毛利くんと私(中編作品)
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『あ!買い忘れた~…』
夕食の準備をしていたら、絶対にいる玉ねぎを
買い忘れたことに気がついた。
いまから違う献立にもできなくはないが
もう気分が親子丼の気分なのだ。
さっさと買いに行こうと準備をしていたら
弟も一緒に行くと言い出して
二人で近所のスーパーに向かう。
『ん?あれ?毛利くん』
「おわ!清水先輩!」
スーパーから出たところで毛利くんに遭遇した。
『部活帰り?お疲れ様』
「はい!お疲れ様です…って」
彼の視線は私の隣に。
少し気弱な弟は、毛利くんの大きさに
驚いているようだった。
なんて説明しようかと思っていたら
毛利くんは弟の目線に屈んで話し掛ける。
「毛利寿三郎言います!お姉さんとは仲良しなんよ。
名前、なんていうん?」
「…翔太郎」
「おっ、名前俺と似てるやんけ!」
毛利くんの人懐っこい雰囲気に
弟はすっかり警戒心を解いたようで
家まで送ってくれた彼に、最後までべったりだった。
しかも“じゅさぶろー“って呼んでるし。
先に家に入るよう弟を促し、毛利くんにお礼を伝える。
『送ってくれてありがとう。
弟の相手までしてもらって、ごめんね』
「ええんよ。俺も楽しかったですし」
『なんだか、扱いに慣れてたね』
弟への話し掛け方や、話の内容等
年下への接し方がとても上手だった。
「俺も弟おるんです。
姉もおるんですけど、割りと仲ええんですよ」
なんとなく想像がつく。
三人とも穏やかそう。
『…うちは二人姉弟だし
父も帰り遅いから、今日は嬉しかったんだと思う。
いつの間にか名前で呼んでるし、呼び捨てだし…ごめん』
「呼び捨てで構わへんですよ。
それに、いつでも兄ちゃん役になりまっせ」
『うん、ありがとう』
「……先輩も、名前で呼んでもろても、ええですよ?」
『え…?』
珍しく、毛利くんの声のトーンが下がった。
ちょっと窺うような顔をしている。
名前って、と言いかけた時、お腹空いたと弟が呼びに来た。
一瞬見せた顔は、すぐにいつものように笑顔に戻り
今日の献立が親子丼であることを知ると
毛利くんは目を輝かせる。
どうやら親子丼が好物らしい。
弟が一緒に食べよう、と言うから
今日は材料が足りないからまた今度、と言い聞かせる。
そのやり取りを見て
毛利くんは嬉しそうに、はにかんでいた。
夕食を食べていると
随分と毛利くんに懐いた弟が
今度はいつ会えるのか、遊びに来ないのかと
しきりに聞いてくる。
帰って来た父にも話していて
何やら勘違いした父が狼狽えていたのが面白かった。
夕食の準備をしていたら、絶対にいる玉ねぎを
買い忘れたことに気がついた。
いまから違う献立にもできなくはないが
もう気分が親子丼の気分なのだ。
さっさと買いに行こうと準備をしていたら
弟も一緒に行くと言い出して
二人で近所のスーパーに向かう。
『ん?あれ?毛利くん』
「おわ!清水先輩!」
スーパーから出たところで毛利くんに遭遇した。
『部活帰り?お疲れ様』
「はい!お疲れ様です…って」
彼の視線は私の隣に。
少し気弱な弟は、毛利くんの大きさに
驚いているようだった。
なんて説明しようかと思っていたら
毛利くんは弟の目線に屈んで話し掛ける。
「毛利寿三郎言います!お姉さんとは仲良しなんよ。
名前、なんていうん?」
「…翔太郎」
「おっ、名前俺と似てるやんけ!」
毛利くんの人懐っこい雰囲気に
弟はすっかり警戒心を解いたようで
家まで送ってくれた彼に、最後までべったりだった。
しかも“じゅさぶろー“って呼んでるし。
先に家に入るよう弟を促し、毛利くんにお礼を伝える。
『送ってくれてありがとう。
弟の相手までしてもらって、ごめんね』
「ええんよ。俺も楽しかったですし」
『なんだか、扱いに慣れてたね』
弟への話し掛け方や、話の内容等
年下への接し方がとても上手だった。
「俺も弟おるんです。
姉もおるんですけど、割りと仲ええんですよ」
なんとなく想像がつく。
三人とも穏やかそう。
『…うちは二人姉弟だし
父も帰り遅いから、今日は嬉しかったんだと思う。
いつの間にか名前で呼んでるし、呼び捨てだし…ごめん』
「呼び捨てで構わへんですよ。
それに、いつでも兄ちゃん役になりまっせ」
『うん、ありがとう』
「……先輩も、名前で呼んでもろても、ええですよ?」
『え…?』
珍しく、毛利くんの声のトーンが下がった。
ちょっと窺うような顔をしている。
名前って、と言いかけた時、お腹空いたと弟が呼びに来た。
一瞬見せた顔は、すぐにいつものように笑顔に戻り
今日の献立が親子丼であることを知ると
毛利くんは目を輝かせる。
どうやら親子丼が好物らしい。
弟が一緒に食べよう、と言うから
今日は材料が足りないからまた今度、と言い聞かせる。
そのやり取りを見て
毛利くんは嬉しそうに、はにかんでいた。
夕食を食べていると
随分と毛利くんに懐いた弟が
今度はいつ会えるのか、遊びに来ないのかと
しきりに聞いてくる。
帰って来た父にも話していて
何やら勘違いした父が狼狽えていたのが面白かった。