残業と戦う君へ
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“今日はお邪魔しても良いのですかな?“
怒涛の午前中の業務が終わって
ほとんどないような昼休みに彼からの連絡が来た。
恐らく残業になる旨を伝え
合鍵で家に入ってていいよと返信する。
お互い忙しくてたまにしか会えないのだから
なんとかして、今日は早く帰りたい。
と、思っていたのだけど
現実はそうもうまくはいかず、今日も残業コース。
人手不足という理由もあるけど
何より上司が仕事しなさすぎて
そのツケがこちらへと回ってくるのだ。
心の中で悪態をつきながら
とにかく、仕事に集中することにした。
21時になり、やっと帰ることができそうだと
彼に連絡すると
駅まで迎えに来てくれるという。
申し訳ない気持ちはあるのだけど
電車から降りたあと
家までの道のりを一人で歩くのは少し心細いから
素直に甘えることにした。
「麻衣さん、お疲れさまです」
『デュークくん!お疲れさま。お迎えありがとう!』
お日さまみたいに、あったかい彼を見たら
さっきまで心の中でついていた悪態なんて
綺麗さっぱり忘れてしまう。
「お疲れでしょうから鞄を」
『えっ!いいよ!自分の荷物だもん』
「労わせて下さい」
紳士的な笑顔で私の手から鞄を取り
空いた片方の手で私の手を握る。
彼が車道側を歩いてくれて
ゆっくりと、ヒールを履いた私にペースを合わせてくれる。
『デュークくんって、優しさの塊みたいな人だよね 』
「ずいぶんと素敵な表現ですなぁ」
『怒ったりすることあるの?』
2年程付き合ってはいるが
今のところ喧嘩もしたことがないし
何より彼が苛立っているところすら見たことがない。
「怒る、とは少し違いますが
麻衣さんの、仕事をしない上司の方には
少し苛立ちますなぁ」
予想外の答えに思わず彼を見つめる。
「ワタシの大切な女性を困らせるようなことは
誰であろうと、許せません」
『……相手が平等院くんでも?』
「…これは一本取られましたなぁ… 」
照れ臭くて
つい平等院くんと比べるような言い方しちゃったけど彼が本気で言っているってことはわかる。
やっぱり優しいなあと、彼の手をぎゅっと握り返し
いつまでもこの暖かい手に
包まれていたいと思いながら帰路に着いたのだった。
後日、仕事のできない上司とたまたま外出したら
仕事中のデュークくんと遭遇した。
私の反応からその上司がよく会話に登場する
「仕事をしない上司」なのだとわかったのか
彼は上司に近づくと挨拶をし名刺を交換した。
すると上司は名刺を見た途端に顔をひきつらせ
何度も頭を下げていた。
そのあとから不思議と仕事をするようになったし
私に無理やり仕事を投げることはなくなった。
デュークくんに聞いても
「良かったですなぁ」って笑うだけで
よくわからないけど
彼と過ごせる時間が増えたからまあいいや。
怒涛の午前中の業務が終わって
ほとんどないような昼休みに彼からの連絡が来た。
恐らく残業になる旨を伝え
合鍵で家に入ってていいよと返信する。
お互い忙しくてたまにしか会えないのだから
なんとかして、今日は早く帰りたい。
と、思っていたのだけど
現実はそうもうまくはいかず、今日も残業コース。
人手不足という理由もあるけど
何より上司が仕事しなさすぎて
そのツケがこちらへと回ってくるのだ。
心の中で悪態をつきながら
とにかく、仕事に集中することにした。
21時になり、やっと帰ることができそうだと
彼に連絡すると
駅まで迎えに来てくれるという。
申し訳ない気持ちはあるのだけど
電車から降りたあと
家までの道のりを一人で歩くのは少し心細いから
素直に甘えることにした。
「麻衣さん、お疲れさまです」
『デュークくん!お疲れさま。お迎えありがとう!』
お日さまみたいに、あったかい彼を見たら
さっきまで心の中でついていた悪態なんて
綺麗さっぱり忘れてしまう。
「お疲れでしょうから鞄を」
『えっ!いいよ!自分の荷物だもん』
「労わせて下さい」
紳士的な笑顔で私の手から鞄を取り
空いた片方の手で私の手を握る。
彼が車道側を歩いてくれて
ゆっくりと、ヒールを履いた私にペースを合わせてくれる。
『デュークくんって、優しさの塊みたいな人だよね 』
「ずいぶんと素敵な表現ですなぁ」
『怒ったりすることあるの?』
2年程付き合ってはいるが
今のところ喧嘩もしたことがないし
何より彼が苛立っているところすら見たことがない。
「怒る、とは少し違いますが
麻衣さんの、仕事をしない上司の方には
少し苛立ちますなぁ」
予想外の答えに思わず彼を見つめる。
「ワタシの大切な女性を困らせるようなことは
誰であろうと、許せません」
『……相手が平等院くんでも?』
「…これは一本取られましたなぁ… 」
照れ臭くて
つい平等院くんと比べるような言い方しちゃったけど彼が本気で言っているってことはわかる。
やっぱり優しいなあと、彼の手をぎゅっと握り返し
いつまでもこの暖かい手に
包まれていたいと思いながら帰路に着いたのだった。
後日、仕事のできない上司とたまたま外出したら
仕事中のデュークくんと遭遇した。
私の反応からその上司がよく会話に登場する
「仕事をしない上司」なのだとわかったのか
彼は上司に近づくと挨拶をし名刺を交換した。
すると上司は名刺を見た途端に顔をひきつらせ
何度も頭を下げていた。
そのあとから不思議と仕事をするようになったし
私に無理やり仕事を投げることはなくなった。
デュークくんに聞いても
「良かったですなぁ」って笑うだけで
よくわからないけど
彼と過ごせる時間が増えたからまあいいや。