きみはクラスメート(中編小説)
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種ヶ島修二が合宿に行ってしばらく不在のある日。
観たかった映画がレンタルになったので
私は意気揚々とレンタルショップへと向かった。
昔から映画が好きで、特に洋画ばかり観る。
洋画が好きだと言えば聞こえはかっこいいのだけど
私が好きなのは
アクション、パニック、ホラーサスペンス。
女子高生が好みそうなものとは程遠いので
映画好きというのは隠している。
お目当ての物を手に取り、あとはいくつか物色していたら
ふと、あるDVDのパッケージを見て目が止まった。
写っている俳優さんが
種ヶ島修二に似ているなあと思い、思わず手に取ってみる。
今頃、テニスをしているのだろうか。
合宿ってどんな感じなのだろうか。
大部屋とかで寝て、集団生活みたいなのかな。
あの男なら、色んな人とすんなり交流ができそうだと考えて
なぜあいつのことを考えているんだと
DVDを棚に戻そうとしたらすっと、誰かが近づいて来た。
「おぉ、俺に似てるやん」
『はっ!?え!?』
予期せぬ本人の登場に
私は手にしていたDVDを床に落としてしまった。
「驚かせてしもたな。堪忍堪忍」
『なんで、ここに…』
「ん?昨日一旦こっちに帰ってきたんやで。
暇やったからこの前言うてた映画でも観よか思て」
そう言えば私が本を読んでいるときに
そういう話をしたなと思い出した。
意外だと思ったけど
確かダブルスのペアの人も読んでいたと言ってたし
純粋に気になったのだろう。
「それにしても、映画好きなんやな」
『え…あ……まぁ…』
私が借りようとしていたのは
車がロボットになって闘う映画と
恐竜に襲われる映画と
筋肉粒々なおっさんたちのド派手なアクション映画。
我ながらチョイスしたラインナップが最悪過ぎる。
せめて某魔法学校シリーズとかならよかったのに
女子っぽくないと絶対バカにされる。
「あ、これCM観たことあるわ。
車から変身するシーン、かっこええよな」
『あ、うん…』
「これは聞いたことあらへんけど、俳優は見たことあるで」
『これは今度、最新作が公開されるんだけど…』
予想外なことに、種ヶ島修二は
私が選んだ映画について興味津々で色々と聞いてきた。
映画好きってわけではなさそうだけど
え、こんなの観るの?みたいな反応じゃなくて
素直に聞かれて拍子抜けだ。
いつもの見透かすような視線もなく
ただ、好きなものについて話をしている。
思えば、この男と“普通の会話“をしたのは
これが初めてかもしれない。
「なんやまた不思議そおな顔してるやん」
『だって、女子が観るような映画じゃないでしょ?
絶対バカにしてくると思ったから』
「心外やなあ。バカになんかせぇへんよ。
好きなもんは、女子も男子も関係あらへんて」
私は、種ヶ島修二を誤解していたのかもしれないと
今更ながら思った。
人をバカにすることもないし
この人の感覚は好感が持てる。
でもそれを口にすることはできなくて
私はただ小さくありがとう、と呟いた。
種ヶ島修二は、そのあと
私が進めた映画を数本借りていった。
「感想は今度言うたろ」
『うん。教えてね』
「…やっぱ素でおったほうが可愛いやん」
そう言って笑う種ヶ島修二の笑顔も
今まで感じた計算された感じがなくて
お互い、自然と素の姿でいられたのかなと思った。
『………そっちこそ、素でいた方が、好きよ』
どんな顔をすればいいかわからなかったので言い逃げして
そのまま私はレンタルショップをあとにした。
家に着いてから、種ヶ島修二が
どんな顔をしていたのか見ればよかったと
少しだけ後悔したのだった。
観たかった映画がレンタルになったので
私は意気揚々とレンタルショップへと向かった。
昔から映画が好きで、特に洋画ばかり観る。
洋画が好きだと言えば聞こえはかっこいいのだけど
私が好きなのは
アクション、パニック、ホラーサスペンス。
女子高生が好みそうなものとは程遠いので
映画好きというのは隠している。
お目当ての物を手に取り、あとはいくつか物色していたら
ふと、あるDVDのパッケージを見て目が止まった。
写っている俳優さんが
種ヶ島修二に似ているなあと思い、思わず手に取ってみる。
今頃、テニスをしているのだろうか。
合宿ってどんな感じなのだろうか。
大部屋とかで寝て、集団生活みたいなのかな。
あの男なら、色んな人とすんなり交流ができそうだと考えて
なぜあいつのことを考えているんだと
DVDを棚に戻そうとしたらすっと、誰かが近づいて来た。
「おぉ、俺に似てるやん」
『はっ!?え!?』
予期せぬ本人の登場に
私は手にしていたDVDを床に落としてしまった。
「驚かせてしもたな。堪忍堪忍」
『なんで、ここに…』
「ん?昨日一旦こっちに帰ってきたんやで。
暇やったからこの前言うてた映画でも観よか思て」
そう言えば私が本を読んでいるときに
そういう話をしたなと思い出した。
意外だと思ったけど
確かダブルスのペアの人も読んでいたと言ってたし
純粋に気になったのだろう。
「それにしても、映画好きなんやな」
『え…あ……まぁ…』
私が借りようとしていたのは
車がロボットになって闘う映画と
恐竜に襲われる映画と
筋肉粒々なおっさんたちのド派手なアクション映画。
我ながらチョイスしたラインナップが最悪過ぎる。
せめて某魔法学校シリーズとかならよかったのに
女子っぽくないと絶対バカにされる。
「あ、これCM観たことあるわ。
車から変身するシーン、かっこええよな」
『あ、うん…』
「これは聞いたことあらへんけど、俳優は見たことあるで」
『これは今度、最新作が公開されるんだけど…』
予想外なことに、種ヶ島修二は
私が選んだ映画について興味津々で色々と聞いてきた。
映画好きってわけではなさそうだけど
え、こんなの観るの?みたいな反応じゃなくて
素直に聞かれて拍子抜けだ。
いつもの見透かすような視線もなく
ただ、好きなものについて話をしている。
思えば、この男と“普通の会話“をしたのは
これが初めてかもしれない。
「なんやまた不思議そおな顔してるやん」
『だって、女子が観るような映画じゃないでしょ?
絶対バカにしてくると思ったから』
「心外やなあ。バカになんかせぇへんよ。
好きなもんは、女子も男子も関係あらへんて」
私は、種ヶ島修二を誤解していたのかもしれないと
今更ながら思った。
人をバカにすることもないし
この人の感覚は好感が持てる。
でもそれを口にすることはできなくて
私はただ小さくありがとう、と呟いた。
種ヶ島修二は、そのあと
私が進めた映画を数本借りていった。
「感想は今度言うたろ」
『うん。教えてね』
「…やっぱ素でおったほうが可愛いやん」
そう言って笑う種ヶ島修二の笑顔も
今まで感じた計算された感じがなくて
お互い、自然と素の姿でいられたのかなと思った。
『………そっちこそ、素でいた方が、好きよ』
どんな顔をすればいいかわからなかったので言い逃げして
そのまま私はレンタルショップをあとにした。
家に着いてから、種ヶ島修二が
どんな顔をしていたのか見ればよかったと
少しだけ後悔したのだった。