毛利くんと私(中編作品)
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『寒い……』
12月中旬になり、世間はクリスマスムード。
近所の家も可愛らしい電飾が施されていて
見ているだけで暖かい気持ちになる。
なるけど、やっぱり寒い。
今朝は強烈な寒波により雪となり
平地でも5cmくらい積もっていて
サク、サクと、一歩踏み出すたびに
雪が音をたてて踏み固められていく。
学校までの道のりが遠く長く感じるけど
それは雪のせいか、一人で歩いているからだろうか。
文化祭のあとくらいに、学校付近で不審者が出た。
噂では捕まったと聞いたけど
それからも度々不審者の目撃情報があったので
学校からは注意喚起があり
なるべく一人で帰らないようにとも言われる始末。
それがあってから
私は寿三郎くんと一緒に帰ることが増えた。
といっても、彼は部活があるから毎日ではないけど
部活がない日は、送ってくれるようになったのだ。
《気持ちは嬉しいけど、申し訳ないよ》
〈ええんですって。不審者多いし心配ですやん〉
《子供じゃないんだし、大丈夫だよ。それに家反対方向だし…》
〈…一緒に帰りたいんやけど、迷惑です?〉
《迷惑じゃないよ…でも…》
〈一緒に、おりたいっていうのもあるんで
俺のわがままやと思ってください〉
優しい寿三郎くんに、私は甘えすぎなのではないだろうか。
はぁっと息を吐いて、息が白くなるなぁなんて思っていたら
公園の前に、寿三郎くんがいた。
『え?寿三郎くん?』
「あ!千里さん!おはようございます!」
『お、おはよう…ってなんでここに?』
「朝練あるて思うて家出たら
やっぱり雪で中止やって途中で連絡来てもうて…
学校行くんも早いし、ほなら千里さん迎えに行こ!
って思うたんですけど…」
話ながら、彼は途中でしゅんとし始めた。
伺うような表情から、なんとなく読み取れる。
『迷惑じゃないよ。ありがとう』
「よかった!
勢いよくここまで来たんですけど
俺ストーカーみたいやんけって思って」
『最近いつも一緒にいるから
一人で歩くの寂しいなって思ってたところだったの。
だから嬉しい。ありがとう』
「…千里さんも、寂しいって思うてくれたんやね」
寿三郎くんに言われて
すんなり言葉にしたことに、我ながら驚いた。
なんだか、本当に甘えすぎでは…?
悶々としていたら顔に出ていたのか
寿三郎くんが吹き出して
あれこれ小難しく考えるんはやめんせーね、と笑われた。
私が寿三郎くんの考えがわかるように
私の考えは彼に筒抜けなようだ。
「あ、せやった。
千里さん来週の土曜日予定空けてて欲しいんですけど」
予定ありますか、ではなく
空けてて欲しいは珍しい。
『うん。大丈夫だよ』
「ほなら、デートしましょ。
行き先は当日のお楽しみでっせ」
あとになって
その日がクリスマス当日だと気がついた。
プレゼントとか、どうしたら良いものか
その日から私は頭を悩ませることになったのだった。
12月中旬になり、世間はクリスマスムード。
近所の家も可愛らしい電飾が施されていて
見ているだけで暖かい気持ちになる。
なるけど、やっぱり寒い。
今朝は強烈な寒波により雪となり
平地でも5cmくらい積もっていて
サク、サクと、一歩踏み出すたびに
雪が音をたてて踏み固められていく。
学校までの道のりが遠く長く感じるけど
それは雪のせいか、一人で歩いているからだろうか。
文化祭のあとくらいに、学校付近で不審者が出た。
噂では捕まったと聞いたけど
それからも度々不審者の目撃情報があったので
学校からは注意喚起があり
なるべく一人で帰らないようにとも言われる始末。
それがあってから
私は寿三郎くんと一緒に帰ることが増えた。
といっても、彼は部活があるから毎日ではないけど
部活がない日は、送ってくれるようになったのだ。
《気持ちは嬉しいけど、申し訳ないよ》
〈ええんですって。不審者多いし心配ですやん〉
《子供じゃないんだし、大丈夫だよ。それに家反対方向だし…》
〈…一緒に帰りたいんやけど、迷惑です?〉
《迷惑じゃないよ…でも…》
〈一緒に、おりたいっていうのもあるんで
俺のわがままやと思ってください〉
優しい寿三郎くんに、私は甘えすぎなのではないだろうか。
はぁっと息を吐いて、息が白くなるなぁなんて思っていたら
公園の前に、寿三郎くんがいた。
『え?寿三郎くん?』
「あ!千里さん!おはようございます!」
『お、おはよう…ってなんでここに?』
「朝練あるて思うて家出たら
やっぱり雪で中止やって途中で連絡来てもうて…
学校行くんも早いし、ほなら千里さん迎えに行こ!
って思うたんですけど…」
話ながら、彼は途中でしゅんとし始めた。
伺うような表情から、なんとなく読み取れる。
『迷惑じゃないよ。ありがとう』
「よかった!
勢いよくここまで来たんですけど
俺ストーカーみたいやんけって思って」
『最近いつも一緒にいるから
一人で歩くの寂しいなって思ってたところだったの。
だから嬉しい。ありがとう』
「…千里さんも、寂しいって思うてくれたんやね」
寿三郎くんに言われて
すんなり言葉にしたことに、我ながら驚いた。
なんだか、本当に甘えすぎでは…?
悶々としていたら顔に出ていたのか
寿三郎くんが吹き出して
あれこれ小難しく考えるんはやめんせーね、と笑われた。
私が寿三郎くんの考えがわかるように
私の考えは彼に筒抜けなようだ。
「あ、せやった。
千里さん来週の土曜日予定空けてて欲しいんですけど」
予定ありますか、ではなく
空けてて欲しいは珍しい。
『うん。大丈夫だよ』
「ほなら、デートしましょ。
行き先は当日のお楽しみでっせ」
あとになって
その日がクリスマス当日だと気がついた。
プレゼントとか、どうしたら良いものか
その日から私は頭を悩ませることになったのだった。