毛利くんと私(中編作品)
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テストの一件から以前にも増して
友人達は色めき立っていた。
連絡先の交換から、勉強会のこと
名前で呼び合っていること
根掘り葉掘り聞かれてしまった。
しかもいつぞやのスーパーからの帰り道の姿も
目撃されていたようで
早く付き合えと言われる始末。
『付き合うって…そもそも恋愛とかそういうのじゃ…』
「ええ!?ねえ、鈍すぎだって…わかってないの?」
『なにが?』
はあーっと、盛大にため息をつかれる。
「毛利くんと話すの楽しい?」
『うん。楽しいよ』
「全く会えなかったら、物足りない?」
『まあ、そうだね』
「じゃあ、他の女の子と仲良くしてたらどう思う?」
うまく想像できない。
言われてみれば、異性と話している彼の姿を
見たことがなかった。
痺れを切らした友人から
今日の放課後、テニス部を覗いてみろと言われたので
私はテニスコートへと向かうことにした。
パコーン、と気持ちが良い音が響く。
部外者が覗いていいのだろうかと思いながら
コートに近づくと驚いた。
男子テニス部の練習を、たくさんの女生徒が見ている。
え、なにこれ?と怯んでいたら
一際大きな歓声が聞こえる。
みんなの視線の先にいたのは、寿三郎くんだ。
楽しそうにテニスをしているかと思えば
真剣な表情になり
ポイントを決めれば
ガッツポーズをして思い切り笑う。
テニスが楽しくて仕方がない、という雰囲気が伝わってくる。
私が知っている寿三郎くんは
ほんの少しだったんだな、と改めて気づく。
こんな風にテニスをしている姿も
女の子達が見に来るほどに人気があることも
なにも知らなかった。
ボーッと見ていたら
一人の女の子が寿三郎くんに話し掛け
何か渡しているようだった。
寿三郎くんは、困ったように笑いながら
渡された物を受け取る。
その光景を見たとき、友人の言葉を思い出して
ぎゅっ、と胸が締め付けられた。
あぁ、これって。そういうことなのかな。
そう思った瞬間、バチッと寿三郎くんと目が合った。
駄目。今この顔を見られたくない。
寿三郎くんが手を挙げたのを横目に
私は踵を返してコートから立ち去った。
友人達は色めき立っていた。
連絡先の交換から、勉強会のこと
名前で呼び合っていること
根掘り葉掘り聞かれてしまった。
しかもいつぞやのスーパーからの帰り道の姿も
目撃されていたようで
早く付き合えと言われる始末。
『付き合うって…そもそも恋愛とかそういうのじゃ…』
「ええ!?ねえ、鈍すぎだって…わかってないの?」
『なにが?』
はあーっと、盛大にため息をつかれる。
「毛利くんと話すの楽しい?」
『うん。楽しいよ』
「全く会えなかったら、物足りない?」
『まあ、そうだね』
「じゃあ、他の女の子と仲良くしてたらどう思う?」
うまく想像できない。
言われてみれば、異性と話している彼の姿を
見たことがなかった。
痺れを切らした友人から
今日の放課後、テニス部を覗いてみろと言われたので
私はテニスコートへと向かうことにした。
パコーン、と気持ちが良い音が響く。
部外者が覗いていいのだろうかと思いながら
コートに近づくと驚いた。
男子テニス部の練習を、たくさんの女生徒が見ている。
え、なにこれ?と怯んでいたら
一際大きな歓声が聞こえる。
みんなの視線の先にいたのは、寿三郎くんだ。
楽しそうにテニスをしているかと思えば
真剣な表情になり
ポイントを決めれば
ガッツポーズをして思い切り笑う。
テニスが楽しくて仕方がない、という雰囲気が伝わってくる。
私が知っている寿三郎くんは
ほんの少しだったんだな、と改めて気づく。
こんな風にテニスをしている姿も
女の子達が見に来るほどに人気があることも
なにも知らなかった。
ボーッと見ていたら
一人の女の子が寿三郎くんに話し掛け
何か渡しているようだった。
寿三郎くんは、困ったように笑いながら
渡された物を受け取る。
その光景を見たとき、友人の言葉を思い出して
ぎゅっ、と胸が締め付けられた。
あぁ、これって。そういうことなのかな。
そう思った瞬間、バチッと寿三郎くんと目が合った。
駄目。今この顔を見られたくない。
寿三郎くんが手を挙げたのを横目に
私は踵を返してコートから立ち去った。