怖がりさんな君へ
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映画は、無事に幕を閉じた。
途中で何度かまた怖いシーンがあったけど
種ヶ島が手を握ってくれていたおかげで
そこまで怖くはなかった。
手に意識が向いていたからかもしれないけど
種ヶ島のことだからそれが狙いだったのかもしれない。
「ほな、部屋まで戻ろか。
竜次先戻っといてや。俺和花ちゃん部屋まで送ってくわ」
「…ちゃんと送れし」
「ちゃい☆」
そんなの必要ない、と言う暇もなく
種ヶ島にそのまま連れて行かれてしまった。
私の手を引いて歩く種ヶ島は鼻歌を歌っていて
そんな上機嫌な彼を見て
なんだかんだで、助けられてばかりだと思った。
正直なところ、部屋までの道のりも
映画のせいで一人で歩くのが心細かったから。
『あの…ありがと。
フォローしてくれたり色々助けてくれて…』
「ん?別に何もしてへんよ。
それに俺は可愛い姿見られたから大満足やで」
『可愛くないでしょ、私が怖がったって…。
おばけとかで怖がるなんて意外でしょ…?』
以前怖がりであることを
クラスの男子に話したら意外だと笑われた。
どちらかというと頼られることが多く
しっかり者、という雰囲気のある私は
怖がりというイメージが似合わない。
クラスの可愛い女の子が、可愛らしく怖がっているのを見て
あんな風にはなれない、そう思って
それから隠すようになったのだ。
「何を気にしてるんかは知らんけど
怖いもんは怖いやん。
俺だって飛行機怖くて乗れへんのやで。意外やろ?」
『確かに…最初聞いた時意外だって思った…』
「誰だって怖いもんくらいある。
言いたくないんはわかるけど
頼るくらいはええんとちゃう?」
『頼る……』
「本当は部屋に戻るのだって怖かったんやないん?」
図星過ぎで言葉に詰まっていると
種ヶ島はやっぱりな、と言って笑った。
『ねぇ、もしかして私が怖がりなの
けっこう前から気づいてた?』
「ん?まぁ、和花ちゃん顔に出やすいタイプやから
気づいてはおったで」
『それなのに、肝試ししたいって言ったの…?』
「ごめんて!男の夢やん?
好きな子が怖いって言って抱きついてくるなんて☆」
『肝試しだけは絶対しないから!』
そうこうしていたら部屋まで着いてしまった。
話している時間が楽しくて
一人の部屋に戻るのが少しだけ寂しい。
「部屋、着いてしもたけど一人で寝れる?」
『…………怖いけど
種ヶ島が今まで一緒にいてくれたから大丈夫』
「…ちょお、いきなりデレるんやめてや」
『意地っ張りをやめたんですー。照れてるの?』
「調子戻ってきたやん」
じゃあ、と言おう思ったら
種ヶ島は羽織っていたジャージを脱いで私に渡してきた。
『え?何?』
「眠る時怖なったら、俺やと思ってこれ抱き締めてや。
少しは安心できるで。修さんが、守ったるからな」
『…あ、ありがとう。じゃあ、借りるね』
ぎゅっとジャージを抱き締めれば
種ヶ島は優しく微笑んで、そのまま帰って行った。
腕の中のジャージからは
ほのかな温もりと、種ヶ島の香りがして
今日はよく眠れそうだなって思ったのだった。
(そういえば、さっき肝試しの話したとき
好きな子って言った?
あれは別に私に対してじゃなくて
世間的にって話の流れだった?
気になって眠れないけど、怖くもないから
色んな意味で種ヶ島ってすごい…)
途中で何度かまた怖いシーンがあったけど
種ヶ島が手を握ってくれていたおかげで
そこまで怖くはなかった。
手に意識が向いていたからかもしれないけど
種ヶ島のことだからそれが狙いだったのかもしれない。
「ほな、部屋まで戻ろか。
竜次先戻っといてや。俺和花ちゃん部屋まで送ってくわ」
「…ちゃんと送れし」
「ちゃい☆」
そんなの必要ない、と言う暇もなく
種ヶ島にそのまま連れて行かれてしまった。
私の手を引いて歩く種ヶ島は鼻歌を歌っていて
そんな上機嫌な彼を見て
なんだかんだで、助けられてばかりだと思った。
正直なところ、部屋までの道のりも
映画のせいで一人で歩くのが心細かったから。
『あの…ありがと。
フォローしてくれたり色々助けてくれて…』
「ん?別に何もしてへんよ。
それに俺は可愛い姿見られたから大満足やで」
『可愛くないでしょ、私が怖がったって…。
おばけとかで怖がるなんて意外でしょ…?』
以前怖がりであることを
クラスの男子に話したら意外だと笑われた。
どちらかというと頼られることが多く
しっかり者、という雰囲気のある私は
怖がりというイメージが似合わない。
クラスの可愛い女の子が、可愛らしく怖がっているのを見て
あんな風にはなれない、そう思って
それから隠すようになったのだ。
「何を気にしてるんかは知らんけど
怖いもんは怖いやん。
俺だって飛行機怖くて乗れへんのやで。意外やろ?」
『確かに…最初聞いた時意外だって思った…』
「誰だって怖いもんくらいある。
言いたくないんはわかるけど
頼るくらいはええんとちゃう?」
『頼る……』
「本当は部屋に戻るのだって怖かったんやないん?」
図星過ぎで言葉に詰まっていると
種ヶ島はやっぱりな、と言って笑った。
『ねぇ、もしかして私が怖がりなの
けっこう前から気づいてた?』
「ん?まぁ、和花ちゃん顔に出やすいタイプやから
気づいてはおったで」
『それなのに、肝試ししたいって言ったの…?』
「ごめんて!男の夢やん?
好きな子が怖いって言って抱きついてくるなんて☆」
『肝試しだけは絶対しないから!』
そうこうしていたら部屋まで着いてしまった。
話している時間が楽しくて
一人の部屋に戻るのが少しだけ寂しい。
「部屋、着いてしもたけど一人で寝れる?」
『…………怖いけど
種ヶ島が今まで一緒にいてくれたから大丈夫』
「…ちょお、いきなりデレるんやめてや」
『意地っ張りをやめたんですー。照れてるの?』
「調子戻ってきたやん」
じゃあ、と言おう思ったら
種ヶ島は羽織っていたジャージを脱いで私に渡してきた。
『え?何?』
「眠る時怖なったら、俺やと思ってこれ抱き締めてや。
少しは安心できるで。修さんが、守ったるからな」
『…あ、ありがとう。じゃあ、借りるね』
ぎゅっとジャージを抱き締めれば
種ヶ島は優しく微笑んで、そのまま帰って行った。
腕の中のジャージからは
ほのかな温もりと、種ヶ島の香りがして
今日はよく眠れそうだなって思ったのだった。
(そういえば、さっき肝試しの話したとき
好きな子って言った?
あれは別に私に対してじゃなくて
世間的にって話の流れだった?
気になって眠れないけど、怖くもないから
色んな意味で種ヶ島ってすごい…)