ナンパ対決の行く末は
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『修二くんなんてしらないっ』
「愛菜ちゃん機嫌直してや〜」
平謝りする修二くんにそっぽを向く。
さっきからこのやりとりがずっと繰り返されているのだけど
私はしばらくこのままでいる気だ。
簡単には許さないんだから。
遡ること、3時間前。
アメリカに到着してまもなく
大会前に皆でビーチに行くことになった。
合宿中に付き合うことになった私達にとって
これは滅多にないイベントごとで
2人とも楽しみにしていた。
それなのに、急に女の子の日になっちゃって
水着は着られないし体調も悪いしで
私は皆が海に行っている間
ホテルで留守番をすることになった。
水着を着て、修二くんと
海デート気分が少しでも味わえるかもしれないと
意気揚々としていたから本当にショック。
修二くんは私を気遣って看病すると言ってくれたけど
何故か三船監督が絶対に来いと言っていたので
彼の看病は諦めて見送ったのだ。
寂しいなあって思いながら
ベッドの上で休んでいたらスマホに一枚の写真が送られてきた。
『ん?奏多くんから………なにこれ』
皆で楽しんでる写真かと思ったら
修二くんが金髪のお姉さんと
仲睦まじくセグウェイに乗っている写真が送られていた。
“どーいうこと!?”
と連絡すると、“新しい特訓だよ”
ってきたけどそんなわけないじゃない。
金髪美女とセグウェイ乗る特訓ってなによ。
しかもなんか澄ました顔しちゃって。
私と居るときそんな顔しないくせに。
修二くんに電話してやろうと思ったけど
今も彼女と楽しげにしてて
電話に出なかったらそれはそれで嫌だし
奏多くんを問い詰めるのもなんか違うし
それでもムカつくから
通話アプリでスタンプだけをポンッと送ってやった。
壁からじっと睨んでいるウサギのスタンプを。
「愛菜ちゃん入るで〜。具合どない?」
海から戻ってきた修二くんは
私の寝ているベッドへと腰掛けた。
ギシッと軋むスプリングの音が、しーんとした部屋に響く。
「なんか食べたん?
なんも食べてへんかったらゼリーとか買ってこよか?」
寝てないことがわかっているのか、彼は私に話しかける。
体調のこと気遣ってくれるのは嬉しいけれど
今そんな優しさは関係ない。
私は無言でスマホにあの写真を表示させて
布団から差し出した。
「え、えぇっ!?
なんでその写真……って、ちょお待って、ちゃうねん」
珍しく慌てている声。
修二くんは話聞いてやと言いながら
私の顔を見ようとしているようだったけど
私は布団を強く握って意地でも出なかった。
『…何が違うの?』
「信じられへんかもしれへんけど
これ監督の指示やねん!
中学生対高校生のナンパ対決やって言われて」
『………』
「いや〜、皆の意外な一面見られてオモロかったで!
ツッキーなんて興味ない言いながら
女の子とビーチバレーしてたり
幸村が連れて来たんは男やったり」
『………』
「愛菜ちゃーん…」
『本当に特訓だったの…?』
「ホンマのホンマ!
証人はいっぱいいてるから後で他の奴らにも
話聞き行こな!嘘ついてへんから!」
そこまで聞いて布団から少し顔を出す。
修二くんは、眉を少し下げて
困ったような弱ったような顔をしていた。
『浮気じゃない…?』
「浮気やない!俺は彼女一筋。愛菜ちゃんだけやねん。
せやから出てきてくれへん?」
修二くんが私に向かってガバッと腕を広げた。
私はのそっと布団から出て彼の胸に顔を埋める。
修二くんからは少しだけ海の香りがして
少しだけ寂しくなる。
『疑ってごめん。
あの写真だけ見たらそう思っちゃって…。
修二くんと海行きたかったのに具合悪くて寂しくて
でも修二くんは綺麗なお姉さんと一緒にいて楽しそうで。
…いやだったの。ヤキモチ妬いたの』
もともと彼はすごくモテる人だから
合宿中に付き合えたのはただの暇つぶしじゃないか?
合宿が終われば離れてしまうから別れるのではないか?
そういう不安がずっとあって
やっぱり私がいなくても、良いんだなって思えて悲しかった。
修二くんなんてしらないってそっぽを向いていたのは
怒ってるんじゃなくて、悲しかったから。
「そらあんな写真、誤解招くわな。
嫌な思いさせてごめんなあ。
せやけど、これだけはわかってほしい。
俺は愛菜ちゃん以外に興味あらへん。
ホンマに好きなんや」
『なんか澄ました顔してた…』
「中学生おったからちょっとカッコつけてしもたわ☆」
『綺麗な人だった…』
「俺の彼女には勝てへんけどな」
『修二くん、好き』
「ハハッ!俺も!」
ぎゅうっと力強く抱きしめられて
彼の温もりを全身で感じる。
あれってカッコつけてたドヤ顔かって思ったら
吹き出して笑ってしまって
2人して誤解が解けた安堵と色々とで笑い合う。
修二くんは私が望んでいた言葉を全てくれた。
嬉しくて、ホッとしたら
拗ねていた自分が恥ずかしくなってきたのだけど
自分の不安な気持ちを吐き出して良かったと思った。
「それにしても、アレ誰が送ってきたん?」
『奏多くんだよ』
「アイツめ。俺らがラブラブなんが気に食わんかったんか」
『でもそのおかげで、もっとラブラブになれたね』
「せやな!よし、それ奏多に言うたろ」
私の体調も戻った後
念願の海に連れて行ってもらった。
大曲くんや毛利くん達皆誘って行ったら
修二くんは自分のラッシュガードを私に羽織らせた。
「水着姿は、俺だけのもんやからなあ」
と耳元で言われて真っ赤になったのを
皆にからかわれたけど
私にとって忘れられない、一夏の思い出になったのだった。
(か〜な〜たぁ〜。
何誤解招くような写真送ってんねん)
(良いスパイスになったでしょ?)
(なにがスパイスやねん。おっそろしいことしよって)
(これで別れたらそのくらいの仲ってことでしょ。
僕のおかげで絆が深まって良かったじゃん)
(お前、ホンマ怖いわ…)
(これに懲りたらいくら特訓でも断らなきゃね。
心配させるの可哀想でしょ?)
(え?これなんで俺怒られてるん…?
そもそも奏多が送らんかったらよかったんやない…?)
「愛菜ちゃん機嫌直してや〜」
平謝りする修二くんにそっぽを向く。
さっきからこのやりとりがずっと繰り返されているのだけど
私はしばらくこのままでいる気だ。
簡単には許さないんだから。
遡ること、3時間前。
アメリカに到着してまもなく
大会前に皆でビーチに行くことになった。
合宿中に付き合うことになった私達にとって
これは滅多にないイベントごとで
2人とも楽しみにしていた。
それなのに、急に女の子の日になっちゃって
水着は着られないし体調も悪いしで
私は皆が海に行っている間
ホテルで留守番をすることになった。
水着を着て、修二くんと
海デート気分が少しでも味わえるかもしれないと
意気揚々としていたから本当にショック。
修二くんは私を気遣って看病すると言ってくれたけど
何故か三船監督が絶対に来いと言っていたので
彼の看病は諦めて見送ったのだ。
寂しいなあって思いながら
ベッドの上で休んでいたらスマホに一枚の写真が送られてきた。
『ん?奏多くんから………なにこれ』
皆で楽しんでる写真かと思ったら
修二くんが金髪のお姉さんと
仲睦まじくセグウェイに乗っている写真が送られていた。
“どーいうこと!?”
と連絡すると、“新しい特訓だよ”
ってきたけどそんなわけないじゃない。
金髪美女とセグウェイ乗る特訓ってなによ。
しかもなんか澄ました顔しちゃって。
私と居るときそんな顔しないくせに。
修二くんに電話してやろうと思ったけど
今も彼女と楽しげにしてて
電話に出なかったらそれはそれで嫌だし
奏多くんを問い詰めるのもなんか違うし
それでもムカつくから
通話アプリでスタンプだけをポンッと送ってやった。
壁からじっと睨んでいるウサギのスタンプを。
「愛菜ちゃん入るで〜。具合どない?」
海から戻ってきた修二くんは
私の寝ているベッドへと腰掛けた。
ギシッと軋むスプリングの音が、しーんとした部屋に響く。
「なんか食べたん?
なんも食べてへんかったらゼリーとか買ってこよか?」
寝てないことがわかっているのか、彼は私に話しかける。
体調のこと気遣ってくれるのは嬉しいけれど
今そんな優しさは関係ない。
私は無言でスマホにあの写真を表示させて
布団から差し出した。
「え、えぇっ!?
なんでその写真……って、ちょお待って、ちゃうねん」
珍しく慌てている声。
修二くんは話聞いてやと言いながら
私の顔を見ようとしているようだったけど
私は布団を強く握って意地でも出なかった。
『…何が違うの?』
「信じられへんかもしれへんけど
これ監督の指示やねん!
中学生対高校生のナンパ対決やって言われて」
『………』
「いや〜、皆の意外な一面見られてオモロかったで!
ツッキーなんて興味ない言いながら
女の子とビーチバレーしてたり
幸村が連れて来たんは男やったり」
『………』
「愛菜ちゃーん…」
『本当に特訓だったの…?』
「ホンマのホンマ!
証人はいっぱいいてるから後で他の奴らにも
話聞き行こな!嘘ついてへんから!」
そこまで聞いて布団から少し顔を出す。
修二くんは、眉を少し下げて
困ったような弱ったような顔をしていた。
『浮気じゃない…?』
「浮気やない!俺は彼女一筋。愛菜ちゃんだけやねん。
せやから出てきてくれへん?」
修二くんが私に向かってガバッと腕を広げた。
私はのそっと布団から出て彼の胸に顔を埋める。
修二くんからは少しだけ海の香りがして
少しだけ寂しくなる。
『疑ってごめん。
あの写真だけ見たらそう思っちゃって…。
修二くんと海行きたかったのに具合悪くて寂しくて
でも修二くんは綺麗なお姉さんと一緒にいて楽しそうで。
…いやだったの。ヤキモチ妬いたの』
もともと彼はすごくモテる人だから
合宿中に付き合えたのはただの暇つぶしじゃないか?
合宿が終われば離れてしまうから別れるのではないか?
そういう不安がずっとあって
やっぱり私がいなくても、良いんだなって思えて悲しかった。
修二くんなんてしらないってそっぽを向いていたのは
怒ってるんじゃなくて、悲しかったから。
「そらあんな写真、誤解招くわな。
嫌な思いさせてごめんなあ。
せやけど、これだけはわかってほしい。
俺は愛菜ちゃん以外に興味あらへん。
ホンマに好きなんや」
『なんか澄ました顔してた…』
「中学生おったからちょっとカッコつけてしもたわ☆」
『綺麗な人だった…』
「俺の彼女には勝てへんけどな」
『修二くん、好き』
「ハハッ!俺も!」
ぎゅうっと力強く抱きしめられて
彼の温もりを全身で感じる。
あれってカッコつけてたドヤ顔かって思ったら
吹き出して笑ってしまって
2人して誤解が解けた安堵と色々とで笑い合う。
修二くんは私が望んでいた言葉を全てくれた。
嬉しくて、ホッとしたら
拗ねていた自分が恥ずかしくなってきたのだけど
自分の不安な気持ちを吐き出して良かったと思った。
「それにしても、アレ誰が送ってきたん?」
『奏多くんだよ』
「アイツめ。俺らがラブラブなんが気に食わんかったんか」
『でもそのおかげで、もっとラブラブになれたね』
「せやな!よし、それ奏多に言うたろ」
私の体調も戻った後
念願の海に連れて行ってもらった。
大曲くんや毛利くん達皆誘って行ったら
修二くんは自分のラッシュガードを私に羽織らせた。
「水着姿は、俺だけのもんやからなあ」
と耳元で言われて真っ赤になったのを
皆にからかわれたけど
私にとって忘れられない、一夏の思い出になったのだった。
(か〜な〜たぁ〜。
何誤解招くような写真送ってんねん)
(良いスパイスになったでしょ?)
(なにがスパイスやねん。おっそろしいことしよって)
(これで別れたらそのくらいの仲ってことでしょ。
僕のおかげで絆が深まって良かったじゃん)
(お前、ホンマ怖いわ…)
(これに懲りたらいくら特訓でも断らなきゃね。
心配させるの可哀想でしょ?)
(え?これなんで俺怒られてるん…?
そもそも奏多が送らんかったらよかったんやない…?)
1/1ページ