カプセルトイ
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『うぅ〜あと1回……』
学校近くのショッピングモールの一角
私は座り込んであるものとにらめっこをしていた。
既に4回もやったというのに、お目当てのものが来てくれない。
財布の残金を見て今後の予定を思い返し
ここまでで辞めておいたほうが良いのでは?
だけどどうせあと1回の400円なんて
日々のお菓子を我慢すれば問題ないんじゃないの?
と、先程からうだうだ頭を悩ませていた。
「あれ?穂波さんやんけ」
『え!?も、毛利くん!?』
最悪なところを見られてしまった。
部活の後輩である毛利くんにバッチリ見られてしまった。
カプセルトイに奮闘している姿なんて
子供っぽいところを見られて最悪だ。
「あっ!それ、昔アニメやってたやつですやん!」
『えっ……?知ってるの?』
「知ってるも何も見てましたもん」
見てましたって、これ女の子向けのアニメなんだけど
毛利くんこういうの見るんだってちょっと意外に思えた。
まあでも確かこの番組の前か後に
男の子向けのアニメが放送されていたから
当時どっちも見る人も多かったしおかしくはないか。
『私もこのアニメ見ててすごく好きでね。
これ見つけたらついハマっちゃって…』
「確か魔法使いの見習いになって
街の平和を守る、みたいな話でしたっけ?」
『そうそう!それでその時に使ってた魔法道具のチャームなの!』
「それは欲しなりますね!姉も好きやったんですよお〜」
姉、と言われてなるほどと納得した。
姉弟で見ていたのかなと思うとほのぼのした気持ちになり
きっとお姉さんも身長が高くてモデルさんの様なんだろうと
勝手に想像してしまった。
そんな子供っぽいもの、と言われるかと思ってたから
毛利くんがにこにこと笑って
相槌を打ってくれるのがすごく嬉しい。
カプセルトイは全部で6種類。
今まで4回やって奇跡的に被りはないけど
一番欲しいのが全然出ていない状態であることを彼に話すと
よーし、と毛利くんは腕まくりをした。
「俺がしやる!」
『えっ!?いいよ!』
「ええから!俺けっこう運あるほうなんでっせ!」
毛利くんは財布から小銭を取り出すと
意気込んでカプセルトイの前に座り込んだ。
190cmもの彼が真剣に機械の中を
覗き込む姿はなんだか可愛らしく見える。
「穂波さん、隣に座りんせーね!」
『うん。じゃあ…』
毛利くんがおいでと手招きし、私の手を引いた。
彼の手につられて隣に座ったものの
予想以上に近い距離にドキドキする。
毛利くんはそんなこと気にもとめていないようで
目の前しか見ていないけど私は内心パニック状態だ。
カプセルトイの前に仲良く2人並んで座る…
恋人同士に、見えたりしないだろうか。
「よし!ほんなら、いきまっせ!」
『あ、う、うん!毛利くん、がんばれ!』
大きな手が、小さなハンドルを握る。
お金を入れると勢い良く回し
ガコン、とカプセルが出てきた音がした。
毛利くんは取り出し口を手で隠し
中身が分からないようにカプセルを手で包んで
私の前に差し出す。
「せーので、見ましょ!」
『わかった、じゃあ…』
「『せーの!』」
パッと開かれた手には、ピンク色のカプセル。
『えっ!?ほ、ほんとに!?毛利くん!!これっ!』
「やった!!ホンマに来やった!!」
毛利くんは本当に強運の持ち主なのか
私が欲しいといっていた
魔法のステッキのチャームを見事に引き当ててくれた。
ピースサインで満面の笑みを浮かべる毛利くんは
はい、と私の手にチャームを乗せてくれた。
『わあ……かわいいっ!クオリティすごい!
毛利くんほら見て…って、わっ!』
毛利くんによく見せようとした瞬間
抱え膝状態で座っていたせいで私はバランスを崩した。
後ろに尻もちをつく感じに倒れれば良かったのに
勢い余って毛利くんに向かって倒れてしまい
私を受け止めた反動で毛利くんのほうが後ろに倒れてしまった。
今の状態は、彼の脚の間に挟まって
逞しい胸板にしがみついている体勢。
『ご、ごめんね…!?すぐどけるからっ!!』
黙って固まっている毛利くんに申し訳なくて
すぐさま彼の側から離れて立つ。
密着していた感触がなかなか拭えず
私の頬も身体も熱くて仕方がない。
ふと毛利くんを見れば、彼は黙ったままで
ポカンと口を開けて顔を真っ赤にしていた。
『も、毛利くん…?ごめんね…?
嫌だったよね、って怪我とかしてない?』
「えっ!?い、嫌とかそんなんちゃいまっせ!?
寧ろラッキーで…って、いや、待ってちゃうんです…!」
毛利くんは慌てて口を噤んだり
顔を隠したりと
赤くなったり、困ったように眉を下げたりと
コロコロと表情が変わっている。
『ふふっ、私のせいだよね。ごめん』
「…ごめんって言う割に笑ってますやん」
『毛利くんが可愛くてつい』
はい、としゃがんだ彼が立ち上がりやすいようにと
手を差し伸べる。
ぐっ、と握られた手の大きさに一瞬ドキリとして
立ち上がった毛利くんは私を見下ろした。
いくら笑顔や表情が可愛らしくても
大きな手と、大きく逞しい身体は、立派な男性。
「…可愛いんは、穂波さんのほうでっせ」
ぽそりと呟かれた言葉は
聞こえるか聞こえないか微妙なライン。
可愛い、と聞こえたような気がしたけど
聞き間違いだったときが恥ずかしいので
このまま黙っておくことにして、私は話題を変えた。
『これ、本当にありがとうね。今度何かお礼するから!
あ、今でも良いよ!何か奢ろうか?』
「お礼は……せやね。ほんなら、手、貸してください」
なんだろうと思いつつも、彼に手を差し出すと
大きくて温かい手で包まれた。
「手ぇ繋いで、一緒に帰りましょ。家まで送ります」
『えっ、えっ!?このまま?』
「このままでっせ。
これが“お礼”やから手ぇ離したらアカンよ」
にかっと笑う笑顔はいつものようの明るいのだけど
優しい瞳は大人びていて
可愛らしさなんて、全くなかった。
可愛い、は失言だったと思い知らされ
私は彼の温もりに翻弄されるしかなかった。
「照れてます?」
『そりゃ、照れるよ、こんなの…』
「あはは!カプセルトイとにらめっこしてはる姿も
嬉しくてはしゃぐ姿も
やっぱ、穂波さんは可愛いでっせ」
毛利くんがどんな表情をして言ったのかは
見ることができなかった。
見てしまったら、きっと私は彼に恋をしてしまう。
ドキドキする胸を抑えつつ
毛利くんの温もりは
手のひらから胸の奥まで、広がっていく気がしたのだった。
(そういえばあのシリーズ他にもコラボとかしてますよね)
(え!そうなの?)
(コンビニのお菓子買ったら
クリアファイルもらえるとかあるらしいでっせ)
(コンビニ行かなきゃっ…)
(せや、明日コンビニ巡りしましょ!)
(え?いいの?そんなのに付き合わせちゃって…)
(穂波さんと一緒やったら何しても楽しいんで。
うし、明日はコンビニデートやね。決まり!)
(デート…うぅ、さっきから心臓に悪い…)
学校近くのショッピングモールの一角
私は座り込んであるものとにらめっこをしていた。
既に4回もやったというのに、お目当てのものが来てくれない。
財布の残金を見て今後の予定を思い返し
ここまでで辞めておいたほうが良いのでは?
だけどどうせあと1回の400円なんて
日々のお菓子を我慢すれば問題ないんじゃないの?
と、先程からうだうだ頭を悩ませていた。
「あれ?穂波さんやんけ」
『え!?も、毛利くん!?』
最悪なところを見られてしまった。
部活の後輩である毛利くんにバッチリ見られてしまった。
カプセルトイに奮闘している姿なんて
子供っぽいところを見られて最悪だ。
「あっ!それ、昔アニメやってたやつですやん!」
『えっ……?知ってるの?』
「知ってるも何も見てましたもん」
見てましたって、これ女の子向けのアニメなんだけど
毛利くんこういうの見るんだってちょっと意外に思えた。
まあでも確かこの番組の前か後に
男の子向けのアニメが放送されていたから
当時どっちも見る人も多かったしおかしくはないか。
『私もこのアニメ見ててすごく好きでね。
これ見つけたらついハマっちゃって…』
「確か魔法使いの見習いになって
街の平和を守る、みたいな話でしたっけ?」
『そうそう!それでその時に使ってた魔法道具のチャームなの!』
「それは欲しなりますね!姉も好きやったんですよお〜」
姉、と言われてなるほどと納得した。
姉弟で見ていたのかなと思うとほのぼのした気持ちになり
きっとお姉さんも身長が高くてモデルさんの様なんだろうと
勝手に想像してしまった。
そんな子供っぽいもの、と言われるかと思ってたから
毛利くんがにこにこと笑って
相槌を打ってくれるのがすごく嬉しい。
カプセルトイは全部で6種類。
今まで4回やって奇跡的に被りはないけど
一番欲しいのが全然出ていない状態であることを彼に話すと
よーし、と毛利くんは腕まくりをした。
「俺がしやる!」
『えっ!?いいよ!』
「ええから!俺けっこう運あるほうなんでっせ!」
毛利くんは財布から小銭を取り出すと
意気込んでカプセルトイの前に座り込んだ。
190cmもの彼が真剣に機械の中を
覗き込む姿はなんだか可愛らしく見える。
「穂波さん、隣に座りんせーね!」
『うん。じゃあ…』
毛利くんがおいでと手招きし、私の手を引いた。
彼の手につられて隣に座ったものの
予想以上に近い距離にドキドキする。
毛利くんはそんなこと気にもとめていないようで
目の前しか見ていないけど私は内心パニック状態だ。
カプセルトイの前に仲良く2人並んで座る…
恋人同士に、見えたりしないだろうか。
「よし!ほんなら、いきまっせ!」
『あ、う、うん!毛利くん、がんばれ!』
大きな手が、小さなハンドルを握る。
お金を入れると勢い良く回し
ガコン、とカプセルが出てきた音がした。
毛利くんは取り出し口を手で隠し
中身が分からないようにカプセルを手で包んで
私の前に差し出す。
「せーので、見ましょ!」
『わかった、じゃあ…』
「『せーの!』」
パッと開かれた手には、ピンク色のカプセル。
『えっ!?ほ、ほんとに!?毛利くん!!これっ!』
「やった!!ホンマに来やった!!」
毛利くんは本当に強運の持ち主なのか
私が欲しいといっていた
魔法のステッキのチャームを見事に引き当ててくれた。
ピースサインで満面の笑みを浮かべる毛利くんは
はい、と私の手にチャームを乗せてくれた。
『わあ……かわいいっ!クオリティすごい!
毛利くんほら見て…って、わっ!』
毛利くんによく見せようとした瞬間
抱え膝状態で座っていたせいで私はバランスを崩した。
後ろに尻もちをつく感じに倒れれば良かったのに
勢い余って毛利くんに向かって倒れてしまい
私を受け止めた反動で毛利くんのほうが後ろに倒れてしまった。
今の状態は、彼の脚の間に挟まって
逞しい胸板にしがみついている体勢。
『ご、ごめんね…!?すぐどけるからっ!!』
黙って固まっている毛利くんに申し訳なくて
すぐさま彼の側から離れて立つ。
密着していた感触がなかなか拭えず
私の頬も身体も熱くて仕方がない。
ふと毛利くんを見れば、彼は黙ったままで
ポカンと口を開けて顔を真っ赤にしていた。
『も、毛利くん…?ごめんね…?
嫌だったよね、って怪我とかしてない?』
「えっ!?い、嫌とかそんなんちゃいまっせ!?
寧ろラッキーで…って、いや、待ってちゃうんです…!」
毛利くんは慌てて口を噤んだり
顔を隠したりと
赤くなったり、困ったように眉を下げたりと
コロコロと表情が変わっている。
『ふふっ、私のせいだよね。ごめん』
「…ごめんって言う割に笑ってますやん」
『毛利くんが可愛くてつい』
はい、としゃがんだ彼が立ち上がりやすいようにと
手を差し伸べる。
ぐっ、と握られた手の大きさに一瞬ドキリとして
立ち上がった毛利くんは私を見下ろした。
いくら笑顔や表情が可愛らしくても
大きな手と、大きく逞しい身体は、立派な男性。
「…可愛いんは、穂波さんのほうでっせ」
ぽそりと呟かれた言葉は
聞こえるか聞こえないか微妙なライン。
可愛い、と聞こえたような気がしたけど
聞き間違いだったときが恥ずかしいので
このまま黙っておくことにして、私は話題を変えた。
『これ、本当にありがとうね。今度何かお礼するから!
あ、今でも良いよ!何か奢ろうか?』
「お礼は……せやね。ほんなら、手、貸してください」
なんだろうと思いつつも、彼に手を差し出すと
大きくて温かい手で包まれた。
「手ぇ繋いで、一緒に帰りましょ。家まで送ります」
『えっ、えっ!?このまま?』
「このままでっせ。
これが“お礼”やから手ぇ離したらアカンよ」
にかっと笑う笑顔はいつものようの明るいのだけど
優しい瞳は大人びていて
可愛らしさなんて、全くなかった。
可愛い、は失言だったと思い知らされ
私は彼の温もりに翻弄されるしかなかった。
「照れてます?」
『そりゃ、照れるよ、こんなの…』
「あはは!カプセルトイとにらめっこしてはる姿も
嬉しくてはしゃぐ姿も
やっぱ、穂波さんは可愛いでっせ」
毛利くんがどんな表情をして言ったのかは
見ることができなかった。
見てしまったら、きっと私は彼に恋をしてしまう。
ドキドキする胸を抑えつつ
毛利くんの温もりは
手のひらから胸の奥まで、広がっていく気がしたのだった。
(そういえばあのシリーズ他にもコラボとかしてますよね)
(え!そうなの?)
(コンビニのお菓子買ったら
クリアファイルもらえるとかあるらしいでっせ)
(コンビニ行かなきゃっ…)
(せや、明日コンビニ巡りしましょ!)
(え?いいの?そんなのに付き合わせちゃって…)
(穂波さんと一緒やったら何しても楽しいんで。
うし、明日はコンビニデートやね。決まり!)
(デート…うぅ、さっきから心臓に悪い…)