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「ここ一面花になるんけ?ええね!
春になったら綺麗に咲くんやろなあ。今からが楽しみやねえ」
ふいに外から聞こえてきた
春の訪れを待つ楽しげな声に、思わず手が止まった。
男子生徒にしては
なんとも風情のある会話をしているようで
どんな人が話しているのか気になった。
私のクラスは2階にあるのだけど
窓際に座る私の席からは
たまに今みたいに外の会話が聞こえてくる。
会話が聞こえても、ほとんど気にはならないのだけれど
今回は、なぜかその声の主に惹かれてしまった。
ガタッと席を立って窓の外を覗き込む。
一体どんな人が、と思って見てみるも
そこにはもう誰もいなかった。
あるのは、手入れのされた花壇だけ。
どんな人なんだろう。
明るい感じから歳下のようにも聞こえたけど
声質的には歳上のようにも聞こえた。
語尾の「〜け」は独特な口調なのか方言なのかもわからないけど
イントネーションも変わっていたから
方言なのかもしれない。
方言といえば、うちのクラスにも
変わった話し方をする人がいることを思い出した。
『仁王くん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど』
「ん?なんじゃ?」
テニス部の仁王くんは
どこの出身なのかわからないけど
独特な話し方をする少しミステリアスな男の子だ。
話してみると案外気さくであっさりとしているから
私は彼と話すのはけっこう好きだったりする。
『この学校に変わった話し方をする人って他にもいるかな?』
「他にもって、言い方が気になるんじゃが」
『変わった話し方をする人、知ってる?』
「…真田以外思いつかんが
そーゆーのは参謀のほうが詳しいのう」
私の聞き方が気に食わなかったのか
ちょっと不服そうな表情をしている仁王くんは
猫のように見える。
真田くんでないことは明確だから
仁王くんに聞いてもこれ以上情報はなさそうだ。
柳くんとは去年同じクラスだったし
今度聞いてみようかな。
「お前さん何が気になっとるんじゃ」
『んーとね、ある声の主を探しているの』
意味わからん、と言いたげな目をされたけど
私は誰かわからない人探しが
少し楽しくなってきたのだった。
それからしばらくは
違うクラスの前を通るときは
教室から聞こえる声に耳を傾けてみたり
廊下での生徒同士の話し声に意識を向けてみたりして
声の主を探してみたけれど一向に見つからなかった。
もしかして、先生?とも思ったのだけれど
片っ端から先生に挨拶してみたけど
それらしい声の主はいなかった。
探し始めて既に一ヶ月が過ぎ
そろそろ柳くんに頼ろうかと思っていた矢先
廊下でバッタリ柳くんに出くわした。
『あ、柳くん。久しぶり』
「あぁ、高崎か。話すのは久しいな」
『クラス離れたもんね〜。
あのね、柳くんに聞きたいことがあるんだけど』
「ふむ。変わった話し方をする人物を探していると?」
なんでわかったの!?と言いそうになったけど
きっと仁王くんから聞いたのだろう。
柳くんは淡々と数人の名前を教えてくれて
さすが参謀、といいたいところだけど
テニスのデータと全く関係ないから
何故把握しているのかツッコミたくもなる。
「ちなみにどこで聞いたんだ?」
『うちのクラスの近くの花壇かな。
教室にいたら聞こえてきたの。
花が咲くのが楽しみだって会話が…』
そこまで話して気がついた。
花といえば、幸村くんだ。
彼に聞いてみたらわかるのではないだろうか。
「ほう。その状況から大方誰かは推測できた。
恐らくお前が聞いたのは…」
『あー!ちょっと待って!』
私の声に不思議そうな顔をする柳くん。
『やっぱり自力で見つけたくて。
探して回ってる時間も楽しいし
今もしかしたらわかるかもって糸口を思いついたんだ。
だから自分で探したい』
ごめんね、と言うと柳くんは静かに笑った。
「一つ聞きたいのだが
どうしてお前はその声の主がそんなにも気になるんだ?」
どうしてと言われても仕方がないよね、と自嘲する。
たった少しの会話で何が気になっているのか
普通は何も思わないことかもしれない。
だけど、私にはあの会話を聞いて
穏やかで優しくて、心がパッと明るくなるような感じがした。
今から花が咲くのが楽しみって
そんな言葉がすんなりと出てくるような人って
きっと素敵な人なのだろうと思ったら
会ってみたくなったのだ。
柳くんは私の話を聞いてフッと笑って頷いた。
あの様子だと、きっと正体が誰かわかっているのだろう。
柳くんと別れたあと、私は幸村くんに会いに花壇へと向かった。
柳くん曰く今日は部活が休みらしいので
恐らくあの花壇にいるだろうとのことだ。
もしかしたら、声の主がわかるかもしれないと思うと
ドキドキして胸がくすぐられるような感じがした。
花壇に着くと、柳くんの予想通り
幸村くんがしゃがんで花の様子を眺めていた。
あまり話したことがないので、少し緊張しつつ話しかけてみたら
柔らかい笑顔を浮かべて話を聞いてくれた。
柳くんが先回りして趣旨を伝えてくれていたみたいで
さすがだなって思った。
「高崎さんが、誰を探しているのかわかったよ」
『え、ほんと?』
「ああ。きっともうすぐ…」
「幸村!手伝う言うたのに遅れてすまん!」
元気な、明るい声がして
ああ、あの声の人だってすぐにわかった。
振り向いて見てみたら
私よりはるかに身長が高くて、だけど威圧感はなく
にこにこと楽しげな笑顔を浮かべた人がいた。
「お、幸村の友達?」
『あ……えっと…』
友達と言っていいのかと悩んでいたら
幸村くんが友達ですよ、と答えてくれた。
空気を読んでくれただけかもしれないけど
友達って言ってもらえて少し嬉しい。
「今日は彼女も手伝ってくれることになっているんです。
あ、そうだ。二人にさっそく頼みたいことがあるんですが…」
そう言って、幸村くんは私達に鍵を渡した。
ー用具室に必要な道具を入れた紙袋を忘れてしまって。
良かったら取ってきてもらえませんか?ー
幸村くんはそう言っていたけど
きっと、私が話せるようにとの配慮のことだろう。
だけど、いざ本人を前にしたら緊張して
何を話したら良いかわからなくなってしまった。
どうしよう、いきなり二人で肩を並べて歩くのは
ハードル高すぎるよ幸村くん。
「あ!自己紹介、してへんかったなあ。
俺、毛利寿三郎言います」
『わ、私は高崎なずなです』
唐突な自己紹介がなんだか面白くなって
二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
毛利先輩は高校1年生で
中学の頃からテニス部に所属しているらしい。
家庭菜園が趣味らしくたまに幸村くんと
肥料や最近植えた花、野菜の話をしたりしながら
花壇の手入れを手伝っていると話してくれた。
「高崎さんも花とか好きなん?」
『えっ、あ…私は…』
嫌いではないけど、特別好きではない。
だけどここでそう言ってしまえば
じゃあなんで手伝いなんかしてたんだって話だ。
あなたを探してたなんて
気味悪がられそうで言えないし
なんて答えたら良いのか考えていたら
毛利先輩は、あ!と口元を押さえた。
「俺、むっちゃ空気読めん奴やんけ!
気ぃきかんですまん!荷物取って行ったらすぐ退散しやるから」
『えっ!?どういう意味ですか?』
なんだか、盛大な勘違いをされている気がする。
「幸村のこと、好きなんやろ?」
『違いますよ!』
「えっ、でも言いにくそうにしてはったから
そうなんかと思ったんやけど…」
『私は、毛利先輩に会いたかったからあそこにいたんです!』
思い切って言ってしまったものの
毛利先輩は驚いているようで何の反応もない。
とにかく話をちゃんと言わないと
気持ちの悪い奴だと思われかねないと思い
私は毛利先輩に会いたかった理由を矢継ぎ早に話した。
「あの時の会話、聞こえてたんやねえ。
何気なく言ったことなんやけど
それで俺のこと探してくれてたんや。
えへへ、なんか照れるわ」
『…気持ち悪くないんですか?』
「え!?気持ち悪くなんてないでっせ!
俺の言葉に共感してくれたってことやろうし
ちょっとした会話で好感持たえるんは嬉しいことやんけ」
あっけらかんと笑う毛利先輩は
明るくて、楽しくて、やっぱり先輩の周りは
パッと明るくなるような感じがした。
それからは花壇に戻るまでの間
部活のこと、授業のこと、家庭菜園のこと
色んな話をすることができて
初対面とは思えないほど話し込んでしまった。
「ちなみに俺は想像通りの人やった?」
『想像していたよりも、ずっと素敵で…かっこいい人でした』
照れたように笑う姿に、目が惹き寄せられた。
聞こえてきた何気ない会話から既に
私の小さな恋は始まっていたのだろう。
声から紡がれた小さな恋が
これからきっとはじまる。
そんな予感がして毛利先輩を見上げたら
彼は目を細めて、優しく笑ってくれたのだった。
(なあ、幸村。もう高崎さんは手伝い来やらんの?)
(あのときはたまたまだったのですが…呼びましょうか?)
(え!?いや、呼ぶってまでせぇへんでもええんやけど…)
(けど?)
(また話せたらええなあって思って。ええ子やったし)
(毛利先輩、高崎さんのこと気に入ったんですね)
(気に入ったっていうか、話してて合うっていうかその〜)
(お似合いだと思いますよ)
(えっ、ホンマ?…いや、ちゃうって!ちゃうんやって!)
春になったら綺麗に咲くんやろなあ。今からが楽しみやねえ」
ふいに外から聞こえてきた
春の訪れを待つ楽しげな声に、思わず手が止まった。
男子生徒にしては
なんとも風情のある会話をしているようで
どんな人が話しているのか気になった。
私のクラスは2階にあるのだけど
窓際に座る私の席からは
たまに今みたいに外の会話が聞こえてくる。
会話が聞こえても、ほとんど気にはならないのだけれど
今回は、なぜかその声の主に惹かれてしまった。
ガタッと席を立って窓の外を覗き込む。
一体どんな人が、と思って見てみるも
そこにはもう誰もいなかった。
あるのは、手入れのされた花壇だけ。
どんな人なんだろう。
明るい感じから歳下のようにも聞こえたけど
声質的には歳上のようにも聞こえた。
語尾の「〜け」は独特な口調なのか方言なのかもわからないけど
イントネーションも変わっていたから
方言なのかもしれない。
方言といえば、うちのクラスにも
変わった話し方をする人がいることを思い出した。
『仁王くん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど』
「ん?なんじゃ?」
テニス部の仁王くんは
どこの出身なのかわからないけど
独特な話し方をする少しミステリアスな男の子だ。
話してみると案外気さくであっさりとしているから
私は彼と話すのはけっこう好きだったりする。
『この学校に変わった話し方をする人って他にもいるかな?』
「他にもって、言い方が気になるんじゃが」
『変わった話し方をする人、知ってる?』
「…真田以外思いつかんが
そーゆーのは参謀のほうが詳しいのう」
私の聞き方が気に食わなかったのか
ちょっと不服そうな表情をしている仁王くんは
猫のように見える。
真田くんでないことは明確だから
仁王くんに聞いてもこれ以上情報はなさそうだ。
柳くんとは去年同じクラスだったし
今度聞いてみようかな。
「お前さん何が気になっとるんじゃ」
『んーとね、ある声の主を探しているの』
意味わからん、と言いたげな目をされたけど
私は誰かわからない人探しが
少し楽しくなってきたのだった。
それからしばらくは
違うクラスの前を通るときは
教室から聞こえる声に耳を傾けてみたり
廊下での生徒同士の話し声に意識を向けてみたりして
声の主を探してみたけれど一向に見つからなかった。
もしかして、先生?とも思ったのだけれど
片っ端から先生に挨拶してみたけど
それらしい声の主はいなかった。
探し始めて既に一ヶ月が過ぎ
そろそろ柳くんに頼ろうかと思っていた矢先
廊下でバッタリ柳くんに出くわした。
『あ、柳くん。久しぶり』
「あぁ、高崎か。話すのは久しいな」
『クラス離れたもんね〜。
あのね、柳くんに聞きたいことがあるんだけど』
「ふむ。変わった話し方をする人物を探していると?」
なんでわかったの!?と言いそうになったけど
きっと仁王くんから聞いたのだろう。
柳くんは淡々と数人の名前を教えてくれて
さすが参謀、といいたいところだけど
テニスのデータと全く関係ないから
何故把握しているのかツッコミたくもなる。
「ちなみにどこで聞いたんだ?」
『うちのクラスの近くの花壇かな。
教室にいたら聞こえてきたの。
花が咲くのが楽しみだって会話が…』
そこまで話して気がついた。
花といえば、幸村くんだ。
彼に聞いてみたらわかるのではないだろうか。
「ほう。その状況から大方誰かは推測できた。
恐らくお前が聞いたのは…」
『あー!ちょっと待って!』
私の声に不思議そうな顔をする柳くん。
『やっぱり自力で見つけたくて。
探して回ってる時間も楽しいし
今もしかしたらわかるかもって糸口を思いついたんだ。
だから自分で探したい』
ごめんね、と言うと柳くんは静かに笑った。
「一つ聞きたいのだが
どうしてお前はその声の主がそんなにも気になるんだ?」
どうしてと言われても仕方がないよね、と自嘲する。
たった少しの会話で何が気になっているのか
普通は何も思わないことかもしれない。
だけど、私にはあの会話を聞いて
穏やかで優しくて、心がパッと明るくなるような感じがした。
今から花が咲くのが楽しみって
そんな言葉がすんなりと出てくるような人って
きっと素敵な人なのだろうと思ったら
会ってみたくなったのだ。
柳くんは私の話を聞いてフッと笑って頷いた。
あの様子だと、きっと正体が誰かわかっているのだろう。
柳くんと別れたあと、私は幸村くんに会いに花壇へと向かった。
柳くん曰く今日は部活が休みらしいので
恐らくあの花壇にいるだろうとのことだ。
もしかしたら、声の主がわかるかもしれないと思うと
ドキドキして胸がくすぐられるような感じがした。
花壇に着くと、柳くんの予想通り
幸村くんがしゃがんで花の様子を眺めていた。
あまり話したことがないので、少し緊張しつつ話しかけてみたら
柔らかい笑顔を浮かべて話を聞いてくれた。
柳くんが先回りして趣旨を伝えてくれていたみたいで
さすがだなって思った。
「高崎さんが、誰を探しているのかわかったよ」
『え、ほんと?』
「ああ。きっともうすぐ…」
「幸村!手伝う言うたのに遅れてすまん!」
元気な、明るい声がして
ああ、あの声の人だってすぐにわかった。
振り向いて見てみたら
私よりはるかに身長が高くて、だけど威圧感はなく
にこにこと楽しげな笑顔を浮かべた人がいた。
「お、幸村の友達?」
『あ……えっと…』
友達と言っていいのかと悩んでいたら
幸村くんが友達ですよ、と答えてくれた。
空気を読んでくれただけかもしれないけど
友達って言ってもらえて少し嬉しい。
「今日は彼女も手伝ってくれることになっているんです。
あ、そうだ。二人にさっそく頼みたいことがあるんですが…」
そう言って、幸村くんは私達に鍵を渡した。
ー用具室に必要な道具を入れた紙袋を忘れてしまって。
良かったら取ってきてもらえませんか?ー
幸村くんはそう言っていたけど
きっと、私が話せるようにとの配慮のことだろう。
だけど、いざ本人を前にしたら緊張して
何を話したら良いかわからなくなってしまった。
どうしよう、いきなり二人で肩を並べて歩くのは
ハードル高すぎるよ幸村くん。
「あ!自己紹介、してへんかったなあ。
俺、毛利寿三郎言います」
『わ、私は高崎なずなです』
唐突な自己紹介がなんだか面白くなって
二人で顔を見合わせて笑ってしまった。
毛利先輩は高校1年生で
中学の頃からテニス部に所属しているらしい。
家庭菜園が趣味らしくたまに幸村くんと
肥料や最近植えた花、野菜の話をしたりしながら
花壇の手入れを手伝っていると話してくれた。
「高崎さんも花とか好きなん?」
『えっ、あ…私は…』
嫌いではないけど、特別好きではない。
だけどここでそう言ってしまえば
じゃあなんで手伝いなんかしてたんだって話だ。
あなたを探してたなんて
気味悪がられそうで言えないし
なんて答えたら良いのか考えていたら
毛利先輩は、あ!と口元を押さえた。
「俺、むっちゃ空気読めん奴やんけ!
気ぃきかんですまん!荷物取って行ったらすぐ退散しやるから」
『えっ!?どういう意味ですか?』
なんだか、盛大な勘違いをされている気がする。
「幸村のこと、好きなんやろ?」
『違いますよ!』
「えっ、でも言いにくそうにしてはったから
そうなんかと思ったんやけど…」
『私は、毛利先輩に会いたかったからあそこにいたんです!』
思い切って言ってしまったものの
毛利先輩は驚いているようで何の反応もない。
とにかく話をちゃんと言わないと
気持ちの悪い奴だと思われかねないと思い
私は毛利先輩に会いたかった理由を矢継ぎ早に話した。
「あの時の会話、聞こえてたんやねえ。
何気なく言ったことなんやけど
それで俺のこと探してくれてたんや。
えへへ、なんか照れるわ」
『…気持ち悪くないんですか?』
「え!?気持ち悪くなんてないでっせ!
俺の言葉に共感してくれたってことやろうし
ちょっとした会話で好感持たえるんは嬉しいことやんけ」
あっけらかんと笑う毛利先輩は
明るくて、楽しくて、やっぱり先輩の周りは
パッと明るくなるような感じがした。
それからは花壇に戻るまでの間
部活のこと、授業のこと、家庭菜園のこと
色んな話をすることができて
初対面とは思えないほど話し込んでしまった。
「ちなみに俺は想像通りの人やった?」
『想像していたよりも、ずっと素敵で…かっこいい人でした』
照れたように笑う姿に、目が惹き寄せられた。
聞こえてきた何気ない会話から既に
私の小さな恋は始まっていたのだろう。
声から紡がれた小さな恋が
これからきっとはじまる。
そんな予感がして毛利先輩を見上げたら
彼は目を細めて、優しく笑ってくれたのだった。
(なあ、幸村。もう高崎さんは手伝い来やらんの?)
(あのときはたまたまだったのですが…呼びましょうか?)
(え!?いや、呼ぶってまでせぇへんでもええんやけど…)
(けど?)
(また話せたらええなあって思って。ええ子やったし)
(毛利先輩、高崎さんのこと気に入ったんですね)
(気に入ったっていうか、話してて合うっていうかその〜)
(お似合いだと思いますよ)
(えっ、ホンマ?…いや、ちゃうって!ちゃうんやって!)