Christmas
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『もう、最悪……』
12月24日、今日はクリスマス。
遠野くんとのクリスマスデートの予定だったのに
こんなときに、私は体調を崩してしまった。
体温計は38℃ちょうど。
喉は痛いし、寒気はするし、立派な風邪だ。
一時間前に体調不良であることを告げてから
既読がついたものの返信がない。
…遠野くん、怒ってるかな。
自室のベッドの上で、ぼーっと天井を眺めていたら
ガチャン、と鍵の開く音がした。
「おい!大丈夫か…!」
『あ…れ?遠野くん…?』
玄関が開くと同時に甲高い声が響き
バタバタと足音をたてて彼が入ってきた。
ご近所の人に迷惑にならないかな、と
うまく回らない頭でぼんやり考えていたら
彼の綺麗な顔が目の前にあった。
「お前、返信くらいしろよなぁ!」
『返信…?』
スマホを見ると、彼からの連絡が未読のまま
数件たまっていた。
“大丈夫か”
“食べたいものはあるか”
“おい”
“今からむかう”
既読がつかないと思っていたら
遠野くんはちゃんと返信をくれていて
私が倒れているのではないかと
心配して走ってきてくれたらしい。
『ごめんね……わざわざ来てくれて…
それと、デート、ごめんなさい…』
遠野くんはなにも言わずにキッチンの方へと向かい
何やら物音が聞こえてきた。
呆れているのかもしれないと不安に思っていたけど
しばらくすると、お皿を持って戻ってきて
私のそばにすとん、と座る。
「ほらよ、りんごすりおろしてやったぜぇ。
これなら食べられるだろ」
『…食べてないって、よくわかったね』
「…顔見りゃわかる。しんどいなら、無理すんな」
遠野くんの優しさが染みてじわっと、涙が溢れた。
「そんなに辛いのかよ」
『ち、違うの…。
クリスマスお出掛けするの楽しみだったのに
行けなくなっちゃったし
遠野くんは優しいし…なんか身に染みて…』
「…好きな女には、優しくすんのがふつーだろ。
クリスマスも俺は別に…一緒に過ごせればそれでいいんだよ」
いつもなら処刑だの、解釈だの言うくせに
こういう時は優しくて、狡い。
私は気持ちが溢れて大好き、と伝えたのだけど
咳き込んでしまって変な声が出た。
噎せながらの愛の告白は
なんだか滑稽になってしまったけど
そんな私を見て、遠野くんが楽しそうに笑っていたから
こういうクリスマスも、良い思い出になりそうだと思った。
(…合鍵、使っちまったじゃねぇか)
(遠野くん、絶対使わないよね。
来るときはチャイム鳴らすし)
(あ?失礼だろ?勝手に使うのは)
(え……?…なんかさ、たまに思うけど
遠野くんってけっこうマナーとかちゃんとしてるよね)
(お前は俺をなんだと思ってんだぁ?)
(そういうの気にしないタイプかと。
私いきなり遠野くんが来ても大丈夫だから
合鍵使っていいんだよ?)
(…使わねぇ)
(意地っ張りだなぁ…)
(一緒に住むまで、使わねぇ)
(えっ…えっ!?)
12月24日、今日はクリスマス。
遠野くんとのクリスマスデートの予定だったのに
こんなときに、私は体調を崩してしまった。
体温計は38℃ちょうど。
喉は痛いし、寒気はするし、立派な風邪だ。
一時間前に体調不良であることを告げてから
既読がついたものの返信がない。
…遠野くん、怒ってるかな。
自室のベッドの上で、ぼーっと天井を眺めていたら
ガチャン、と鍵の開く音がした。
「おい!大丈夫か…!」
『あ…れ?遠野くん…?』
玄関が開くと同時に甲高い声が響き
バタバタと足音をたてて彼が入ってきた。
ご近所の人に迷惑にならないかな、と
うまく回らない頭でぼんやり考えていたら
彼の綺麗な顔が目の前にあった。
「お前、返信くらいしろよなぁ!」
『返信…?』
スマホを見ると、彼からの連絡が未読のまま
数件たまっていた。
“大丈夫か”
“食べたいものはあるか”
“おい”
“今からむかう”
既読がつかないと思っていたら
遠野くんはちゃんと返信をくれていて
私が倒れているのではないかと
心配して走ってきてくれたらしい。
『ごめんね……わざわざ来てくれて…
それと、デート、ごめんなさい…』
遠野くんはなにも言わずにキッチンの方へと向かい
何やら物音が聞こえてきた。
呆れているのかもしれないと不安に思っていたけど
しばらくすると、お皿を持って戻ってきて
私のそばにすとん、と座る。
「ほらよ、りんごすりおろしてやったぜぇ。
これなら食べられるだろ」
『…食べてないって、よくわかったね』
「…顔見りゃわかる。しんどいなら、無理すんな」
遠野くんの優しさが染みてじわっと、涙が溢れた。
「そんなに辛いのかよ」
『ち、違うの…。
クリスマスお出掛けするの楽しみだったのに
行けなくなっちゃったし
遠野くんは優しいし…なんか身に染みて…』
「…好きな女には、優しくすんのがふつーだろ。
クリスマスも俺は別に…一緒に過ごせればそれでいいんだよ」
いつもなら処刑だの、解釈だの言うくせに
こういう時は優しくて、狡い。
私は気持ちが溢れて大好き、と伝えたのだけど
咳き込んでしまって変な声が出た。
噎せながらの愛の告白は
なんだか滑稽になってしまったけど
そんな私を見て、遠野くんが楽しそうに笑っていたから
こういうクリスマスも、良い思い出になりそうだと思った。
(…合鍵、使っちまったじゃねぇか)
(遠野くん、絶対使わないよね。
来るときはチャイム鳴らすし)
(あ?失礼だろ?勝手に使うのは)
(え……?…なんかさ、たまに思うけど
遠野くんってけっこうマナーとかちゃんとしてるよね)
(お前は俺をなんだと思ってんだぁ?)
(そういうの気にしないタイプかと。
私いきなり遠野くんが来ても大丈夫だから
合鍵使っていいんだよ?)
(…使わねぇ)
(意地っ張りだなぁ…)
(一緒に住むまで、使わねぇ)
(えっ…えっ!?)