きみはクラスメート(中編小説)
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『なんであんたと一緒に…』
「デートやな☆」
『ただの買い出しでしょ…』
入江くんから生徒会の備品と、少しばかりのお菓子の
買い出しに行ってほしいと頼まれた。
明日、同じ生徒会の子が誕生日なので
サプライズでちょっとしたお祝いをする予定なのだ。
本当は入江くんと二人で行くはずだったのだけど
“ごめんね、急用で行けなくなっちゃったから
替わりに助っ人を呼ぶね!“
との連絡があり
他の生徒会の誰かだろうと思っていたら
現れたのは、種ヶ島修二だった。
『別にひとりでもいいんだけど…』
「荷物持ちおったほうがええやろ。
それに可愛い玲ちゃん一人は心配やん☆」
そんなに荷物重たくないんだけどなあと思いつつ
可愛いのくだりはスルーした。
荷物を持ってくれるのはありがたいけど
忙しいテニス部の貴重な放課後を
こんなことに使っていいのだろうか。
『………部活は?』
「ん?休みやで」
そうじゃなくて、と口にするも
なんて続けたら良いのか悩んでいたら
種ヶ島が小さく笑った。
「俺の貴重な放課後は
今めっちゃ有意義に過ごせてんねん」
『これが有意義?』
「せやで。せやからなーんも気にすることあらへんよ~」
パッチリ、と見事なまでのウィンクを受けて
また見透かされたなあと、思った。
この間までは悔しくて、ムカついてたのに
今はこの男が素直にすごいと思える。
買い物を全て終えると、だいぶ辺りは日が暮れていたので
急いで学校へと戻り、生徒会室に荷物を置いて
そのままの流れで種ヶ島と一緒に帰ることになった。
『………今日は、ありがとう。助かった』
私が助っ人を頼んだわけではないけど
今回種ヶ島は無関係だったのに手伝ってくれたのだ。
さすがにお礼は言わねばと思い
少し照れくさいけど“ありがとう“を言葉にする。
「ええって。ホンマに好きでやったことやしな」
『…今度お礼に、ジュースでもおごってあげる』
「ホンマに~?やったー…って、うーん」
何か考える素振りをしたので
どうしたのだろうと種ヶ島を見ると
ちょっと探るような視線を向けられる。
「お礼、今もろうてもええ?」
『え?あぁ、いいよ。何が飲みたい?』
近くの自動販売機を探そうと辺りを見渡していると
そっと、大きな手が私の手を包んだ。
「飲みもんはいらんよ。
このまま、一緒に帰らせてくれへん?」
『っ………。物のほうが、いいでしょうに』
驚きと恥ずかしさで出た言葉に可愛げはなく
それでも満足そうな顔をした種ヶ島は
鼻歌交じりにぎゅっと、指を絡めてきた。
こんなことするなんてあり得ないと思いつつも
触れていることが嬉しくて、心地よくて
振りほどくことができないまま
私はただただ、顔を見られないように
必死に下を向いて種ヶ島の隣を歩いたのだった。
「デートやな☆」
『ただの買い出しでしょ…』
入江くんから生徒会の備品と、少しばかりのお菓子の
買い出しに行ってほしいと頼まれた。
明日、同じ生徒会の子が誕生日なので
サプライズでちょっとしたお祝いをする予定なのだ。
本当は入江くんと二人で行くはずだったのだけど
“ごめんね、急用で行けなくなっちゃったから
替わりに助っ人を呼ぶね!“
との連絡があり
他の生徒会の誰かだろうと思っていたら
現れたのは、種ヶ島修二だった。
『別にひとりでもいいんだけど…』
「荷物持ちおったほうがええやろ。
それに可愛い玲ちゃん一人は心配やん☆」
そんなに荷物重たくないんだけどなあと思いつつ
可愛いのくだりはスルーした。
荷物を持ってくれるのはありがたいけど
忙しいテニス部の貴重な放課後を
こんなことに使っていいのだろうか。
『………部活は?』
「ん?休みやで」
そうじゃなくて、と口にするも
なんて続けたら良いのか悩んでいたら
種ヶ島が小さく笑った。
「俺の貴重な放課後は
今めっちゃ有意義に過ごせてんねん」
『これが有意義?』
「せやで。せやからなーんも気にすることあらへんよ~」
パッチリ、と見事なまでのウィンクを受けて
また見透かされたなあと、思った。
この間までは悔しくて、ムカついてたのに
今はこの男が素直にすごいと思える。
買い物を全て終えると、だいぶ辺りは日が暮れていたので
急いで学校へと戻り、生徒会室に荷物を置いて
そのままの流れで種ヶ島と一緒に帰ることになった。
『………今日は、ありがとう。助かった』
私が助っ人を頼んだわけではないけど
今回種ヶ島は無関係だったのに手伝ってくれたのだ。
さすがにお礼は言わねばと思い
少し照れくさいけど“ありがとう“を言葉にする。
「ええって。ホンマに好きでやったことやしな」
『…今度お礼に、ジュースでもおごってあげる』
「ホンマに~?やったー…って、うーん」
何か考える素振りをしたので
どうしたのだろうと種ヶ島を見ると
ちょっと探るような視線を向けられる。
「お礼、今もろうてもええ?」
『え?あぁ、いいよ。何が飲みたい?』
近くの自動販売機を探そうと辺りを見渡していると
そっと、大きな手が私の手を包んだ。
「飲みもんはいらんよ。
このまま、一緒に帰らせてくれへん?」
『っ………。物のほうが、いいでしょうに』
驚きと恥ずかしさで出た言葉に可愛げはなく
それでも満足そうな顔をした種ヶ島は
鼻歌交じりにぎゅっと、指を絡めてきた。
こんなことするなんてあり得ないと思いつつも
触れていることが嬉しくて、心地よくて
振りほどくことができないまま
私はただただ、顔を見られないように
必死に下を向いて種ヶ島の隣を歩いたのだった。