ナイトプールとキミ
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ちょっと、今、後悔してる。
なんでこの水着にしたんだろう。
ホテルにプールがあるって聞いて
海外テンションというか、お店のお姉さんに負けたというか
ちょっとノリで買ってしまったこの水着。
冷静になってみると、恥ずかしい。
いや、恥ずかしいデザインなわけではない。
どちらかというと、まだ控えめな方だと思う。
胸の形がくっきりとでないように
チューブトップだし
下はパレオだし目立つデザインではない。
ただ、この水着姿を
いつもジャージ姿しか見せたことのない
皆に見られるということが恥ずかしい。
プールが好きな種ヶ島くんが
「今日の夜プール集合な☆」と言ってきて
断れずにとりあえず試着してしまったけど、どうしよう。
「彩ちゃーん、いるかしら~?」
この声は小春ちゃん!
『小春ちゃん、どうしよう!』
開けるわね、と言って入ってきた彼女
じゃなかった彼は驚いている。
そりゃそうだ。部屋で水着なのだから。
「あらあらあら!
彩ちゃん、素敵やないの!似合ってるわぁ!」
『小春ちゃん、どうしよう。
身の丈に合ってないもの選んじゃった・・・』
小春ちゃんとは気兼ねなく話せる友達のような関係。
親ちゃんがいない今
小春ちゃんとは女子トーク?で盛り上がることが多い。
「何言うてるの!自信もってええわよ!
すっごく似合ってるわぁ!」
『そうかな……』
「着流し系先輩と約束してるんでしょ?待ってたわよ。
プールまで一緒に行きまひょ」
なんで知ってるんだろうと思ったけど
言われるがまま、一緒に部屋から出る。
小春ちゃんと一緒なら少しだけ心強い。
「ほら、あそこで待ってはるわ」
『う、うん……』
指差すほうへ目を向けると
スマホを片手にした種ヶ島くんがいた。
律儀にプールに入らず待ってくれているみたい。
「その水着姿で悩殺よっ」
『そ、そんなんじゃないって……い、行ってきます』
小春ちゃんの明るい声に背中を押されて
恐る恐る近づいてみる。
『た、種ヶ島くん……』
「おっ、彩ちゃん、待っとったで……」
『待たせてごめんね』
「ええて、ええて。ほな行こか」
『え?他のみんなは?』
「ん?他は誘うてへんよ。
俺と彩ちゃん、ふたりきりやで☆」
驚く暇もなく、種ヶ島くんに手を引かれる。
え、ふたりだけ?
確かに集合ってしか言われてないけど
まさかの展開に頭がついていかない。
プールに入ろうとして
ふと立ち止まった種ヶ島くんは
脱ぐの忘れてたわ、と言って
羽織っていたパーカーを脱いだ。
うわ、腹筋すごい。
というか、身体のラインがやばい。
色気が高校生のレベルじゃないんだけど。
あまり彼のほうを見ないようにして
プールに入ろうとしたら種ヶ島くんに止められた。
「やっぱけっこう深いなあ。
彩ちゃん、俺の手ぇに掴まりや」
種ヶ島くんのお腹が隠れているから
私の背丈ではかなり深くなる。
言われるがまま手を取って、プールに入る。
『わっ……!ご、ごめんっ!』
階段もなにもない場所から入ったので
勢いがついて、つい種ヶ島くんの胸元に寄ってしまった。
鍛えられた胸板が目の前にあってテンパる。
「ちゃーんと掴まっててや。
人も多いし、俺から離れたらあかんで」
『わ、わかった…』
ふたりで泳いだりしていると
種ヶ島くんがどこからかエアーマットを借りてきた。
上に乗ったらと言われたので
うつ伏せに寝転んで頬杖をつくと
種ヶ島くんがニヤニヤしていた。
「うんうん。ええ眺め☆」
『え?』
トントン、と胸を指差されたので胸元を見てみると
うつ伏せになったことで、私の胸元が強調されていた。
『ちょっ!見ないでよっ、って、わぁっ!』
「おっと!」
水の上であることを忘れて
ガバッと起き上がったものだから
私はバランスを崩してしまって
咄嗟に種ヶ島くんが受け止めてくれた。
『ぷはっ』
「彩ちゃん、怪我ないな?」
『うん、大丈夫……』
「もーお。心配させんといて」
『ええっ!今のは種ヶ島くんが悪いよ!』
「俺悪ないて。
……魅力的な格好してる彩ちゃんのほうが
悪いと思うんやけど」
辺りはどんどん暗くなってきて
水面がライトアップされた。
一気に楽しげな雰囲気から
ムードのある色っぽい雰囲気へと変わる。
気がついたら周りはカップルだらけで
私たちも端からみればカップルそのものの距離感。
『……水着、何も言わないから
なんとも思ってないのかと思ってた』
少し、期待していた。
種ヶ島くんのことだから
似合うてるやん☆って言ってくれると思ってた。
でも何もなかったから、ちょっと寂しかったのだ。
「何も思わへんわけないやん。
好きな子ぉの水着姿やで?
可愛いし、色っぽいし、もう頭ん中妄想しまくり…
あいたたた、つねらんといてやっ」
どさくさに紛れて
私のお腹をちょっといやらしい手付きで触ってきたので
思い切りつねってあげた。
『……好きな子、なの?』
「せやで。彩ちゃんのこと、だーいすきやから
デートにも誘うたんやけど」
『だって、デートって思ってなかったし…』
「忘れてもうたん?
俺の行きたいデートスポットはナイトプールやねんけど」
言われてそうだった、と思い出す。
なんて陽キャなデートスポットなんだと思ったんだった。
「それで?お返事聞かせてもらえへんの?」
『…………好き、かも?』
「わお。ここにきて焦らすとか恋愛上級者やん☆」
『そんなんじゃないっ……その……わかんない、から』
種ヶ島くんに惹かれているのは事実だけど
展開が急すぎて、これで良いのか
自分の気持ちに偽りがないのか
雰囲気に流されているのではないのか、自信がない。
「さよか。なら、本気だすで。
わからんなら、わからせたる。
これでもかーってくらい、彩ちゃんに
俺の愛の深さと重さ、伝えてくわ☆」
密着した身体と、耳元で囁かれる甘い声に
くらくらしてしまって
完全に流されているけど
もうどうにでもなれ、と思っている自分がいた。
ちらりの種ヶ島くんの顔を見ると、余裕な表情。
その表情を少しでも崩してみたくて
寄り掛かって『臨むところよ』と答えれば
耳が赤くなっているのが見えた。
(あかんて。あの水着はあかんて。かわいすぎる。
金色に頼んで連れて来てもろうてよかったわ。
あいつが先に見たんは釈やけど
まあ、女子やと思うとこ。
それにしても、可愛いことするし
無自覚なんか胸寄せるし、理性ぎりぎりや。
臨むところて、なんやねん。
むちゃくちゃええやん。
ぜーったい、好きて言わせたるで)
なんでこの水着にしたんだろう。
ホテルにプールがあるって聞いて
海外テンションというか、お店のお姉さんに負けたというか
ちょっとノリで買ってしまったこの水着。
冷静になってみると、恥ずかしい。
いや、恥ずかしいデザインなわけではない。
どちらかというと、まだ控えめな方だと思う。
胸の形がくっきりとでないように
チューブトップだし
下はパレオだし目立つデザインではない。
ただ、この水着姿を
いつもジャージ姿しか見せたことのない
皆に見られるということが恥ずかしい。
プールが好きな種ヶ島くんが
「今日の夜プール集合な☆」と言ってきて
断れずにとりあえず試着してしまったけど、どうしよう。
「彩ちゃーん、いるかしら~?」
この声は小春ちゃん!
『小春ちゃん、どうしよう!』
開けるわね、と言って入ってきた彼女
じゃなかった彼は驚いている。
そりゃそうだ。部屋で水着なのだから。
「あらあらあら!
彩ちゃん、素敵やないの!似合ってるわぁ!」
『小春ちゃん、どうしよう。
身の丈に合ってないもの選んじゃった・・・』
小春ちゃんとは気兼ねなく話せる友達のような関係。
親ちゃんがいない今
小春ちゃんとは女子トーク?で盛り上がることが多い。
「何言うてるの!自信もってええわよ!
すっごく似合ってるわぁ!」
『そうかな……』
「着流し系先輩と約束してるんでしょ?待ってたわよ。
プールまで一緒に行きまひょ」
なんで知ってるんだろうと思ったけど
言われるがまま、一緒に部屋から出る。
小春ちゃんと一緒なら少しだけ心強い。
「ほら、あそこで待ってはるわ」
『う、うん……』
指差すほうへ目を向けると
スマホを片手にした種ヶ島くんがいた。
律儀にプールに入らず待ってくれているみたい。
「その水着姿で悩殺よっ」
『そ、そんなんじゃないって……い、行ってきます』
小春ちゃんの明るい声に背中を押されて
恐る恐る近づいてみる。
『た、種ヶ島くん……』
「おっ、彩ちゃん、待っとったで……」
『待たせてごめんね』
「ええて、ええて。ほな行こか」
『え?他のみんなは?』
「ん?他は誘うてへんよ。
俺と彩ちゃん、ふたりきりやで☆」
驚く暇もなく、種ヶ島くんに手を引かれる。
え、ふたりだけ?
確かに集合ってしか言われてないけど
まさかの展開に頭がついていかない。
プールに入ろうとして
ふと立ち止まった種ヶ島くんは
脱ぐの忘れてたわ、と言って
羽織っていたパーカーを脱いだ。
うわ、腹筋すごい。
というか、身体のラインがやばい。
色気が高校生のレベルじゃないんだけど。
あまり彼のほうを見ないようにして
プールに入ろうとしたら種ヶ島くんに止められた。
「やっぱけっこう深いなあ。
彩ちゃん、俺の手ぇに掴まりや」
種ヶ島くんのお腹が隠れているから
私の背丈ではかなり深くなる。
言われるがまま手を取って、プールに入る。
『わっ……!ご、ごめんっ!』
階段もなにもない場所から入ったので
勢いがついて、つい種ヶ島くんの胸元に寄ってしまった。
鍛えられた胸板が目の前にあってテンパる。
「ちゃーんと掴まっててや。
人も多いし、俺から離れたらあかんで」
『わ、わかった…』
ふたりで泳いだりしていると
種ヶ島くんがどこからかエアーマットを借りてきた。
上に乗ったらと言われたので
うつ伏せに寝転んで頬杖をつくと
種ヶ島くんがニヤニヤしていた。
「うんうん。ええ眺め☆」
『え?』
トントン、と胸を指差されたので胸元を見てみると
うつ伏せになったことで、私の胸元が強調されていた。
『ちょっ!見ないでよっ、って、わぁっ!』
「おっと!」
水の上であることを忘れて
ガバッと起き上がったものだから
私はバランスを崩してしまって
咄嗟に種ヶ島くんが受け止めてくれた。
『ぷはっ』
「彩ちゃん、怪我ないな?」
『うん、大丈夫……』
「もーお。心配させんといて」
『ええっ!今のは種ヶ島くんが悪いよ!』
「俺悪ないて。
……魅力的な格好してる彩ちゃんのほうが
悪いと思うんやけど」
辺りはどんどん暗くなってきて
水面がライトアップされた。
一気に楽しげな雰囲気から
ムードのある色っぽい雰囲気へと変わる。
気がついたら周りはカップルだらけで
私たちも端からみればカップルそのものの距離感。
『……水着、何も言わないから
なんとも思ってないのかと思ってた』
少し、期待していた。
種ヶ島くんのことだから
似合うてるやん☆って言ってくれると思ってた。
でも何もなかったから、ちょっと寂しかったのだ。
「何も思わへんわけないやん。
好きな子ぉの水着姿やで?
可愛いし、色っぽいし、もう頭ん中妄想しまくり…
あいたたた、つねらんといてやっ」
どさくさに紛れて
私のお腹をちょっといやらしい手付きで触ってきたので
思い切りつねってあげた。
『……好きな子、なの?』
「せやで。彩ちゃんのこと、だーいすきやから
デートにも誘うたんやけど」
『だって、デートって思ってなかったし…』
「忘れてもうたん?
俺の行きたいデートスポットはナイトプールやねんけど」
言われてそうだった、と思い出す。
なんて陽キャなデートスポットなんだと思ったんだった。
「それで?お返事聞かせてもらえへんの?」
『…………好き、かも?』
「わお。ここにきて焦らすとか恋愛上級者やん☆」
『そんなんじゃないっ……その……わかんない、から』
種ヶ島くんに惹かれているのは事実だけど
展開が急すぎて、これで良いのか
自分の気持ちに偽りがないのか
雰囲気に流されているのではないのか、自信がない。
「さよか。なら、本気だすで。
わからんなら、わからせたる。
これでもかーってくらい、彩ちゃんに
俺の愛の深さと重さ、伝えてくわ☆」
密着した身体と、耳元で囁かれる甘い声に
くらくらしてしまって
完全に流されているけど
もうどうにでもなれ、と思っている自分がいた。
ちらりの種ヶ島くんの顔を見ると、余裕な表情。
その表情を少しでも崩してみたくて
寄り掛かって『臨むところよ』と答えれば
耳が赤くなっているのが見えた。
(あかんて。あの水着はあかんて。かわいすぎる。
金色に頼んで連れて来てもろうてよかったわ。
あいつが先に見たんは釈やけど
まあ、女子やと思うとこ。
それにしても、可愛いことするし
無自覚なんか胸寄せるし、理性ぎりぎりや。
臨むところて、なんやねん。
むちゃくちゃええやん。
ぜーったい、好きて言わせたるで)