毛利くんと私(中編作品)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
新学期も始まる春。
私は高校2年生になった。
クラス替えも行われ、教室はざわついている。
新入生が入学し、私達も先輩となったのだけど
めちゃくちゃ身長が高い1年生がいる、と
クラスの男子が騒いでいた。
是非うちの部活に!と
バスケ部、バレー部部員が勧誘する話で盛り上がる。
帰宅部である私にとっては、全く関係のない話だけど。
クラスにも馴染めて
何事もなく平和に過ごしていたある日
私はいつものように図書室へと向かう。
部活には入っていないので
時間がある日はいつも図書室で過ごしていた。
いつもの場所に座ろうかと思ったら
今日は珍しく先客がいた。
赤茶毛のクセっ毛の男の子が、椅子にもたれて眠っている。
シューズの色からして1年生か。
ここで寝ないでよ、と心の中で悪態をつきつつ
仕方がないので別の場所へと座り
読みかけていた小説を手に取った。
17時になり、図書室が閉まる時間。
今日はだいぶ読み進めたなと思いながら
ふと、先ほどの男子を思い出した。
あれから一時間半は経っているのだから
流石にいないよねと思いつつ
興味本意でさっきの場所を覗いてみる。
え。うそ。まだ寝てる!?
さっきと変わらない格好で
深い寝息をたてている彼は起きる気配がまったくない。
『え~……どうしよう』
図書委員の人もいるし
閉じ込められることはないと思うけど
めちゃくちゃ迷惑だろうから
起こしたほうが良いかな…?
余計なお世話かな…?
刻一刻と迫るタイムリミットに背中を押されて
よし、と意気込む。
『ねえ、君。起きて』
うん。起きない。
『図書室閉まっちゃうよ』
反応無し。
『起きてってば』
ああ、もうこれではダメだ。
仕方がないので、彼の両肩を掴んで揺さぶりながら
『こら!起きなさい!!』
「うぁ!?へっ!?」
彼は余程驚いたのか、パッチリと目を開けて
パチパチとまばたきを繰り返している。
『図書室が閉まる時間よ。
とにかく出ること。ほら、荷物持って立って!』
「あ、はい!!」
すくっと立ち上がった彼に驚く。
身長、高い。
もしかして、めちゃくちゃ身長が高い1年生とは
彼のことだろうか。
時間ギリギリになってしまったので
私は図書委員の人に頭を下げて廊下に出た。
私につられてペコリと頭を下げる彼は
少しだけ可愛いく見えた。
「あの~すんませんでした…」
『私は良いんだけど、戸締まりする人が困っちゃうから
時間は守らなきゃね』
「そうですね。起こしてもろて、ありがとうございます」
聞き慣れないイントネーション。
関西っぽいけど、地元の人ではないのかな。
図書室からの流れで玄関までやって来たけど
初対面だし、どこまで一緒に歩いて良いのやら
ちょっと気まずさを感じる。
「せや。自己紹介してないですやん。
俺、毛利寿三郎言います。1年です」
『清水千里、2年生です』
「よろしゅうたのんます、先輩!」
にかっと笑う毛利くんは
人懐っこい、元気いっぱいな大型犬のよう。
先輩という響きが少しくすぐったいけど
こちらこそよろしくね後輩、と言うと
オモロイ人やね、とまた元気よく笑われてしまった。
私が初めて言葉を交わした後輩は
笑顔の可愛い191cmの男の子だった。
私は高校2年生になった。
クラス替えも行われ、教室はざわついている。
新入生が入学し、私達も先輩となったのだけど
めちゃくちゃ身長が高い1年生がいる、と
クラスの男子が騒いでいた。
是非うちの部活に!と
バスケ部、バレー部部員が勧誘する話で盛り上がる。
帰宅部である私にとっては、全く関係のない話だけど。
クラスにも馴染めて
何事もなく平和に過ごしていたある日
私はいつものように図書室へと向かう。
部活には入っていないので
時間がある日はいつも図書室で過ごしていた。
いつもの場所に座ろうかと思ったら
今日は珍しく先客がいた。
赤茶毛のクセっ毛の男の子が、椅子にもたれて眠っている。
シューズの色からして1年生か。
ここで寝ないでよ、と心の中で悪態をつきつつ
仕方がないので別の場所へと座り
読みかけていた小説を手に取った。
17時になり、図書室が閉まる時間。
今日はだいぶ読み進めたなと思いながら
ふと、先ほどの男子を思い出した。
あれから一時間半は経っているのだから
流石にいないよねと思いつつ
興味本意でさっきの場所を覗いてみる。
え。うそ。まだ寝てる!?
さっきと変わらない格好で
深い寝息をたてている彼は起きる気配がまったくない。
『え~……どうしよう』
図書委員の人もいるし
閉じ込められることはないと思うけど
めちゃくちゃ迷惑だろうから
起こしたほうが良いかな…?
余計なお世話かな…?
刻一刻と迫るタイムリミットに背中を押されて
よし、と意気込む。
『ねえ、君。起きて』
うん。起きない。
『図書室閉まっちゃうよ』
反応無し。
『起きてってば』
ああ、もうこれではダメだ。
仕方がないので、彼の両肩を掴んで揺さぶりながら
『こら!起きなさい!!』
「うぁ!?へっ!?」
彼は余程驚いたのか、パッチリと目を開けて
パチパチとまばたきを繰り返している。
『図書室が閉まる時間よ。
とにかく出ること。ほら、荷物持って立って!』
「あ、はい!!」
すくっと立ち上がった彼に驚く。
身長、高い。
もしかして、めちゃくちゃ身長が高い1年生とは
彼のことだろうか。
時間ギリギリになってしまったので
私は図書委員の人に頭を下げて廊下に出た。
私につられてペコリと頭を下げる彼は
少しだけ可愛いく見えた。
「あの~すんませんでした…」
『私は良いんだけど、戸締まりする人が困っちゃうから
時間は守らなきゃね』
「そうですね。起こしてもろて、ありがとうございます」
聞き慣れないイントネーション。
関西っぽいけど、地元の人ではないのかな。
図書室からの流れで玄関までやって来たけど
初対面だし、どこまで一緒に歩いて良いのやら
ちょっと気まずさを感じる。
「せや。自己紹介してないですやん。
俺、毛利寿三郎言います。1年です」
『清水千里、2年生です』
「よろしゅうたのんます、先輩!」
にかっと笑う毛利くんは
人懐っこい、元気いっぱいな大型犬のよう。
先輩という響きが少しくすぐったいけど
こちらこそよろしくね後輩、と言うと
オモロイ人やね、とまた元気よく笑われてしまった。
私が初めて言葉を交わした後輩は
笑顔の可愛い191cmの男の子だった。