毛利くんと私(中編作品)
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『明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします』
「こちらこそ!明けましておめでとうございます!」
1月3日。
待ち合わせして早々に新年の挨拶を交わす。
寿三郎くんから
今年もっていうかずっとよろしく、やね
なんて今年も純粋な気持ちをストレートにぶつけられて
早くもドキドキしてしまっている。
今年も寿三郎くんのペースになりそう。
まず向かったのはあの夏祭りが行われた神社。
境内で手を合わせている間にふと
昨日のことのように半年前のことが甦る。
あの時は、寿三郎くんへの気持ちに戸惑いつつも
一緒にいたくて手を握ってしまったり
初めて聞く低くてちょっとだけ威圧感のある声に驚いたり…。
まだお付き合いには至ってなかった。
今また同じ場所にいるけど
あの時とは違って堂々と、彼の隣にいられる。
今年も一年無事に過ごせるように、それと
まだお付き合いし始めたばかりだけど
この先も、彼とずっと一緒にいたいと願う。
「千里さん、随分長くお参りしてましたね」
『お参りだけじゃなくて、色々思い出しちゃってたの』
「夏祭りのことですやろか?」
うん、と頷くと
寿三郎くんは少しだけ居心地悪そうにしている。
「…あん時、俺千里さんのクラスメートの人に
ヤキモチ妬いてもうて。
ホンマは浴衣姿見るんも、花火見ようって誘うんも
一番先にしたかったんです」
『そうだったんだ…ヤキモチ、妬いてくれたんだね。
ごめん……ふふっ、嬉しい』
「う~。千里さんが嬉しいんなら結果オーライですけど
もう妬かせるようなことしたらダメでっせ」
いつも明るく笑顔の彼が
ヤキモチを妬いてくれただなんてちょっとだけ優越感。
寿三郎くんが
俺ばっかりヤキモチやきって悔しい~と嘆いていたけど
実は私だって、あの日、初めてテニス部の練習を見に行った日
寿三郎くんに何か渡していた女の子に
ヤキモチ妬いていたのだからおあいこだ。
…まだ本人には、この話は内緒にしておこう。
神社を出てからは
近くのショッピングモールへと移動して
お互い誕生日のプレゼントを探すことにした。
欲しいものはあるかと聞かれたので
ちょっと恥ずかしいけど
お揃いが欲しいと口にすると
寿三郎くんは何度も大きく頷いて「賛成!」と叫んだ。
体格の大きな彼が、大きな声をあげれば
それはもう目立ってしまい、二人してしばらく笑っていた。
「せやけどお揃いって何にするか悩みますね」
確かにその通り。
身に付ける物、いつも使う物がいいけど
マフラーとかだと冬限定になっちゃうし洋服も難しい。
「ア、アクセサリーとかはどうですやろ?」
『校則違反になっちゃうよ?
それにテニスするとき邪魔になっちゃう』
「せ、せやね…」
少しだけしょぼんとしている寿三郎くんが気になったけど
テニスと自分で言ってから、あ、と閃いた。
『はい!寿三郎くん、お誕生日おめでとう』
「えへへ。千里さんもお誕生日おめでとう」
お互い買った物を渡し合う。
私達が選んだお揃いは水筒。
なんとも味気も色気もない物だと思われそうだけど
これなら校則違反にならないし、部活でも使えるし
授業中に机の上に置いてても大丈夫。
ちょっと変わったデザインで色ちがいを選んだ。
「ホンマにこれでよかったんです?」
『うん!これがいいの!』
お茶を飲むときって
喉が渇いたときだけじゃなくて
ホッとしたいときや
よし頑張ろうって思うときに飲むことが多い。
そういう時に
寿三郎くんが傍にいる感覚が味わえたら良いなと思って
水筒にしたのだ。
「でもこれなら授業中も、部活中も
お揃いや~って幸せな気持ちになれますね」
『うん!それに学生らしいお揃いでしょ』
寿三郎くんはせやね、と笑ったあと
耳元で
「お揃いこれからたっくさん増やしましょね」と、囁いた。
急な距離の近さにドキドキして
やっぱり今年もやられっぱなしの
1年になる気がしたのだった。
今年もよろしくお願いします』
「こちらこそ!明けましておめでとうございます!」
1月3日。
待ち合わせして早々に新年の挨拶を交わす。
寿三郎くんから
今年もっていうかずっとよろしく、やね
なんて今年も純粋な気持ちをストレートにぶつけられて
早くもドキドキしてしまっている。
今年も寿三郎くんのペースになりそう。
まず向かったのはあの夏祭りが行われた神社。
境内で手を合わせている間にふと
昨日のことのように半年前のことが甦る。
あの時は、寿三郎くんへの気持ちに戸惑いつつも
一緒にいたくて手を握ってしまったり
初めて聞く低くてちょっとだけ威圧感のある声に驚いたり…。
まだお付き合いには至ってなかった。
今また同じ場所にいるけど
あの時とは違って堂々と、彼の隣にいられる。
今年も一年無事に過ごせるように、それと
まだお付き合いし始めたばかりだけど
この先も、彼とずっと一緒にいたいと願う。
「千里さん、随分長くお参りしてましたね」
『お参りだけじゃなくて、色々思い出しちゃってたの』
「夏祭りのことですやろか?」
うん、と頷くと
寿三郎くんは少しだけ居心地悪そうにしている。
「…あん時、俺千里さんのクラスメートの人に
ヤキモチ妬いてもうて。
ホンマは浴衣姿見るんも、花火見ようって誘うんも
一番先にしたかったんです」
『そうだったんだ…ヤキモチ、妬いてくれたんだね。
ごめん……ふふっ、嬉しい』
「う~。千里さんが嬉しいんなら結果オーライですけど
もう妬かせるようなことしたらダメでっせ」
いつも明るく笑顔の彼が
ヤキモチを妬いてくれただなんてちょっとだけ優越感。
寿三郎くんが
俺ばっかりヤキモチやきって悔しい~と嘆いていたけど
実は私だって、あの日、初めてテニス部の練習を見に行った日
寿三郎くんに何か渡していた女の子に
ヤキモチ妬いていたのだからおあいこだ。
…まだ本人には、この話は内緒にしておこう。
神社を出てからは
近くのショッピングモールへと移動して
お互い誕生日のプレゼントを探すことにした。
欲しいものはあるかと聞かれたので
ちょっと恥ずかしいけど
お揃いが欲しいと口にすると
寿三郎くんは何度も大きく頷いて「賛成!」と叫んだ。
体格の大きな彼が、大きな声をあげれば
それはもう目立ってしまい、二人してしばらく笑っていた。
「せやけどお揃いって何にするか悩みますね」
確かにその通り。
身に付ける物、いつも使う物がいいけど
マフラーとかだと冬限定になっちゃうし洋服も難しい。
「ア、アクセサリーとかはどうですやろ?」
『校則違反になっちゃうよ?
それにテニスするとき邪魔になっちゃう』
「せ、せやね…」
少しだけしょぼんとしている寿三郎くんが気になったけど
テニスと自分で言ってから、あ、と閃いた。
『はい!寿三郎くん、お誕生日おめでとう』
「えへへ。千里さんもお誕生日おめでとう」
お互い買った物を渡し合う。
私達が選んだお揃いは水筒。
なんとも味気も色気もない物だと思われそうだけど
これなら校則違反にならないし、部活でも使えるし
授業中に机の上に置いてても大丈夫。
ちょっと変わったデザインで色ちがいを選んだ。
「ホンマにこれでよかったんです?」
『うん!これがいいの!』
お茶を飲むときって
喉が渇いたときだけじゃなくて
ホッとしたいときや
よし頑張ろうって思うときに飲むことが多い。
そういう時に
寿三郎くんが傍にいる感覚が味わえたら良いなと思って
水筒にしたのだ。
「でもこれなら授業中も、部活中も
お揃いや~って幸せな気持ちになれますね」
『うん!それに学生らしいお揃いでしょ』
寿三郎くんはせやね、と笑ったあと
耳元で
「お揃いこれからたっくさん増やしましょね」と、囁いた。
急な距離の近さにドキドキして
やっぱり今年もやられっぱなしの
1年になる気がしたのだった。