39℃の瞳
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『えーっと、出汁はどこにあるんだろ…あ、これか』
種ヶ島くんが熱を出した。
珍しい。本当に珍しい。
朝からいつも以上にテンションが高いなあなんて
奏多くんと話をしていたら
熱が39℃もあったのだった。
顔色は変わってなかったから気付かなかった。
本人は平気だって言っていたけど
案外意地っ張りなのか認めたくないのか
倒れる寸前まで、練習をしていた。
熱を出した種ヶ島くんには近づかないほうが良いって
奏多くんが言っていたけど
やっぱり気になったので
夜になってから、様子を見に行った。
少し熱は下がったようで潤んだ瞳で
「悠梨の作ったお粥が食べたい」と言われて
私はキッチンへと来たのだった。
「椎葉さん?」
『あ、橘くん!』
出汁を探してゴソゴソしていたら
いつの間にか橘くんが立っていた。
『こんな時間にどうしたの?』
「夜食を作ろうかと」
聞けばルームメートの千石くんたちが
お腹をすかせているので
わざわざ作りに来たらしい。
橘くんってめちゃくちゃ良い子だなぁ。
「椎葉さんはなぜここに?」
『あー……実は……』
橘くんに事情を話すと
素直に心配してくれて
お粥作りのアドバイスまでしてくれた。
出来上がったお粥を持って
種ヶ島くんの部屋へと入る。
『種ヶ島くん、作ってきたよ。
大丈夫?食べられるかな?』
「あー、悠梨~おおきに」
もぞもぞと布団から顔を出す種ヶ島くんは
冷えピタを貼っていて、見慣れない姿だ。
ちゃい☆とか言う元気もなさそう。
ゆっくり起き上がると、お粥を見て瞳を輝かせた。
「なぁなぁ、あーんしてや」
『……今回は特別だからね』
病人には優しくしてあげよう。
フーフーと冷まして、ゆっくりと
種ヶ島くんの口元にスプーンを近づける。
めっちゃうまい!って言いながら
彼はお粥をペロリとたいらげた。
「ほんまうまかったわ!」
『よかった。橘くんに感謝だね』
「橘?不動峰の?」
『そう。キッチンで会ってね。
料理が得意らしいからアドバイスしてくれたの』
「……橘と、一緒に作ったん?」
一緒に作ったわけではないが
どう説明しようか悩んでいたら
種ヶ島くんの腕が伸びてきた。
『え……?』
種ヶ島くんのベッドに引きずり込まれて組み敷かれる。
「…一緒に作ったとか、妬けるやん」
『妬けるって、なに言って…というか、この状況…』
熱っぽい潤んだ瞳が、いつも以上に色気を醸し出す。
ベッドには種ヶ島くんの香りが染み付いているし
押さえつけられている腕は熱い。
「俺がいまどんな気持ちでおるか、わかる?」
『……わ、わかんない』
ちょっと待ってよこの状況。
徐々に距離を詰めてくる。
距離が近すぎて、種ヶ島くんに
私の心臓の音が聞こえてしまいそう。
『ね、ねぇ。ちょっと熱でおかしくなってるって!
この状況はまずいって!
彼女と間違えてない!?』
テンパってきた。
とにかく、どいてもらわないと私の身がもたない。
種ヶ島くんは、いつもの明るい笑顔ではなく
妖艶な顔をして私の頬に触れる。
「おかしなってないわ。
彼女おらんし……なぁ、悠梨が彼女になってや。
俺は、悠梨のこと…………」
キスされる、どうしよう!と思っていたその時
種ヶ島くんの綺麗な顔は
そのまま私の横へと突っ伏した。
『た、種ヶ島くん……?』
恐る恐る声を掛けると
彼の身体がすごく熱くなっていることに気がついた。
熱、ぶり返してる!
私はなんとか彼の身体から這い出して薬を飲ませた。
そのまま部屋から出ようとすると
種ヶ島くんがなにか呟いていた。
どうやら、眠っているようだったけど
"堪忍な、悠梨"って小さな声で言っていた。
普段見ることのできない、ちょっと弱った姿。
私は彼の頬に軽くキスをした。
……ついしちゃったけど、気付いてないよね。
『種ヶ島くん、早く元気になって。
さっきの言葉の続き、聞かせてよね』
うっすら、笑ってくれた気がした。
(ちゃーい☆修さん完全復活やで!って悠梨は?)
(……風邪だとよ)
(えっ、あちゃー。移ってもうたんかな)
(修さん、なにしたの?)
(なんもしてへんって!
ちょっと意識朦朧としとって、手ぇ出し掛けたけど未遂やで)
(最低だな)(最低ですね)(最低ですやん)(最低です)
(そんな揃って言わんでもええやん)
(ちゃんと礼はしろよな)
(アツもなんでこういう時はまともなん)
種ヶ島くんが熱を出した。
珍しい。本当に珍しい。
朝からいつも以上にテンションが高いなあなんて
奏多くんと話をしていたら
熱が39℃もあったのだった。
顔色は変わってなかったから気付かなかった。
本人は平気だって言っていたけど
案外意地っ張りなのか認めたくないのか
倒れる寸前まで、練習をしていた。
熱を出した種ヶ島くんには近づかないほうが良いって
奏多くんが言っていたけど
やっぱり気になったので
夜になってから、様子を見に行った。
少し熱は下がったようで潤んだ瞳で
「悠梨の作ったお粥が食べたい」と言われて
私はキッチンへと来たのだった。
「椎葉さん?」
『あ、橘くん!』
出汁を探してゴソゴソしていたら
いつの間にか橘くんが立っていた。
『こんな時間にどうしたの?』
「夜食を作ろうかと」
聞けばルームメートの千石くんたちが
お腹をすかせているので
わざわざ作りに来たらしい。
橘くんってめちゃくちゃ良い子だなぁ。
「椎葉さんはなぜここに?」
『あー……実は……』
橘くんに事情を話すと
素直に心配してくれて
お粥作りのアドバイスまでしてくれた。
出来上がったお粥を持って
種ヶ島くんの部屋へと入る。
『種ヶ島くん、作ってきたよ。
大丈夫?食べられるかな?』
「あー、悠梨~おおきに」
もぞもぞと布団から顔を出す種ヶ島くんは
冷えピタを貼っていて、見慣れない姿だ。
ちゃい☆とか言う元気もなさそう。
ゆっくり起き上がると、お粥を見て瞳を輝かせた。
「なぁなぁ、あーんしてや」
『……今回は特別だからね』
病人には優しくしてあげよう。
フーフーと冷まして、ゆっくりと
種ヶ島くんの口元にスプーンを近づける。
めっちゃうまい!って言いながら
彼はお粥をペロリとたいらげた。
「ほんまうまかったわ!」
『よかった。橘くんに感謝だね』
「橘?不動峰の?」
『そう。キッチンで会ってね。
料理が得意らしいからアドバイスしてくれたの』
「……橘と、一緒に作ったん?」
一緒に作ったわけではないが
どう説明しようか悩んでいたら
種ヶ島くんの腕が伸びてきた。
『え……?』
種ヶ島くんのベッドに引きずり込まれて組み敷かれる。
「…一緒に作ったとか、妬けるやん」
『妬けるって、なに言って…というか、この状況…』
熱っぽい潤んだ瞳が、いつも以上に色気を醸し出す。
ベッドには種ヶ島くんの香りが染み付いているし
押さえつけられている腕は熱い。
「俺がいまどんな気持ちでおるか、わかる?」
『……わ、わかんない』
ちょっと待ってよこの状況。
徐々に距離を詰めてくる。
距離が近すぎて、種ヶ島くんに
私の心臓の音が聞こえてしまいそう。
『ね、ねぇ。ちょっと熱でおかしくなってるって!
この状況はまずいって!
彼女と間違えてない!?』
テンパってきた。
とにかく、どいてもらわないと私の身がもたない。
種ヶ島くんは、いつもの明るい笑顔ではなく
妖艶な顔をして私の頬に触れる。
「おかしなってないわ。
彼女おらんし……なぁ、悠梨が彼女になってや。
俺は、悠梨のこと…………」
キスされる、どうしよう!と思っていたその時
種ヶ島くんの綺麗な顔は
そのまま私の横へと突っ伏した。
『た、種ヶ島くん……?』
恐る恐る声を掛けると
彼の身体がすごく熱くなっていることに気がついた。
熱、ぶり返してる!
私はなんとか彼の身体から這い出して薬を飲ませた。
そのまま部屋から出ようとすると
種ヶ島くんがなにか呟いていた。
どうやら、眠っているようだったけど
"堪忍な、悠梨"って小さな声で言っていた。
普段見ることのできない、ちょっと弱った姿。
私は彼の頬に軽くキスをした。
……ついしちゃったけど、気付いてないよね。
『種ヶ島くん、早く元気になって。
さっきの言葉の続き、聞かせてよね』
うっすら、笑ってくれた気がした。
(ちゃーい☆修さん完全復活やで!って悠梨は?)
(……風邪だとよ)
(えっ、あちゃー。移ってもうたんかな)
(修さん、なにしたの?)
(なんもしてへんって!
ちょっと意識朦朧としとって、手ぇ出し掛けたけど未遂やで)
(最低だな)(最低ですね)(最低ですやん)(最低です)
(そんな揃って言わんでもええやん)
(ちゃんと礼はしろよな)
(アツもなんでこういう時はまともなん)