ただいま遠距離恋愛中3
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『えっ・・・・?運休、ですか?』
U-17の合宿所に泊まった翌日。
今日こそ本当に寿三郎さんと離れなければならないのかと
覚悟をして斎藤コーチ達へと挨拶に行ったのだけど
まさかの電車の運休を知らされた。
「バスはわかりますけど
なんで電車まで運休なんやろか?」
一緒についてきてくれた寿三郎さんが聞く。
「この天気ですからね。
それに明日は台風が近づいていますから
恐らく明日も運休でしょう」
『すごい大雨ですもんね・・・』
確かにここへ来る前、事前に天気予報を調べたら
台風が発生してはいた。
でも進路が違ったから関係ないだろうと思っていたのに
ここにきて直撃するなんて。
「今日明日まではここにいて下さい。
気兼ねせずに、施設は好きに利用して構いませんから」
『重ね重ねご迷惑をお掛けしてすみません。
ありがとうございます』
顔には出さないように頑張ったものの
正直なところ、どうしよう。めちゃくちゃ嬉しい。
嬉しさと同時に、申し訳なさもあるのだけど
嬉しさのほうが断然勝ってる。
合宿所を使わせてもらったお礼は、家に帰ったら考えよう。
「舞ちゃん・・・
どないしよ、めっちゃ嬉しいわ・・・」
隣を見ると、寿三郎さんが
本当に嬉しそうな笑顔を向けてくれていた。
この人の笑顔は、本当に気持ちを明るくさせてくれる。
『寿三郎さん、
またご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします』
つられて私も笑うと
大きな声で「任せときっ!」と言われた。
大雨のせいで
選手の皆さんは室内練習をすることになった。
それぞれ筋トレや場内コートで
課せられたメニューをこなすらしい。
流石にずっと何もせずにここにいるのはいたたまれなくて
コーチになにか出来ることはないか聞いてみた。
すると、この大雨でスタッフが何人か
出勤できずに人手不足らしく
洗濯や掃除、ドリンク作りなど
雑用の手伝いをすることになった。
寿三郎さんは複雑な顔をしていたけど
すべきことができて、ちょっと楽しい。
『皆さん、お疲れ様です。
ドリンク、置いておきますね』
トレーニングルームで各自トレーニングしていた
高校生たちに声をかける。
「ありがとさんー・・・ってあれれ?
舞ちゃんやん!まだおったん?」
休憩に入った種ヶ島さん、大曲さん
君島さん、遠野さんが集まって来た。
いつの間にか、種ヶ島さんから名前呼びされているけど
そこはスルーしよう。
『はい。大雨で電車が運休になってしまって』
「そうなん!じゃあ今日もここに泊まるんやな」
『はい。恐らくですが
明日まで泊まらせて頂くことになるかと』
「あー、明日は台風だったな」
「進路がいきなり変わりましたからね」
「で、なんで手伝いなんてしてるんだぁ?」
先程のコーチとの会話を説明すると
皆さん納得していた。
「舞さんはなかなか交渉上手ですね」
「君島、てめぇと一緒にすんな」
交渉したわけではないけど・・・
そういえば、寿三郎さんが君島さんは
交渉術のスペシャリストだって言ってたっけ。
そう思いながらも、すんなりと私を受け入れて
こうやって会話してくれることが嬉しく思う。
「ほんなら今日も明日もおんねんなぁ!
あとでもっと俺とおしゃべりしてな☆」
『はい、よろしくお願いします』
先輩方と別れた後
今度は場内コートへと向かう。
パァンッと、鋭い音が響く中
中学生も高校生も混ざって練習している。
「ええとこ打ちよるやんけ!」
『あ……』
聞きなれた声のほうを見ると
寿三郎さんと越知さんが中学生と練習していた。
普段なかなか見ることの出来ない姿に思わず見とれる。
真剣だけど、あんなに楽しそうに練習してるなんて
昔は考えられなかった。
いつもサボってばかりだったのに。
テニスはしたいときにするって言って
全然練習なんてしてなかったのに。
普段は穏やかで、ふんわりしている彼も
今は鋭い瞳でボールを追っている。
練習が終わったかと思えば
中学生達に囲まれて何か聞かれている。
どうやらさっきの打ち合いで
アドバイスをしているようだった。
ちゃんと、"先輩"してるんだ。
「手伝いをしているのか?」
『越知さん…!あ、そうです。
なにか出来ることをと思いまして』
いつの間にか近くに来ていた越知さんに驚く。
「そうか。毛利が少し落ち着きがなかったのはそのせいか」
『え?』
「気になっていたのだろう」
『邪魔、しちゃいましたかね』
複雑な顔をしていたし
練習を見られることが嫌だったのかもしれない。
「いや。むしろ逆だろうな」
逆ってどういうことか口を開いた瞬間
遠くから私を呼ぶ声がした。
見ると寿三郎さんが大きく手を振っている。
他の中学生達も見ているから、ちょっと気恥ずかしい。
ドリンクとタオルを持って近寄ると
寿三郎さんは満面の笑みで受け取ってくれた。
「なんや、ええなあ、こういうの。
マネージャーって感じで新鮮やわ」
『寿三郎先輩、お疲れ様です!って
やったほうが良かったですかね?』
よくあるマネージャーと部員の恋って
こんな感じかなーと思ってやってみると
寿三郎さんが固まっていた。
「あかん、思うてたより
なんかこう、グッときたわ…」
『そうですか?』
「……やっぱええなあ。
舞ちゃんが練習見てるってだけで
めちゃくちゃやる気出やるわ。
ええとこ見せなっ!て思うて頑張れる」
さっき越知さんが言っていた
むしろ逆、という意味がわかった。
糧としてくれている、ということが素直に嬉しい。
にやけそうになる頬を押さえていると
また練習が始まったので
私は掃除と洗濯に取りかかることにした。
U-17の合宿所に泊まった翌日。
今日こそ本当に寿三郎さんと離れなければならないのかと
覚悟をして斎藤コーチ達へと挨拶に行ったのだけど
まさかの電車の運休を知らされた。
「バスはわかりますけど
なんで電車まで運休なんやろか?」
一緒についてきてくれた寿三郎さんが聞く。
「この天気ですからね。
それに明日は台風が近づいていますから
恐らく明日も運休でしょう」
『すごい大雨ですもんね・・・』
確かにここへ来る前、事前に天気予報を調べたら
台風が発生してはいた。
でも進路が違ったから関係ないだろうと思っていたのに
ここにきて直撃するなんて。
「今日明日まではここにいて下さい。
気兼ねせずに、施設は好きに利用して構いませんから」
『重ね重ねご迷惑をお掛けしてすみません。
ありがとうございます』
顔には出さないように頑張ったものの
正直なところ、どうしよう。めちゃくちゃ嬉しい。
嬉しさと同時に、申し訳なさもあるのだけど
嬉しさのほうが断然勝ってる。
合宿所を使わせてもらったお礼は、家に帰ったら考えよう。
「舞ちゃん・・・
どないしよ、めっちゃ嬉しいわ・・・」
隣を見ると、寿三郎さんが
本当に嬉しそうな笑顔を向けてくれていた。
この人の笑顔は、本当に気持ちを明るくさせてくれる。
『寿三郎さん、
またご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします』
つられて私も笑うと
大きな声で「任せときっ!」と言われた。
大雨のせいで
選手の皆さんは室内練習をすることになった。
それぞれ筋トレや場内コートで
課せられたメニューをこなすらしい。
流石にずっと何もせずにここにいるのはいたたまれなくて
コーチになにか出来ることはないか聞いてみた。
すると、この大雨でスタッフが何人か
出勤できずに人手不足らしく
洗濯や掃除、ドリンク作りなど
雑用の手伝いをすることになった。
寿三郎さんは複雑な顔をしていたけど
すべきことができて、ちょっと楽しい。
『皆さん、お疲れ様です。
ドリンク、置いておきますね』
トレーニングルームで各自トレーニングしていた
高校生たちに声をかける。
「ありがとさんー・・・ってあれれ?
舞ちゃんやん!まだおったん?」
休憩に入った種ヶ島さん、大曲さん
君島さん、遠野さんが集まって来た。
いつの間にか、種ヶ島さんから名前呼びされているけど
そこはスルーしよう。
『はい。大雨で電車が運休になってしまって』
「そうなん!じゃあ今日もここに泊まるんやな」
『はい。恐らくですが
明日まで泊まらせて頂くことになるかと』
「あー、明日は台風だったな」
「進路がいきなり変わりましたからね」
「で、なんで手伝いなんてしてるんだぁ?」
先程のコーチとの会話を説明すると
皆さん納得していた。
「舞さんはなかなか交渉上手ですね」
「君島、てめぇと一緒にすんな」
交渉したわけではないけど・・・
そういえば、寿三郎さんが君島さんは
交渉術のスペシャリストだって言ってたっけ。
そう思いながらも、すんなりと私を受け入れて
こうやって会話してくれることが嬉しく思う。
「ほんなら今日も明日もおんねんなぁ!
あとでもっと俺とおしゃべりしてな☆」
『はい、よろしくお願いします』
先輩方と別れた後
今度は場内コートへと向かう。
パァンッと、鋭い音が響く中
中学生も高校生も混ざって練習している。
「ええとこ打ちよるやんけ!」
『あ……』
聞きなれた声のほうを見ると
寿三郎さんと越知さんが中学生と練習していた。
普段なかなか見ることの出来ない姿に思わず見とれる。
真剣だけど、あんなに楽しそうに練習してるなんて
昔は考えられなかった。
いつもサボってばかりだったのに。
テニスはしたいときにするって言って
全然練習なんてしてなかったのに。
普段は穏やかで、ふんわりしている彼も
今は鋭い瞳でボールを追っている。
練習が終わったかと思えば
中学生達に囲まれて何か聞かれている。
どうやらさっきの打ち合いで
アドバイスをしているようだった。
ちゃんと、"先輩"してるんだ。
「手伝いをしているのか?」
『越知さん…!あ、そうです。
なにか出来ることをと思いまして』
いつの間にか近くに来ていた越知さんに驚く。
「そうか。毛利が少し落ち着きがなかったのはそのせいか」
『え?』
「気になっていたのだろう」
『邪魔、しちゃいましたかね』
複雑な顔をしていたし
練習を見られることが嫌だったのかもしれない。
「いや。むしろ逆だろうな」
逆ってどういうことか口を開いた瞬間
遠くから私を呼ぶ声がした。
見ると寿三郎さんが大きく手を振っている。
他の中学生達も見ているから、ちょっと気恥ずかしい。
ドリンクとタオルを持って近寄ると
寿三郎さんは満面の笑みで受け取ってくれた。
「なんや、ええなあ、こういうの。
マネージャーって感じで新鮮やわ」
『寿三郎先輩、お疲れ様です!って
やったほうが良かったですかね?』
よくあるマネージャーと部員の恋って
こんな感じかなーと思ってやってみると
寿三郎さんが固まっていた。
「あかん、思うてたより
なんかこう、グッときたわ…」
『そうですか?』
「……やっぱええなあ。
舞ちゃんが練習見てるってだけで
めちゃくちゃやる気出やるわ。
ええとこ見せなっ!て思うて頑張れる」
さっき越知さんが言っていた
むしろ逆、という意味がわかった。
糧としてくれている、ということが素直に嬉しい。
にやけそうになる頬を押さえていると
また練習が始まったので
私は掃除と洗濯に取りかかることにした。
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