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「お出掛け日和やな~」
『そ、そうですね』
にこにこと上機嫌な種ヶ島先輩と出掛けることになって
私は少しだけ緊張している。
こんなことになったのは
さかのぼること、10分前。
今日は練習のないオフの日。
日用品が色々と少なくなってきたので
私は近くのショッピングモールへと出掛けることにした。
シャンプーと歯磨き粉、日焼け止め。
あと部屋が少し寂しいので、何か植物か雑貨を見たい。
「里奈ちゃん、お出掛け?」
声を掛けられて振り向くと、種ヶ島先輩がいた。
『あ、はい。
日用品を買いにショッピングモールまで行こうかと』
「さよか~。俺も一緒に行ってもええやろか?」
特段断る理由もなく、一緒に行くことになったのだけど
練習の時、というか合宿所以外で
種ヶ島先輩と話すこと自体が初めて。
だから正直何を話したら良いかわからず
ちょっと緊張しているのだ。
それに二人きりというシチュエーションも初めてで
戸惑ってしまっている。
『あ、あの。先輩も何か買い物あるんですか?』
「ん?せやなぁ、ちょっと見たいもんあって」
『そうなんですね』
まあ、それなら
ショッピングモールに着いたら解散パターンかな。
ホッとしつつ、少しだけ、残念な気持ち。
そう思っていたのだけど
到着しても何から先に見よか~と言って
種ヶ島先輩はついて来る。
どうしたら良いかわからず
とりあえず、シャンプーの売り場へと向かった。
とにかくさっさといつものシャンプーを探そうとしたら
待った、とストップを掛けられる。
「里奈ちゃんが使うてるの、これやない?」
『え!……なんでわかったんですか?』
言い当てられてすごいとは思ったけど
種ヶ島先輩のことだからお風呂場とか…
「ちょぉ、今風呂覗いたとか思うてへん?」
『お、思ってないです!』
「俺もこのシリーズ愛用者やで。
里奈ちゃん、似てる香りするなあて気になってて」
種ヶ島先輩が手に取ったのは
私が使ってるシリーズのダメージケアタイプ。
このシリーズは香りが全て似ているから
尚更わかりやすかったのだろう。
『なるほどですね。びっくりしました……
前乾くんにも言い当てられてたことがあって』
「…データマンと変態は紙一重やな」
変態という言葉に、思わず笑っていたらふと思い出した。
『このダメージケアのタイプ、どうですか?』
「ん?けっこうええよ。
色々試してこれに落ち着いたんよなあ」
『そうなんですね。
謙也くんが髪のことで悩んでたから教えてあげようかな…』
髪をブリーチして染めている謙也くんが
毛先がきしきしする、と嘆いていたのだ。
同じように染めている種ヶ島先輩のお墨付きなら
きっと良いに違いないから今度教えよう。
「…そないに悩んどるんやったら、俺が話聞いたろかな」
『あ、そうですね。種ヶ島先輩が話した方がいいかもです』
そう言うと、種ヶ島先輩はにっこりと笑う。
けっこう面倒見が良いんだなと、意外な一面が見えた。
シャンプーをカゴに入れて
次は歯磨き粉コーナーを物色する。
『あ、あった!これ探してたんです』
「初めて使うん?」
『はい!菊丸くんにオススメされたんですよ』
歯磨きが好きだという菊丸くんが
愛用している歯磨き粉を教えてくれて
それを探していたのだった。
虫歯予防とホワイトニングに特化した歯磨き粉らしい。
『この前歯磨きが趣味だって話を聞いてて
その時に教えてくれたんです。
あ、そうそう。話してる途中で跡部くんが来て
特注で歯ブラシ作ってくれるって言い出して…』
「…さよか~、俺もこれ買ってみよかな。
一緒に感想言いに行こか☆」
『そうですね、そうしましょうか』
いきなり種ヶ島先輩も感想言いに行ったら
菊丸くん驚かないかなと思ったけど
二人とも誰にでもフレンドリーだから大丈夫かな。
それにしても、最初はあんなに緊張していたのに
種ヶ島先輩ってすごい。
話上手だし、聞き上手で会話しやすい人だ。
さりげなく荷物は持ってくれるし
めちゃくちゃ気遣いできる人で
一緒に買い物に来たおかげで
種ヶ島先輩のことが知れた気がした。
ん?買い物?
『って、種ヶ島先輩、自分の買い物はいいんですか?』
「俺はええんよ。こうやってるの楽しいし」
『いや、でも見たいものあるって…』
「もう見れてるし、気にせんといてや。
ほら、次は何買うん?」
私の買い物に先輩を付き合わせているのは申し訳ないけど
正直、私自身楽しくなってきていたので
そのまま甘えることにした。
次の目的は日焼け止め。
君島先輩がCMしていて、サンプルを貰ったのだけど
テクスチャがよかったのでそれを買いたい。
「もしかして、ここにあったんとちゃう?」
指を指されて見てみれば、空の棚。
流石は君様こと君島先輩。
CM効果は絶大で、売り切れのようだった。
『残念です…』
「俺がサンサンにちょーだいて交渉したろ」
『えっ!それは申し訳ないです…』
「ええて。任しとき☆
可愛い里奈ちゃんのためなら張り切るで」
ポンポンと頭を撫でられる。
可愛いなんて、言われ慣れていないし
頭を撫でられることにも慣れていない。
顔に熱が集中して、うまく種ヶ島先輩の顔が見れない。
『あっ、そ、その
次は、雑貨屋さんに行ってもいいですか?』
「もちろんええよ」
雑貨屋さんに来たものの
先程より、デートのように思えてしまって
余計に意識してしまっていた。
「お、里奈ちゃん見てや。
でっかいイルカのぬいぐるみ、かわええで」
『あ……かわいい……!』
種ヶ島先輩が見せてくれたのは
ふわふわとした素材の、イルカの抱き枕。
合宿所のベッドは思っていたより大きくて
一人で寝るには広く感じていた。
抱き枕があったら寂しくないかもしれない。
「これあったら、一人で寝るんも寂しないなあ」
『そうですね……って、えっ!
いや、別に寂しくなんてないです……!』
「ハハッ!意地っ張りやん」
つい同意してしまったことが気恥ずかしい。
高校2年生にもなって寂しいなんて…
実家では飼っている猫と寝ているから
物足りなく感じているだけだと言っても
種ヶ島先輩はただ、優しく微笑んでる。
あぁ、子供扱いされてそう。
「イルカ、好きなん?」
『あ、はい。子供の時から海とか水族館とか好きで
よくイルカばかり見ていました』
「俺も海好きやねん。
……里奈ちゃんの好きなもん聞けてよかったわ」
そう言うと、種ヶ島先輩は
イルカのぬいぐるみを持ってレジへ行く。
『え?あの……!』
会計を済ますと、はい、とぬいぐるみを手渡された。
「俺からのプレゼント☆」
『散々私の買い物に付き合ってもらったのに
こんなの、申し訳なさすぎて…』
「俺が里奈ちゃんにプレゼントしたいだけやから
もらってくれへん?
俺からのお礼でもあるし」
お礼をされることなんてしていないのに、と思っていると
種ヶ島先輩がそのまま続ける。
「里奈ちゃんのこと、知りたかったから
今日は無理やりついて回ってもうて堪忍な。
俺がおって、緊張してたやろ」
そんなことない、と言おうとしたけど
ここは素直に話すことにした。
緊張してたけど楽しかったこと
面倒見が良くて気遣いもできる人だと思ったこと
海が好きで優しい人だと知ったこと。
『今日は先輩のこと知ることができて良かったです!』
「俺も里奈ちゃんのこと知れてよかったわ。
もっと惚れてもうた」
『へ?』
「ん?どないした?」
とんでもない言葉が聞こえた気がしたけど
いつもと変わらないところを見ると気のせいなんだろう。
『い、いえ!なんでもないです!
あの、今度は先輩の買い物のお手伝いしますから
言ってくださいね』
「嬉しいわぁ。ほな行くときは誘うな」
『はい!』
貰ったイルカのぬいぐるみをぎゅっと抱いて返事をしたら
少しだけ先輩の顔が赤くなったように見えた。
種ヶ島先輩の、色々な表情も
これから見てみたいなあと思ったのだった。
(ずっと里奈ちゃんと話してみたい思うてたけど余計惚れてもうたわ。
にしても、中学生達と仲ええんやなあ。
ジェラシーやでホンマ。
これからは話してるん見かけたら邪魔しに行ったろ☆)
『そ、そうですね』
にこにこと上機嫌な種ヶ島先輩と出掛けることになって
私は少しだけ緊張している。
こんなことになったのは
さかのぼること、10分前。
今日は練習のないオフの日。
日用品が色々と少なくなってきたので
私は近くのショッピングモールへと出掛けることにした。
シャンプーと歯磨き粉、日焼け止め。
あと部屋が少し寂しいので、何か植物か雑貨を見たい。
「里奈ちゃん、お出掛け?」
声を掛けられて振り向くと、種ヶ島先輩がいた。
『あ、はい。
日用品を買いにショッピングモールまで行こうかと』
「さよか~。俺も一緒に行ってもええやろか?」
特段断る理由もなく、一緒に行くことになったのだけど
練習の時、というか合宿所以外で
種ヶ島先輩と話すこと自体が初めて。
だから正直何を話したら良いかわからず
ちょっと緊張しているのだ。
それに二人きりというシチュエーションも初めてで
戸惑ってしまっている。
『あ、あの。先輩も何か買い物あるんですか?』
「ん?せやなぁ、ちょっと見たいもんあって」
『そうなんですね』
まあ、それなら
ショッピングモールに着いたら解散パターンかな。
ホッとしつつ、少しだけ、残念な気持ち。
そう思っていたのだけど
到着しても何から先に見よか~と言って
種ヶ島先輩はついて来る。
どうしたら良いかわからず
とりあえず、シャンプーの売り場へと向かった。
とにかくさっさといつものシャンプーを探そうとしたら
待った、とストップを掛けられる。
「里奈ちゃんが使うてるの、これやない?」
『え!……なんでわかったんですか?』
言い当てられてすごいとは思ったけど
種ヶ島先輩のことだからお風呂場とか…
「ちょぉ、今風呂覗いたとか思うてへん?」
『お、思ってないです!』
「俺もこのシリーズ愛用者やで。
里奈ちゃん、似てる香りするなあて気になってて」
種ヶ島先輩が手に取ったのは
私が使ってるシリーズのダメージケアタイプ。
このシリーズは香りが全て似ているから
尚更わかりやすかったのだろう。
『なるほどですね。びっくりしました……
前乾くんにも言い当てられてたことがあって』
「…データマンと変態は紙一重やな」
変態という言葉に、思わず笑っていたらふと思い出した。
『このダメージケアのタイプ、どうですか?』
「ん?けっこうええよ。
色々試してこれに落ち着いたんよなあ」
『そうなんですね。
謙也くんが髪のことで悩んでたから教えてあげようかな…』
髪をブリーチして染めている謙也くんが
毛先がきしきしする、と嘆いていたのだ。
同じように染めている種ヶ島先輩のお墨付きなら
きっと良いに違いないから今度教えよう。
「…そないに悩んどるんやったら、俺が話聞いたろかな」
『あ、そうですね。種ヶ島先輩が話した方がいいかもです』
そう言うと、種ヶ島先輩はにっこりと笑う。
けっこう面倒見が良いんだなと、意外な一面が見えた。
シャンプーをカゴに入れて
次は歯磨き粉コーナーを物色する。
『あ、あった!これ探してたんです』
「初めて使うん?」
『はい!菊丸くんにオススメされたんですよ』
歯磨きが好きだという菊丸くんが
愛用している歯磨き粉を教えてくれて
それを探していたのだった。
虫歯予防とホワイトニングに特化した歯磨き粉らしい。
『この前歯磨きが趣味だって話を聞いてて
その時に教えてくれたんです。
あ、そうそう。話してる途中で跡部くんが来て
特注で歯ブラシ作ってくれるって言い出して…』
「…さよか~、俺もこれ買ってみよかな。
一緒に感想言いに行こか☆」
『そうですね、そうしましょうか』
いきなり種ヶ島先輩も感想言いに行ったら
菊丸くん驚かないかなと思ったけど
二人とも誰にでもフレンドリーだから大丈夫かな。
それにしても、最初はあんなに緊張していたのに
種ヶ島先輩ってすごい。
話上手だし、聞き上手で会話しやすい人だ。
さりげなく荷物は持ってくれるし
めちゃくちゃ気遣いできる人で
一緒に買い物に来たおかげで
種ヶ島先輩のことが知れた気がした。
ん?買い物?
『って、種ヶ島先輩、自分の買い物はいいんですか?』
「俺はええんよ。こうやってるの楽しいし」
『いや、でも見たいものあるって…』
「もう見れてるし、気にせんといてや。
ほら、次は何買うん?」
私の買い物に先輩を付き合わせているのは申し訳ないけど
正直、私自身楽しくなってきていたので
そのまま甘えることにした。
次の目的は日焼け止め。
君島先輩がCMしていて、サンプルを貰ったのだけど
テクスチャがよかったのでそれを買いたい。
「もしかして、ここにあったんとちゃう?」
指を指されて見てみれば、空の棚。
流石は君様こと君島先輩。
CM効果は絶大で、売り切れのようだった。
『残念です…』
「俺がサンサンにちょーだいて交渉したろ」
『えっ!それは申し訳ないです…』
「ええて。任しとき☆
可愛い里奈ちゃんのためなら張り切るで」
ポンポンと頭を撫でられる。
可愛いなんて、言われ慣れていないし
頭を撫でられることにも慣れていない。
顔に熱が集中して、うまく種ヶ島先輩の顔が見れない。
『あっ、そ、その
次は、雑貨屋さんに行ってもいいですか?』
「もちろんええよ」
雑貨屋さんに来たものの
先程より、デートのように思えてしまって
余計に意識してしまっていた。
「お、里奈ちゃん見てや。
でっかいイルカのぬいぐるみ、かわええで」
『あ……かわいい……!』
種ヶ島先輩が見せてくれたのは
ふわふわとした素材の、イルカの抱き枕。
合宿所のベッドは思っていたより大きくて
一人で寝るには広く感じていた。
抱き枕があったら寂しくないかもしれない。
「これあったら、一人で寝るんも寂しないなあ」
『そうですね……って、えっ!
いや、別に寂しくなんてないです……!』
「ハハッ!意地っ張りやん」
つい同意してしまったことが気恥ずかしい。
高校2年生にもなって寂しいなんて…
実家では飼っている猫と寝ているから
物足りなく感じているだけだと言っても
種ヶ島先輩はただ、優しく微笑んでる。
あぁ、子供扱いされてそう。
「イルカ、好きなん?」
『あ、はい。子供の時から海とか水族館とか好きで
よくイルカばかり見ていました』
「俺も海好きやねん。
……里奈ちゃんの好きなもん聞けてよかったわ」
そう言うと、種ヶ島先輩は
イルカのぬいぐるみを持ってレジへ行く。
『え?あの……!』
会計を済ますと、はい、とぬいぐるみを手渡された。
「俺からのプレゼント☆」
『散々私の買い物に付き合ってもらったのに
こんなの、申し訳なさすぎて…』
「俺が里奈ちゃんにプレゼントしたいだけやから
もらってくれへん?
俺からのお礼でもあるし」
お礼をされることなんてしていないのに、と思っていると
種ヶ島先輩がそのまま続ける。
「里奈ちゃんのこと、知りたかったから
今日は無理やりついて回ってもうて堪忍な。
俺がおって、緊張してたやろ」
そんなことない、と言おうとしたけど
ここは素直に話すことにした。
緊張してたけど楽しかったこと
面倒見が良くて気遣いもできる人だと思ったこと
海が好きで優しい人だと知ったこと。
『今日は先輩のこと知ることができて良かったです!』
「俺も里奈ちゃんのこと知れてよかったわ。
もっと惚れてもうた」
『へ?』
「ん?どないした?」
とんでもない言葉が聞こえた気がしたけど
いつもと変わらないところを見ると気のせいなんだろう。
『い、いえ!なんでもないです!
あの、今度は先輩の買い物のお手伝いしますから
言ってくださいね』
「嬉しいわぁ。ほな行くときは誘うな」
『はい!』
貰ったイルカのぬいぐるみをぎゅっと抱いて返事をしたら
少しだけ先輩の顔が赤くなったように見えた。
種ヶ島先輩の、色々な表情も
これから見てみたいなあと思ったのだった。
(ずっと里奈ちゃんと話してみたい思うてたけど余計惚れてもうたわ。
にしても、中学生達と仲ええんやなあ。
ジェラシーやでホンマ。
これからは話してるん見かけたら邪魔しに行ったろ☆)