きみはクラスメート(中編小説)
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久しぶりに、風邪をひいた。
朝起きたら喉の調子がおかしくて
まあ乾燥してただけだろうと思っていたら
学校へ行く準備をしている間に徐々に体温があがり
38℃という、けっこうな高熱になった。
足元はふらつくし、ぼーっとするしで
休まざるを得ないのだけど
確か今日は日直だったから
ペアの子に迷惑かけるな、とか
種ヶ島は教科書忘れてないかな、とか
自然と学校のことが頭をよぎってしまう。
将来、仕事人間になりそうだなと自嘲し
私は目蓋を閉じて、無理やりにでも寝ることにした。
目を覚ますと、時計は17時を指していた。
薬の効果もあったせいか
安眠することができて、熱は下がっていた。
気だるさだけと、喉の違和感だけが残っている。
ふと、枕元に放置していたスマホを見ると
画面には“種ヶ島修二“の文字。
“風邪ひいたって聞いたで。ゆっくり休んでな“
受信したのはちょうど昼休みの時間帯。
けっこう時間が空いてしまったし
返信するような内容でもないけど
ここはありがとう、くらい返すべきだろうか。
どうしよう、と悩んでいたら
スマホがヴーッと震えだした。
『えっ、あ…もしもし?』
「風邪っぴきの声しとるなあ。熱は?」
初めて聞く電話の声は、いつもよりも声が低くて
なぜか緊張してしまう。
『今は、ないよ』
「何度まであったん?」
『38℃ちょい』
「そらしんどかったなあ。昨日から無理してたんとちゃう?」
『いや、昨日は…』
別になんとも、と言いかけて
そう言われると少しだけ頭が痛かった気がする。
私が言い淀んだのを種ヶ島は聞き逃さず
電話口で、ふっと、笑われた。
『なによ…』
「やっぱり自覚なかったんやな思て。
昨日調子悪そうな顔してたで?」
どうしてこの男には全てわかってしまうのだろう。
「他人の日直の心配するより
もうちょい自分のこと、気にかけんとな」
『なんで知って…』
午前中、日直のことが気になった私は
ペアの子に連絡していた。
休むことと、迷惑を掛けてごめんと。
「体調悪いのに気遣ってくれる、て話してたからな」
『私が迷惑かけたんだから、話すほどのことでもないのに』
「ハハッ!ホンマに、玲ちゃん、ええ性格してるわ。
そういうとこ、好きやで」
『…は?』
さらりと言われた言葉に、思わず噎せそうになった。
そういうとこ、ってなに。
好きって、どういうこと。
種ヶ島のことだから、深く考える必要はないかもしれないけど
今弱っている時に揺さぶるようなことを言わないでほしい。
「せやけど、自分のこと大事にせんとな。
まあ言うても無理やろうから、修さんが面倒見たろ☆」
いらない、と言った声は上ずっていて
喉の調子がまだおかしいから
ちゃんと安静にするようにと笑われたけど
喉のせいなんかじゃないことくらい
きっとお見通しなんだろうな、と悔しくなった。
朝起きたら喉の調子がおかしくて
まあ乾燥してただけだろうと思っていたら
学校へ行く準備をしている間に徐々に体温があがり
38℃という、けっこうな高熱になった。
足元はふらつくし、ぼーっとするしで
休まざるを得ないのだけど
確か今日は日直だったから
ペアの子に迷惑かけるな、とか
種ヶ島は教科書忘れてないかな、とか
自然と学校のことが頭をよぎってしまう。
将来、仕事人間になりそうだなと自嘲し
私は目蓋を閉じて、無理やりにでも寝ることにした。
目を覚ますと、時計は17時を指していた。
薬の効果もあったせいか
安眠することができて、熱は下がっていた。
気だるさだけと、喉の違和感だけが残っている。
ふと、枕元に放置していたスマホを見ると
画面には“種ヶ島修二“の文字。
“風邪ひいたって聞いたで。ゆっくり休んでな“
受信したのはちょうど昼休みの時間帯。
けっこう時間が空いてしまったし
返信するような内容でもないけど
ここはありがとう、くらい返すべきだろうか。
どうしよう、と悩んでいたら
スマホがヴーッと震えだした。
『えっ、あ…もしもし?』
「風邪っぴきの声しとるなあ。熱は?」
初めて聞く電話の声は、いつもよりも声が低くて
なぜか緊張してしまう。
『今は、ないよ』
「何度まであったん?」
『38℃ちょい』
「そらしんどかったなあ。昨日から無理してたんとちゃう?」
『いや、昨日は…』
別になんとも、と言いかけて
そう言われると少しだけ頭が痛かった気がする。
私が言い淀んだのを種ヶ島は聞き逃さず
電話口で、ふっと、笑われた。
『なによ…』
「やっぱり自覚なかったんやな思て。
昨日調子悪そうな顔してたで?」
どうしてこの男には全てわかってしまうのだろう。
「他人の日直の心配するより
もうちょい自分のこと、気にかけんとな」
『なんで知って…』
午前中、日直のことが気になった私は
ペアの子に連絡していた。
休むことと、迷惑を掛けてごめんと。
「体調悪いのに気遣ってくれる、て話してたからな」
『私が迷惑かけたんだから、話すほどのことでもないのに』
「ハハッ!ホンマに、玲ちゃん、ええ性格してるわ。
そういうとこ、好きやで」
『…は?』
さらりと言われた言葉に、思わず噎せそうになった。
そういうとこ、ってなに。
好きって、どういうこと。
種ヶ島のことだから、深く考える必要はないかもしれないけど
今弱っている時に揺さぶるようなことを言わないでほしい。
「せやけど、自分のこと大事にせんとな。
まあ言うても無理やろうから、修さんが面倒見たろ☆」
いらない、と言った声は上ずっていて
喉の調子がまだおかしいから
ちゃんと安静にするようにと笑われたけど
喉のせいなんかじゃないことくらい
きっとお見通しなんだろうな、と悔しくなった。