5月29日
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5月29日。
1軍NO.2。負けない男こと、種ヶ島修二の誕生日。
種ヶ島の好きな食べ物を皆で持ち寄って
プレゼントも皆で買って渡して、賑やかなパーティとなった。
途中で真田くんや亜久津くんも来て
あっち向いてホイ大会も始まって
本当に沢山の人から好かれる人だと思う。
そんな種ヶ島から、パーティの途中に
「個人的には、なんもくれへんの?」と言われ
皆でプレゼントするって話だったから用意してないと言うと
ものすごく残念がられたので
慌てて何が欲しいか聞いてみた。
すると予想外なことに、彼から提案されたのは
”蓮の時間をプレゼントしてほしい”ということだった。
ちょっと理解できずにどういうこと?と尋ねると
笑いながら今日の夜一緒に散歩するっちゅーことや
とウィンクしながら言われた。
夕食を終えて、正面玄関口で待っていると
種ヶ島が走ってやってきた。
「待たせて堪忍な。ちょっと赤福につかまってもうた」
『待ってないから大丈夫だよ。
それより、別に待ち合わせしなくても一緒に行けば良いのに』
「待ち合わせのほうが、デート感出るやん」
あれ?散歩じゃなかったの?と思っていたら
ほな行こか、と手を引かれた。
さりげなさすぎて
これだけで恋愛偏差値がずば抜けて高いことが伺える。
顔良し、スタイル良し
勉強も出来るようだし
ノリも良くて明るく楽しい人。
そりゃあモテる要素ありまくりで恋愛偏差値も高いよね。
手を繋ぐなんて、彼にとっては普通のことなんだろうな。
しばらく、なんてことない日常の話をしながら歩き
やがて海辺へとたどり着く。
昼間見るキラキラと眩しい雰囲気が
夜になると、静けさと月明かりで神秘的に見える。
浜辺に座ると本当に別世界だ。
「昼もええけど、夜もええやろ?
ここの場所、蓮に見せたいと思うてて。
今日一緒に来られてよかったわ」
白い月明かりに照らされた
種ヶ島の髪の色はとても綺麗で
この人は昼間の明るい雰囲気が似合う人だと思っていたけど
この夜の雰囲気も、すごく似合うなと思った。
『そうだね。
私、夜のこの雰囲気のほうが好きかな。なんだか落ち着く』
「蓮はそう言うと思うてたわ」
今日の種ヶ島は、少しいつもと様子が違う。
なんだか大人しい。
ちゃい☆とかいつも言ってるような人とは
思えないほど落ち着いてる。
『あ、そうだ。
お散歩用にと思ってコーヒー淹れて来たの』
この散歩の時間が
プレゼントだということになってはいるけど
さすがにそれだけじゃあんまりかなと思って
淹れて来たのだった。
持ってきた紙コップに移して渡すと
種ヶ島は笑顔で受け取ってくれた。
「おーきに。お、これ、うまいなあ。蜂蜜?」
『そう!私の特製コーヒーです』
「さよか。……毎日蓮に淹れてもらいたいわ」
『レシピ教えようか?配分があってね……』
意気揚々と教えていたけど
なんか微妙な反応で
押し付けがましかったかなと少し反省する。
レシピの説明はいらなかったなあと思っていたら
種ヶ島がすくっと立ち上がった。
「ちょっと冷たいかもしれへんけど
足だけでも海に入ってみいひん?」
『うん。そうしたいなって思ってた』
「手ぇ、ちゃんと握ってな。転けたらあかんから」
『子供じゃないのに…』
もうすぐ6月だけど
種ヶ島の言うとおり水温は低く少しひやっとした。
足元は冷たいけど
種ヶ島の手は温かくて安心する。
『手、あったかいね』
「蓮とおるから
緊張して体温あがってもうたんかもな」
『なにそれ』
「ほんまやのに~」
パシャン、と魚が跳ねたような音がして
沖の方を見ると、奥には真っ黒い海原が広がっている。
月明かりが届かない場所は真っ暗で
広い広いその空間が少し怖い。
飲み込まれそうな感覚に陥る。
「……どないしたん?」
無意識に手をきゅっと強く握っていたようで
種ヶ島が心配そうに見ていた。
『あ、いや……
ただ、あっちは暗くてちょっと怖いなって思って。
なんだか、吸い込まれそうっていうか。
連れて行かれそうっていうか』
最近読んだ小説に、そういう描写があったなと
呑気に思っていると
種ヶ島がぐいっと手を引いた。
向かい合うかたちになって
驚いて彼の顔を見ると、まっすぐに見つめられる。
「どこにも、行ったらあかんよ」
『え?やだな、行かないよ。
さっきのはただの感想みたいなもので…』
「俺のそばにおって」
『種ヶ島……?』
波の音と、虫の声が遠くでする。
静けさの中で
徐々に自分の鼓動が速くなっているのがわかる。
恥ずかしくなって目を反らすと
種ヶ島の手が頬に添えられた。
「蓮、顔あげてや。
ちゃんと、こっち向いて目ぇ見て話したい」
声色がいつもと違って鼓膜に響くように甘い。
恐る恐る顔をあげると
少しだけ目を細めて、優しく微笑み私の名前を呼ぶ。
「好きや。ずっと、好きやった。
付き合ってほしい。俺の彼女になってもらえませんか?」
『……わ、私…』
「返事は今やなくてもええから。
いきなりで困るやろうしな。
いつまでも、待つからちゃんと考えて欲しい」
『あ、あの……!ちがうの、その……私も、好き……!』
勇気を振り絞って口にした言葉は
ずっとしまっていた想い。
マネージャーが、恋をしたらいけないと思って
封じ込めていた私の想い。
私も、種ヶ島のことが好き。大好き。
「……ホンマに?」
『嘘でこんなこと、言えるわけないでしょ…』
飄々とした不適な笑みも
余裕のある表情もなく
今の種ヶ島は、呆気にとられている。
『えっと……気づいてなかった……?』
種ヶ島のことだから、私の気持ちなんて
とっくにバレていると思っていた。
「……もしかして、イケるんちゃうか、とか
脈アリかもとは思うてたけど確信はなかった。
蓮は誰とおっても、態度変わらへんかったしな」
『態度は変えないように気を付けてたから…』
「さよか……俺のこと、好き、なん?」
『う、うん。好き……』
「……ハハッ!あかんなあ。めちゃくちゃ嬉しいわ…」
種ヶ島はそう言うと、片手で顔を覆って
しゃがみこんでしまった。
ジャージが海水に浸かる。
『ちょっと!濡れちゃうよ……!』
「嬉しすぎてそんなんどうでもええて」
よくないのに、と呟くと
種ヶ島は顔だけあげて、私を見上げる。
そのまま熱っぽい視線を向けられ
慣れないその視線に戸惑う。
「……俺の彼女は、ホンマに綺麗やな。
海と、月の光と、夜の静かな雰囲気が最高に似合うとる」
『殺し文句が過ぎるよ……
言われ馴れてないんだから反応に困っちゃう』
「困ったらええよ。蓮を笑かすんも、困らすんも……
そういう照れた顔させるんも俺だけやから。
あ、ただ、泣かしたり怒らせたり悲しませることだけは
絶対にせんから。大事にする」
次から次へと出てくる甘い言葉も
ちょっと照れながらはにかむこの笑顔も
彼がくれる、私にだけのプレゼント。
だから、私も私があげられるものはプレゼントしよう。
私の時間はあなたのもの。
『誕生日、おめでとう』
(なあ、蓮は俺の気持ち全くわからへんかった?)
(うん。わかんなかった)
(せやろな~。鈍いもんなあ)
(えー、そう?)
(さっきのコーヒーの件もわからへんかったやろ?)
(コーヒー?レシピの話?)
(はぁ~。ちゃうちゃう。俺なんて言うてた?)
(うまいなあって)
(そのあと)
(えー?そのあと……なんて言ってた?)
(毎日淹れて欲しい)
(毎日は飽きないかな?)
(……言い換えたろ。
毎日毎朝、俺のために淹れてほしいねんけど)
(……え?)
(朝起きて、おはよう言うて
蓮が俺のためにコーヒー淹れてくれて)
(それは、よく世間で例えとして言われる味噌汁的な…)
(そーゆーこと☆)
(そ、それは……!は、はやいというか、その!)
(俺はそこまで考えてるってことやで)
1軍NO.2。負けない男こと、種ヶ島修二の誕生日。
種ヶ島の好きな食べ物を皆で持ち寄って
プレゼントも皆で買って渡して、賑やかなパーティとなった。
途中で真田くんや亜久津くんも来て
あっち向いてホイ大会も始まって
本当に沢山の人から好かれる人だと思う。
そんな種ヶ島から、パーティの途中に
「個人的には、なんもくれへんの?」と言われ
皆でプレゼントするって話だったから用意してないと言うと
ものすごく残念がられたので
慌てて何が欲しいか聞いてみた。
すると予想外なことに、彼から提案されたのは
”蓮の時間をプレゼントしてほしい”ということだった。
ちょっと理解できずにどういうこと?と尋ねると
笑いながら今日の夜一緒に散歩するっちゅーことや
とウィンクしながら言われた。
夕食を終えて、正面玄関口で待っていると
種ヶ島が走ってやってきた。
「待たせて堪忍な。ちょっと赤福につかまってもうた」
『待ってないから大丈夫だよ。
それより、別に待ち合わせしなくても一緒に行けば良いのに』
「待ち合わせのほうが、デート感出るやん」
あれ?散歩じゃなかったの?と思っていたら
ほな行こか、と手を引かれた。
さりげなさすぎて
これだけで恋愛偏差値がずば抜けて高いことが伺える。
顔良し、スタイル良し
勉強も出来るようだし
ノリも良くて明るく楽しい人。
そりゃあモテる要素ありまくりで恋愛偏差値も高いよね。
手を繋ぐなんて、彼にとっては普通のことなんだろうな。
しばらく、なんてことない日常の話をしながら歩き
やがて海辺へとたどり着く。
昼間見るキラキラと眩しい雰囲気が
夜になると、静けさと月明かりで神秘的に見える。
浜辺に座ると本当に別世界だ。
「昼もええけど、夜もええやろ?
ここの場所、蓮に見せたいと思うてて。
今日一緒に来られてよかったわ」
白い月明かりに照らされた
種ヶ島の髪の色はとても綺麗で
この人は昼間の明るい雰囲気が似合う人だと思っていたけど
この夜の雰囲気も、すごく似合うなと思った。
『そうだね。
私、夜のこの雰囲気のほうが好きかな。なんだか落ち着く』
「蓮はそう言うと思うてたわ」
今日の種ヶ島は、少しいつもと様子が違う。
なんだか大人しい。
ちゃい☆とかいつも言ってるような人とは
思えないほど落ち着いてる。
『あ、そうだ。
お散歩用にと思ってコーヒー淹れて来たの』
この散歩の時間が
プレゼントだということになってはいるけど
さすがにそれだけじゃあんまりかなと思って
淹れて来たのだった。
持ってきた紙コップに移して渡すと
種ヶ島は笑顔で受け取ってくれた。
「おーきに。お、これ、うまいなあ。蜂蜜?」
『そう!私の特製コーヒーです』
「さよか。……毎日蓮に淹れてもらいたいわ」
『レシピ教えようか?配分があってね……』
意気揚々と教えていたけど
なんか微妙な反応で
押し付けがましかったかなと少し反省する。
レシピの説明はいらなかったなあと思っていたら
種ヶ島がすくっと立ち上がった。
「ちょっと冷たいかもしれへんけど
足だけでも海に入ってみいひん?」
『うん。そうしたいなって思ってた』
「手ぇ、ちゃんと握ってな。転けたらあかんから」
『子供じゃないのに…』
もうすぐ6月だけど
種ヶ島の言うとおり水温は低く少しひやっとした。
足元は冷たいけど
種ヶ島の手は温かくて安心する。
『手、あったかいね』
「蓮とおるから
緊張して体温あがってもうたんかもな」
『なにそれ』
「ほんまやのに~」
パシャン、と魚が跳ねたような音がして
沖の方を見ると、奥には真っ黒い海原が広がっている。
月明かりが届かない場所は真っ暗で
広い広いその空間が少し怖い。
飲み込まれそうな感覚に陥る。
「……どないしたん?」
無意識に手をきゅっと強く握っていたようで
種ヶ島が心配そうに見ていた。
『あ、いや……
ただ、あっちは暗くてちょっと怖いなって思って。
なんだか、吸い込まれそうっていうか。
連れて行かれそうっていうか』
最近読んだ小説に、そういう描写があったなと
呑気に思っていると
種ヶ島がぐいっと手を引いた。
向かい合うかたちになって
驚いて彼の顔を見ると、まっすぐに見つめられる。
「どこにも、行ったらあかんよ」
『え?やだな、行かないよ。
さっきのはただの感想みたいなもので…』
「俺のそばにおって」
『種ヶ島……?』
波の音と、虫の声が遠くでする。
静けさの中で
徐々に自分の鼓動が速くなっているのがわかる。
恥ずかしくなって目を反らすと
種ヶ島の手が頬に添えられた。
「蓮、顔あげてや。
ちゃんと、こっち向いて目ぇ見て話したい」
声色がいつもと違って鼓膜に響くように甘い。
恐る恐る顔をあげると
少しだけ目を細めて、優しく微笑み私の名前を呼ぶ。
「好きや。ずっと、好きやった。
付き合ってほしい。俺の彼女になってもらえませんか?」
『……わ、私…』
「返事は今やなくてもええから。
いきなりで困るやろうしな。
いつまでも、待つからちゃんと考えて欲しい」
『あ、あの……!ちがうの、その……私も、好き……!』
勇気を振り絞って口にした言葉は
ずっとしまっていた想い。
マネージャーが、恋をしたらいけないと思って
封じ込めていた私の想い。
私も、種ヶ島のことが好き。大好き。
「……ホンマに?」
『嘘でこんなこと、言えるわけないでしょ…』
飄々とした不適な笑みも
余裕のある表情もなく
今の種ヶ島は、呆気にとられている。
『えっと……気づいてなかった……?』
種ヶ島のことだから、私の気持ちなんて
とっくにバレていると思っていた。
「……もしかして、イケるんちゃうか、とか
脈アリかもとは思うてたけど確信はなかった。
蓮は誰とおっても、態度変わらへんかったしな」
『態度は変えないように気を付けてたから…』
「さよか……俺のこと、好き、なん?」
『う、うん。好き……』
「……ハハッ!あかんなあ。めちゃくちゃ嬉しいわ…」
種ヶ島はそう言うと、片手で顔を覆って
しゃがみこんでしまった。
ジャージが海水に浸かる。
『ちょっと!濡れちゃうよ……!』
「嬉しすぎてそんなんどうでもええて」
よくないのに、と呟くと
種ヶ島は顔だけあげて、私を見上げる。
そのまま熱っぽい視線を向けられ
慣れないその視線に戸惑う。
「……俺の彼女は、ホンマに綺麗やな。
海と、月の光と、夜の静かな雰囲気が最高に似合うとる」
『殺し文句が過ぎるよ……
言われ馴れてないんだから反応に困っちゃう』
「困ったらええよ。蓮を笑かすんも、困らすんも……
そういう照れた顔させるんも俺だけやから。
あ、ただ、泣かしたり怒らせたり悲しませることだけは
絶対にせんから。大事にする」
次から次へと出てくる甘い言葉も
ちょっと照れながらはにかむこの笑顔も
彼がくれる、私にだけのプレゼント。
だから、私も私があげられるものはプレゼントしよう。
私の時間はあなたのもの。
『誕生日、おめでとう』
(なあ、蓮は俺の気持ち全くわからへんかった?)
(うん。わかんなかった)
(せやろな~。鈍いもんなあ)
(えー、そう?)
(さっきのコーヒーの件もわからへんかったやろ?)
(コーヒー?レシピの話?)
(はぁ~。ちゃうちゃう。俺なんて言うてた?)
(うまいなあって)
(そのあと)
(えー?そのあと……なんて言ってた?)
(毎日淹れて欲しい)
(毎日は飽きないかな?)
(……言い換えたろ。
毎日毎朝、俺のために淹れてほしいねんけど)
(……え?)
(朝起きて、おはよう言うて
蓮が俺のためにコーヒー淹れてくれて)
(それは、よく世間で例えとして言われる味噌汁的な…)
(そーゆーこと☆)
(そ、それは……!は、はやいというか、その!)
(俺はそこまで考えてるってことやで)