コーヒーの香りに包まれて
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『お茶会?』
「ええ。とっておきの茶葉がありますので
皆さんでお茶会でもと思いまして。
お時間ありましたら是非いらして下さい」
紅茶好きの観月くんから誘われたお茶会。
どうやら明日それぞれ茶葉と
紅茶に合うお菓子を持ち寄って
優雅なティータイムを開くらしい。
観月くんをはじめ、君島くん、柳生くん、跡部くんと
これまた“優雅“が似合うメンバーで
準備をしているみたいだ。
時間があったら行くね、と曖昧に答えたけど
どうしようかなあ。
何せ、私はもっぱらコーヒー派なのである。
参加して良いものか、考えながら歩いていたら
颯爽とセグウェイに乗った種ヶ島が現れた。
「ちゃい☆眉間に皺寄せてどないしたん?」
『え?あぁ…ちょっと考え事してて』
「美人さんが台無しやん。
あ、せや。さっきサンサンが南美ちゃん探してたで。
明日のお茶会がどうたら言うてたけど」
タイムリーな話題で苦笑する。
私が笑ったからか
種ヶ島はきょとんとした顔をしていた。
あまり見ない表情が少し可愛い。
『なんかお茶会…紅茶のティーパーティするらしいの』
「えらい優雅な響きやな。参加するん?」
『悩み中』
「さよか。
…って南美ちゃん今からお出掛け?」
肩にかけているトートバッグを指差して種ヶ島は言う。
その通り、今から商店街へと買い物に行くつもりだ。
すると種ヶ島は満面の笑みで
俺も行く、と言ってセグウェイを置いて
一緒に行くことになったのだった。
『種ヶ島も何か買い物あるの?』
「ん?ないで。
暇やったし南美ちゃんとお買い物デートもええなって☆」
『デートねえ。
もうちょいデート感のある場所ならよかったんだけど』
「ほんなら、今度エスコートしたろ」
そんなことを話していたらあっという間に
目的の場所に到着した。
一人で歩くよりも
誰かと一緒の方が距離も近く感じたし
種ヶ島は会話が上手なので話も尽きなかった。
さすが特技が合コンの男。会話の引き出しが多い。
「行きたかったんはここ?」
『うん。外で待っててもいいけど』
私が来たかったのは古びた小さな喫茶店。
ドアを開けるとコーヒーの香りが鼻をかすめる。
『すみません。グアテマラを粉で100gお願いします』
そう店主に告げると
しばらくして、ガガガッと豆を引く音が聞こえてきて
店内にはより一層コーヒーの香りが立ち込める。
本当はいつもここでコーヒーを飲みながら
出来上がるのを待つことが多いのだけど
今日は種ヶ島がいるのでなんとなくやめておいた。
先程から黙っている種ヶ島を見ると
彼は興味津々、という感じで店内を見たり
コーヒー豆を引いている機械を眺めたりしている。
種ヶ島がここにいることが不思議に思えたけど
なぜか少しだけ嬉しさが込み上げてきた。
「にしてもコーヒー好きなんやなあ」
喫茶店を出ると種ヶ島が関心するような視線で
私の持つコーヒーの入った紙袋を見ている。
『子供のときから好きなのよね。
お母さんがいつもコーヒー飲んでてね。
ポーションミルクの空に
スプーン一杯のコーヒー入れてくれて』
子供にコーヒーは良くない、という迷信を気にしていたのか
それとも苦いからという理由なのかはわからないけど
ほんの少しだけもらえるコーヒーは特別で
ちょっと贅沢なおままごとみたいで
それから好きになったのだ。
話ながら紙袋をぎゅっと抱き締めると
中身に違和感を感じて中を除いていみた。
『あ、これ…』
おまけとしてつけてくれたのか
ドリップコーヒーがふたつ入っていた。
「ドリップコーヒーやん」
『帰ったら一緒に飲もうね』
そう言うと、種ヶ島はじっと私を見つめている。
何か変なことを言っただろうか。
『あ、もしかして…コーヒー苦手?』
「いや、好きやで。紅茶よりコーヒー派やな。
香りも、…好きや」
じゃあさっきの間は
なんだったのだろう、と思いながら歩いていると
ピタッと種ヶ島の足が止まった。
どうしたの、と振り向いた瞬間
立ち止まっていた種ヶ島がいきなりずいっと近づいてきた。
「ドクペが1番好きやねんけど
今日のおかげで、特別な飲みもんになりそおやわ」
『まだ飲んでないのに?』
「ハハッ!せやったわ。帰ったら一緒に、な」
種ヶ島は楽しげに笑うと
私の手を握って歩き出した。
あまりにも自然と握られたので
驚きもなにもなかったけど
徐々に恥ずかしくなってくる。
合宿所が近づいてきたので
そろそろ手を離さないのかな、とちらりと彼を見ると
離す気ありませんっていう顔でぎゅっと
少し強めに握られた。
鼻唄でも歌いそうなくらい上機嫌な種ヶ島を見ていたら
このままでいいやと思ったのだった。
(お茶会どないするん?)
(んー、今コーヒー愛が強くなってるからやめておこうかな)
(俺のおかげやろか☆)
(あはは、そうかもね)
(…南美ちゃんけっこう揺さぶりかけてくるやん)
(え?なんのこと?)
(…無自覚て怖いわ~。せや、今度は俺らでコーヒー会しよか)
(観月くん達みたいに?)
(そ。他にもコーヒー好きな奴おるやろし)
(いいね!楽しそう!)
(さっきのドリップ飲みながら計画立てよか)
(うん!)
「ええ。とっておきの茶葉がありますので
皆さんでお茶会でもと思いまして。
お時間ありましたら是非いらして下さい」
紅茶好きの観月くんから誘われたお茶会。
どうやら明日それぞれ茶葉と
紅茶に合うお菓子を持ち寄って
優雅なティータイムを開くらしい。
観月くんをはじめ、君島くん、柳生くん、跡部くんと
これまた“優雅“が似合うメンバーで
準備をしているみたいだ。
時間があったら行くね、と曖昧に答えたけど
どうしようかなあ。
何せ、私はもっぱらコーヒー派なのである。
参加して良いものか、考えながら歩いていたら
颯爽とセグウェイに乗った種ヶ島が現れた。
「ちゃい☆眉間に皺寄せてどないしたん?」
『え?あぁ…ちょっと考え事してて』
「美人さんが台無しやん。
あ、せや。さっきサンサンが南美ちゃん探してたで。
明日のお茶会がどうたら言うてたけど」
タイムリーな話題で苦笑する。
私が笑ったからか
種ヶ島はきょとんとした顔をしていた。
あまり見ない表情が少し可愛い。
『なんかお茶会…紅茶のティーパーティするらしいの』
「えらい優雅な響きやな。参加するん?」
『悩み中』
「さよか。
…って南美ちゃん今からお出掛け?」
肩にかけているトートバッグを指差して種ヶ島は言う。
その通り、今から商店街へと買い物に行くつもりだ。
すると種ヶ島は満面の笑みで
俺も行く、と言ってセグウェイを置いて
一緒に行くことになったのだった。
『種ヶ島も何か買い物あるの?』
「ん?ないで。
暇やったし南美ちゃんとお買い物デートもええなって☆」
『デートねえ。
もうちょいデート感のある場所ならよかったんだけど』
「ほんなら、今度エスコートしたろ」
そんなことを話していたらあっという間に
目的の場所に到着した。
一人で歩くよりも
誰かと一緒の方が距離も近く感じたし
種ヶ島は会話が上手なので話も尽きなかった。
さすが特技が合コンの男。会話の引き出しが多い。
「行きたかったんはここ?」
『うん。外で待っててもいいけど』
私が来たかったのは古びた小さな喫茶店。
ドアを開けるとコーヒーの香りが鼻をかすめる。
『すみません。グアテマラを粉で100gお願いします』
そう店主に告げると
しばらくして、ガガガッと豆を引く音が聞こえてきて
店内にはより一層コーヒーの香りが立ち込める。
本当はいつもここでコーヒーを飲みながら
出来上がるのを待つことが多いのだけど
今日は種ヶ島がいるのでなんとなくやめておいた。
先程から黙っている種ヶ島を見ると
彼は興味津々、という感じで店内を見たり
コーヒー豆を引いている機械を眺めたりしている。
種ヶ島がここにいることが不思議に思えたけど
なぜか少しだけ嬉しさが込み上げてきた。
「にしてもコーヒー好きなんやなあ」
喫茶店を出ると種ヶ島が関心するような視線で
私の持つコーヒーの入った紙袋を見ている。
『子供のときから好きなのよね。
お母さんがいつもコーヒー飲んでてね。
ポーションミルクの空に
スプーン一杯のコーヒー入れてくれて』
子供にコーヒーは良くない、という迷信を気にしていたのか
それとも苦いからという理由なのかはわからないけど
ほんの少しだけもらえるコーヒーは特別で
ちょっと贅沢なおままごとみたいで
それから好きになったのだ。
話ながら紙袋をぎゅっと抱き締めると
中身に違和感を感じて中を除いていみた。
『あ、これ…』
おまけとしてつけてくれたのか
ドリップコーヒーがふたつ入っていた。
「ドリップコーヒーやん」
『帰ったら一緒に飲もうね』
そう言うと、種ヶ島はじっと私を見つめている。
何か変なことを言っただろうか。
『あ、もしかして…コーヒー苦手?』
「いや、好きやで。紅茶よりコーヒー派やな。
香りも、…好きや」
じゃあさっきの間は
なんだったのだろう、と思いながら歩いていると
ピタッと種ヶ島の足が止まった。
どうしたの、と振り向いた瞬間
立ち止まっていた種ヶ島がいきなりずいっと近づいてきた。
「ドクペが1番好きやねんけど
今日のおかげで、特別な飲みもんになりそおやわ」
『まだ飲んでないのに?』
「ハハッ!せやったわ。帰ったら一緒に、な」
種ヶ島は楽しげに笑うと
私の手を握って歩き出した。
あまりにも自然と握られたので
驚きもなにもなかったけど
徐々に恥ずかしくなってくる。
合宿所が近づいてきたので
そろそろ手を離さないのかな、とちらりと彼を見ると
離す気ありませんっていう顔でぎゅっと
少し強めに握られた。
鼻唄でも歌いそうなくらい上機嫌な種ヶ島を見ていたら
このままでいいやと思ったのだった。
(お茶会どないするん?)
(んー、今コーヒー愛が強くなってるからやめておこうかな)
(俺のおかげやろか☆)
(あはは、そうかもね)
(…南美ちゃんけっこう揺さぶりかけてくるやん)
(え?なんのこと?)
(…無自覚て怖いわ~。せや、今度は俺らでコーヒー会しよか)
(観月くん達みたいに?)
(そ。他にもコーヒー好きな奴おるやろし)
(いいね!楽しそう!)
(さっきのドリップ飲みながら計画立てよか)
(うん!)