interview
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芸能人でもある君様こと君島くんは
ユニフォームを着ていても
オーラが違うというか佇まいが違うというか
取材するこちらが
緊張してしまいそうになるほどの雰囲気がある。
平等院くんたちとは違って
私ごとき一般人が取材なんて痴がましい
そんな気さえしてくる。
「どうかされましたか?」
『いや…テレビで見る通りだなと思いまして…』
「本人ですからね」
何アホなことを聞いているのだと自嘲しつつ
笑い方まで上品で完璧な仕草に魅了される。
さてこの取材、おそらくマネージャーのつかない
一対一という非常にレアなシチュエーションだ。
これは良いネタを……と、意気込んだものの
いくつか質問しても流石はプロ。情報が全くブレない。
『仕事とテニスの両立は大変ではないですか?』
「大変ですが、どちらも私にとって糧となるものですから」
お手本のような答えばかりで
なかなか彼の本心は窺えない。
『…ダブルスペアの遠野くんとは普段からも
仲は良いのですか?』
「いいえ。全く」
私の問に対して、被せるようにして即答した君島くんは
苦虫を噛み潰したような顔をした。
あぁ、遠野くんの話なら面白いものが見られそう。
『では、全く性格の異なるお二人ですが
ダブルスを組むに当たって支障はないのでしょうか?』
「支障はありまくりですよ…
彼のプレーはモラルに欠けていますからね。
すぐ暴走しますし、騒ぎますし、叫びますし。
この前だって聞きたくもないのに
好きな処刑執行人ベスト10をいきなり言い出しましてね。
私の優雅なティータイムの邪魔………どうされました?」
『い、いえ……ふふっ…君島くんの素が
やっと見えたなと思って』
遠野くんの話になると今までまとっていた芸能人という
肩書がなくなったかのように
少し表情も崩れ、言葉も砕け
やっと、君島くん本心に触れられた気がした。
「…そういえば、先日私が監修に携わった
化粧水のサンプルを頂きまして。
私のサインとセットで…どうでしょう?」
『コート外でも、交渉するんですね』
「貴女にだけです」
『大丈夫ですよ。記事にはしませんから』
君島くんは、意外だったのだろうか
眼鏡を押さえてじっと、こちらを見ている。
『嫌がることは書きません。
君島くんが大切にしているスターとしての君島育斗を
私が壊すわけにはいきませんから』
「…皆さんが、貴女を絶賛する理由がわかりましたよ。
それぞれ、相手に合わせて話し方も変えて
人の心を難なく掴めるのは一種の才能ですね」
冷静な分析と、さらりと褒められたことに
大人の余裕を感じてドキッとした。
スターとしての顔と、ペアにしか見せない顔と
そして、今私に見せている笑顔。
人の心を掴むのは
やっぱり君島くんのほうが
1枚も2枚もうわ手だと思ったのだった。
(遠野くん、お待たせしました)
(あー?長かったなぁ)
(えぇ。予想以上に有意義な時間でしたもので)
(ふーん。テメェにそこまで言わせるなら
話のわかる女ってことだな!)
(遠野くん…?)
(俺の処刑法の話、たっぷり聞かせちゃうぜ!)
(本当にやめてください)
ユニフォームを着ていても
オーラが違うというか佇まいが違うというか
取材するこちらが
緊張してしまいそうになるほどの雰囲気がある。
平等院くんたちとは違って
私ごとき一般人が取材なんて痴がましい
そんな気さえしてくる。
「どうかされましたか?」
『いや…テレビで見る通りだなと思いまして…』
「本人ですからね」
何アホなことを聞いているのだと自嘲しつつ
笑い方まで上品で完璧な仕草に魅了される。
さてこの取材、おそらくマネージャーのつかない
一対一という非常にレアなシチュエーションだ。
これは良いネタを……と、意気込んだものの
いくつか質問しても流石はプロ。情報が全くブレない。
『仕事とテニスの両立は大変ではないですか?』
「大変ですが、どちらも私にとって糧となるものですから」
お手本のような答えばかりで
なかなか彼の本心は窺えない。
『…ダブルスペアの遠野くんとは普段からも
仲は良いのですか?』
「いいえ。全く」
私の問に対して、被せるようにして即答した君島くんは
苦虫を噛み潰したような顔をした。
あぁ、遠野くんの話なら面白いものが見られそう。
『では、全く性格の異なるお二人ですが
ダブルスを組むに当たって支障はないのでしょうか?』
「支障はありまくりですよ…
彼のプレーはモラルに欠けていますからね。
すぐ暴走しますし、騒ぎますし、叫びますし。
この前だって聞きたくもないのに
好きな処刑執行人ベスト10をいきなり言い出しましてね。
私の優雅なティータイムの邪魔………どうされました?」
『い、いえ……ふふっ…君島くんの素が
やっと見えたなと思って』
遠野くんの話になると今までまとっていた芸能人という
肩書がなくなったかのように
少し表情も崩れ、言葉も砕け
やっと、君島くん本心に触れられた気がした。
「…そういえば、先日私が監修に携わった
化粧水のサンプルを頂きまして。
私のサインとセットで…どうでしょう?」
『コート外でも、交渉するんですね』
「貴女にだけです」
『大丈夫ですよ。記事にはしませんから』
君島くんは、意外だったのだろうか
眼鏡を押さえてじっと、こちらを見ている。
『嫌がることは書きません。
君島くんが大切にしているスターとしての君島育斗を
私が壊すわけにはいきませんから』
「…皆さんが、貴女を絶賛する理由がわかりましたよ。
それぞれ、相手に合わせて話し方も変えて
人の心を難なく掴めるのは一種の才能ですね」
冷静な分析と、さらりと褒められたことに
大人の余裕を感じてドキッとした。
スターとしての顔と、ペアにしか見せない顔と
そして、今私に見せている笑顔。
人の心を掴むのは
やっぱり君島くんのほうが
1枚も2枚もうわ手だと思ったのだった。
(遠野くん、お待たせしました)
(あー?長かったなぁ)
(えぇ。予想以上に有意義な時間でしたもので)
(ふーん。テメェにそこまで言わせるなら
話のわかる女ってことだな!)
(遠野くん…?)
(俺の処刑法の話、たっぷり聞かせちゃうぜ!)
(本当にやめてください)