毛利くんと私(中編作品)
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冬休みが空けると
待ってましたと言わんばかりに、友人達に取り囲まれた。
どうやら、クリスマスデートと
初詣デートどちらとも目撃されていたらしい。
なぜそんなに見られたのかと不思議だったけど
寿三郎くんの身長が、恐ろしく目立つことを忘れていた。
とにかく質問責めで
はぐらかすこともできず、素直に答えるしかなかった。
『と、いうことがあって…疲れたよ…』
昼休み、寿三郎くんと
お弁当を食べる約束をしていたので
逃げるように教室から出て、中庭までやって来た。
走ってやって来た私に彼は驚いていたけど
理由を話すと、ふにゃっと笑う。
「実は俺も質問責めに合ってもうて。
やっと付き合うことになったんかーって…」
『やっと?』
「あっ!しもた!…えっと、その~…」
寿三郎くんは両手で口許を押さえながら
ちらりとこちらを見てくる。
”聞かへんでね”って視線を感じるけど
ここは聞きたい話な気がする。
『やっとって、どういう意味?』
「その~……あっ!その卵焼き美味しそうですやん!」
『あげるよ、はい。あーん』
ぱあっと、効果音でも着きそうなくらい
明るい笑顔で卵焼きを頬張り
むっちや美味しい!とはしゃぐ寿三郎くん。
『はい。食べたから話してね』
「うはっ、やられた……」
ちょっと意地悪だったかな、とは思ったけど
もじもじしている寿三郎くんが可愛い。
「俺が千里さんのこと好きって
すぐ友達にはバレてもうて相談とかしよったんです。
せやから、やっとかー!って喜んでくれはって」
寿三郎くんのことだから
きっとたくさんの友達に囲まれてそう。
素敵な友達だねって言ったら
千里さんのお友達も素敵な人ばかりですやん
と言われて
寿三郎くんのこういう素直な表現が
好きだなあって感じた。
他愛のない会話をしていたら
昼休みなんてあっという間で残り10分。
早く食べなきゃ、と思っていたら
寿三郎くんがじっと私のお弁当を見ている。
『足りなかったの?食べる?』
「足りひんって言うか
千里さんのお弁当ええなあって…」
『明日作ってこようか?』
「ええですの!?ホンマに!?」
そこまで喜んでもらえるとは思わず
万歳している彼を見て愛しさが込み上げてくる。
そう言えば、まだ仲良くなりはじめの頃
売店で会ったときに
お弁当食べてみたいと、さらりと言われたことを思い出した。
あの時の私に言ってあげたい。
恋人になって
彼にお弁当作ることになるんだよと。
待ってましたと言わんばかりに、友人達に取り囲まれた。
どうやら、クリスマスデートと
初詣デートどちらとも目撃されていたらしい。
なぜそんなに見られたのかと不思議だったけど
寿三郎くんの身長が、恐ろしく目立つことを忘れていた。
とにかく質問責めで
はぐらかすこともできず、素直に答えるしかなかった。
『と、いうことがあって…疲れたよ…』
昼休み、寿三郎くんと
お弁当を食べる約束をしていたので
逃げるように教室から出て、中庭までやって来た。
走ってやって来た私に彼は驚いていたけど
理由を話すと、ふにゃっと笑う。
「実は俺も質問責めに合ってもうて。
やっと付き合うことになったんかーって…」
『やっと?』
「あっ!しもた!…えっと、その~…」
寿三郎くんは両手で口許を押さえながら
ちらりとこちらを見てくる。
”聞かへんでね”って視線を感じるけど
ここは聞きたい話な気がする。
『やっとって、どういう意味?』
「その~……あっ!その卵焼き美味しそうですやん!」
『あげるよ、はい。あーん』
ぱあっと、効果音でも着きそうなくらい
明るい笑顔で卵焼きを頬張り
むっちや美味しい!とはしゃぐ寿三郎くん。
『はい。食べたから話してね』
「うはっ、やられた……」
ちょっと意地悪だったかな、とは思ったけど
もじもじしている寿三郎くんが可愛い。
「俺が千里さんのこと好きって
すぐ友達にはバレてもうて相談とかしよったんです。
せやから、やっとかー!って喜んでくれはって」
寿三郎くんのことだから
きっとたくさんの友達に囲まれてそう。
素敵な友達だねって言ったら
千里さんのお友達も素敵な人ばかりですやん
と言われて
寿三郎くんのこういう素直な表現が
好きだなあって感じた。
他愛のない会話をしていたら
昼休みなんてあっという間で残り10分。
早く食べなきゃ、と思っていたら
寿三郎くんがじっと私のお弁当を見ている。
『足りなかったの?食べる?』
「足りひんって言うか
千里さんのお弁当ええなあって…」
『明日作ってこようか?』
「ええですの!?ホンマに!?」
そこまで喜んでもらえるとは思わず
万歳している彼を見て愛しさが込み上げてくる。
そう言えば、まだ仲良くなりはじめの頃
売店で会ったときに
お弁当食べてみたいと、さらりと言われたことを思い出した。
あの時の私に言ってあげたい。
恋人になって
彼にお弁当作ることになるんだよと。