残業と戦う君へ
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“何時に帰って来はります?“
そんな連絡に気がついたのは
メッセージを受信してから1時間後のことだった。
しまった。
ちゃんとスマホを見るべきだったと後悔する。
今朝、半同棲中の彼氏である寿三郎くんが
ご飯を作って待ってると言ってくれたのに
返事をしないなんて最低だ。
“ごめん、連絡気づかなくて。
あと30分したら会社出るね“
そう連絡すれば即既読になり
“気をつけて帰りんせーね!“
との返信と共に、可愛い犬のスタンプが送られてきた。
寿三郎くんみたいだなぁと思いつつ
私は残り30分で、なんとか残りの仕事を終わらせた。
『ただいま!』
「おっ帰りなさーい!」
ドアを開けると待ってました、と言わんばかりの勢いで
寿三郎くんが駆け寄りガバッと抱きついてきた。
191cmもの身体を受け止めきれずふらついたけど
全身包まれるように抱き締められたので倒れずには済んだ。
『ごめんね、連絡すぐ返さなくて…』
「ええんですよ!お仕事お疲れ様です。
ご飯すぐできるんで座りんせーね」
言われるがまま着替えを済ませてテーブルに座ろうとすると
椅子は出しっぱなしで
私を待っている間に読んでいたのであろう
テニス雑誌はそのまま。
私のただいま、を聞いて
玄関まで急いで来てくれたことが見てとれて
思わずクスッと、笑みがこぼれる。
「あっ!すんません!片付けてへんかった!」
『ううん。気にしないで。寧ろ嬉しいから』
私の嬉しいという言葉に
きょとんとして首を傾げていたかと思えば
今度はハッとしてキッチンへと慌てて戻り
しばらくすると鼻歌が聞こえてくる。
寿三郎くんを見ていると
行動全てを楽しんでいるように見えて
いいなあ、あんな感じで仕事できたらなあと思う。
つい先月、昇進し主任という立場になった。
今までは指示を受けていた側だったのが
指示を出す側となり、悪戦苦闘の毎日だ。
自分の仕事をこなしつつ
部下の状況を見ることは容易ではなく
「主任」としての立ち振舞い方も
これで合っているのか不安になる。
「お待たせしました!けっこう自信作なんでっせ」
ぼーっとしていたら満面の笑顔の寿三郎くんが
トレーにどんぶりを乗せてやって来た。
『わぁ~!美味しそう!』
きちんと三つ葉の乗った親子丼は
卵がつやつやしていて美味しそう。
いただきます、と声を揃えて食べる夕飯は
疲れた身体を癒してくれた。
『何から何まで、全部ありがとう』
「ええんですって。麻衣さん頑張ってはるんですから
家くらいはゆっくりしやらんとね」
食べ終わるとすぐに寿三郎くんはお風呂の準備をしてくれた。
温泉の入浴剤の入ったお風呂からあがると
食器の片付けも済んでいて
おまけに湯冷めしないようにと
ホットミルクまで用意されていた。
『疲れた身体に優しさが染みるよ…』
泣き真似をしつつ大袈裟に言うと
寿三郎くんは両手を広げ見せた。
「麻衣さん、ぎゅってしやる!」
『え?』
戸惑っていると、早くと催促されたので
ホットミルクの入ったマグカップを置いて
彼の胸へと身体を預ける。
「これでもっと染みますやろか」
『何が?優しさ?』
「ぶー。ちゃいます。俺の愛です。
俺の愛は、疲れとか悩みとか不安とかに
効果抜群なんでっせ」
私が話すまで余計なことは聞かない。
彼らしい気づかいに、私は嬉しくなって
寿三郎くんの胸に顔を押し付けた。
『まだ効果がないから、しばらくぎゅってしてて?』
「そないな可愛いこと言わはるんやったら
離して言うても離されぇへんね」
仕事の疲れも、不安もマイナスなことは全部
寿三郎くんがリセットさせてくれる。
自ずと、彼のおかげで自信も少しだけ沸いてきた。
マイナス思考はやめよう。
ポジティブにいこう。
それでまたダメでも、寿三郎くんがいてくれる。
寿三郎くんを思いきり抱き締めながら
私はまた明日からの日々の充電をしたのだった。
そんな連絡に気がついたのは
メッセージを受信してから1時間後のことだった。
しまった。
ちゃんとスマホを見るべきだったと後悔する。
今朝、半同棲中の彼氏である寿三郎くんが
ご飯を作って待ってると言ってくれたのに
返事をしないなんて最低だ。
“ごめん、連絡気づかなくて。
あと30分したら会社出るね“
そう連絡すれば即既読になり
“気をつけて帰りんせーね!“
との返信と共に、可愛い犬のスタンプが送られてきた。
寿三郎くんみたいだなぁと思いつつ
私は残り30分で、なんとか残りの仕事を終わらせた。
『ただいま!』
「おっ帰りなさーい!」
ドアを開けると待ってました、と言わんばかりの勢いで
寿三郎くんが駆け寄りガバッと抱きついてきた。
191cmもの身体を受け止めきれずふらついたけど
全身包まれるように抱き締められたので倒れずには済んだ。
『ごめんね、連絡すぐ返さなくて…』
「ええんですよ!お仕事お疲れ様です。
ご飯すぐできるんで座りんせーね」
言われるがまま着替えを済ませてテーブルに座ろうとすると
椅子は出しっぱなしで
私を待っている間に読んでいたのであろう
テニス雑誌はそのまま。
私のただいま、を聞いて
玄関まで急いで来てくれたことが見てとれて
思わずクスッと、笑みがこぼれる。
「あっ!すんません!片付けてへんかった!」
『ううん。気にしないで。寧ろ嬉しいから』
私の嬉しいという言葉に
きょとんとして首を傾げていたかと思えば
今度はハッとしてキッチンへと慌てて戻り
しばらくすると鼻歌が聞こえてくる。
寿三郎くんを見ていると
行動全てを楽しんでいるように見えて
いいなあ、あんな感じで仕事できたらなあと思う。
つい先月、昇進し主任という立場になった。
今までは指示を受けていた側だったのが
指示を出す側となり、悪戦苦闘の毎日だ。
自分の仕事をこなしつつ
部下の状況を見ることは容易ではなく
「主任」としての立ち振舞い方も
これで合っているのか不安になる。
「お待たせしました!けっこう自信作なんでっせ」
ぼーっとしていたら満面の笑顔の寿三郎くんが
トレーにどんぶりを乗せてやって来た。
『わぁ~!美味しそう!』
きちんと三つ葉の乗った親子丼は
卵がつやつやしていて美味しそう。
いただきます、と声を揃えて食べる夕飯は
疲れた身体を癒してくれた。
『何から何まで、全部ありがとう』
「ええんですって。麻衣さん頑張ってはるんですから
家くらいはゆっくりしやらんとね」
食べ終わるとすぐに寿三郎くんはお風呂の準備をしてくれた。
温泉の入浴剤の入ったお風呂からあがると
食器の片付けも済んでいて
おまけに湯冷めしないようにと
ホットミルクまで用意されていた。
『疲れた身体に優しさが染みるよ…』
泣き真似をしつつ大袈裟に言うと
寿三郎くんは両手を広げ見せた。
「麻衣さん、ぎゅってしやる!」
『え?』
戸惑っていると、早くと催促されたので
ホットミルクの入ったマグカップを置いて
彼の胸へと身体を預ける。
「これでもっと染みますやろか」
『何が?優しさ?』
「ぶー。ちゃいます。俺の愛です。
俺の愛は、疲れとか悩みとか不安とかに
効果抜群なんでっせ」
私が話すまで余計なことは聞かない。
彼らしい気づかいに、私は嬉しくなって
寿三郎くんの胸に顔を押し付けた。
『まだ効果がないから、しばらくぎゅってしてて?』
「そないな可愛いこと言わはるんやったら
離して言うても離されぇへんね」
仕事の疲れも、不安もマイナスなことは全部
寿三郎くんがリセットさせてくれる。
自ずと、彼のおかげで自信も少しだけ沸いてきた。
マイナス思考はやめよう。
ポジティブにいこう。
それでまたダメでも、寿三郎くんがいてくれる。
寿三郎くんを思いきり抱き締めながら
私はまた明日からの日々の充電をしたのだった。
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