きみはクラスメート(中編小説)
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それから私達は試合会場へと戻った。
種ヶ島は早々にいなくなったことをチームメイトから
怒られていたようだけど
それはすぐに冷やかしと歓喜の声に変わっていた。
どうやら一部始終を見られており
種ヶ島が満面の笑みで
しかも手を繋いで戻ってきたとすれば
そりゃ冷やかされもするだろう。
少し遠くで種ヶ島たちを見ていたら
ひょいひょい、とこっちに来いと手を振られた。
「と、いうわけで俺の彼女の中園玲ちゃんです!」
『…試合直後にお邪魔してすみません。
中園玲と申します』
深々と頭を下げると興味津々といった表情で
色んな人に囲まれた。
一気に紹介されて
覚えられるわけがないと思っていたけど
案外すんなり覚えられた。
これも皆、種ヶ島が日頃から彼らの話を
私にしてくれていたからだろう。
そう思うと、勝手に私も仲間に入れてもらった気がして
なんだか嬉しい。
そのまま皆と少し談笑したあと
種ヶ島が近くまで送ってくれることになった。
『別に送らなくてもいいのに。疲れてるでしょ?』
「いやいや。こーんな辺鄙な場所で
大切な彼女を一人で歩かせられへんて」
『…さっきから彼女って連呼するね』
「ん?そらなあ。これでも俺、浮かれてんねんで」
いつもと変わらないのになあと思っていたら
ふいに、ぎゅっと手を握られる。
それも俗に言う恋人つなぎというやつ。
なんだろう。
手を繋ぐ、という行為自体は同じなのに
繋ぎ方のせいで自然と身体は密着するし
触れている部分が多すぎて
緊張してうまく頭が回らない。
「…あんまりかわええ反応するのやめてや」
『な、にが』
「顔、真っ赤やで」
『そ、そっちこそ、少し赤いじゃない』
「せやから、浮かれてんねんて。
ずっと好きやった子が
オーストラリアまで追っかけて来てくれて
熱烈な告白して…ちょ、手ぇ離さんといてや!」
恥ずかしくて、ぶんぶんと手を振って離そうとしたら
種ヶ島は大きく口を開けて笑った。
私達は甘い雰囲気を出すのが
お互いまだ照れくさいのか
終始冗談ばかりを言いながら歩いた。
『もうそこだから、ここで良いよ。ありがとう』
「さよか。玲ちゃん、ホンマに来てくれておおきに」
『ううん。来たくて来たから。
押しかけちゃってごめんね』
「日本に帰ったら、いっぱいデートしよな」
『うん。楽しみにしてる』
名残惜しいなあと思いながら手を離し
種ヶ島に背を向けた瞬間
後ろからぎゅっと、抱き締められた。
『た、種ヶ島…?』
「俺メンタル7の男なんやけどなあ」
『な、なにが?』
「離れるの、しんどいなあて」
素直な声に、嬉しくて、嬉しくて仕方がなくて
緩みまくった頬のまま
抱きつきたかったのだけれど
タイミングよく掛かってきた
姉からの電話に遮られてしまった。
いちゃいちゃの続きは日本でな、と耳元で囁かれて
私はその色気たっぷりの声に
ただただ、頷くことしかできなかった。
種ヶ島は早々にいなくなったことをチームメイトから
怒られていたようだけど
それはすぐに冷やかしと歓喜の声に変わっていた。
どうやら一部始終を見られており
種ヶ島が満面の笑みで
しかも手を繋いで戻ってきたとすれば
そりゃ冷やかされもするだろう。
少し遠くで種ヶ島たちを見ていたら
ひょいひょい、とこっちに来いと手を振られた。
「と、いうわけで俺の彼女の中園玲ちゃんです!」
『…試合直後にお邪魔してすみません。
中園玲と申します』
深々と頭を下げると興味津々といった表情で
色んな人に囲まれた。
一気に紹介されて
覚えられるわけがないと思っていたけど
案外すんなり覚えられた。
これも皆、種ヶ島が日頃から彼らの話を
私にしてくれていたからだろう。
そう思うと、勝手に私も仲間に入れてもらった気がして
なんだか嬉しい。
そのまま皆と少し談笑したあと
種ヶ島が近くまで送ってくれることになった。
『別に送らなくてもいいのに。疲れてるでしょ?』
「いやいや。こーんな辺鄙な場所で
大切な彼女を一人で歩かせられへんて」
『…さっきから彼女って連呼するね』
「ん?そらなあ。これでも俺、浮かれてんねんで」
いつもと変わらないのになあと思っていたら
ふいに、ぎゅっと手を握られる。
それも俗に言う恋人つなぎというやつ。
なんだろう。
手を繋ぐ、という行為自体は同じなのに
繋ぎ方のせいで自然と身体は密着するし
触れている部分が多すぎて
緊張してうまく頭が回らない。
「…あんまりかわええ反応するのやめてや」
『な、にが』
「顔、真っ赤やで」
『そ、そっちこそ、少し赤いじゃない』
「せやから、浮かれてんねんて。
ずっと好きやった子が
オーストラリアまで追っかけて来てくれて
熱烈な告白して…ちょ、手ぇ離さんといてや!」
恥ずかしくて、ぶんぶんと手を振って離そうとしたら
種ヶ島は大きく口を開けて笑った。
私達は甘い雰囲気を出すのが
お互いまだ照れくさいのか
終始冗談ばかりを言いながら歩いた。
『もうそこだから、ここで良いよ。ありがとう』
「さよか。玲ちゃん、ホンマに来てくれておおきに」
『ううん。来たくて来たから。
押しかけちゃってごめんね』
「日本に帰ったら、いっぱいデートしよな」
『うん。楽しみにしてる』
名残惜しいなあと思いながら手を離し
種ヶ島に背を向けた瞬間
後ろからぎゅっと、抱き締められた。
『た、種ヶ島…?』
「俺メンタル7の男なんやけどなあ」
『な、なにが?』
「離れるの、しんどいなあて」
素直な声に、嬉しくて、嬉しくて仕方がなくて
緩みまくった頬のまま
抱きつきたかったのだけれど
タイミングよく掛かってきた
姉からの電話に遮られてしまった。
いちゃいちゃの続きは日本でな、と耳元で囁かれて
私はその色気たっぷりの声に
ただただ、頷くことしかできなかった。