残業と戦う君へ
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『うわぁ、もうこんな時間…』
時計を見れば、既に就業時間から3時間が経過している。
いい加減帰らねば。
昨日から泊まりに来ている彼氏に
“今から帰るね“と連絡し
正面玄関を出ると頬に水滴が落ちてきた。
夜から降水確率50%と言っていたけど
いつの間にか小雨が降りだしてしまっていて
天気予報を信じなかったことを後悔する。
駅まで歩いて10分。
電車を降りたら家まで歩いて10分。
20分も雨に濡れるのか、とうんざりするけど
もうこの際風邪でもひいて
仕事を一週間くらい休んでやりたい。
そのくらい、投げやりな気持ちになる。
やりたいと言ってはじめた仕事は楽しいけれど
がむしゃらにやってもなかなか成果はでない。
営業職となればやはり男社会で
世の中男女平等なんて言ってるけど女性は不利だ。
契約に結びついたとしても
同僚からは女だから取れたんだろ、と言われるし
逆に契約が取れなかったら女だから嘗められたんだろ
と言われるし、もうどうしたら良いんだと叫びたくなる。
『はぁ…』
とにかく帰ろう、と一歩踏み出した時
私の視界は黒い傘で覆われた。
「お嬢さん、風邪ひくぜ」
『え…なんでここに…』
会社の入口にいたのは私の彼氏、越前リョーガ。
家にいるはずの彼が
彼は微笑みながら私に傘を傾ける。
「傘持って行ってなかっただろ。迎えに来て正解だな」
『わざわざ持ってきて、待っててくれたの?
何時に終わるかわからないのに…』
よく見ればジーンズの裾は色が変わっていて
彼がしばらくの間、外で待っていてくれたことが窺える。
「カッカッカ!えらくしおらしいじゃねえか。
迎えに来たのがそんなに意外か?」
『ま、まあ…らしくない、というか…』
「風邪ひかれたら困るしな。
…それに、好きな女が辛い時、支えるのは当たり前だろ」
私が色々と限界なのが、彼にはもうバレているのだ。
意地っ張りで、素直じゃない私は
甘えることも頼ることも苦手で
いつもこうやって、リョーガがさりげなく支えてくれる。
『……ありが、とう』
溢れた涙は雨だと言い張って
私たちはピッタリと寄り添い、家路へと向かう。
たまには、素直になってみようかな。
そうしたら彼は驚くだろうか。喜ぶだろうか。
熱でもあんのか?と言うだろうか。
そう考えるだけで
自然と笑顔になれている自分がいたのだった。
時計を見れば、既に就業時間から3時間が経過している。
いい加減帰らねば。
昨日から泊まりに来ている彼氏に
“今から帰るね“と連絡し
正面玄関を出ると頬に水滴が落ちてきた。
夜から降水確率50%と言っていたけど
いつの間にか小雨が降りだしてしまっていて
天気予報を信じなかったことを後悔する。
駅まで歩いて10分。
電車を降りたら家まで歩いて10分。
20分も雨に濡れるのか、とうんざりするけど
もうこの際風邪でもひいて
仕事を一週間くらい休んでやりたい。
そのくらい、投げやりな気持ちになる。
やりたいと言ってはじめた仕事は楽しいけれど
がむしゃらにやってもなかなか成果はでない。
営業職となればやはり男社会で
世の中男女平等なんて言ってるけど女性は不利だ。
契約に結びついたとしても
同僚からは女だから取れたんだろ、と言われるし
逆に契約が取れなかったら女だから嘗められたんだろ
と言われるし、もうどうしたら良いんだと叫びたくなる。
『はぁ…』
とにかく帰ろう、と一歩踏み出した時
私の視界は黒い傘で覆われた。
「お嬢さん、風邪ひくぜ」
『え…なんでここに…』
会社の入口にいたのは私の彼氏、越前リョーガ。
家にいるはずの彼が
彼は微笑みながら私に傘を傾ける。
「傘持って行ってなかっただろ。迎えに来て正解だな」
『わざわざ持ってきて、待っててくれたの?
何時に終わるかわからないのに…』
よく見ればジーンズの裾は色が変わっていて
彼がしばらくの間、外で待っていてくれたことが窺える。
「カッカッカ!えらくしおらしいじゃねえか。
迎えに来たのがそんなに意外か?」
『ま、まあ…らしくない、というか…』
「風邪ひかれたら困るしな。
…それに、好きな女が辛い時、支えるのは当たり前だろ」
私が色々と限界なのが、彼にはもうバレているのだ。
意地っ張りで、素直じゃない私は
甘えることも頼ることも苦手で
いつもこうやって、リョーガがさりげなく支えてくれる。
『……ありが、とう』
溢れた涙は雨だと言い張って
私たちはピッタリと寄り添い、家路へと向かう。
たまには、素直になってみようかな。
そうしたら彼は驚くだろうか。喜ぶだろうか。
熱でもあんのか?と言うだろうか。
そう考えるだけで
自然と笑顔になれている自分がいたのだった。