毛利くんと私(中編作品)
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バレンタインなんて、今まで全く縁がなかった。
というか友達や弟にあげるだけだったので
好きな人、彼氏にあげることなんて人生初。
数日前でから、何を作るか頭を悩ませていた。
寿三郎くん本人も、バレンタインを意識しているのか
数日前からそわそわしている。
これは、リクエストを聞いたがいいのかな?
それとも当日のお楽しみ?
そもそもバレンタインの話に触れるべきかどうか…
どうしようか一人問答していたら
気になって仕方がなかったのか
寿三郎くんにおずおずと尋ねられた。
どうやら彼も聞いて良いものか悩んでいたようで
私も同じように悩んでいたと話したら
これからは何でも気になったことは
話そうねと二人で約束した。
ちょっとしたことでも、こうやっていると
二人で歩んでる感じがして、なんだか嬉しい。
『手作りするつもりだけど、何かリクエストはある?』
「手作りしてくれるん!?やった!」
たまにお弁当を作って渡しているのだけど
寿三郎くんはいつも美味しいって完食してくれるから
作りがいがある。
お菓子作りはあまりしないけど
バレンタインのために色々勉強はしているので
何をリクエストされてもきっと大丈夫、なはず。
「リクエストもええんですけど…当日楽しみにしたいから
チョイスは千里さんに任せます!」
嫌いなもんはないんで大丈夫でっせ!と言われたものの
これはまたしばらく頭を悩ませることになりそう。
そして当日。
ハート型のチョコにするわけにもいかず
トリュフ、クッキー、マフィン、色々考えた結果
一応、納得いくものを作ることができた。
学校指定の鞄以外に、この日に荷物を持っていたら
きっとバレンタインのチョコだと、からかわれそうだけど
寿三郎くんの喜ぶ顔を想像したら
友人たちにからかわれようがなんてことはない。
そう能天気に考えていたのだけど
私は、私の彼氏がいかに人気者であるかを
目の当たりにしてしまって、尻込みしてしまった。
『随分もらったんだね・・・』
「すんません・・・いや、ですよね?」
放課後待ち合わせをした彼の手には紙袋。
もちろん、嫌に決まっている。
だけどここで嫌だと伝えたら、心の狭いやつと
思われないだろうか。
「千里さん、約束覚えとります?」
《気になったことは何でも話そうね》
『…私の好きになった人が、人気者なのは嬉しいけど
やっぱり・・・ヤキモチ、妬いちゃう』
「ヤキモチ妬かせてもうて、すんません!
せやけど、…えへへ。
ヤキモチ妬いてくれるん、嬉しいですやん」
顔にやけて戻らへん~って言ってる彼を見ていたら
なんでも話して良かったと思った。
「それで、その~」
『はい。どうぞ。味見したから大丈夫だとは思うけど・・・』
寿三郎くんはまるで宝箱を開けるかのように
ラッピングを解いていく。
「わ!いちごのタルトケーキですやん!すごっ!」
何を作るか悩んでいた時
クリスマスのことを思い出した。
ケーキを食べさせあったの
恥ずかしかったけど、嬉しかったなと
思い出に浸っていたら作ってあげたくなったのだ。
ちゃんと、その場で食べられるように切って来たので
食べてもいいよと声を掛けると
彼はスマホを取り出して、パシャリ、と写真を撮ってから
いただきます、と手を合わせた。
「うわ!めっちゃうまいです!
なんですのこれ、プロ級ですやん!
わっ、しかもイチゴの下、チョコやんけ!すごっ!」
『クリスマスのね、ケーキを参考にしたの。
私がイチゴのタルトで寿三郎くんがチョコケーキだったから』
「…貰えたのもめちゃくちゃ嬉しいんですけど
千里さんが俺のこと考えながら
作ってくれはったことが、一番、嬉しいです。
千里さん、めっちゃ好き」
照れながらも笑って
私を喜ばせる言葉を紡いでくれた寿三郎くんだったけど
口の横にはチョコが付いていて
完全に格好がつかないところも愛おしいと思った。
というか友達や弟にあげるだけだったので
好きな人、彼氏にあげることなんて人生初。
数日前でから、何を作るか頭を悩ませていた。
寿三郎くん本人も、バレンタインを意識しているのか
数日前からそわそわしている。
これは、リクエストを聞いたがいいのかな?
それとも当日のお楽しみ?
そもそもバレンタインの話に触れるべきかどうか…
どうしようか一人問答していたら
気になって仕方がなかったのか
寿三郎くんにおずおずと尋ねられた。
どうやら彼も聞いて良いものか悩んでいたようで
私も同じように悩んでいたと話したら
これからは何でも気になったことは
話そうねと二人で約束した。
ちょっとしたことでも、こうやっていると
二人で歩んでる感じがして、なんだか嬉しい。
『手作りするつもりだけど、何かリクエストはある?』
「手作りしてくれるん!?やった!」
たまにお弁当を作って渡しているのだけど
寿三郎くんはいつも美味しいって完食してくれるから
作りがいがある。
お菓子作りはあまりしないけど
バレンタインのために色々勉強はしているので
何をリクエストされてもきっと大丈夫、なはず。
「リクエストもええんですけど…当日楽しみにしたいから
チョイスは千里さんに任せます!」
嫌いなもんはないんで大丈夫でっせ!と言われたものの
これはまたしばらく頭を悩ませることになりそう。
そして当日。
ハート型のチョコにするわけにもいかず
トリュフ、クッキー、マフィン、色々考えた結果
一応、納得いくものを作ることができた。
学校指定の鞄以外に、この日に荷物を持っていたら
きっとバレンタインのチョコだと、からかわれそうだけど
寿三郎くんの喜ぶ顔を想像したら
友人たちにからかわれようがなんてことはない。
そう能天気に考えていたのだけど
私は、私の彼氏がいかに人気者であるかを
目の当たりにしてしまって、尻込みしてしまった。
『随分もらったんだね・・・』
「すんません・・・いや、ですよね?」
放課後待ち合わせをした彼の手には紙袋。
もちろん、嫌に決まっている。
だけどここで嫌だと伝えたら、心の狭いやつと
思われないだろうか。
「千里さん、約束覚えとります?」
《気になったことは何でも話そうね》
『…私の好きになった人が、人気者なのは嬉しいけど
やっぱり・・・ヤキモチ、妬いちゃう』
「ヤキモチ妬かせてもうて、すんません!
せやけど、…えへへ。
ヤキモチ妬いてくれるん、嬉しいですやん」
顔にやけて戻らへん~って言ってる彼を見ていたら
なんでも話して良かったと思った。
「それで、その~」
『はい。どうぞ。味見したから大丈夫だとは思うけど・・・』
寿三郎くんはまるで宝箱を開けるかのように
ラッピングを解いていく。
「わ!いちごのタルトケーキですやん!すごっ!」
何を作るか悩んでいた時
クリスマスのことを思い出した。
ケーキを食べさせあったの
恥ずかしかったけど、嬉しかったなと
思い出に浸っていたら作ってあげたくなったのだ。
ちゃんと、その場で食べられるように切って来たので
食べてもいいよと声を掛けると
彼はスマホを取り出して、パシャリ、と写真を撮ってから
いただきます、と手を合わせた。
「うわ!めっちゃうまいです!
なんですのこれ、プロ級ですやん!
わっ、しかもイチゴの下、チョコやんけ!すごっ!」
『クリスマスのね、ケーキを参考にしたの。
私がイチゴのタルトで寿三郎くんがチョコケーキだったから』
「…貰えたのもめちゃくちゃ嬉しいんですけど
千里さんが俺のこと考えながら
作ってくれはったことが、一番、嬉しいです。
千里さん、めっちゃ好き」
照れながらも笑って
私を喜ばせる言葉を紡いでくれた寿三郎くんだったけど
口の横にはチョコが付いていて
完全に格好がつかないところも愛おしいと思った。