毛利くんと私(中編作品)
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「で、あのおっきな年下の子とはどうなったの?」
昼休み。
クラスで仲の良い友人に、いきなり食い込みに聞かれて
食べていた卵焼きでむせそうになった。
『どうって?』
「だから、進展とかないの?デートしたりとか」
『そういう関係じゃないって』
前回、体育終わりの毛利くんとのやり取りを見て
友人達は勝手に盛り上がっていた。
ただの先輩後輩という関係だと言っても
全く聞いてはくれない。
「だってさ、千里ってモテるのに
告白とか全部断ってるじゃん。
そこにあの彼登場って、けっこう男子は注目してるわよ」
『そんなことないって。
それに、デートとか好き勝手言ってるけど
私毛利くんの連絡先すら知らないからね』
実際本当に知らない。
学校で会ったら話す仲ではあるけど
私は毛利くんの誕生日も、趣味も、特技も何も知らないのだ。
それは彼も同じ。
私のことを何も知らないと思う。
…少しだけ、それはそれで寂しく思えてしまうけど。
連絡先を知らない発言をしてからというもの
なぜかお説教をされてしまい
どっと疲れて、あっという間に放課後になった。
連絡先くらい聞けと言われたけど
そもそも連絡先を聞いたとて
連絡するようなことがあるのかな。
そして、こういうのってどうしたらいいのかわからない。
高校生になって、クラスメートと連絡先を交換するのでさえ
タイミングとか色々考えて
大体が受け身だった私にはハードルが高い。
まあ、そういうタイミングがあったらでいいやと思い
下駄箱で靴を履いていると、毛利くんの声がした。
友人達と一緒に部活へと向かっているらしく
楽しげな笑い声が響く。
パチッと目があったのでバイバイ、と手を振ると
周りにいた友人達に一言言って、私のもとへと走ってきた。
「もう帰りはるん?」
『うん。ちょっと疲れたし…』
大丈夫かと、小首を傾げて聞いてくる彼は
190cmを越えているのに可愛く見える。
疲れた理由は言えないので
適当に大丈夫だと伝えると、彼はスマホを取り出した。
「せや!今日裏庭に猫がおったんです。
むっちゃ可愛いんでっせ!」
『わあ!可愛いね!』
毛利くんのスマホには
お腹を見せて甘えている猫の写真。
めちゃくちゃ可愛い。
「他にも何枚か撮ったんよ。
後で写真送りますから、これ見たら疲れも癒されますやん」
『お願い…って、私、毛利くんの連絡先知らないよ?』
「え!あ、せやった!なんやろ、もうけっこう話しよるから
連絡先知ってる気でおりましたわ」
私のさっきのタイミングとは一体なんだったのか。
さらりと、毛利くんと連絡先を交換した。
家に帰ると、数枚猫の写真と共に
“ゆっくり休みんせーね!“の文字。
私は、なんだか嬉しくなって
猫の写真をロック画面にしたのだった。
昼休み。
クラスで仲の良い友人に、いきなり食い込みに聞かれて
食べていた卵焼きでむせそうになった。
『どうって?』
「だから、進展とかないの?デートしたりとか」
『そういう関係じゃないって』
前回、体育終わりの毛利くんとのやり取りを見て
友人達は勝手に盛り上がっていた。
ただの先輩後輩という関係だと言っても
全く聞いてはくれない。
「だってさ、千里ってモテるのに
告白とか全部断ってるじゃん。
そこにあの彼登場って、けっこう男子は注目してるわよ」
『そんなことないって。
それに、デートとか好き勝手言ってるけど
私毛利くんの連絡先すら知らないからね』
実際本当に知らない。
学校で会ったら話す仲ではあるけど
私は毛利くんの誕生日も、趣味も、特技も何も知らないのだ。
それは彼も同じ。
私のことを何も知らないと思う。
…少しだけ、それはそれで寂しく思えてしまうけど。
連絡先を知らない発言をしてからというもの
なぜかお説教をされてしまい
どっと疲れて、あっという間に放課後になった。
連絡先くらい聞けと言われたけど
そもそも連絡先を聞いたとて
連絡するようなことがあるのかな。
そして、こういうのってどうしたらいいのかわからない。
高校生になって、クラスメートと連絡先を交換するのでさえ
タイミングとか色々考えて
大体が受け身だった私にはハードルが高い。
まあ、そういうタイミングがあったらでいいやと思い
下駄箱で靴を履いていると、毛利くんの声がした。
友人達と一緒に部活へと向かっているらしく
楽しげな笑い声が響く。
パチッと目があったのでバイバイ、と手を振ると
周りにいた友人達に一言言って、私のもとへと走ってきた。
「もう帰りはるん?」
『うん。ちょっと疲れたし…』
大丈夫かと、小首を傾げて聞いてくる彼は
190cmを越えているのに可愛く見える。
疲れた理由は言えないので
適当に大丈夫だと伝えると、彼はスマホを取り出した。
「せや!今日裏庭に猫がおったんです。
むっちゃ可愛いんでっせ!」
『わあ!可愛いね!』
毛利くんのスマホには
お腹を見せて甘えている猫の写真。
めちゃくちゃ可愛い。
「他にも何枚か撮ったんよ。
後で写真送りますから、これ見たら疲れも癒されますやん」
『お願い…って、私、毛利くんの連絡先知らないよ?』
「え!あ、せやった!なんやろ、もうけっこう話しよるから
連絡先知ってる気でおりましたわ」
私のさっきのタイミングとは一体なんだったのか。
さらりと、毛利くんと連絡先を交換した。
家に帰ると、数枚猫の写真と共に
“ゆっくり休みんせーね!“の文字。
私は、なんだか嬉しくなって
猫の写真をロック画面にしたのだった。