きっと貴方に恋をする
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ちょっとだけ良いなって、素敵だなって
気になっていた種ヶ島くんから告白された。
確かに最近よく目が合うなとは
思っていたけど本当に予想外。
合宿のマネージャーである私と種ヶ島くんの接点は
そりゃあるけれど
特別仲が良いってわけでもないから
何がきっかけなのかわからない。
しかもめちゃくちゃ失礼なことに
種ヶ島くんへの気持ちは
憧れとか推しに近い気持ちだったから
恋愛対象としては見てなくて。
でもモテることから皆無な人生を過ごしていた私は
告白されたことに舞い上がって
ついOKの返事をしてしまったのだ。
だから、一応私たちは付き合っている。
付き合ってはいるのだけれど、私は未だに慣れないし
本当に彼のことが好きなのかわからないままでいた。
「おはようさん☆今日もかわええなあ」
『えっ、あ、おはよう種ヶ島くん』
「ご飯行くんやろ?一緒行こや」
朝食へと向かう途中、種ヶ島くんと大曲くんに遭遇した。
ぼーっと歩いていただけなのに
かわいいとか言われて照れてしまう。
お世話を真に受けるなという話だが
こういうことに慣れてない私には効果てきめんで
すすっと、大曲くんの方へと近寄る。
「こっちじゃねぇだろ」
「せやで〜。彼氏は俺やん。
隣歩いてくれへんと修さん寂しいわあ」
冗談だろうけど、寂しい、の言葉を無下にはできず
おずおずと種ヶ島くんに近づくと
彼は満面の笑みを浮かべ
一歩下がって歩いている大曲くんはため息をついた。
レストランに入ると
中学生も高校生も揃っていて、ガヤガヤと賑わっている。
座る場所を探していたら
種ヶ島くんが席を確保してくれて
私、種ヶ島くん、大曲くんの順で席についた。
種ヶ島くんは終始楽しそうに
両サイドの私達に話を振って笑っている。
どちらかがポツン、と会話から外れないよう
気を配る様子は、器用で尊敬する。
「先輩ら、おはよーございます!」
「おう。朝から元気良いな」
「おはようさん☆」
2つ年下の毛利くんが、四天宝寺の子達とやってきて
近くの席へと座った。
私達にとって後輩である毛利くんは
中学生の彼らにとっては先輩。
なんだか微笑ましいなと思って見ていたら
白石くんとバチッと目が合い
彼は気恥ずかしそうに目を逸らした。
何かしただろうか、と不思議に思っていたら
種ヶ島くんが私の肩に寄りかかった。
「ノスケ、俺の彼女にちょっかいかけたらアカンで?」
「ちゃ、ちゃいますって!」
「莉子のこと見つめとるから
俺への宣戦布告かと思ったわ☆」
「中学生に絡むなし」
「ちゃい☆」
必要以上の距離感に、ひとりだけ脳内パニック状態。
肩には種ヶ島くんが可愛い女の子がするように
こてん、と頭を乗せていて
他の人には見えてないと思うけど
左手は私の腰に回っている。
え、今私どんな顔してる?笑えてる?
「ホンマ仲ええですよね〜」
「でも姉ちゃん、固まってんで!どないしたん?」
遠山くんの声にハッと我に帰る。
気づけば皆の視線は私へと向いていて
なんでもないよ、と言おうとしたけど
大曲くんがボソッと“修二、なにしてんだし”
って言ったのが聞こえて思わず立ち上がった。
『あっ、えっと、その
私コーチに頼まれてたことあったんだった!』
後ろから種ヶ島くんの引き止める声が聞こえたけど
私はそのまま外へと向かった。
『あぁ…やっちゃった』
東屋で膝を抱えながらため息をつく。
どないしたん?って言われたとき
恥ずかしいだけ、って言って笑えばよかったのに
大曲くんが腰に当てられた手を見たのかもって思った瞬間
恥ずかしさがキャパオーバーになってしまった。
逃げ出してしまったものの
コーチには何も頼まれてないし
この後彼らとどう接したら良いかもわからないし
種ヶ島くんに何て言えば良いかもわからない。
そもそも
このお付き合いは、本当に続けて良いものなんだろうか。
種ヶ島くんへの感情がわからないままこの関係を続けても
彼に失礼だし、うまく付き合っていけない気がする。
別れたほうが良いのでは、と
一人で考えていたら誰かが近づく音がした。
「ここにおったんやな」
『種ヶ島くん……』
「いきなり出て行ってまうから驚いたで」
『ごめん…』
隣ええ?って言われたから頷くと
彼は私の隣に腰を下ろした。
「まあ俺のせいよな。
スキンシップしすぎてもうた。ごめんな」
『違うの、私……』
違うの、の先の言葉がうまく見つけられない。
触れられるのが嫌なわけではなくて嬉しくて。
でも恥ずかしくて慣れなくて。
隣にいてくれることが嬉しいのに好きかわからなくて。
自分の気持すらわからない私を
好きでいてくれることが、苦しくて。
『種ヶ島くん、私と、別れてほしい』
絞り出した声は、震えていた。
種ヶ島くんとの間に沈黙が広がり
暫くしてから、優しい口調で理由を尋ねられた。
私は震える声を抑えつつ
自分の気持ちがわからないことを伝えた。
きっと、上手な言葉ではないし
支離滅裂なことを言っているような気もするけど
それでも、彼はうんうんって
ゆっくりでええからって言って聞いてくれた。
言い終わると、私の胸の内は少しだけ軽くなっていて
ずっと溜め込んでいたモヤモヤがすっきりした。
種ヶ島くんは黙っているけど
怒っていないだろうか。傷ついていないだろうか。
「ほんなら、こっからは俺の番やな。
まずは、悩ませてしもてホンマにごめん。
ちょっと距離詰め過ぎたわ」
『謝らないで。種ヶ島くんは悪くないから』
「いや、俺が調子乗ってたんは事実やから。
好きな子と付き合えたんが嬉しくて
莉子が離れて行かへんよう
外堀埋めたり卑怯やったな。
ああ、それと、俺のこと好きやないって気づいてたで」
『えっ…?』
「それでも、付き合えればそれで良かったし
これから好きになってもらえればええかって思ってたんやけど
別れてほしい、はやっぱ堪えるわあ」
そう話す種ヶ島くんは寂しそうに笑った。
彼のそんな表情は初めて見たけど
胸が張り裂けそうだ。
『……どうして、私が好きなの?』
聞きたくて、聞けなかった言葉が
すんなりと出てきた。
「莉子って、損得考えんと行動してるやろ?
いつでも、誰に対しても平等で
ずる賢さも、下心も全くなくて、純粋で真っ直ぐ。
俺にないもんいっぱい持ってて…
たまに純粋過ぎて心配になるなあって見てたら
いつの間にか、好きになってた」
いつもと違う優しい、熱っぽい眼差しに
どくん、と胸が高鳴る。
『わ、私は…種ヶ島くんが、私にないものいっぱい持ってて
すごいなって尊敬するなって思ってた…
さっきだって私と大曲くんがちゃんと話せるように
気を配ってくれてたし
いつも皆のこと見て、細かいところに気づいてくれて
人にわからないようにサポートしてくれて…』
ここまで話してあれって思った。
私は、種ヶ島くんのこと……
「これって俺案外まだチャンスあったりするんとちゃう?」
『えっと、その、あの…』
「なあ、まだ別れるんは待って欲しいねんけど。
ホンマに俺が嫌いで一緒に居るのも嫌で
顔も見たくないんやったら別れるけど」
『そういうわけじゃないよ!』
食い気味に言ってしまって
種ヶ島くんはハハッと声を出して笑った。
「さよか。安心したわ。
ほんなら、今からが頑張り時やな☆
絶対、俺のこと好きにさせたる。
好きかわからへんなんて、二度と言わせへんから」
さっきまでの寂しげな表情から一変して
種ヶ島くんは妖艶に微笑んだ。
結局別れる話は延期となったけど
心の何処かで安堵している自分がいて
私が彼に恋に落ちる日なんて
すぐに来るんだろうなって思ったのだった。
(そういば、なんで俺の告白OKしたん?)
(えっと、それは………モテない人生だったもので…)
(舞い上がったと?)
(おっしゃる通りです…)
(ほーん。なら俺以外が告白しとったら
そいつと付き合ってたってことかあ)
(えっ!?……それは、…うーん。どうだろう。
断ってたかも…)
(ハハッ!それ、もう俺のこと好きやん)
(ち、ちが…まだ…!)
(まだ、なあ〜。これからが楽しみやな)
気になっていた種ヶ島くんから告白された。
確かに最近よく目が合うなとは
思っていたけど本当に予想外。
合宿のマネージャーである私と種ヶ島くんの接点は
そりゃあるけれど
特別仲が良いってわけでもないから
何がきっかけなのかわからない。
しかもめちゃくちゃ失礼なことに
種ヶ島くんへの気持ちは
憧れとか推しに近い気持ちだったから
恋愛対象としては見てなくて。
でもモテることから皆無な人生を過ごしていた私は
告白されたことに舞い上がって
ついOKの返事をしてしまったのだ。
だから、一応私たちは付き合っている。
付き合ってはいるのだけれど、私は未だに慣れないし
本当に彼のことが好きなのかわからないままでいた。
「おはようさん☆今日もかわええなあ」
『えっ、あ、おはよう種ヶ島くん』
「ご飯行くんやろ?一緒行こや」
朝食へと向かう途中、種ヶ島くんと大曲くんに遭遇した。
ぼーっと歩いていただけなのに
かわいいとか言われて照れてしまう。
お世話を真に受けるなという話だが
こういうことに慣れてない私には効果てきめんで
すすっと、大曲くんの方へと近寄る。
「こっちじゃねぇだろ」
「せやで〜。彼氏は俺やん。
隣歩いてくれへんと修さん寂しいわあ」
冗談だろうけど、寂しい、の言葉を無下にはできず
おずおずと種ヶ島くんに近づくと
彼は満面の笑みを浮かべ
一歩下がって歩いている大曲くんはため息をついた。
レストランに入ると
中学生も高校生も揃っていて、ガヤガヤと賑わっている。
座る場所を探していたら
種ヶ島くんが席を確保してくれて
私、種ヶ島くん、大曲くんの順で席についた。
種ヶ島くんは終始楽しそうに
両サイドの私達に話を振って笑っている。
どちらかがポツン、と会話から外れないよう
気を配る様子は、器用で尊敬する。
「先輩ら、おはよーございます!」
「おう。朝から元気良いな」
「おはようさん☆」
2つ年下の毛利くんが、四天宝寺の子達とやってきて
近くの席へと座った。
私達にとって後輩である毛利くんは
中学生の彼らにとっては先輩。
なんだか微笑ましいなと思って見ていたら
白石くんとバチッと目が合い
彼は気恥ずかしそうに目を逸らした。
何かしただろうか、と不思議に思っていたら
種ヶ島くんが私の肩に寄りかかった。
「ノスケ、俺の彼女にちょっかいかけたらアカンで?」
「ちゃ、ちゃいますって!」
「莉子のこと見つめとるから
俺への宣戦布告かと思ったわ☆」
「中学生に絡むなし」
「ちゃい☆」
必要以上の距離感に、ひとりだけ脳内パニック状態。
肩には種ヶ島くんが可愛い女の子がするように
こてん、と頭を乗せていて
他の人には見えてないと思うけど
左手は私の腰に回っている。
え、今私どんな顔してる?笑えてる?
「ホンマ仲ええですよね〜」
「でも姉ちゃん、固まってんで!どないしたん?」
遠山くんの声にハッと我に帰る。
気づけば皆の視線は私へと向いていて
なんでもないよ、と言おうとしたけど
大曲くんがボソッと“修二、なにしてんだし”
って言ったのが聞こえて思わず立ち上がった。
『あっ、えっと、その
私コーチに頼まれてたことあったんだった!』
後ろから種ヶ島くんの引き止める声が聞こえたけど
私はそのまま外へと向かった。
『あぁ…やっちゃった』
東屋で膝を抱えながらため息をつく。
どないしたん?って言われたとき
恥ずかしいだけ、って言って笑えばよかったのに
大曲くんが腰に当てられた手を見たのかもって思った瞬間
恥ずかしさがキャパオーバーになってしまった。
逃げ出してしまったものの
コーチには何も頼まれてないし
この後彼らとどう接したら良いかもわからないし
種ヶ島くんに何て言えば良いかもわからない。
そもそも
このお付き合いは、本当に続けて良いものなんだろうか。
種ヶ島くんへの感情がわからないままこの関係を続けても
彼に失礼だし、うまく付き合っていけない気がする。
別れたほうが良いのでは、と
一人で考えていたら誰かが近づく音がした。
「ここにおったんやな」
『種ヶ島くん……』
「いきなり出て行ってまうから驚いたで」
『ごめん…』
隣ええ?って言われたから頷くと
彼は私の隣に腰を下ろした。
「まあ俺のせいよな。
スキンシップしすぎてもうた。ごめんな」
『違うの、私……』
違うの、の先の言葉がうまく見つけられない。
触れられるのが嫌なわけではなくて嬉しくて。
でも恥ずかしくて慣れなくて。
隣にいてくれることが嬉しいのに好きかわからなくて。
自分の気持すらわからない私を
好きでいてくれることが、苦しくて。
『種ヶ島くん、私と、別れてほしい』
絞り出した声は、震えていた。
種ヶ島くんとの間に沈黙が広がり
暫くしてから、優しい口調で理由を尋ねられた。
私は震える声を抑えつつ
自分の気持ちがわからないことを伝えた。
きっと、上手な言葉ではないし
支離滅裂なことを言っているような気もするけど
それでも、彼はうんうんって
ゆっくりでええからって言って聞いてくれた。
言い終わると、私の胸の内は少しだけ軽くなっていて
ずっと溜め込んでいたモヤモヤがすっきりした。
種ヶ島くんは黙っているけど
怒っていないだろうか。傷ついていないだろうか。
「ほんなら、こっからは俺の番やな。
まずは、悩ませてしもてホンマにごめん。
ちょっと距離詰め過ぎたわ」
『謝らないで。種ヶ島くんは悪くないから』
「いや、俺が調子乗ってたんは事実やから。
好きな子と付き合えたんが嬉しくて
莉子が離れて行かへんよう
外堀埋めたり卑怯やったな。
ああ、それと、俺のこと好きやないって気づいてたで」
『えっ…?』
「それでも、付き合えればそれで良かったし
これから好きになってもらえればええかって思ってたんやけど
別れてほしい、はやっぱ堪えるわあ」
そう話す種ヶ島くんは寂しそうに笑った。
彼のそんな表情は初めて見たけど
胸が張り裂けそうだ。
『……どうして、私が好きなの?』
聞きたくて、聞けなかった言葉が
すんなりと出てきた。
「莉子って、損得考えんと行動してるやろ?
いつでも、誰に対しても平等で
ずる賢さも、下心も全くなくて、純粋で真っ直ぐ。
俺にないもんいっぱい持ってて…
たまに純粋過ぎて心配になるなあって見てたら
いつの間にか、好きになってた」
いつもと違う優しい、熱っぽい眼差しに
どくん、と胸が高鳴る。
『わ、私は…種ヶ島くんが、私にないものいっぱい持ってて
すごいなって尊敬するなって思ってた…
さっきだって私と大曲くんがちゃんと話せるように
気を配ってくれてたし
いつも皆のこと見て、細かいところに気づいてくれて
人にわからないようにサポートしてくれて…』
ここまで話してあれって思った。
私は、種ヶ島くんのこと……
「これって俺案外まだチャンスあったりするんとちゃう?」
『えっと、その、あの…』
「なあ、まだ別れるんは待って欲しいねんけど。
ホンマに俺が嫌いで一緒に居るのも嫌で
顔も見たくないんやったら別れるけど」
『そういうわけじゃないよ!』
食い気味に言ってしまって
種ヶ島くんはハハッと声を出して笑った。
「さよか。安心したわ。
ほんなら、今からが頑張り時やな☆
絶対、俺のこと好きにさせたる。
好きかわからへんなんて、二度と言わせへんから」
さっきまでの寂しげな表情から一変して
種ヶ島くんは妖艶に微笑んだ。
結局別れる話は延期となったけど
心の何処かで安堵している自分がいて
私が彼に恋に落ちる日なんて
すぐに来るんだろうなって思ったのだった。
(そういば、なんで俺の告白OKしたん?)
(えっと、それは………モテない人生だったもので…)
(舞い上がったと?)
(おっしゃる通りです…)
(ほーん。なら俺以外が告白しとったら
そいつと付き合ってたってことかあ)
(えっ!?……それは、…うーん。どうだろう。
断ってたかも…)
(ハハッ!それ、もう俺のこと好きやん)
(ち、ちが…まだ…!)
(まだ、なあ〜。これからが楽しみやな)