落とし物
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「こ、これはあかんやろ……」
落とし物を拾うた。
ここで絶っ対、落としたらあかんもんを拾うてしもうた。
本人にまだ聞いてはないけど
これは絶対玲奈さんの落としもんに決まってる。
これ、どないしよ。
こんなん、他の人らには見せられぇへんし
かといって、本人に聞くのも憚れる。
「ちゃい☆しゃがみこんでどないしたん?」
「たっ、種ヶ島さん!?」
慌てて後ろ手に隠したけど
一番会いたくない人に見つかってもうた。
「具合でも悪いのかよ?」
「えっ!?いや、ちゃいます!な、なんでもあらへんので…」
できれば一緒にいる大曲さんや
スマートに対応してくれそうなデュークさんに
この落とし物について相談したいんやけど
そうもうまくはいかへんかった。
「ほな、聞き方変えたろ。
しゃがみこんで下着眺めてどないしたん☆?」
「み、見えてたんけ…!
って、眺めてたわけとちゃいますよ!」
「下着って、お前まさか……」
「せやから、ちゃいます!落ちてたんです!」
この人に隠し事は無理やと諦めて
早々に事の経緯を話すことにした。
「女性物の下着拾うたって……」
「そりゃお前……」
「落とし主は絶対あいつだし」
「落とし主は絶対玲奈ちゃんやろ」
そう。
俺が拾うたもんは、女性用の下着。
ブラジャーが廊下に落ちていた。
最初はなんの冗談かと思うたけど
いくら周りを見渡しても誰もおらんし
ドッキリ!ってこともなさそう。
「誰か仕組んでることも有り得るし」
「それは俺も考えたんですけど、なんも起きひんし・・・
あっ、俺達がどないするか
仕掛け人が賭けてはるとか?」
「この合宿所でそんなことしそうな奴は
こいつぐらいだけどよ。修二、お前じゃねえだろうな?」
確かに、種ヶ島さんならやりそう、と思い
先輩に視線を向けると
ちゃうちゃう、と手を振られる。
じゃあやっぱりこの下着の持ち主は・・・
「なあ。どないなブラなん?」
「えっ!?」
玲奈さんの下着は、先輩らに見られんよう
俺がずっと後ろ手に持ってる。
密かに想いを寄せている人の下着を
はいどうぞと見せるわけにはいかない。
俺のためにも、なにより玲奈さんのためにも。
「あかんです!見せられぇへんです!」
「え~!一人で堪能するとかズルない?」
「べ、別に堪能とか、そないなことするわけないですやん!」
「おいおい、廊下で騒ぐなし・・・」
完全に面白がってる種ヶ島さんはなかなか引き下がらない。
俺が玲奈さんのこと好きなんも、わかってはるくせに。
「なあ毛利。この風呂に近い場所に落ちてたいうことは
玲奈ちゃん、今風呂に行ってるんやろ?
ほんで、替えの下着はここにあるっちゅうことは・・・」
にやにやとした種ヶ島さんが何を言いたいのか
なんとなく、察しはつく。
察しはつくが、そこは考えたらあかんとこや。
「ここ通るときは、なーんも、つけてへんってことやろな☆」
色々想像してしもうて
ぶわっと顔全体が赤くなるのがわかる。
あかん。そんなん絶対あかん。
ていうか、今後手に握りしめてるんも
恥ずかしくなってきよった。
「戴き☆」
「あかんですって!!!」
『何してるの?』
種ヶ島さんが下着に手を掛けた瞬間に
まさかの渦中の人物が現れた。
「こ、これは・・・!その・・・!」
”なにもつけてない”という
良からぬ妄想が働いてうまく話せへん。
『・・・男の子だから、興味を持つのはわかるけど
高校生にもなって
公の場で彼女の下着見せびらかすのはちょっとどうかと思う」
今まで見たこともないような冷たい視線で射抜かれる。
あかん、めげそう。
「ん?彼女の下着って?これ、玲奈さんのやないんけ?」
『何言ってるの?私のじゃないけど』
「せやったらこれは・・・」
その場にいた全員が混乱しかけたところに
一際甲高い声が響いた。
「あ~!!あったわ!
先輩達が拾ってくれたのねぇ !おおきに!」
走ってきたのは、四天宝寺の金色やった。
『これ、小春ちゃんの?』
「そうなんですぅ!アタシのネタ用。
ネタ合わせしよう思てたら、こんなところに落として……
って、ヤダ、先輩らアタシの下着取り合ってるん?や~ん!」
取り合ってると思われても仕方がない状況。
俺が玲奈さんの、やなかった。
金色の下着を掲げて、それに手を掛けた種ヶ島さん。
ほいでそれを呆れ顔で見ている大曲さんと
玲奈さんという図。
地獄絵図やん。
必死で玲奈さんの下着守らな思うてたのに。
『・・・私の下着だと思っていたにしても、どういう状況よ』
「ちゃうんです!俺は種ヶ島さんから守らなて・・・!」
「玲奈ちゃん!毛利は玲奈ちゃんの下着や思うて
一人で堪能しようとしてたんやで!」
「せやから、そないなことしてへんですってぇ!」
そのあと、玲奈さんの誤解は解けたけど、騒いでたせいで
他の中学生は集まってくるし
金色からは焦ってる毛利先輩カワイイて言われるし
一氏からは敵意を向けられるし
踏んだり蹴ったりやった。
せやけど、玲奈さんの下着やなくて
ほんまに良かったと思うと同時に
実はこっそり
残念だったなんて思うてしまってたんは誰にも内緒やね。
(ありがとう。
私のだと思って、隠そうとしてくれてたんだね)
(誰だって玲奈さんのや思いますよ)
(そうだね。
毛利くん、私のだと思って何か想像しちゃった……?)
(えっ!や、そのっ……!)
(だって私が話しかけた時狼狽えてたから)
(た、種ヶ島さんが変なこと言わはって…
それで、その、少し…)
(ふふっ。
そう……じゃあもっと想像しちゃうようなこと教えてあげる)
(えっ?)
(私はああいう花柄とか、可愛いのはつけてないよ)
(えっ!?な、何言うて……!
……っ、せやったら、どないなの、つけてはるん?)
(そうね、確かめてみる……?)
(そ、そないなこと言うんはやめんせーね!)
(あら残念)
落とし物を拾うた。
ここで絶っ対、落としたらあかんもんを拾うてしもうた。
本人にまだ聞いてはないけど
これは絶対玲奈さんの落としもんに決まってる。
これ、どないしよ。
こんなん、他の人らには見せられぇへんし
かといって、本人に聞くのも憚れる。
「ちゃい☆しゃがみこんでどないしたん?」
「たっ、種ヶ島さん!?」
慌てて後ろ手に隠したけど
一番会いたくない人に見つかってもうた。
「具合でも悪いのかよ?」
「えっ!?いや、ちゃいます!な、なんでもあらへんので…」
できれば一緒にいる大曲さんや
スマートに対応してくれそうなデュークさんに
この落とし物について相談したいんやけど
そうもうまくはいかへんかった。
「ほな、聞き方変えたろ。
しゃがみこんで下着眺めてどないしたん☆?」
「み、見えてたんけ…!
って、眺めてたわけとちゃいますよ!」
「下着って、お前まさか……」
「せやから、ちゃいます!落ちてたんです!」
この人に隠し事は無理やと諦めて
早々に事の経緯を話すことにした。
「女性物の下着拾うたって……」
「そりゃお前……」
「落とし主は絶対あいつだし」
「落とし主は絶対玲奈ちゃんやろ」
そう。
俺が拾うたもんは、女性用の下着。
ブラジャーが廊下に落ちていた。
最初はなんの冗談かと思うたけど
いくら周りを見渡しても誰もおらんし
ドッキリ!ってこともなさそう。
「誰か仕組んでることも有り得るし」
「それは俺も考えたんですけど、なんも起きひんし・・・
あっ、俺達がどないするか
仕掛け人が賭けてはるとか?」
「この合宿所でそんなことしそうな奴は
こいつぐらいだけどよ。修二、お前じゃねえだろうな?」
確かに、種ヶ島さんならやりそう、と思い
先輩に視線を向けると
ちゃうちゃう、と手を振られる。
じゃあやっぱりこの下着の持ち主は・・・
「なあ。どないなブラなん?」
「えっ!?」
玲奈さんの下着は、先輩らに見られんよう
俺がずっと後ろ手に持ってる。
密かに想いを寄せている人の下着を
はいどうぞと見せるわけにはいかない。
俺のためにも、なにより玲奈さんのためにも。
「あかんです!見せられぇへんです!」
「え~!一人で堪能するとかズルない?」
「べ、別に堪能とか、そないなことするわけないですやん!」
「おいおい、廊下で騒ぐなし・・・」
完全に面白がってる種ヶ島さんはなかなか引き下がらない。
俺が玲奈さんのこと好きなんも、わかってはるくせに。
「なあ毛利。この風呂に近い場所に落ちてたいうことは
玲奈ちゃん、今風呂に行ってるんやろ?
ほんで、替えの下着はここにあるっちゅうことは・・・」
にやにやとした種ヶ島さんが何を言いたいのか
なんとなく、察しはつく。
察しはつくが、そこは考えたらあかんとこや。
「ここ通るときは、なーんも、つけてへんってことやろな☆」
色々想像してしもうて
ぶわっと顔全体が赤くなるのがわかる。
あかん。そんなん絶対あかん。
ていうか、今後手に握りしめてるんも
恥ずかしくなってきよった。
「戴き☆」
「あかんですって!!!」
『何してるの?』
種ヶ島さんが下着に手を掛けた瞬間に
まさかの渦中の人物が現れた。
「こ、これは・・・!その・・・!」
”なにもつけてない”という
良からぬ妄想が働いてうまく話せへん。
『・・・男の子だから、興味を持つのはわかるけど
高校生にもなって
公の場で彼女の下着見せびらかすのはちょっとどうかと思う」
今まで見たこともないような冷たい視線で射抜かれる。
あかん、めげそう。
「ん?彼女の下着って?これ、玲奈さんのやないんけ?」
『何言ってるの?私のじゃないけど』
「せやったらこれは・・・」
その場にいた全員が混乱しかけたところに
一際甲高い声が響いた。
「あ~!!あったわ!
先輩達が拾ってくれたのねぇ !おおきに!」
走ってきたのは、四天宝寺の金色やった。
『これ、小春ちゃんの?』
「そうなんですぅ!アタシのネタ用。
ネタ合わせしよう思てたら、こんなところに落として……
って、ヤダ、先輩らアタシの下着取り合ってるん?や~ん!」
取り合ってると思われても仕方がない状況。
俺が玲奈さんの、やなかった。
金色の下着を掲げて、それに手を掛けた種ヶ島さん。
ほいでそれを呆れ顔で見ている大曲さんと
玲奈さんという図。
地獄絵図やん。
必死で玲奈さんの下着守らな思うてたのに。
『・・・私の下着だと思っていたにしても、どういう状況よ』
「ちゃうんです!俺は種ヶ島さんから守らなて・・・!」
「玲奈ちゃん!毛利は玲奈ちゃんの下着や思うて
一人で堪能しようとしてたんやで!」
「せやから、そないなことしてへんですってぇ!」
そのあと、玲奈さんの誤解は解けたけど、騒いでたせいで
他の中学生は集まってくるし
金色からは焦ってる毛利先輩カワイイて言われるし
一氏からは敵意を向けられるし
踏んだり蹴ったりやった。
せやけど、玲奈さんの下着やなくて
ほんまに良かったと思うと同時に
実はこっそり
残念だったなんて思うてしまってたんは誰にも内緒やね。
(ありがとう。
私のだと思って、隠そうとしてくれてたんだね)
(誰だって玲奈さんのや思いますよ)
(そうだね。
毛利くん、私のだと思って何か想像しちゃった……?)
(えっ!や、そのっ……!)
(だって私が話しかけた時狼狽えてたから)
(た、種ヶ島さんが変なこと言わはって…
それで、その、少し…)
(ふふっ。
そう……じゃあもっと想像しちゃうようなこと教えてあげる)
(えっ?)
(私はああいう花柄とか、可愛いのはつけてないよ)
(えっ!?な、何言うて……!
……っ、せやったら、どないなの、つけてはるん?)
(そうね、確かめてみる……?)
(そ、そないなこと言うんはやめんせーね!)
(あら残念)