Summer time
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『わあ…こんなところがあったんだ』
合宿所の山の中を歩いていたら
偶然見つけた小さな滝のある清流。
木々のおかげで陽射しは和らぎ
そよそよと、気持ちの良い風が吹いている。
梅雨があけると一気に夏らしくなり
毎日暑い日が続いているけれど
合宿所は山間にあるから
こうやって山の中、木々の中にいるとかなり涼しい。
ぼんやり滝を眺めていたのだけど
徐々にうずうずしてきた。
『足くらい、いいかな……水遊びしても』
余りには誰もいないし、ちょっとは遊びたい。
なかなか合宿中できないことだし
私は誰もいないことを確かめたあと
いそいそと靴を脱いで、川の中に入ってみた。
予想以上に冷たくて、気持ちが良い。
本当は滝の近くまで行ってみたいけど
途中深くなっていたら危ないし、と考えていたら
ガサッと足音がした。
「お前……何をしている」
『あ、平等院!』
最悪だ。
1番見られたくない相手というか
1番怒られそうな人に見つかった。
平等院は腕を組んで仁王立ち状態。
『いや、その…気持ちよさそうな場所を見つけてつい…』
「………」
無言の圧がすごい。
子供っぽいことをするなと怒られるのだろうかと
びくびくしていたら
クイッと顎で“あがってこい”と指示された。
この人絶対将来亭主関白になるタイプだ。
心のなかで悪態をつきながら
しぶしぶ川から上がろうと一歩踏み出した瞬間
泥濘んだ場所に足をついてしまった。
『やばっ…!』
しまったと思ったときには既に身体は
後ろに向きに滑ってしまい、痛みに備えていたら
バシャッと音がして腰をぐいっと引き寄せられた。
「お前は馬鹿か」
平等院が、助けてくれた。
「滑ることくらい想定できただろうが。
お前が怪我をしたら誰がマネージャーの仕事をする」
『ご、ごめんなさい…』
浅はかだったと反省していると
平等院の腕に力がこもった。
その力の強さでハッとしたのだけど
私は今、平等院に抱き締められている状態だ。
誰もいない、水音しかしないこの場所で
誰よりも男らしい彼に、私は身体を預けている。
ドクン、と心臓が跳ねる。
私の身体が強張ったのを感じたのか
フッ、と彼が笑った気がした。
「…ゆっくり水からあがれ。手を離すな」
『う、うん。ありがとう』
身体は離されたが、今度は大きな手が私の手を包む。
力強いけど私が痛くないように
配慮して握ってくれているのがわかる。
無事に川から上がって私は彼に向かって頭を下げた。
『おかげで怪我せずにすみました。ありがとう。
それと、ごめんなさい』
「フンッ…。ガキみたいなことしやがって」
『合宿所では、はしゃげないものでつい…』
高校3年なのだから、中学生の彼らの前では
一応お姉さんらしく振る舞っている。
だからこそ誰もいないこういう場を見ると
ちょっと遊びたくなってしまうのだ。
「帰るぞ」
『えっ、ちょ、ちょっと!』
平等院は私の手を引いて歩き出した。
大丈夫だと言っても
お前は危なっかしい、とぴしゃりと言われて
ただただそのまま身を任せることにした。
自分が濡れるのも厭わず助けてくれたし
突き離さずにいてくれたし
この手の温もりがなんだか愛おしくて
私は自分の鼓動が、速くなるを感じたのだった。
(平等院、いつまで手握ってるの…?)
(嫌か?)
(い、嫌ではないけど…)
(フッ…ならいい)
(なによ、他の子にこんなことしたら
セクハラって言われかねないからね!)
(お前以外にはせん)
(えっ…)
(俺が誰にでもこんなことをすると思うか?)
(お、思いません…)
(なら黙ってろ)
合宿所の山の中を歩いていたら
偶然見つけた小さな滝のある清流。
木々のおかげで陽射しは和らぎ
そよそよと、気持ちの良い風が吹いている。
梅雨があけると一気に夏らしくなり
毎日暑い日が続いているけれど
合宿所は山間にあるから
こうやって山の中、木々の中にいるとかなり涼しい。
ぼんやり滝を眺めていたのだけど
徐々にうずうずしてきた。
『足くらい、いいかな……水遊びしても』
余りには誰もいないし、ちょっとは遊びたい。
なかなか合宿中できないことだし
私は誰もいないことを確かめたあと
いそいそと靴を脱いで、川の中に入ってみた。
予想以上に冷たくて、気持ちが良い。
本当は滝の近くまで行ってみたいけど
途中深くなっていたら危ないし、と考えていたら
ガサッと足音がした。
「お前……何をしている」
『あ、平等院!』
最悪だ。
1番見られたくない相手というか
1番怒られそうな人に見つかった。
平等院は腕を組んで仁王立ち状態。
『いや、その…気持ちよさそうな場所を見つけてつい…』
「………」
無言の圧がすごい。
子供っぽいことをするなと怒られるのだろうかと
びくびくしていたら
クイッと顎で“あがってこい”と指示された。
この人絶対将来亭主関白になるタイプだ。
心のなかで悪態をつきながら
しぶしぶ川から上がろうと一歩踏み出した瞬間
泥濘んだ場所に足をついてしまった。
『やばっ…!』
しまったと思ったときには既に身体は
後ろに向きに滑ってしまい、痛みに備えていたら
バシャッと音がして腰をぐいっと引き寄せられた。
「お前は馬鹿か」
平等院が、助けてくれた。
「滑ることくらい想定できただろうが。
お前が怪我をしたら誰がマネージャーの仕事をする」
『ご、ごめんなさい…』
浅はかだったと反省していると
平等院の腕に力がこもった。
その力の強さでハッとしたのだけど
私は今、平等院に抱き締められている状態だ。
誰もいない、水音しかしないこの場所で
誰よりも男らしい彼に、私は身体を預けている。
ドクン、と心臓が跳ねる。
私の身体が強張ったのを感じたのか
フッ、と彼が笑った気がした。
「…ゆっくり水からあがれ。手を離すな」
『う、うん。ありがとう』
身体は離されたが、今度は大きな手が私の手を包む。
力強いけど私が痛くないように
配慮して握ってくれているのがわかる。
無事に川から上がって私は彼に向かって頭を下げた。
『おかげで怪我せずにすみました。ありがとう。
それと、ごめんなさい』
「フンッ…。ガキみたいなことしやがって」
『合宿所では、はしゃげないものでつい…』
高校3年なのだから、中学生の彼らの前では
一応お姉さんらしく振る舞っている。
だからこそ誰もいないこういう場を見ると
ちょっと遊びたくなってしまうのだ。
「帰るぞ」
『えっ、ちょ、ちょっと!』
平等院は私の手を引いて歩き出した。
大丈夫だと言っても
お前は危なっかしい、とぴしゃりと言われて
ただただそのまま身を任せることにした。
自分が濡れるのも厭わず助けてくれたし
突き離さずにいてくれたし
この手の温もりがなんだか愛おしくて
私は自分の鼓動が、速くなるを感じたのだった。
(平等院、いつまで手握ってるの…?)
(嫌か?)
(い、嫌ではないけど…)
(フッ…ならいい)
(なによ、他の子にこんなことしたら
セクハラって言われかねないからね!)
(お前以外にはせん)
(えっ…)
(俺が誰にでもこんなことをすると思うか?)
(お、思いません…)
(なら黙ってろ)