ブルーな日も、貴方にかかれば晴れ渡る
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『あ~、始まっちゃったなぁ』
毎月やってくるこれは
全世界の女の子が苦しんでいると思ってる。
毎月のことなのに、こんなにブルーな気持ちにさせるって
ある意味すごくないかな?
『あ~痛い……』
私は俗に言う生理痛が重いほうだと思う。
下腹部の痛みと腰の痛み
酷いときは吐き気までするし
血液の量も、すごく多いからこの期間は貧血気味だ。
生理痛のない友人からすれば、信じられない話らしいけど
私からすれば、生理痛がないってことのほうが信じられない。
気だるい身体をなんとか起こしてベッドから出る。
なんでこの時って、鉛みたいに
身体が重たくなるんだろう。
無理矢理意識を変えて身支度を整え
朝食へと向かうことにした。
「美幸さーん!おはよーございます!」
『寿三郎、おはよう』
朝から眩しい笑顔を振り撒く彼は
私の気分を少しだけ晴れやかにしてくれる。
「こっち空いてますんで、座りんせーね!」
無邪気に笑う彼と
黙々と食べる越知くんはいつものことながら対照的。
『じゃあお邪魔させてもらうね』
「美幸、それだけしか食べないのか?」
『う、うん。あんまり、お腹空いてなくて』
私のトレーには、小さなパンとサラダとヨーグルト。
今日は吐き気はないけど食欲はあまりなく
本当は食べなくても良いくらい。
「……美幸さん、どないしたん?」
『え、なにが?』
「顔色悪いやんけ。体調悪いんとちゃいまっか?」
ずいっと大きな身体を縮めて
私の顔を見てくる寿三郎に笑って誤魔化す。
『ちょっと夜更かししちゃったからかな』
「睡眠は大事だ」
『うん。気を付けるよ』
寿三郎はまだ少し心配そうな顔をしていたけど
とりあえずこの場は凌いだ。
朝食を食べて、薬を飲めば大丈夫。
とりあえず今日はコートには出ずに
室内の雑務をこなそう。
午前中は、薬も効いてなんの滞りもなく作業ができた。
施設内の掃除や洗濯、備品の整理等
普段出来ていない細かい仕事ができてちょうどよかった。
洗濯物を干し終えて、勢いよく立ったその時
視界がぐらりと揺れる。
あ、ヤバい。
後ろ向きにふらっと体勢が崩れ、倒れる、と思った瞬間
両肩を後ろからガシッと掴まれた。
「あっぶな……間に合うてよかった……」
後ろから支えてくれたのは、寿三郎だった。
『ごめん……ありがとう』
「美幸さん、医務室行きましょ」
『え、いや、大丈夫だから!
ちょっと、立ちくらみしただけで問題ないから!』
貧血ではなさそうだし、歩くのに問題もない。
医務室は大袈裟だと思っていたら
寿三郎は、私のほうを見て
「ほなら、連れて行きます」
と、言ってまさかの横抱きにされた。
『ちょっ、ちょっと待って!!!
お、重いから!降ろして!』
「何言うてるん?軽すぎでっせ。
それにこうでもせんと行かんでしょ?
ホンマ、体調悪いのに無理しやるから…」
むぅっと、拗ねたような顔は可愛らしいけど
がっしりとした腕と、男らしい胸板を感じで顔が熱くなる。
暴れてもびくともしないので
私は観念してそのまま運ばれたのだった。
運ばれたのは医務室ではなく私の自室。
自室のほうがありがたいと思っていたので良かった。
私をベッドへと降ろすと
少し待っててと言われて、彼は部屋から出て行った。
しばらくすると湯気の立つマグカップと
ビニール袋を携えて彼は戻ってきた。
「これ、飲みんせーね。熱いから、気をつけるんよ。
あとこれもろうて来たから、使ってください」
寿三郎から渡されたのはホットココアとカイロ。
私の驚いた顔を見て、彼は少し恥ずかしそうに微笑む。
「姉がよう痛い言うてココア飲んだり
カイロをお腹に貼ったりしやるんよ。
美幸さん見てたら、もしかしてー思うて。
・・・余計なお世話やったやろか?」
お姉さんがいたのか。なるほど。
『余計なお世話なんかじゃないよ。
ありがとう。すごく助かったよ。
だから医務室じゃなくて、自室に運んでくれたんだね』
「医務室やと、他の人にも心配されて休みにくいかと思うて」
彼の些細な配慮がすごく嬉しい。
『あ、でもカイロは大丈夫。ちょっと暑いかもだから』
さすがに6月にカイロは暑すぎるかもしれないので断る。
タオルケットでも掛けておこうかな。
なんとなく、お腹を守るようなことをしていたら
少し痛みが和らぐ気がするし。
「ほなら俺、お腹よしよししやります!」
『え、えぇ!?』
「人の手って、安心しますやん。ほら、横になってください」
言われるがまま横たわると
痛みのする下腹部に、寿三郎の大きな掌が乗せられる。
まるで小さい子供をあやすかのように優しく撫でられる。
あ、ほんとだ。安心する。
心地のよい体温と安心感で、急に目蓋が重くなる。
「痛くてあんま寝れてへんのとちゃいます?
しばらくここにおりますから、寝てええですよ」
『う、ん……そうしよう、かな……』
私の名前を優しく呼ぶ声と
ふいにおでこに感じた違和感は夢かもしれないけど
初めてこのブルーな日が好きになれた気がした。
(勢いでお腹よしよししやるなんて言うたけど
これ、アカン。なんかエロい。
抱えたときも柔らかいし、ええ匂いするし
色々ヤバかったけど、今めっちゃヤバい。
しかも美幸さんホンマに寝てまうんやもん。
俺、男として見られてへんやんけ。
……すこーしくらい、チュッてしてもええかな?
おでこくらいやったらええかな?
………………。
アカン、可愛い。
もうどないしよー。月光さーん。助けてー!)
毎月やってくるこれは
全世界の女の子が苦しんでいると思ってる。
毎月のことなのに、こんなにブルーな気持ちにさせるって
ある意味すごくないかな?
『あ~痛い……』
私は俗に言う生理痛が重いほうだと思う。
下腹部の痛みと腰の痛み
酷いときは吐き気までするし
血液の量も、すごく多いからこの期間は貧血気味だ。
生理痛のない友人からすれば、信じられない話らしいけど
私からすれば、生理痛がないってことのほうが信じられない。
気だるい身体をなんとか起こしてベッドから出る。
なんでこの時って、鉛みたいに
身体が重たくなるんだろう。
無理矢理意識を変えて身支度を整え
朝食へと向かうことにした。
「美幸さーん!おはよーございます!」
『寿三郎、おはよう』
朝から眩しい笑顔を振り撒く彼は
私の気分を少しだけ晴れやかにしてくれる。
「こっち空いてますんで、座りんせーね!」
無邪気に笑う彼と
黙々と食べる越知くんはいつものことながら対照的。
『じゃあお邪魔させてもらうね』
「美幸、それだけしか食べないのか?」
『う、うん。あんまり、お腹空いてなくて』
私のトレーには、小さなパンとサラダとヨーグルト。
今日は吐き気はないけど食欲はあまりなく
本当は食べなくても良いくらい。
「……美幸さん、どないしたん?」
『え、なにが?』
「顔色悪いやんけ。体調悪いんとちゃいまっか?」
ずいっと大きな身体を縮めて
私の顔を見てくる寿三郎に笑って誤魔化す。
『ちょっと夜更かししちゃったからかな』
「睡眠は大事だ」
『うん。気を付けるよ』
寿三郎はまだ少し心配そうな顔をしていたけど
とりあえずこの場は凌いだ。
朝食を食べて、薬を飲めば大丈夫。
とりあえず今日はコートには出ずに
室内の雑務をこなそう。
午前中は、薬も効いてなんの滞りもなく作業ができた。
施設内の掃除や洗濯、備品の整理等
普段出来ていない細かい仕事ができてちょうどよかった。
洗濯物を干し終えて、勢いよく立ったその時
視界がぐらりと揺れる。
あ、ヤバい。
後ろ向きにふらっと体勢が崩れ、倒れる、と思った瞬間
両肩を後ろからガシッと掴まれた。
「あっぶな……間に合うてよかった……」
後ろから支えてくれたのは、寿三郎だった。
『ごめん……ありがとう』
「美幸さん、医務室行きましょ」
『え、いや、大丈夫だから!
ちょっと、立ちくらみしただけで問題ないから!』
貧血ではなさそうだし、歩くのに問題もない。
医務室は大袈裟だと思っていたら
寿三郎は、私のほうを見て
「ほなら、連れて行きます」
と、言ってまさかの横抱きにされた。
『ちょっ、ちょっと待って!!!
お、重いから!降ろして!』
「何言うてるん?軽すぎでっせ。
それにこうでもせんと行かんでしょ?
ホンマ、体調悪いのに無理しやるから…」
むぅっと、拗ねたような顔は可愛らしいけど
がっしりとした腕と、男らしい胸板を感じで顔が熱くなる。
暴れてもびくともしないので
私は観念してそのまま運ばれたのだった。
運ばれたのは医務室ではなく私の自室。
自室のほうがありがたいと思っていたので良かった。
私をベッドへと降ろすと
少し待っててと言われて、彼は部屋から出て行った。
しばらくすると湯気の立つマグカップと
ビニール袋を携えて彼は戻ってきた。
「これ、飲みんせーね。熱いから、気をつけるんよ。
あとこれもろうて来たから、使ってください」
寿三郎から渡されたのはホットココアとカイロ。
私の驚いた顔を見て、彼は少し恥ずかしそうに微笑む。
「姉がよう痛い言うてココア飲んだり
カイロをお腹に貼ったりしやるんよ。
美幸さん見てたら、もしかしてー思うて。
・・・余計なお世話やったやろか?」
お姉さんがいたのか。なるほど。
『余計なお世話なんかじゃないよ。
ありがとう。すごく助かったよ。
だから医務室じゃなくて、自室に運んでくれたんだね』
「医務室やと、他の人にも心配されて休みにくいかと思うて」
彼の些細な配慮がすごく嬉しい。
『あ、でもカイロは大丈夫。ちょっと暑いかもだから』
さすがに6月にカイロは暑すぎるかもしれないので断る。
タオルケットでも掛けておこうかな。
なんとなく、お腹を守るようなことをしていたら
少し痛みが和らぐ気がするし。
「ほなら俺、お腹よしよししやります!」
『え、えぇ!?』
「人の手って、安心しますやん。ほら、横になってください」
言われるがまま横たわると
痛みのする下腹部に、寿三郎の大きな掌が乗せられる。
まるで小さい子供をあやすかのように優しく撫でられる。
あ、ほんとだ。安心する。
心地のよい体温と安心感で、急に目蓋が重くなる。
「痛くてあんま寝れてへんのとちゃいます?
しばらくここにおりますから、寝てええですよ」
『う、ん……そうしよう、かな……』
私の名前を優しく呼ぶ声と
ふいにおでこに感じた違和感は夢かもしれないけど
初めてこのブルーな日が好きになれた気がした。
(勢いでお腹よしよししやるなんて言うたけど
これ、アカン。なんかエロい。
抱えたときも柔らかいし、ええ匂いするし
色々ヤバかったけど、今めっちゃヤバい。
しかも美幸さんホンマに寝てまうんやもん。
俺、男として見られてへんやんけ。
……すこーしくらい、チュッてしてもええかな?
おでこくらいやったらええかな?
………………。
アカン、可愛い。
もうどないしよー。月光さーん。助けてー!)