毛利くんと私(中編作品)
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夏休みに入ると
寿三郎くんと会う機会は減ると思っていたけど
彼から連絡は来るし
寧ろ、定期的に会っている気がする。
夏休みの課題を見てあげたり
寿三郎くんの部活帰りに、少しだけ会って話したり
買い物の途中に遭遇したこともあった。
周りからみれば
私たちはどういう関係に見えるのだろうか。
私の横で、ラケットバッグを持って
アイスを頬張る寿三郎くんを横目で見る。
今日は、昼から学校の図書室へ行き
部活の終わった寿三郎くんと
一緒に帰ることになったのだった。
「ん?どないしました?」
私の視線に気がついた彼が小首を傾げる。
彼はたまにこの仕草をするけど、あざとくて可愛くてずるい。
『なんでもないよ。アイスが似合うなと思って』
「なんですのそれ。初めて言われたやんけ」
私が言った言葉に、けらけらと笑ってくれる。
彼と一緒にいると、本当に楽しい。
いつでも笑顔にさせてくれる。
この気持ちを、言葉にするのが怖いから
私はしばらくこのままでいたい。
本当は、この前の“大切な人“の意味を聞きたいけど
踏み込んだら、戻れない気がするのだ。
アイスを食べ終わって
私の家まで着く間に色々と話をしていたら
いきなり寿三郎くんが私の腕を引いた。
ぽすっ、と彼の胸に顔を埋める。
「あっぶな!なんなん!?
あの運転荒すぎとちゃいまっか?」
運転の荒い車が横を通ったので
咄嗟に彼が私を引き寄せてくれたのだった。
ありがたいけど、この体勢は、どうしよう。
細いけど、触れてわかる筋肉質な身体が逞しくて
頭がパニック状態だ。
「千里さん、大丈夫……って
あ!す、すんません!!」
『い、いや、あの…あ、ありがと……』
「お、俺…危ないって思ってつい……!
さ、触ってもうて、すんません…
汗とかも、かいてたし…ホンマ最悪やんけ…」
『そんなの、気にしないから…大丈夫だよ』
わたわたと慌てている彼の顔は真っ赤に染まっていて
こんな風に照れたりするんだなって
ちょっとだけ新鮮な感じがする。
お互い真っ赤な顔のまま
あまりうまく話せずに家まで着いた。
途中からは彼が車道側を歩いてくれて
守られている感じがして、余計に恥ずかしくなった。
別れ際、それじゃあ、と言い掛けたところ
寿三郎くんが「あの!」と遮る。
「あ、あの…今度、夏祭りあるん知ってます?」
『あ、うん。学校近くの神社であるお祭りだよね?』
毎年行われるし、割りと大規模なので
地元では有名なお祭りだ。
「い、一緒に行きませんか?」
願ってもない申し出に
ドキドキしてしまう。
嬉しくて、嬉しくて仕方がないのだけど
『ごめん…今年はクラスの皆と行くことになってて…』
いつもは弟と一緒に行っていたのだけど
今年は友達と行ったら良いと父が計らってくれたのだ。
あのとき、熱を出してから
寿三郎くんの言ったように
少しだけ甘えてみたら、父は嬉しそうにしていた。
そのことを告げると
寿三郎くんは自分のことのように喜んでくれて
楽しまんとね!と笑ってくれた。
友人達と行くのは楽しみだ。
だけど、寿三郎くんに会えないのは、寂しい。
『あの、さ…もし、寿三郎くんも誰か友達と行くなら…
ちょっとだけ、会えないかな?』
勇気を出して精一杯、私なりに意思表示をしてみた。
「会いたいです!
ちょっとでもええから、一緒におりたいです!」
寿三郎くんがやった!と嬉しそうに笑ってくれたから
当日は浴衣を着ようと心に決めたのだった。
寿三郎くんと会う機会は減ると思っていたけど
彼から連絡は来るし
寧ろ、定期的に会っている気がする。
夏休みの課題を見てあげたり
寿三郎くんの部活帰りに、少しだけ会って話したり
買い物の途中に遭遇したこともあった。
周りからみれば
私たちはどういう関係に見えるのだろうか。
私の横で、ラケットバッグを持って
アイスを頬張る寿三郎くんを横目で見る。
今日は、昼から学校の図書室へ行き
部活の終わった寿三郎くんと
一緒に帰ることになったのだった。
「ん?どないしました?」
私の視線に気がついた彼が小首を傾げる。
彼はたまにこの仕草をするけど、あざとくて可愛くてずるい。
『なんでもないよ。アイスが似合うなと思って』
「なんですのそれ。初めて言われたやんけ」
私が言った言葉に、けらけらと笑ってくれる。
彼と一緒にいると、本当に楽しい。
いつでも笑顔にさせてくれる。
この気持ちを、言葉にするのが怖いから
私はしばらくこのままでいたい。
本当は、この前の“大切な人“の意味を聞きたいけど
踏み込んだら、戻れない気がするのだ。
アイスを食べ終わって
私の家まで着く間に色々と話をしていたら
いきなり寿三郎くんが私の腕を引いた。
ぽすっ、と彼の胸に顔を埋める。
「あっぶな!なんなん!?
あの運転荒すぎとちゃいまっか?」
運転の荒い車が横を通ったので
咄嗟に彼が私を引き寄せてくれたのだった。
ありがたいけど、この体勢は、どうしよう。
細いけど、触れてわかる筋肉質な身体が逞しくて
頭がパニック状態だ。
「千里さん、大丈夫……って
あ!す、すんません!!」
『い、いや、あの…あ、ありがと……』
「お、俺…危ないって思ってつい……!
さ、触ってもうて、すんません…
汗とかも、かいてたし…ホンマ最悪やんけ…」
『そんなの、気にしないから…大丈夫だよ』
わたわたと慌てている彼の顔は真っ赤に染まっていて
こんな風に照れたりするんだなって
ちょっとだけ新鮮な感じがする。
お互い真っ赤な顔のまま
あまりうまく話せずに家まで着いた。
途中からは彼が車道側を歩いてくれて
守られている感じがして、余計に恥ずかしくなった。
別れ際、それじゃあ、と言い掛けたところ
寿三郎くんが「あの!」と遮る。
「あ、あの…今度、夏祭りあるん知ってます?」
『あ、うん。学校近くの神社であるお祭りだよね?』
毎年行われるし、割りと大規模なので
地元では有名なお祭りだ。
「い、一緒に行きませんか?」
願ってもない申し出に
ドキドキしてしまう。
嬉しくて、嬉しくて仕方がないのだけど
『ごめん…今年はクラスの皆と行くことになってて…』
いつもは弟と一緒に行っていたのだけど
今年は友達と行ったら良いと父が計らってくれたのだ。
あのとき、熱を出してから
寿三郎くんの言ったように
少しだけ甘えてみたら、父は嬉しそうにしていた。
そのことを告げると
寿三郎くんは自分のことのように喜んでくれて
楽しまんとね!と笑ってくれた。
友人達と行くのは楽しみだ。
だけど、寿三郎くんに会えないのは、寂しい。
『あの、さ…もし、寿三郎くんも誰か友達と行くなら…
ちょっとだけ、会えないかな?』
勇気を出して精一杯、私なりに意思表示をしてみた。
「会いたいです!
ちょっとでもええから、一緒におりたいです!」
寿三郎くんがやった!と嬉しそうに笑ってくれたから
当日は浴衣を着ようと心に決めたのだった。