きみはクラスメート(中編小説)
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試合会場に入ると
昨日の静けさとは桁違いに賑わっている。
満員に思えるほど人で溢れ、熱気が凄まじく
賑わう、という表現ではすまされそうにない。
そのくらい、この大会が注目されていることがわかる。
さて、どこに座ろうか辺りを見渡していたら
長い三つ編みの女の子とぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさいっ!!」
『こっちこそちゃんと見てなくて、ごめんなさい』
日本語に思わず反応してしまったけど
ここはオーストラリア。
昨日から続けて日本人に会うなんて想定外だ。
どうやらそれは彼女も同じようで
大きなくりっとした瞳で不思議そうに見つめられた。
ここが日本なら、ぶつかっただけで
話しかけることなんてしないのだけれど
こんな異国の地で出会うなんて嬉しくて
思わず誰かの応援で?と聞いてみた。
少しだけ頬を赤らめた彼女は頷いて微笑み
良かったら一緒に応援しませんかと提案されたので
私は素直に彼女の提案を受け入れることにした。
桜乃と名乗った女の子は
他にも数人の友人達と一緒に来ていたようで
私は彼女達の後ろに混ぜてもらうことにした。
皆中学生のようだけど、場馴れしているのか堂々としていて
最近の中学生ってすごいなと感心していたら
わぁっ、と一際歓声が響いた。
『あっ……』
コートに日本チームとドイツチームが揃う。
会いたくて、でも会いたくなくて
見たくてたまらなかった姿がそこにはあった。
久しぶりに見た種ヶ島は
学校で見る姿とも、練習試合で見せた姿とも違って
本気の顔をしてい
この距離で、気づかれることはないとは思うけど
前に座る男の子の陰に私は少しだけ隠れた。
今まで、練習試合以外でテニスの試合を
まともに見たことはなかったのだけれど
私の知っているテニスとは、かけ離れた試合が
目の前で繰り広げられている。
シングルス、ダブルス、それぞれ試合があり
今、日本は1勝2敗。
次の試合で負けてしまったら、日本の負けが決まる。
種ヶ島…と小さく名前を呟いたとき
次の試合がコールされた。
日本の命運を託されたのは、種ヶ島と切原と呼ばれた
中学生らしきやんちゃそうな男の子で
私はそっと、両の手を合わせて彼らの姿を見つめたのだった。
昨日の静けさとは桁違いに賑わっている。
満員に思えるほど人で溢れ、熱気が凄まじく
賑わう、という表現ではすまされそうにない。
そのくらい、この大会が注目されていることがわかる。
さて、どこに座ろうか辺りを見渡していたら
長い三つ編みの女の子とぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさいっ!!」
『こっちこそちゃんと見てなくて、ごめんなさい』
日本語に思わず反応してしまったけど
ここはオーストラリア。
昨日から続けて日本人に会うなんて想定外だ。
どうやらそれは彼女も同じようで
大きなくりっとした瞳で不思議そうに見つめられた。
ここが日本なら、ぶつかっただけで
話しかけることなんてしないのだけれど
こんな異国の地で出会うなんて嬉しくて
思わず誰かの応援で?と聞いてみた。
少しだけ頬を赤らめた彼女は頷いて微笑み
良かったら一緒に応援しませんかと提案されたので
私は素直に彼女の提案を受け入れることにした。
桜乃と名乗った女の子は
他にも数人の友人達と一緒に来ていたようで
私は彼女達の後ろに混ぜてもらうことにした。
皆中学生のようだけど、場馴れしているのか堂々としていて
最近の中学生ってすごいなと感心していたら
わぁっ、と一際歓声が響いた。
『あっ……』
コートに日本チームとドイツチームが揃う。
会いたくて、でも会いたくなくて
見たくてたまらなかった姿がそこにはあった。
久しぶりに見た種ヶ島は
学校で見る姿とも、練習試合で見せた姿とも違って
本気の顔をしてい
この距離で、気づかれることはないとは思うけど
前に座る男の子の陰に私は少しだけ隠れた。
今まで、練習試合以外でテニスの試合を
まともに見たことはなかったのだけれど
私の知っているテニスとは、かけ離れた試合が
目の前で繰り広げられている。
シングルス、ダブルス、それぞれ試合があり
今、日本は1勝2敗。
次の試合で負けてしまったら、日本の負けが決まる。
種ヶ島…と小さく名前を呟いたとき
次の試合がコールされた。
日本の命運を託されたのは、種ヶ島と切原と呼ばれた
中学生らしきやんちゃそうな男の子で
私はそっと、両の手を合わせて彼らの姿を見つめたのだった。