きみはクラスメート(中編小説)
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『わー、雨だあ…』
今日に限って忘れてしまった折り畳み傘。
確かに天気予報は急な雨に注意と言っていたけど
晴れてるからさすがに降らないだろうと思っていた
今朝の自分が憎らしい。
下駄箱で外を眺めながら
止むまで待つか、もう走って帰るか悩む。
とりあえずしばらく待ってはみたものの
止む気配はないし
もう面倒になってきて
よし走るか、と意気込んで鞄をぎゅっと抱えた瞬間
肩をぐいっと掴まれた。
「ちょいちょいちょーい。
この雨の中もしかして走って帰ろとか思うてへんよな?」
『あ…種ヶ島くん』
引き止めてきたのは種ヶ島修二。
「傘持ってへんの?」
『折り畳み傘、忘れちゃって』
この男に傘を忘れたと言うのが悔しいが
ちょっと抜けてるアピールになるからまあいいか。
「特別サービスで、修さんが入れたろ」
『え!いや、いいよ!大丈夫!』
ここで借を作るなんてことはしたくなくて
首を振って断る。
「ここで入れへんかったら濡れながら帰るやろ?
そないなこと、女の子にさせられへんやん」
確かに濡れながら帰りたくはないし
早く帰りたい気持ちはあるが
ここで種ヶ島修二と同じ傘で帰るなんてことをしたら
目立ってしまうし
ましてや付き合っているとか噂でもたったら…
と思うと素直に頷けない。
そう考えていたら
また私の考えを読みとったかのように
他に生徒おらへんし、大丈夫やでと言われて
私は無理矢理笑顔を作って
じゃあお願いします、と下げたくもない頭を下げた。
隣に並んで歩くと
種ヶ島修二の背の高さに驚く。
私も女子にしては背が高いほうなのだけど
種ヶ島修二との差は大きい。
『種ヶ島くんって、背、高いね』
「ん?184cmはあるからなあ~。
中園さんも背ぇ高いねんな。モデルさんみたいやわ」
『あはは、ありがとう』
同じ傘に入っているのだから
自然と距離は近くなって
否応がなしにドキドキしてしまうのが嫌だ。
それも認めたくはないが
顔が綺麗なこの男の方こそ、さながらモデルのよう。
「それにしても、意外とワイルドな一面あるんやな」
言われると思っていたけど
やっぱり強行突破はまずかったか。
本来は、こういうタイプなのだ。
何かをする時は考えたり、慎重なくせに
ずっと待っていたり、先に進まなかったら
面倒になって身体が動いてしまう。
運が良いのか、今までそれで失敗したことはないけど
今回は失敗だったかもしれない。
『つい身体が動いちゃって。でも助かったよありがとう』
「ええよ、ええよ。
こうやって相合傘できてラッキーやったしなあ」
『あ、相合傘…』
思わず、相合傘という言葉に照れてしまって
オウムのように繰り返し呟いた。
「ハハッ!照れてるやん。可愛いなあ。
やっと中園さんの素が見えた気ぃするわ」
やっとってなんなのよ。
モテるからってバカにして、と
ちょっとムッと顔に出てしまいそうになったから
私は顔を反らして
早く雨が止むのを願った。
今日に限って忘れてしまった折り畳み傘。
確かに天気予報は急な雨に注意と言っていたけど
晴れてるからさすがに降らないだろうと思っていた
今朝の自分が憎らしい。
下駄箱で外を眺めながら
止むまで待つか、もう走って帰るか悩む。
とりあえずしばらく待ってはみたものの
止む気配はないし
もう面倒になってきて
よし走るか、と意気込んで鞄をぎゅっと抱えた瞬間
肩をぐいっと掴まれた。
「ちょいちょいちょーい。
この雨の中もしかして走って帰ろとか思うてへんよな?」
『あ…種ヶ島くん』
引き止めてきたのは種ヶ島修二。
「傘持ってへんの?」
『折り畳み傘、忘れちゃって』
この男に傘を忘れたと言うのが悔しいが
ちょっと抜けてるアピールになるからまあいいか。
「特別サービスで、修さんが入れたろ」
『え!いや、いいよ!大丈夫!』
ここで借を作るなんてことはしたくなくて
首を振って断る。
「ここで入れへんかったら濡れながら帰るやろ?
そないなこと、女の子にさせられへんやん」
確かに濡れながら帰りたくはないし
早く帰りたい気持ちはあるが
ここで種ヶ島修二と同じ傘で帰るなんてことをしたら
目立ってしまうし
ましてや付き合っているとか噂でもたったら…
と思うと素直に頷けない。
そう考えていたら
また私の考えを読みとったかのように
他に生徒おらへんし、大丈夫やでと言われて
私は無理矢理笑顔を作って
じゃあお願いします、と下げたくもない頭を下げた。
隣に並んで歩くと
種ヶ島修二の背の高さに驚く。
私も女子にしては背が高いほうなのだけど
種ヶ島修二との差は大きい。
『種ヶ島くんって、背、高いね』
「ん?184cmはあるからなあ~。
中園さんも背ぇ高いねんな。モデルさんみたいやわ」
『あはは、ありがとう』
同じ傘に入っているのだから
自然と距離は近くなって
否応がなしにドキドキしてしまうのが嫌だ。
それも認めたくはないが
顔が綺麗なこの男の方こそ、さながらモデルのよう。
「それにしても、意外とワイルドな一面あるんやな」
言われると思っていたけど
やっぱり強行突破はまずかったか。
本来は、こういうタイプなのだ。
何かをする時は考えたり、慎重なくせに
ずっと待っていたり、先に進まなかったら
面倒になって身体が動いてしまう。
運が良いのか、今までそれで失敗したことはないけど
今回は失敗だったかもしれない。
『つい身体が動いちゃって。でも助かったよありがとう』
「ええよ、ええよ。
こうやって相合傘できてラッキーやったしなあ」
『あ、相合傘…』
思わず、相合傘という言葉に照れてしまって
オウムのように繰り返し呟いた。
「ハハッ!照れてるやん。可愛いなあ。
やっと中園さんの素が見えた気ぃするわ」
やっとってなんなのよ。
モテるからってバカにして、と
ちょっとムッと顔に出てしまいそうになったから
私は顔を反らして
早く雨が止むのを願った。