きみはクラスメート(中編小説)
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あのあと、私は早退した。
あの光景を目にしたあと、普通に隣に座っていることなんて
できそうにもなかったから。
種ヶ島からは“どないしたん?”と連絡がきたけど
体調不良だと嘘をついた。
いや、あながち嘘ではない。
ズキンズキンと、胸が抉られるように痛いし視界が霞む。
『何…泣いてるの、私…』
泣くなんてらしくもない、と一旦冷静なろうと
さっきの光景を思い返してみる。
種ヶ島の背中と、回された女の子の手。
転けた女の子を抱き止めた…にしては無理があるから
考えられることは、告白が成功して嬉しくて抱きついた
そんなところだろうか。
そう考えて一気に気持ちが落ち込むが
いやでもまだ告白が成功したとは限らない。
フラれたけど思い出に抱き締めてほしい、的な
乙女チックなやつかもしれない。
でもそれだと何が「おーきに」なの?
それに、あの時、種ヶ島の両手はどこにあった?
私の位置からは見えなかったということは
抱き締め返していた?
『もー、やだ…』
情けなくなるほど感情がぶれぶれで
自分でもどうしたら良いかわからない。
入江くんとの会話のあと
もしかしたら、種ヶ島と両思いかもしれない
と思っていた私はなんて愚かだったんだろう。
自分の部屋でうずくまっていたら
ヴーッとスマホが震えた。
種ヶ島かも、と画面を見るとそこには“入江 奏多”の文字。
『…はい』
「あ、中園さん?ごめんね、今大丈夫?
早退したって聞いたんだけど明日の会議のことで…」
『うん』
一通り業務連絡を聞いたあと
入江くんは一呼吸置いて、なにかあった?と聞いていた。
種ヶ島といい、入江くんといい
本当に勘が鋭くて驚かせられる。
『…実は……』
私は先程の光景をゆっくりと話した。
入江くんはただ、うん、うんと口を挟むことなく
全てを聞いてくれて
その優しさにまた涙が出そうになった。
「僕の予想としては
告白されていきなり抱きつかれた、ってとこだと思う」
『そうなのかな…』
「修さんにそれとなく聞くことはできるよ。
告白されてたでしょーって僕から聞いたら全てわかる。
聞いてみようか?」
『……ううん。それじゃ、だめだと思うの。
それだと私、きっと前に進めない…。
自分で、ちゃんと種ヶ島に向き合わないと
ずっとこのままな気がする』
入江くんの配慮はすごくありがたい。
だけど、ここで逃げたら卒業するまで
私は私の気持ちを押し殺したまま
何も変わらず過ごすことになるだろう。
告白なんて、頭になかった。
今だって、好きです、なんてことを言うつもりはない。
ただ、逃げるなんて、私らしくない。
「フフッ、強いね」
『違うよ。強くありたいだけ』
入江くんと話をしていたらだんだん元気が出てきた。
一人でウジウジ悩むより
誰かに聞いてもらうだけで気持ちはスッキリするものだ。
彼には何度も種ヶ島のことで助けてもらっている。
自分の中で、いろんなことが整理できたら
入江くんにお礼をしようと思った。
あの光景を目にしたあと、普通に隣に座っていることなんて
できそうにもなかったから。
種ヶ島からは“どないしたん?”と連絡がきたけど
体調不良だと嘘をついた。
いや、あながち嘘ではない。
ズキンズキンと、胸が抉られるように痛いし視界が霞む。
『何…泣いてるの、私…』
泣くなんてらしくもない、と一旦冷静なろうと
さっきの光景を思い返してみる。
種ヶ島の背中と、回された女の子の手。
転けた女の子を抱き止めた…にしては無理があるから
考えられることは、告白が成功して嬉しくて抱きついた
そんなところだろうか。
そう考えて一気に気持ちが落ち込むが
いやでもまだ告白が成功したとは限らない。
フラれたけど思い出に抱き締めてほしい、的な
乙女チックなやつかもしれない。
でもそれだと何が「おーきに」なの?
それに、あの時、種ヶ島の両手はどこにあった?
私の位置からは見えなかったということは
抱き締め返していた?
『もー、やだ…』
情けなくなるほど感情がぶれぶれで
自分でもどうしたら良いかわからない。
入江くんとの会話のあと
もしかしたら、種ヶ島と両思いかもしれない
と思っていた私はなんて愚かだったんだろう。
自分の部屋でうずくまっていたら
ヴーッとスマホが震えた。
種ヶ島かも、と画面を見るとそこには“入江 奏多”の文字。
『…はい』
「あ、中園さん?ごめんね、今大丈夫?
早退したって聞いたんだけど明日の会議のことで…」
『うん』
一通り業務連絡を聞いたあと
入江くんは一呼吸置いて、なにかあった?と聞いていた。
種ヶ島といい、入江くんといい
本当に勘が鋭くて驚かせられる。
『…実は……』
私は先程の光景をゆっくりと話した。
入江くんはただ、うん、うんと口を挟むことなく
全てを聞いてくれて
その優しさにまた涙が出そうになった。
「僕の予想としては
告白されていきなり抱きつかれた、ってとこだと思う」
『そうなのかな…』
「修さんにそれとなく聞くことはできるよ。
告白されてたでしょーって僕から聞いたら全てわかる。
聞いてみようか?」
『……ううん。それじゃ、だめだと思うの。
それだと私、きっと前に進めない…。
自分で、ちゃんと種ヶ島に向き合わないと
ずっとこのままな気がする』
入江くんの配慮はすごくありがたい。
だけど、ここで逃げたら卒業するまで
私は私の気持ちを押し殺したまま
何も変わらず過ごすことになるだろう。
告白なんて、頭になかった。
今だって、好きです、なんてことを言うつもりはない。
ただ、逃げるなんて、私らしくない。
「フフッ、強いね」
『違うよ。強くありたいだけ』
入江くんと話をしていたらだんだん元気が出てきた。
一人でウジウジ悩むより
誰かに聞いてもらうだけで気持ちはスッキリするものだ。
彼には何度も種ヶ島のことで助けてもらっている。
自分の中で、いろんなことが整理できたら
入江くんにお礼をしようと思った。