きみはクラスメート(中編小説)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝、教室に入って早々
クラスメート数人から、体調は大丈夫かと声を掛けられた。
まだ完全に喉の違和感が取れないので
念のためにマスクをして行ったのだけど
それが余計に心配させたようだった。
昨日の電話のせいで、種ヶ島とどう話そうかと
そればかりが頭にあったので
ここまで声を掛けられるなんて、予想外だった。
自分の席に向かうと、隣には既に種ヶ島がいて
頬杖をついて窓の外を見ていた。
手で口元が隠れているため表情はわからないけど
何をしていても絵になる男だと、つくづく思う。
『お、おはよう』
「おはようさん。
本調子やなさそうやけど、顔色は悪ないな」
『喉だけ、違和感があるくらいだから…もう大丈夫』
嘘じゃないからね、という意味を込めて
大丈夫を強調して言えば
種ヶ島は楽しそうに笑っていた。
1日休んだだけだったから
授業に支障はほとんどなかったけど
数学と英語だけは先に進んでいたので
種ヶ島が丁寧に教えてくれた。
授業態度は真面目だし案外頭も良いから
人は見かけによらない。
しかも教え方もうまい。
「にしても、玲ちゃんおらへんとつまらへんかったわ~」
『はいはい。昼休みにからかう相手がいなくて
暇で連絡してきたってわけね』
「え?もしかして…朝いちに俺からの連絡がなくて
拗ねてもうてるん?寂しかったん?可愛いやん」
『ち、違っ!そうじゃないっ…』
そうじゃないけど
ゆっくり休んでな、のメッセージは嬉しかったし
電話も緊張したけど
種ヶ島の声を聞いたらホッとした。
『…そっちこそ、私が既読つけたらすぐ電話してきて…
よっぽど寂しかったのね』
心配してくれてありがとう、くらい言えば良いのに
私の口から出るのは可愛くない台詞ばかり。
以前の私だったら
笑顔で“電話嬉しかったよ“とか
軽く言うことが出来たのに、最近はなぜかそうもいかない。
「せやで。寂しかったし心配した」
ハッキリと断言する言葉につられて種ヶ島の顔を見たら
やんわりと微笑んでいて
私も会えなくて寂しかったんだと自覚した。
授業中、嬉しいのか恥ずかしいのか
よくわからない感情で口元が緩んでしまっていたので
マスクをしてきて良かったと心から思った。
クラスメート数人から、体調は大丈夫かと声を掛けられた。
まだ完全に喉の違和感が取れないので
念のためにマスクをして行ったのだけど
それが余計に心配させたようだった。
昨日の電話のせいで、種ヶ島とどう話そうかと
そればかりが頭にあったので
ここまで声を掛けられるなんて、予想外だった。
自分の席に向かうと、隣には既に種ヶ島がいて
頬杖をついて窓の外を見ていた。
手で口元が隠れているため表情はわからないけど
何をしていても絵になる男だと、つくづく思う。
『お、おはよう』
「おはようさん。
本調子やなさそうやけど、顔色は悪ないな」
『喉だけ、違和感があるくらいだから…もう大丈夫』
嘘じゃないからね、という意味を込めて
大丈夫を強調して言えば
種ヶ島は楽しそうに笑っていた。
1日休んだだけだったから
授業に支障はほとんどなかったけど
数学と英語だけは先に進んでいたので
種ヶ島が丁寧に教えてくれた。
授業態度は真面目だし案外頭も良いから
人は見かけによらない。
しかも教え方もうまい。
「にしても、玲ちゃんおらへんとつまらへんかったわ~」
『はいはい。昼休みにからかう相手がいなくて
暇で連絡してきたってわけね』
「え?もしかして…朝いちに俺からの連絡がなくて
拗ねてもうてるん?寂しかったん?可愛いやん」
『ち、違っ!そうじゃないっ…』
そうじゃないけど
ゆっくり休んでな、のメッセージは嬉しかったし
電話も緊張したけど
種ヶ島の声を聞いたらホッとした。
『…そっちこそ、私が既読つけたらすぐ電話してきて…
よっぽど寂しかったのね』
心配してくれてありがとう、くらい言えば良いのに
私の口から出るのは可愛くない台詞ばかり。
以前の私だったら
笑顔で“電話嬉しかったよ“とか
軽く言うことが出来たのに、最近はなぜかそうもいかない。
「せやで。寂しかったし心配した」
ハッキリと断言する言葉につられて種ヶ島の顔を見たら
やんわりと微笑んでいて
私も会えなくて寂しかったんだと自覚した。
授業中、嬉しいのか恥ずかしいのか
よくわからない感情で口元が緩んでしまっていたので
マスクをしてきて良かったと心から思った。