きみはクラスメート(中編小説)
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「好きな食べ物は?」
『……魚料理』
「めっちゃフワッとした答えやな~。
俺は韓国のりとな、てびちが好きやねん」
『そう…』
「ほんなら好きな色は?」
『…水色』
「お!俺もやねん!気ぃ合うなあ。次は…」
『ちょ、ちょっと待って』
放課後の教室で帰り支度をしていたら
唐突に始まった質疑応答。
最初はクラスメートも近くにいたので
丁寧に答えていたのだけど
私たち二人しかいなくなった今、徐々に私の限界が訪れる。
「どないしたん?」
小首を傾げる姿が可愛くてむかつく。
そういえば荷物を運んでもらったときも
同じようなことを思ったっけ。
あの時はむかつく、までいかなかったけど。
『なんでいきなり尋問が始まったのよ』
「ほら、俺らお互いのこと知らへんこと多いから
もっとよう知らなあかんな思て」
『別に知らないままでもいいでしょ』
「俺は玲のこと知りたいねん」
さらりと呼ばれた名前に思わずフリーズする。
落ち着け私。ここで動揺したら負けだ。
このチャラくて軽い男にとって
異性を名字で呼ぼうが名前で呼ぼうが
なんの抵抗も意味もない。
他の女子のことだって、きっと名前で呼んでいるのだ。
別に私だけ特別というわけでもない。
特別な意味などないはずなのに
種ヶ島の視線は真っ直ぐこちらを見ていて
私の様子を楽しんでいるというよりは
私がどんな反応をするか見守っている感じだ。
『っ……なんでそんなに知りたいのよ』
ため息混じりにそう呟くも
答えが帰ってこないので
睨んでやろうかと顔をあげる。
「…なんでやろなあ」
意地悪い顔でもしているのかと思えば
優しくて、あったかい表情をした種ヶ島の顔があった。
なにそれ、調子狂う。
『……なんでかわからないのに
質問攻めはやめてよね。…修二くん』
いつもの調子に戻してやろうとあえて名前を口にするも
いざ声に出してみると少し気恥ずかしくて
スムーズに言うことはできなかった。
種ヶ島は一瞬目を見開いたけど
満面の笑みで今度からそう呼べと言われたので
私は彼のおでこにデコピンをお見舞いして
教室を出たのだった。
『……魚料理』
「めっちゃフワッとした答えやな~。
俺は韓国のりとな、てびちが好きやねん」
『そう…』
「ほんなら好きな色は?」
『…水色』
「お!俺もやねん!気ぃ合うなあ。次は…」
『ちょ、ちょっと待って』
放課後の教室で帰り支度をしていたら
唐突に始まった質疑応答。
最初はクラスメートも近くにいたので
丁寧に答えていたのだけど
私たち二人しかいなくなった今、徐々に私の限界が訪れる。
「どないしたん?」
小首を傾げる姿が可愛くてむかつく。
そういえば荷物を運んでもらったときも
同じようなことを思ったっけ。
あの時はむかつく、までいかなかったけど。
『なんでいきなり尋問が始まったのよ』
「ほら、俺らお互いのこと知らへんこと多いから
もっとよう知らなあかんな思て」
『別に知らないままでもいいでしょ』
「俺は玲のこと知りたいねん」
さらりと呼ばれた名前に思わずフリーズする。
落ち着け私。ここで動揺したら負けだ。
このチャラくて軽い男にとって
異性を名字で呼ぼうが名前で呼ぼうが
なんの抵抗も意味もない。
他の女子のことだって、きっと名前で呼んでいるのだ。
別に私だけ特別というわけでもない。
特別な意味などないはずなのに
種ヶ島の視線は真っ直ぐこちらを見ていて
私の様子を楽しんでいるというよりは
私がどんな反応をするか見守っている感じだ。
『っ……なんでそんなに知りたいのよ』
ため息混じりにそう呟くも
答えが帰ってこないので
睨んでやろうかと顔をあげる。
「…なんでやろなあ」
意地悪い顔でもしているのかと思えば
優しくて、あったかい表情をした種ヶ島の顔があった。
なにそれ、調子狂う。
『……なんでかわからないのに
質問攻めはやめてよね。…修二くん』
いつもの調子に戻してやろうとあえて名前を口にするも
いざ声に出してみると少し気恥ずかしくて
スムーズに言うことはできなかった。
種ヶ島は一瞬目を見開いたけど
満面の笑みで今度からそう呼べと言われたので
私は彼のおでこにデコピンをお見舞いして
教室を出たのだった。