ハッピーサマーバレンタイン
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「ハッピーサマーバレンタイン?」
柳から聞いた、馴染みのない言葉。
「ええ。どうやら最近作られた記念日のようですね。
男性も女性も、どちらも
想いを伝える日だと言われているそうです」
「・・・それって、いつなん?」
「8月14日。来週ですね」
なんの偶然か、その日は優さんの誕生日。
きっと俺の気持ちを知ってて
柳は敢えてこの話をしてきたんやろうなあ。
フランス戦で和解してからというもの
柳は割と俺に協力的や。
「ホワイトデーみたいに
なんかプレゼントしたりするものなん?」
「贈り物、という話は聞きませんが……
そうですね……
夏らしいものを渡すのも良いとは思いますが」
「夏らしいもの、なあ」
誕生日にプレゼントは考えてはおったんやけど
このチャンスは逃せへん。
ホワイトデーのときは失敗してもうたから。
バレンタインのとき、優さんにチョコを貰うた。
中身は皆と同じやったんやけど
俺のだけ、オレンジ色の包装やった。
途中でラッピングが足りなくなったと
彼女から説明されたからなんも思わへんで
普通にホワイトデーは皆と一緒にお返しをしたんやけど
後日柳から
「本命だった確率83%」と言われた。
高いが微妙な確率や思うてたけど
いざ、両想いかも意識するとソワソワしてもうて
気がついたらもう8月になっていた。
それで、きっと見かねた柳からの貴重なこの情報。
「そういえば、合宿所の近くにヒマワリ畑があるそうですね。
そろそろ見頃だと思いますが」
どこまでも、気のきく良い後輩や。
8月14日当日は、皆で優さんのお祝いをした。
マネージャーである彼女は引っ張りだこで
中学生たちからも祝われてはった。
楽しそうにしてはる優さんを見ると俺も嬉しくて
愛おしい気持ちになる。
ふと、優さんと目が合うと優しく微笑んでくれはって
目配せしんさった。
あ、そろそろ約束の時間や。
きっと、当日優さんと二人になるのは難しいだろうから
事前に時間を決めて、待ち合わせしたほうが良いとの
柳からのアドバイスは正解やった。
この告白がうまくいったら
柳にはお礼せんといかんね。
『寿三郎、どこに行くの?』
「着いてからのお楽しみでっせ」
お楽しみ、と言いつつ
楽しむどころか緊張でそれどころやあらへん。
頭の中では何度もシミュレーションしたけど
考えてた言葉が出てくるかさっきから不安しかない。
そもそも柳の確率信じてええんやろうか。
そう考えてたら、目的地はもうすぐ。
「優さん、目ぇ閉じんせーね。
俺が案内しやるから、ゆっくり着いて来て」
『わかった。手、離さないでね?』
ぎゅっと、優さんの小さな手を握ると
心臓がより高鳴る気がした。
「着いたから。目、開けてええよ」
長い睫が震えて、優さんが目を開ける。
『わあ……!すごい!満開のヒマワリ!』
タイミングも良く
ヒマワリは綺麗に太陽のほうへと顔を向けていて
青い空と、黄色いヒマワリと、緑の木々が
夏らしさを演出する。
「優さん、今日は
サマーバレンタインの日って言うんやて」
『サマー…バレンタイン……』
「想いを、伝える日なんやって。
……俺、優さんに伝えたいこと、あって。
聞いてくれますやろか?」
こくん、と頷く優さんを見て緊張がピークになる。
もう迷わへん。
想いを伝えても
合宿が終われば離れてまうと悩んでた時もあった。
せやけど悩んでても、なんも始まらへんやんけ。
ヒマワリと夏の太陽に勇気をもらって
この日の、今日の俺はいつもと違うんだと意を決する。
「俺、優さんのことが、好き。
そばにいてくれるだけで
何でもできるような、叶えられる様な
強くなれる気がしやるんです。
年下で、頼りないかもしれへんけど
誰よりも、優さんのこと、好きです!」
言い終わると同時に、身体に触れる温もり。
優さんが俺の手をぎゅっと握ってきんさった。
『わ、私も好き。寿三郎のこと、好き』
「ほ、ほんまに……?」
『本当だよ。……バレンタインの時に勇気を出して
告白しようと思ってたんだけど、できなくて…
だから、いま、すごく嬉しい……』
優さんは涙目になりながら微笑んではって
胸がきゅうって締め付けられる。
この人と、両想いなんや。
いま、格好悪いほど顔がゆるんでるのがわかる。
告白で頭がいっぱいになってもうて
プレゼントを用意していたことを思い出す。
「これは誕生日プレゼントやなくて
サマーバレンタインの贈り物です。
夏らしいもんがええて……柳が」
渡したのは、ヒマワリの花束。
素直に柳からのアドバイスだと告げれば
優さんは素敵な後輩だと笑う。
『……柳くんのことだから、きっとヒマワリの
花言葉まで知ってるんだろうね。
本当は私からも、寿三郎に渡したいくらいだよ』
「花言葉?なんですの?」
『私は、あなただけを見つめてる』
真っ直ぐした瞳に吸い込まれそうな感覚になった。
同じ気持ちでいることが
こんなにも幸せなんだと、改めて愛しさが込み上げてくる。
「優さん、大好き!」
『わあっ!』
風に揺られたヒマワリが一斉に揺らいで
まるで祝福してくれてるみたいやんけと思いながら
何度も大好きだと、彼女に伝える。
優さんがくれはった想いと
俺の優さんへの想いを大切にして
ふたりで一緒に、歩んで行こう。
(柳!色々応援してくれて、ありがとうな!)
(どうやら、うまくいったようですね)
(おん!助けてもろてばかりで、ホンマに感謝しとるよ。
それにしても、柳は色んなこと知ってるんやね)
(色んなこと、とは?)
(サマーバレンタインのこともやけど
ヒマワリの花言葉とか、なんでも知っててすごいわ)
(花言葉に関しては、俺も人から聞いただけです)
(へえ~。幸村とか?)
(いえ、優さんですよ。
以前、明るくて優しい毛利先輩に似合う花だと
話されていましたが…お二人に似合う花ですね)
(柳、もしかして
優さんからも相談受けてたりしやったん…?)
(……さぁ。どうでしょうね)
(俺ら二人とも手のひらで踊らされてたみたいやんけ…!)
柳から聞いた、馴染みのない言葉。
「ええ。どうやら最近作られた記念日のようですね。
男性も女性も、どちらも
想いを伝える日だと言われているそうです」
「・・・それって、いつなん?」
「8月14日。来週ですね」
なんの偶然か、その日は優さんの誕生日。
きっと俺の気持ちを知ってて
柳は敢えてこの話をしてきたんやろうなあ。
フランス戦で和解してからというもの
柳は割と俺に協力的や。
「ホワイトデーみたいに
なんかプレゼントしたりするものなん?」
「贈り物、という話は聞きませんが……
そうですね……
夏らしいものを渡すのも良いとは思いますが」
「夏らしいもの、なあ」
誕生日にプレゼントは考えてはおったんやけど
このチャンスは逃せへん。
ホワイトデーのときは失敗してもうたから。
バレンタインのとき、優さんにチョコを貰うた。
中身は皆と同じやったんやけど
俺のだけ、オレンジ色の包装やった。
途中でラッピングが足りなくなったと
彼女から説明されたからなんも思わへんで
普通にホワイトデーは皆と一緒にお返しをしたんやけど
後日柳から
「本命だった確率83%」と言われた。
高いが微妙な確率や思うてたけど
いざ、両想いかも意識するとソワソワしてもうて
気がついたらもう8月になっていた。
それで、きっと見かねた柳からの貴重なこの情報。
「そういえば、合宿所の近くにヒマワリ畑があるそうですね。
そろそろ見頃だと思いますが」
どこまでも、気のきく良い後輩や。
8月14日当日は、皆で優さんのお祝いをした。
マネージャーである彼女は引っ張りだこで
中学生たちからも祝われてはった。
楽しそうにしてはる優さんを見ると俺も嬉しくて
愛おしい気持ちになる。
ふと、優さんと目が合うと優しく微笑んでくれはって
目配せしんさった。
あ、そろそろ約束の時間や。
きっと、当日優さんと二人になるのは難しいだろうから
事前に時間を決めて、待ち合わせしたほうが良いとの
柳からのアドバイスは正解やった。
この告白がうまくいったら
柳にはお礼せんといかんね。
『寿三郎、どこに行くの?』
「着いてからのお楽しみでっせ」
お楽しみ、と言いつつ
楽しむどころか緊張でそれどころやあらへん。
頭の中では何度もシミュレーションしたけど
考えてた言葉が出てくるかさっきから不安しかない。
そもそも柳の確率信じてええんやろうか。
そう考えてたら、目的地はもうすぐ。
「優さん、目ぇ閉じんせーね。
俺が案内しやるから、ゆっくり着いて来て」
『わかった。手、離さないでね?』
ぎゅっと、優さんの小さな手を握ると
心臓がより高鳴る気がした。
「着いたから。目、開けてええよ」
長い睫が震えて、優さんが目を開ける。
『わあ……!すごい!満開のヒマワリ!』
タイミングも良く
ヒマワリは綺麗に太陽のほうへと顔を向けていて
青い空と、黄色いヒマワリと、緑の木々が
夏らしさを演出する。
「優さん、今日は
サマーバレンタインの日って言うんやて」
『サマー…バレンタイン……』
「想いを、伝える日なんやって。
……俺、優さんに伝えたいこと、あって。
聞いてくれますやろか?」
こくん、と頷く優さんを見て緊張がピークになる。
もう迷わへん。
想いを伝えても
合宿が終われば離れてまうと悩んでた時もあった。
せやけど悩んでても、なんも始まらへんやんけ。
ヒマワリと夏の太陽に勇気をもらって
この日の、今日の俺はいつもと違うんだと意を決する。
「俺、優さんのことが、好き。
そばにいてくれるだけで
何でもできるような、叶えられる様な
強くなれる気がしやるんです。
年下で、頼りないかもしれへんけど
誰よりも、優さんのこと、好きです!」
言い終わると同時に、身体に触れる温もり。
優さんが俺の手をぎゅっと握ってきんさった。
『わ、私も好き。寿三郎のこと、好き』
「ほ、ほんまに……?」
『本当だよ。……バレンタインの時に勇気を出して
告白しようと思ってたんだけど、できなくて…
だから、いま、すごく嬉しい……』
優さんは涙目になりながら微笑んではって
胸がきゅうって締め付けられる。
この人と、両想いなんや。
いま、格好悪いほど顔がゆるんでるのがわかる。
告白で頭がいっぱいになってもうて
プレゼントを用意していたことを思い出す。
「これは誕生日プレゼントやなくて
サマーバレンタインの贈り物です。
夏らしいもんがええて……柳が」
渡したのは、ヒマワリの花束。
素直に柳からのアドバイスだと告げれば
優さんは素敵な後輩だと笑う。
『……柳くんのことだから、きっとヒマワリの
花言葉まで知ってるんだろうね。
本当は私からも、寿三郎に渡したいくらいだよ』
「花言葉?なんですの?」
『私は、あなただけを見つめてる』
真っ直ぐした瞳に吸い込まれそうな感覚になった。
同じ気持ちでいることが
こんなにも幸せなんだと、改めて愛しさが込み上げてくる。
「優さん、大好き!」
『わあっ!』
風に揺られたヒマワリが一斉に揺らいで
まるで祝福してくれてるみたいやんけと思いながら
何度も大好きだと、彼女に伝える。
優さんがくれはった想いと
俺の優さんへの想いを大切にして
ふたりで一緒に、歩んで行こう。
(柳!色々応援してくれて、ありがとうな!)
(どうやら、うまくいったようですね)
(おん!助けてもろてばかりで、ホンマに感謝しとるよ。
それにしても、柳は色んなこと知ってるんやね)
(色んなこと、とは?)
(サマーバレンタインのこともやけど
ヒマワリの花言葉とか、なんでも知っててすごいわ)
(花言葉に関しては、俺も人から聞いただけです)
(へえ~。幸村とか?)
(いえ、優さんですよ。
以前、明るくて優しい毛利先輩に似合う花だと
話されていましたが…お二人に似合う花ですね)
(柳、もしかして
優さんからも相談受けてたりしやったん…?)
(……さぁ。どうでしょうね)
(俺ら二人とも手のひらで踊らされてたみたいやんけ…!)