きみはクラスメート(中編小説)
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オーストラリアから帰ると
一気に夢から覚めたかのような気持ちになった。
自室のベットに寝転びながら
試合のこと、告白のこと
種ヶ島のチームメイト達と挨拶したこと
色んなことを思い出しながら
我ながらなんて行動力だと驚く。
明日から、学校だ。
種ヶ島はまだ数日は向こうにいるが
どんな顔をして会えば良いのだろうか。
あの気まぐれな自由奔放な男だから
やっぱり付き合うのはやめる、とか
言わないだろうか。
恋愛って、本当に難しい。
好きになるまでも、好きになっても
付き合うことになっても
悩みってなくならないものなんだな。
だけど、不思議と不安はない。
それだけ、私が種ヶ島を好きだという証拠なのだろう。
翌朝登校すると、当たり前の日常が戻る。
種ヶ島のいない教室は物足りない。
飛行機が苦手な種ヶ島は
皆と別に、船で帰国するらしいから
帰ってくるのに時間が掛かる。
会えるのは、来週か。
そうぼんやり考えていたら
聞きたくてたまらなかった声がした。
聞き間違いかと思っていたら
教室の入口には種ヶ島が立っていて
クラスメートから試合はどうだったかと
質問攻めにされていた。
『えっ……なんで…』
唖然として彼を見つめていたら
にんまり、と口角を上げて
「愛しい彼女のために、早めに帰って来たで☆」
そう大きな声で言うものだから
私達の交際は
すぐさま学校中に知れ渡ることになったのだった。
『ちょっと…なんであんな大声で言うの…』
一緒に中庭でお弁当を食べながら
ちらりと恨めしそうな視線を向ける。
種ヶ島のせいで、午前中はずっと
いつから付き合ってるのかとか
どっちから告白したのかとか
クラスメート達に囲まれてしまってヘトヘトだ。
まあ、私はほぼ答えず
種ヶ島がふんわりとした回答をずっと
してくれていたのだけれども。
「ん〜?自慢したいし牽制もかねて、な☆」
『…私種ヶ島のファンに呼び出されないかな』
実際種ヶ島ファンは多い。
容姿が良くて、テニスも強くて、面白いとくれば
そりゃモテるに決まっている。
告白だって、私がたまたま見かけた
あれだけじゃないだろうし。
「せやから、牽制なんやで。
俺が自分から堂々と言えば
余計なことしてくる奴もおらんやろ」
得意気に笑うその笑顔の中には優しさがあって
私を守ろうとしてくれているのがわかる。
いつでも先を見越して行動している姿は
悔しいけれど、尊敬するし
何より私より何歩も先を進んでいるようで
見習わなければと思う。
『……ありがとう』
「それに、俺のためでもあるんやで。
虫よけに丁度えぇ機会やったしなあ」
『虫よけ?なにが?』
聞き返した私の言葉に返答はなく
その代わりに大事に残していた唐揚げを
パクっと盗られてしまって
私の素っ頓狂な声が中庭に響いてしまったのだった。
一気に夢から覚めたかのような気持ちになった。
自室のベットに寝転びながら
試合のこと、告白のこと
種ヶ島のチームメイト達と挨拶したこと
色んなことを思い出しながら
我ながらなんて行動力だと驚く。
明日から、学校だ。
種ヶ島はまだ数日は向こうにいるが
どんな顔をして会えば良いのだろうか。
あの気まぐれな自由奔放な男だから
やっぱり付き合うのはやめる、とか
言わないだろうか。
恋愛って、本当に難しい。
好きになるまでも、好きになっても
付き合うことになっても
悩みってなくならないものなんだな。
だけど、不思議と不安はない。
それだけ、私が種ヶ島を好きだという証拠なのだろう。
翌朝登校すると、当たり前の日常が戻る。
種ヶ島のいない教室は物足りない。
飛行機が苦手な種ヶ島は
皆と別に、船で帰国するらしいから
帰ってくるのに時間が掛かる。
会えるのは、来週か。
そうぼんやり考えていたら
聞きたくてたまらなかった声がした。
聞き間違いかと思っていたら
教室の入口には種ヶ島が立っていて
クラスメートから試合はどうだったかと
質問攻めにされていた。
『えっ……なんで…』
唖然として彼を見つめていたら
にんまり、と口角を上げて
「愛しい彼女のために、早めに帰って来たで☆」
そう大きな声で言うものだから
私達の交際は
すぐさま学校中に知れ渡ることになったのだった。
『ちょっと…なんであんな大声で言うの…』
一緒に中庭でお弁当を食べながら
ちらりと恨めしそうな視線を向ける。
種ヶ島のせいで、午前中はずっと
いつから付き合ってるのかとか
どっちから告白したのかとか
クラスメート達に囲まれてしまってヘトヘトだ。
まあ、私はほぼ答えず
種ヶ島がふんわりとした回答をずっと
してくれていたのだけれども。
「ん〜?自慢したいし牽制もかねて、な☆」
『…私種ヶ島のファンに呼び出されないかな』
実際種ヶ島ファンは多い。
容姿が良くて、テニスも強くて、面白いとくれば
そりゃモテるに決まっている。
告白だって、私がたまたま見かけた
あれだけじゃないだろうし。
「せやから、牽制なんやで。
俺が自分から堂々と言えば
余計なことしてくる奴もおらんやろ」
得意気に笑うその笑顔の中には優しさがあって
私を守ろうとしてくれているのがわかる。
いつでも先を見越して行動している姿は
悔しいけれど、尊敬するし
何より私より何歩も先を進んでいるようで
見習わなければと思う。
『……ありがとう』
「それに、俺のためでもあるんやで。
虫よけに丁度えぇ機会やったしなあ」
『虫よけ?なにが?』
聞き返した私の言葉に返答はなく
その代わりに大事に残していた唐揚げを
パクっと盗られてしまって
私の素っ頓狂な声が中庭に響いてしまったのだった。