残業と戦う君へ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ここまでやればいいか…』
定時はすっかり過ぎ去った金曜日の夜。
世の中、華金だとか
プレミアムフライデーなんて言ってるけど
大手企業ならともかく
地方の中小企業にはそんなこと関係ない。
ちゃんと有給取りなさいと上から言われるものの
休むために残業するという
何とも言えない悪循環にやるせない気持ちになる。
唯一の支えは、今日泊まりに来る彼氏の存在。
“今から帰るね。ごめんね、遅くなって“
バスに乗り込む寸前、そう彼に連絡すると
“お疲れさん。気をつけて帰れし“ と返信があって
家にいるんだなと思うと自然とにやけてしまう。
バスの窓に映る間抜けな顔を見て
なんとか顔を引き締め
コンビニでちょっと良いビールでも買って帰ろうと決めた。
『ただいま~』
「おう。お帰り」
部屋で本を読んでいた竜次は
私の姿を見るとすくっと立って出迎えてくれた。
『ごめんね遅くなって』
「いや、俺こそ勝手に入らせてもらって悪いな」
竜次とゆっくり過ごすために有給を取ったけど
絶対残業することになると思っていたので
先に鍵を渡しておいたのだ。
真面目で几帳面な彼にとって、家主のいない部屋に
勝手に入ること自体抵抗感があるみたいだけど
そういう一面も、好きだなあって思う。
『って、もしかして片付けてくれたの…?』
「あー…まぁ。気になったからよ」
そんなに散らかしてはいないつもりだったけど
彼にとっては気になったのだろう。
よく見たらその辺に置いていた
リモコンやティッシュやらはきちんと並べられ
掃除までしてあるようだ。
彼氏が来るのだから
もう少し綺麗にしておけばよかったと後悔する。
『ご、ごめん…泊まりに来てくれるんだから
もっと掃除しておけばよかった…』
「勝手にやったことだし。
仕事頑張ってんだ。
俺だけ何もしねぇのは気が引けんだよ」
こういう気遣いのできるところが
異性として、一人の人間として私は竜次を尊敬している。
生き方が綺麗というか
一見怖そうだし、ダルそうに見えるのにギャップってずるい。
『竜次大好き~!』
ガバッと抱きつけば、危ねぇし、と言いながらも
しっかりと抱き止めてくれる。
「って、良いもん持ってるじゃねぇか」
『ちょっと良いビール買ってきたの!一緒に飲もうよ!』
「おう。飯温めとくから、着替えてこいや」
『うん!』
大好きな恋人と過ごす週末は
甘くて、優しくて、穏やかで。
いつもの喧騒も慌ただしさも全て忘れて
思いきり、二人の時間を堪能しようと思ったのだった。
定時はすっかり過ぎ去った金曜日の夜。
世の中、華金だとか
プレミアムフライデーなんて言ってるけど
大手企業ならともかく
地方の中小企業にはそんなこと関係ない。
ちゃんと有給取りなさいと上から言われるものの
休むために残業するという
何とも言えない悪循環にやるせない気持ちになる。
唯一の支えは、今日泊まりに来る彼氏の存在。
“今から帰るね。ごめんね、遅くなって“
バスに乗り込む寸前、そう彼に連絡すると
“お疲れさん。気をつけて帰れし“ と返信があって
家にいるんだなと思うと自然とにやけてしまう。
バスの窓に映る間抜けな顔を見て
なんとか顔を引き締め
コンビニでちょっと良いビールでも買って帰ろうと決めた。
『ただいま~』
「おう。お帰り」
部屋で本を読んでいた竜次は
私の姿を見るとすくっと立って出迎えてくれた。
『ごめんね遅くなって』
「いや、俺こそ勝手に入らせてもらって悪いな」
竜次とゆっくり過ごすために有給を取ったけど
絶対残業することになると思っていたので
先に鍵を渡しておいたのだ。
真面目で几帳面な彼にとって、家主のいない部屋に
勝手に入ること自体抵抗感があるみたいだけど
そういう一面も、好きだなあって思う。
『って、もしかして片付けてくれたの…?』
「あー…まぁ。気になったからよ」
そんなに散らかしてはいないつもりだったけど
彼にとっては気になったのだろう。
よく見たらその辺に置いていた
リモコンやティッシュやらはきちんと並べられ
掃除までしてあるようだ。
彼氏が来るのだから
もう少し綺麗にしておけばよかったと後悔する。
『ご、ごめん…泊まりに来てくれるんだから
もっと掃除しておけばよかった…』
「勝手にやったことだし。
仕事頑張ってんだ。
俺だけ何もしねぇのは気が引けんだよ」
こういう気遣いのできるところが
異性として、一人の人間として私は竜次を尊敬している。
生き方が綺麗というか
一見怖そうだし、ダルそうに見えるのにギャップってずるい。
『竜次大好き~!』
ガバッと抱きつけば、危ねぇし、と言いながらも
しっかりと抱き止めてくれる。
「って、良いもん持ってるじゃねぇか」
『ちょっと良いビール買ってきたの!一緒に飲もうよ!』
「おう。飯温めとくから、着替えてこいや」
『うん!』
大好きな恋人と過ごす週末は
甘くて、優しくて、穏やかで。
いつもの喧騒も慌ただしさも全て忘れて
思いきり、二人の時間を堪能しようと思ったのだった。