毛利くんと私(中編作品)
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席替えをして、窓際の席になった。
しかも1番後ろの席だし、特等席だ。
日頃から真面目に授業は受けてはいるが
この席になると日当たりも良いし
うたた寝してしまいそう。
うたた寝といえば
授業中であるこの時間
彼、毛利くんは寝ていないだろうか。
注意されても皆から愛されていそうだから
“えへへ“って笑いながら起きそうだけど。
そんなことを考えていたら
校庭が何やら騒がしいことに気がついた。
どうやら体育の授業で
サッカーが行われているみたいだけど
えらく盛り上がっている。
一人、体格の大きい男子がいて
その男子が活躍しているみたいだ。
教室から見ても、その男子が毛利くんだと一目でわかった。
青春って感じで、キラキラしてて、楽しそう。
思わず先生も
「楽しそうだなあ」と言うから
クラスの視線が校庭へと向かう。
私たちの視線に気がついた数人の生徒が
こちらを見て何か言っているようだった。
一人の男子が毛利くんに話し掛け
そのあとすぐに毛利くんがこちらを見た。
さすがに私に気づかないだろうと思っていたら
彼は手を振ってきた。
「あのおっきい子、誰に手を振ってるんだろ?」
「さあ?」
クラスメートの囁きにドキッとして
手を振り返すことはできなかった。
授業が終わり、次は移動教室。
科学室へと向かっていると
体育を終えた毛利くんと出くわした。
「あ!先輩!さっき手振ったのに、何で無視しやるん」
ちょっとだけ、むぅっとした顔が可愛らしい。
『えっ、あ、さすがに授業中だったし…』
「ほなら、次はこそっと振ってくださいね」
バイバイと爽やかに去っていく彼を見送ると
周りにいた友人達に質問責めに合った。
毛利くんも
同じように同級生に小突かれていたので
御愁傷様、と心の中で呟いた。