君を守ると誓った日
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今日は猛暑日。最高気温は30度。
スコアを書いているだけでも、滝のような汗が出てくる。
こんな中でも
皆普段通りに練習をこなしているのだから、本当に尊敬する。
そろそろ休憩の時間になるから
飲み物と身体を冷やす保冷剤の準備を、と考えていると
少しだけ、目が霞むことに気がついた。
なんだろう、最近あまり眠れてなかったからかな。
三津谷くんと一緒に選手データの分析をしたり
切原くん達に誘われてゲームをしたり
大曲先輩と図書館の整理をしたり
色々とやることが多くて
疲れてしまって眠りが浅くなっていた。
色んな人と交流ができるってことは
良いことだと思うし、何より毎日楽しいから
つい色々とやってしまう。
ペース、飛ばし気味かなーと思いつつ
目を擦って、休憩の準備を始めた。
「はー、月光さん、今日めっちゃ暑すぎひんー?」
「そうだな」
「ここ最近では一番の暑さですね。
日焼け対策もきちんとしなければなりません」
「君島ぁ、少しは焼けろ!」
「嫌ですよ……って、葵さん。
顔色が優れないように見えますが……」
皆にドリンクを配っていると
君島先輩が心配そうにこちらを見ている。
『え、いや、そんなことないですよ』
「葵ちゃん、ちゃんと休んでるんけ?
水分とりんせーね」
うん、と答えようとしたけど、うまくしゃべれない。
あれ、おかしいなと思った瞬間
視界が真っ暗になった。
『ん…………あ、れ……?』
目を覚ますと、見慣れない天井。
薬品の匂いが鼻をかすめ、どうやら医務室にいるようだった。
頭はぼんやりとしていて
自分が倒れたのだなと理解するまでに
しばらく時間が掛かった。
「気分は?」
誰もいないと思っていたら
私の寝ているベッドに椅子を向けて
種ヶ島先輩が座っていた。
『大丈夫、です…』
「…さよか」
そう言うと席を立ち
冷蔵庫からよく冷えたスポーツドリンクを取ってきてくれた。
無言で渡され、飲め、ということなのだろう。
『ありがとうございます』
いつもは明るくて面白い先輩なのに
今は見たことないほど冷たい目をしている。
ああ、これは怒っている。
練習を中断させてしまっただろうし
何より、自己管理も出来ないなんて
マネージャーとして失格だ。
『あの……すみませんでした。
種ヶ島先輩が運んでくれたんですよね?
ありがとうございます。もう大丈夫なので、練習に』
「自分、わかっとる?」
真っ直ぐと、強い視線に身体がすくむ。
『ご迷惑をお掛けして、すみません…』
「自分の管理もできひんのに
俺らのマネージャー務まると思うてるん。
仲良しごっこしに来てるんとちゃうやろ」
バッサリと言われて、何も言えなかった。
言葉のひとつひとつが突き刺さる。
この合宿に参加することになって
どんなことがあっても、泣かないと決めていた。
女だからって、なめられないように
皆に認められるように
強くあらなきゃって思っていたのに
密かに憧れている人からの、鋭い言葉に
思わず涙が浮かんでしまった。
「あーーっ
ちゃうちゃう!説教するつもりやないんやって!
こんな話するつもりやなくて……」
『え……?』
さっきまでの雰囲気はなくなり
種ヶ島先輩は頭をがしがしと、乱暴に掻いている。
「まず、ちょい強めに言うてもうて堪忍な。
怒ってるわけとちゃうんよ。
ただ、葵が心配やっただけ」
『…すみません』
「頑張り過ぎてへんかなって思うてて。
空いた時間も皆の相手して、ちゃんと休めてへんやろ?
皆のために色々してくれるんは嬉しい。
せやけどなあ、自分のことも大事にしてほしい」
そこまで言うと、種ヶ島先輩はそっと、私の手をとる。
「……葵が倒れたとき、焦った。
ホンマに柄にもなく、焦ったわ……。
抱えてみたら、びっくりするほど軽いし
こんな細っこい身体で
頑張ってんねや思うたら、もう……」
種ヶ島先輩は私の手を握ったまま俯いた。
もう、なんだろう。
「もう……守りたなるやん」
顔をあげたかと思ったら
ぐいっと、強い力で抱き締められた。
『えっ、た、種ヶ島先輩……?』
「頼むから、あんま無茶苦茶せんといて」
静かに、強く、抱き締められて
どうすれば良いかわからないけど
ただただ、種ヶ島先輩が心配してくれていたのがわかる。
『……自分でも張り切りすぎてるかなとは思ってました。
でも皆が私を受け入れてくれたことが嬉しくて。
だからそれに答えなきゃって
片意地張って、力んでばかりだったんでしょうね』
種ヶ島先輩は私を離すと
髪がぐしゃぐしゃになるくらいの力で
頭を撫でてくる。
「ホンマやで。
よし。今日から、練習以外の時間は俺とおろな☆」
『え?なんでですか?』
「俺とおったら虫除けにもなるし
ずっと、笑わせたるよ。
あ、まあ竜次とおるんは許したろ」
にかっと最上級の笑顔を見せられて、つられて笑う。
種ヶ島先輩といたら、本当に楽しく過ごせそう。
じゃあ、お言葉に甘えようかなと言うと
一瞬きょとん、として
少しだけ顔を赤くして、しどろもどろになっていた。
格好いい、憧れの先輩との距離が
少しだけ、近く感じられた。
(いやー、修さんには驚いたね)
(かっこよかったですやん!
パパっと処置して、サッと抱き抱えて……すごいわあ)
(“触るな“という雰囲気が凄まじかったですがね)
(葵は大丈夫だろうか?)
(まああいつが適格に処置してっから、大丈夫だろうし)
(様子見に行くかあ?)
(いや、行かねえほうがいいと思うし)
(えー、僕は行きたいなあ。
きっと修さん面白いことになってると思うしね)
(……俺は絶対行かねえし)
(なんでオモロイんです??)
(寿三郎は気にしなくて良いですよ。
“格好いい種ヶ島くん“でいたほうが良いでしょう)
(???)
スコアを書いているだけでも、滝のような汗が出てくる。
こんな中でも
皆普段通りに練習をこなしているのだから、本当に尊敬する。
そろそろ休憩の時間になるから
飲み物と身体を冷やす保冷剤の準備を、と考えていると
少しだけ、目が霞むことに気がついた。
なんだろう、最近あまり眠れてなかったからかな。
三津谷くんと一緒に選手データの分析をしたり
切原くん達に誘われてゲームをしたり
大曲先輩と図書館の整理をしたり
色々とやることが多くて
疲れてしまって眠りが浅くなっていた。
色んな人と交流ができるってことは
良いことだと思うし、何より毎日楽しいから
つい色々とやってしまう。
ペース、飛ばし気味かなーと思いつつ
目を擦って、休憩の準備を始めた。
「はー、月光さん、今日めっちゃ暑すぎひんー?」
「そうだな」
「ここ最近では一番の暑さですね。
日焼け対策もきちんとしなければなりません」
「君島ぁ、少しは焼けろ!」
「嫌ですよ……って、葵さん。
顔色が優れないように見えますが……」
皆にドリンクを配っていると
君島先輩が心配そうにこちらを見ている。
『え、いや、そんなことないですよ』
「葵ちゃん、ちゃんと休んでるんけ?
水分とりんせーね」
うん、と答えようとしたけど、うまくしゃべれない。
あれ、おかしいなと思った瞬間
視界が真っ暗になった。
『ん…………あ、れ……?』
目を覚ますと、見慣れない天井。
薬品の匂いが鼻をかすめ、どうやら医務室にいるようだった。
頭はぼんやりとしていて
自分が倒れたのだなと理解するまでに
しばらく時間が掛かった。
「気分は?」
誰もいないと思っていたら
私の寝ているベッドに椅子を向けて
種ヶ島先輩が座っていた。
『大丈夫、です…』
「…さよか」
そう言うと席を立ち
冷蔵庫からよく冷えたスポーツドリンクを取ってきてくれた。
無言で渡され、飲め、ということなのだろう。
『ありがとうございます』
いつもは明るくて面白い先輩なのに
今は見たことないほど冷たい目をしている。
ああ、これは怒っている。
練習を中断させてしまっただろうし
何より、自己管理も出来ないなんて
マネージャーとして失格だ。
『あの……すみませんでした。
種ヶ島先輩が運んでくれたんですよね?
ありがとうございます。もう大丈夫なので、練習に』
「自分、わかっとる?」
真っ直ぐと、強い視線に身体がすくむ。
『ご迷惑をお掛けして、すみません…』
「自分の管理もできひんのに
俺らのマネージャー務まると思うてるん。
仲良しごっこしに来てるんとちゃうやろ」
バッサリと言われて、何も言えなかった。
言葉のひとつひとつが突き刺さる。
この合宿に参加することになって
どんなことがあっても、泣かないと決めていた。
女だからって、なめられないように
皆に認められるように
強くあらなきゃって思っていたのに
密かに憧れている人からの、鋭い言葉に
思わず涙が浮かんでしまった。
「あーーっ
ちゃうちゃう!説教するつもりやないんやって!
こんな話するつもりやなくて……」
『え……?』
さっきまでの雰囲気はなくなり
種ヶ島先輩は頭をがしがしと、乱暴に掻いている。
「まず、ちょい強めに言うてもうて堪忍な。
怒ってるわけとちゃうんよ。
ただ、葵が心配やっただけ」
『…すみません』
「頑張り過ぎてへんかなって思うてて。
空いた時間も皆の相手して、ちゃんと休めてへんやろ?
皆のために色々してくれるんは嬉しい。
せやけどなあ、自分のことも大事にしてほしい」
そこまで言うと、種ヶ島先輩はそっと、私の手をとる。
「……葵が倒れたとき、焦った。
ホンマに柄にもなく、焦ったわ……。
抱えてみたら、びっくりするほど軽いし
こんな細っこい身体で
頑張ってんねや思うたら、もう……」
種ヶ島先輩は私の手を握ったまま俯いた。
もう、なんだろう。
「もう……守りたなるやん」
顔をあげたかと思ったら
ぐいっと、強い力で抱き締められた。
『えっ、た、種ヶ島先輩……?』
「頼むから、あんま無茶苦茶せんといて」
静かに、強く、抱き締められて
どうすれば良いかわからないけど
ただただ、種ヶ島先輩が心配してくれていたのがわかる。
『……自分でも張り切りすぎてるかなとは思ってました。
でも皆が私を受け入れてくれたことが嬉しくて。
だからそれに答えなきゃって
片意地張って、力んでばかりだったんでしょうね』
種ヶ島先輩は私を離すと
髪がぐしゃぐしゃになるくらいの力で
頭を撫でてくる。
「ホンマやで。
よし。今日から、練習以外の時間は俺とおろな☆」
『え?なんでですか?』
「俺とおったら虫除けにもなるし
ずっと、笑わせたるよ。
あ、まあ竜次とおるんは許したろ」
にかっと最上級の笑顔を見せられて、つられて笑う。
種ヶ島先輩といたら、本当に楽しく過ごせそう。
じゃあ、お言葉に甘えようかなと言うと
一瞬きょとん、として
少しだけ顔を赤くして、しどろもどろになっていた。
格好いい、憧れの先輩との距離が
少しだけ、近く感じられた。
(いやー、修さんには驚いたね)
(かっこよかったですやん!
パパっと処置して、サッと抱き抱えて……すごいわあ)
(“触るな“という雰囲気が凄まじかったですがね)
(葵は大丈夫だろうか?)
(まああいつが適格に処置してっから、大丈夫だろうし)
(様子見に行くかあ?)
(いや、行かねえほうがいいと思うし)
(えー、僕は行きたいなあ。
きっと修さん面白いことになってると思うしね)
(……俺は絶対行かねえし)
(なんでオモロイんです??)
(寿三郎は気にしなくて良いですよ。
“格好いい種ヶ島くん“でいたほうが良いでしょう)
(???)