Summer time
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「かき氷食べたくありません?」
休憩中の寿三郎くんの発言は私にとって
非常に魅力的なものだったのだけど
周りにいた君島くん、越知くん、大曲くんは
あまり乗り気ではなさそうだった。
直接会話に入っていなかった私は
うんうん、食べたいよね、と
相槌を打つこともできずに
ただ、その会話を見送っていた。
かき氷、食べたいなあ。
夏のイベントとして企画してみようかとも思ったけど
この人数ともなれば
準備するものがかなりの量必要になってくる。
と、なれば
ここは寿三郎くんだけを巻き込もう。
彼ならきっと喜んで付き合ってくれるはずだ。
そうと決まれば?私の行動は早く
次の日の夜には全ての準備を終えて寿三郎くんに声を掛けた。
「え?調理場に集合って…なにしやるん?」
大きな目をぱちぱちさせて
きょとん、とした表情の寿三郎くんは
全く何もわかっていないようで
私はそんな彼の腕を引いて調理場へと連れて行く。
『じゃーん!盗み聞きするつもりはなかったんだけど
準備してみました!』
「うわっ!かき氷や…!」
調理場の人に聞いてみたら
かき氷機もシロップも器もあって
自由に使って良いと許可をもらえた。
寿三郎くんは目をキラキラさせていて
喜んでくれているようだ。
『じゃあ一緒に作ろっか!』
「はい!」
事前に作っておいた氷を取り出し
かき氷機にセットする。
ハンドルを回すとシャリシャリと
気持ちの良い音がして削られた氷が器に出てきた。
「おぉ〜!!出てきんさった!」
『早く食べたいねぇ!』
1人分を削り終えると、少し腕が疲れてしまった。
とりあえず先に寿三郎くんに食べてもらおうと思っていたら
次は俺の番でっせ!と交代し、手際よくかき氷を作ってくれた。
「はい!夏美さんはこっち!」
『え?でも……』
ちらりと私の作ったかき氷と
寿三郎くんが作ったものを見比べる。
力が弱かったのか、要領が悪かったのか
私の作った方はなんとなく氷の粒が歪だ。
『寿三郎くんのほうが上手だし
私が作ったやつはやめといたが良いよ』
「俺、夏美さんが作ったのが食べたいし
俺が作ったのを食べてほしいんです。
せやから、交換でっせ」
『じゃ、じゃあ……』
言われるがままかき氷を交換し
好きなシロップを選ぶ。
これだけで、ドキドキ、ワクワクしてすっごく楽しい。
「お祭りんとき、自分で掛けられるやつあるやないですか。
俺あれやるといっつも掛けすぎて失敗しやるんよぉ」
『あ〜わかる。私もついつい掛けすぎちゃうもん』
話しながら慎重にシロップを掛けて
パクっと一口食べると
氷の冷たさと、シロップの甘さが
じーん、と染み渡る。
「うはっ、むっちゃうまい!」
『うん!本当!すっごい美味しいねぇ!』
「えへへ、夏美さんが作ってくれはったからか
今までで一番美味しいでっせ!」
はにかむ寿三郎くんの笑顔が眩しくて
あの時の彼の言葉を聞き逃さなくて
本当に良かったと思った。
かき氷を食べ終えると、二人して後片付けに取り掛かる。
おしゃべりしながらの後片付けも楽しくて
寿三郎くんって、人を楽しくさせる天才なのかもしれない。
「えっ!夏美さん手ぇ冷えてもうてる!」
片付け中、ちょん、と触れた手に彼は驚く。
『あぁ、私冷え性だから夏でも身体が冷えると
すぐ指先冷えちゃうんだよね』
だから大丈夫、と言おうとした瞬間
寿三郎くんの大きな手が、私の手をぎゅっと包んだ。
突然の出来事に頭がついていかず、マヌケな顔で固まる。
「こうすれば、温められますやろか」
寿三郎くんが
いつもの可愛らしい笑顔でいてくれたのならば
私も笑って返せるのに
今の彼は今まで見たことがないくらい
大人っぽい表情をしている。
頷くことしか出来ずにいたら
からかっているのか
しばらく手をにぎにぎと、握られ続けたので
私の手はすぐに温かくなったのだった。
(かき氷ホンマ楽しかったです)
(喜んでもらえて良かった。今度は他の人も誘おうか)
(あー…誘う前に
かき氷だけやなくて二人で他にも色々試しません?)
(色々?)
(スイカ割りとか、流しそうめんとか…
夏野菜カレー作ったり!)
(ふふっ…!食べ物ばっかりだね!)
休憩中の寿三郎くんの発言は私にとって
非常に魅力的なものだったのだけど
周りにいた君島くん、越知くん、大曲くんは
あまり乗り気ではなさそうだった。
直接会話に入っていなかった私は
うんうん、食べたいよね、と
相槌を打つこともできずに
ただ、その会話を見送っていた。
かき氷、食べたいなあ。
夏のイベントとして企画してみようかとも思ったけど
この人数ともなれば
準備するものがかなりの量必要になってくる。
と、なれば
ここは寿三郎くんだけを巻き込もう。
彼ならきっと喜んで付き合ってくれるはずだ。
そうと決まれば?私の行動は早く
次の日の夜には全ての準備を終えて寿三郎くんに声を掛けた。
「え?調理場に集合って…なにしやるん?」
大きな目をぱちぱちさせて
きょとん、とした表情の寿三郎くんは
全く何もわかっていないようで
私はそんな彼の腕を引いて調理場へと連れて行く。
『じゃーん!盗み聞きするつもりはなかったんだけど
準備してみました!』
「うわっ!かき氷や…!」
調理場の人に聞いてみたら
かき氷機もシロップも器もあって
自由に使って良いと許可をもらえた。
寿三郎くんは目をキラキラさせていて
喜んでくれているようだ。
『じゃあ一緒に作ろっか!』
「はい!」
事前に作っておいた氷を取り出し
かき氷機にセットする。
ハンドルを回すとシャリシャリと
気持ちの良い音がして削られた氷が器に出てきた。
「おぉ〜!!出てきんさった!」
『早く食べたいねぇ!』
1人分を削り終えると、少し腕が疲れてしまった。
とりあえず先に寿三郎くんに食べてもらおうと思っていたら
次は俺の番でっせ!と交代し、手際よくかき氷を作ってくれた。
「はい!夏美さんはこっち!」
『え?でも……』
ちらりと私の作ったかき氷と
寿三郎くんが作ったものを見比べる。
力が弱かったのか、要領が悪かったのか
私の作った方はなんとなく氷の粒が歪だ。
『寿三郎くんのほうが上手だし
私が作ったやつはやめといたが良いよ』
「俺、夏美さんが作ったのが食べたいし
俺が作ったのを食べてほしいんです。
せやから、交換でっせ」
『じゃ、じゃあ……』
言われるがままかき氷を交換し
好きなシロップを選ぶ。
これだけで、ドキドキ、ワクワクしてすっごく楽しい。
「お祭りんとき、自分で掛けられるやつあるやないですか。
俺あれやるといっつも掛けすぎて失敗しやるんよぉ」
『あ〜わかる。私もついつい掛けすぎちゃうもん』
話しながら慎重にシロップを掛けて
パクっと一口食べると
氷の冷たさと、シロップの甘さが
じーん、と染み渡る。
「うはっ、むっちゃうまい!」
『うん!本当!すっごい美味しいねぇ!』
「えへへ、夏美さんが作ってくれはったからか
今までで一番美味しいでっせ!」
はにかむ寿三郎くんの笑顔が眩しくて
あの時の彼の言葉を聞き逃さなくて
本当に良かったと思った。
かき氷を食べ終えると、二人して後片付けに取り掛かる。
おしゃべりしながらの後片付けも楽しくて
寿三郎くんって、人を楽しくさせる天才なのかもしれない。
「えっ!夏美さん手ぇ冷えてもうてる!」
片付け中、ちょん、と触れた手に彼は驚く。
『あぁ、私冷え性だから夏でも身体が冷えると
すぐ指先冷えちゃうんだよね』
だから大丈夫、と言おうとした瞬間
寿三郎くんの大きな手が、私の手をぎゅっと包んだ。
突然の出来事に頭がついていかず、マヌケな顔で固まる。
「こうすれば、温められますやろか」
寿三郎くんが
いつもの可愛らしい笑顔でいてくれたのならば
私も笑って返せるのに
今の彼は今まで見たことがないくらい
大人っぽい表情をしている。
頷くことしか出来ずにいたら
からかっているのか
しばらく手をにぎにぎと、握られ続けたので
私の手はすぐに温かくなったのだった。
(かき氷ホンマ楽しかったです)
(喜んでもらえて良かった。今度は他の人も誘おうか)
(あー…誘う前に
かき氷だけやなくて二人で他にも色々試しません?)
(色々?)
(スイカ割りとか、流しそうめんとか…
夏野菜カレー作ったり!)
(ふふっ…!食べ物ばっかりだね!)