だろって思われてるのかな。
というか、本当に最悪すぎるシチュエーションなんだけど。
Tシャツジーパンに、メイクも手抜き
おじさんが行くような近所の酒屋で
酒瓶片手の状態の時に好きな人と出くわすって
こんな最悪のミラクル起きる?
もう、恥ずかしすぎて帰りたい。
「あの、一緒に見て回ってもよろしいですかな?
実はワタシも人への贈り物を探しに来たのですよ」
『そうなの?…うん、じゃあ一緒に探そう。
私お酒に詳しくないから助かるし』
本当はこの格好のまま一緒にいるのは不本意だけど
滅多にないふたりだけの機会を
みすみす逃したくなくて、私は了承することにしたのだった。
『それで、デュークくんは何のお酒を探してるの?』
「それが色々と悩んでいまして…」
デュークくん曰く
彼の尊敬する人から日本酒を貰ったから
そのお礼に自分もお酒をプレゼントしようと
探しに来たらしい。
最初は同じ日本酒を、と思ったものの
同じお酒を返すのはどうだろうと考え直し
焼酎にしようか、洋酒にしようか
あれこれ悩んでいたらしい。
『お酒好きな人なんだよね?基本的に何度でも飲む人なの?』
「そうですなあ…。
一緒に飲むときは割と強めのお酒を好まれますなあ」
『日本酒選ぶ人ならそっか』
デュークくんが尊敬する人って
どんな人なんだろう。
恩師とか先輩とかそういう人なのかなって
女の人…ではないよね?と想像していたら、彼は優しく笑った。
「ワタシのテニス仲間なんですよ。
テニスひと筋で、少し気難しいというか
雄々しい方なんですが
どうやら頂いた日本酒は
意中の方と一緒に出掛けられた時に買ったもののようでして」
私がどんな人なのか想像していたのを読まれたのか
デュークくんは説明してくれた。
テニス仲間で雄々しいとなれば、きっと男性だし
意中の人と一緒にってことは
心配することはなさそうでホッとする。
『好きな人と一緒に選んでくれたって
素敵な贈り物をもらったんだね』
「ですなぁ」
にこにこと優しく微笑むデュークくんからは
その尊敬する人への幸せを願う気持ちが感じられて
心優しい彼のことが、本当に好きだなあって実感する。
『あ!じゃあさ
好きな人と一緒に飲めるお酒とか良いんじゃない?』
「女性も好みそうなお酒ってことですかな?」
『女性はカクテルとか好きな人が多いけど…
そうなるとその尊敬する人が甘いお酒とか
好きじゃなかったら困るか…』
我ながら良い案だと思ったのだけど
だめか、と落胆していたら
デュークくんがあっと、小さな声を上げた。
「でしたら、コニャックは良いかもしれません」
『コニャック?』
「ブランデーの一種のことです。
フランスのお酒でして
アルコール度数も40%以上ある強いお酒ですが
ロックでも炭酸割りでも、アイスクリームに掛けても
美味しく頂けます」
『アイス!良いね!
だったらふたりで楽しめそうだね。
それにデュークくんの縁ある場所のお酒だし絶対良いよ!』
顔も知らない人達だけど
ふたりで仲良く同じお酒を楽しむ、と想像して
なんだか勝手に嬉しくなってくる。
良いなぁ、私もデュークくんと一緒に
お酒を飲んでみたい。
「貴女の、他人を思いやる気持ちは本当に素敵ですなぁ。
…貴女からプレゼントして貰える人が、羨ましい」
『あ、そうだった!自分のを忘れてた…。
お父さんの何しよう』
って、あれ?今素敵だって褒められた?
しかも羨ましいって言われた?
デュークくんにもっかい聞こうと思って彼を見たら
なにやら驚いている様子で
それからすぐに苦笑いの表情を浮かべていた。
どうしたのって聞いても
笑って誤魔化されたからもう深くは聞かないでおこう。
それから、デュークくんはコニャックを買って
私は父への誕生日プレゼントで芋焼酎を買った。
お互い良いプレゼントが買えたから満足だ。
「今日はありがとうございました。
あそこでお会いできて良かった」
『私もだよ。…こんな服装なのがちょっと恥ずかしかったけど…』
「いえいえ。いつでも素敵ですよ。
それに、それを言うならワタシもです。
貴女に会えるとわかっていればもう少し…」
さっきから、期待してしまうような言葉に
踊らされている自分がいる。
ドキドキして、うまく彼が見られない。
「…千波さん、来週の金曜日の夜ご予定は?
」
『え?えーと、何もないよ、』
「でしたら、ワタシと一緒にお酒を楽しみませんか?
ワタシもお頭のように
好きな女性と一緒に飲みたいのです」
唐突なお誘いと、望んでいた言葉に
頭がついていかなくて、私はただ、何度も頷き
一緒に飲むのは、コニャックが良いなと思ったのだった。
(デュークくんはお酒強いの?)
(あんまり酔いはしませんなぁ)
(いいな〜。私すぐ顔赤くなっちゃって)
(可愛らしいですなぁ)
(可愛くないよ!それにすぐに眠くなっちゃうし。
何度か友達との飲み会で寝ちゃって…)
(今度から、飲み会のときはお迎えに行きます。
必ず行きます。良いですかな?)
(は、はい?)
『え!?デュークくん!?』
近所の酒屋さんでお酒の瓶とにらめっこしていたら
聞き覚えのある優しい声がした。
しまった。こんなところで会うなんて想定外。
もっと気合の入った服を着てくれば良かった。
「お好きなんですかな?」
『え…?』
言われて手にしていた焼酎の瓶を慌ててもとに戻す。
『ち、違うの…!これはプレゼントで…!』
「プレゼント、ですか…」
え、なんだろこの微妙な空気。
プレゼントとか嘘だろって思われてるのかな。
というか、本当に最悪すぎるシチュエーションなんだけど。
Tシャツジーパンに、メイクも手抜き
おじさんが行くような近所の酒屋で
酒瓶片手の状態の時に好きな人と出くわすって
こんな最悪のミラクル起きる?
もう、恥ずかしすぎて帰りたい。
「あの、一緒に見て回ってもよろしいですかな?
実はワタシも人への贈り物を探しに来たのですよ」
『そうなの?…うん、じゃあ一緒に探そう。
私お酒に詳しくないから助かるし』
本当はこの格好のまま一緒にいるのは不本意だけど
滅多にないふたりだけの機会を
みすみす逃したくなくて、私は了承することにしたのだった。
『それで、デュークくんは何のお酒を探してるの?』
「それが色々と悩んでいまして…」
デュークくん曰く
彼の尊敬する人から日本酒を貰ったから
そのお礼に自分もお酒をプレゼントしようと
探しに来たらしい。
最初は同じ日本酒を、と思ったものの
同じお酒を返すのはどうだろうと考え直し
焼酎にしようか、洋酒にしようか
あれこれ悩んでいたらしい。
『お酒好きな人なんだよね?基本的に何度でも飲む人なの?』
「そうですなあ…。
一緒に飲むときは割と強めのお酒を好まれますなあ」
『日本酒選ぶ人ならそっか』
デュークくんが尊敬する人って
どんな人なんだろう。
恩師とか先輩とかそういう人なのかなって
女の人…ではないよね?と想像していたら、彼は優しく笑った。
「ワタシのテニス仲間なんですよ。
テニスひと筋で、少し気難しいというか
雄々しい方なんですが
どうやら頂いた日本酒は
意中の方と一緒に出掛けられた時に買ったもののようでして」
私がどんな人なのか想像していたのを読まれたのか
デュークくんは説明してくれた。
テニス仲間で雄々しいとなれば、きっと男性だし
意中の人と一緒にってことは
心配することはなさそうでホッとする。
『好きな人と一緒に選んでくれたって
素敵な贈り物をもらったんだね』
「ですなぁ」
にこにこと優しく微笑むデュークくんからは
その尊敬する人への幸せを願う気持ちが感じられて
心優しい彼のことが、本当に好きだなあって実感する。
『あ!じゃあさ
好きな人と一緒に飲めるお酒とか良いんじゃない?』
「女性も好みそうなお酒ってことですかな?」
『女性はカクテルとか好きな人が多いけど…
そうなるとその尊敬する人が甘いお酒とか
好きじゃなかったら困るか…』
我ながら良い案だと思ったのだけど
だめか、と落胆していたら
デュークくんがあっと、小さな声を上げた。
「でしたら、コニャックは良いかもしれません」
『コニャック?』
「ブランデーの一種のことです。
フランスのお酒でして
アルコール度数も40%以上ある強いお酒ですが
ロックでも炭酸割りでも、アイスクリームに掛けても
美味しく頂けます」
『アイス!良いね!
だったらふたりで楽しめそうだね。
それにデュークくんの縁ある場所のお酒だし絶対良いよ!』
顔も知らない人達だけど
ふたりで仲良く同じお酒を楽しむ、と想像して
なんだか勝手に嬉しくなってくる。
良いなぁ、私もデュークくんと一緒に
お酒を飲んでみたい。
「貴女の、他人を思いやる気持ちは本当に素敵ですなぁ。
…貴女からプレゼントして貰える人が、羨ましい」
『あ、そうだった!自分のを忘れてた…。
お父さんの何しよう』
って、あれ?今素敵だって褒められた?
しかも羨ましいって言われた?
デュークくんにもっかい聞こうと思って彼を見たら
なにやら驚いている様子で
それからすぐに苦笑いの表情を浮かべていた。
どうしたのって聞いても
笑って誤魔化されたからもう深くは聞かないでおこう。
それから、デュークくんはコニャックを買って
私は父への誕生日プレゼントで芋焼酎を買った。
お互い良いプレゼントが買えたから満足だ。
「今日はありがとうございました。
あそこでお会いできて良かった」
『私もだよ。…こんな服装なのがちょっと恥ずかしかったけど…』
「いえいえ。いつでも素敵ですよ。
それに、それを言うならワタシもです。
貴女に会えるとわかっていればもう少し…」
さっきから、期待してしまうような言葉に
踊らされている自分がいる。
ドキドキして、うまく彼が見られない。
「…千波さん、来週の金曜日の夜ご予定は?
」
『え?えーと、何もないよ、』
「でしたら、ワタシと一緒にお酒を楽しみませんか?
ワタシもお頭のように
好きな女性と一緒に飲みたいのです」
唐突なお誘いと、望んでいた言葉に
頭がついていかなくて、私はただ、何度も頷き
一緒に飲むのは、コニャックが良いなと思ったのだった。
(デュークくんはお酒強いの?)
(あんまり酔いはしませんなぁ)
(いいな〜。私すぐ顔赤くなっちゃって)
(可愛らしいですなぁ)
(可愛くないよ!それにすぐに眠くなっちゃうし。
何度か友達との飲み会で寝ちゃって…)
(今度から、飲み会のときはお迎えに行きます。
必ず行きます。良いですかな?)
(は、はい?)