ただいま遠距離恋愛中
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「以上でミーティングを終わる」
高校生達による、夜のミーティングが終わる。
毛利はほぼ号令と同時に
失礼します、と慌ただしく声を掛けて
部屋から去っていった。
「珍しく寝ずに聞いてると思ったら
出ていくの早すぎだし」
「まあまあ。何か用事でもあったんじゃないですか?」
事情を知っている越知は黙っていたが
茶化すように種ヶ島が笑う。
「彼女ちゃんに電話とちゃうん?」
「…………」
「そういえば、彼女がいるって前話してたし。
あいつもマメな奴だな」
「随分と束縛の激しい女じゃねーの」
「遠野くん、失礼ですよ」
好き勝手話す他のメンバーを尻目に
越知は密かに毛利の彼女のことを思い出していた。
束縛とはかけ離れている彼女のことを。
そこへ、相変わらずニヤニヤと
含み笑いを浮かべた種ヶ島が近づく。
「ツッキー、ほんまは逆なんとちゃうん?」
「さして興味ない」
電話をすると約束した時間まで、後2分。
毛利は人気の居ない場所を探すも
どこへ行くも中学生たちがいて
なんとか一目のない屋上へとやってきた。
急いでスマホを取り出してコールする。
3回程呼び出しが鳴った後、電話が繋がる。
「もしもし!」
『あ、もしもし?お疲れ様です』
毛利は声を聞くだけで
じんわりと心が暖まる気がした。
「堪忍なぁ。
時間指定しておいてギリギリになってもうて」
『ううん。大丈夫ですよ。
ハードな練習した後にミーティングもあって
疲れていませんか?』
「疲れてたんけど
舞ちゃんの声聞いたら元気なったわ」
『…ミーティング中寝てたりして?』
「今回は寝てへんよ!電話するの楽しみで
そわそわしてて……って、あ」
『あははっ、いつもは寝てるってことですね』
「しもた~」
舞は、毛利より1歳年下だが
非常に大人びていて
年下とは思えないほどに落ち着きのあるタイプ。
付き合ってもうすぐ1年になる二人ではあるが
なかなか会える機会が少なく
この電話が、二人にとってはとても大切な時間だ。
頻繁に連絡をしているからか
舞は他の高校生達のことも
中学生達のことも、なんとなく覚えてしまっていて
話が盛り上がる。
『あ、そういえば…寿三郎さん
次のお休みって来週の土曜でしたっけ?』
「ああ、せやね!
なんも予定ないけ、月光さん誘うて
買い物でも行ってみよかな」
毛利は久しぶりのオフの日だったが
予定は立てておらず
ゴロゴロするか買い物するか悩んでいたのだった。
『あら、それは残念です。
ここになぜか高速バスのチケットがあるんですよね~』
「へ?」
『…今度のお休みのとき、会いに行っても良いですか?』
「え!えぇ!?ほ、ほんまけ!?」
『本当です。この日のために交通費貯めてたんですよ』
「どないしよ、めっちゃ嬉しい…!会えるん!
いつぶりやろか…
あ!この前舞ちゃんの好きそうな店見つけてん。
あー、連れていきたいとこぎょうさんあるわ!」
毛利のはしゃぐ声が本当に嬉しそうで
舞は自分の計画していたサプライズが
うまくいって安堵した。
次の休みまであと一週間。
毛利は今までにないくらいのやる気で
練習に取り組むのだった。
『ふう、やっと着いた』
高速バスを乗り継いで、舞は毛利のいる
この街へと辿り着いた。
早朝から出発し、着いたのは丁度お昼。
約束の時間までまだ1時間はある。
(こんなことなら、待ち合わせ時間早めればよかったかな)
少しでも長く一緒にいられたのに、と後悔していると
降り口にキョロキョロと周りを見渡している
背の高い人影が見えた。
バチっと目が合うと
長い腕でぶんぶんと手を降る。
人目も憚らず手を振るその姿は
相変わらず無邪気で可愛らしく思えた。
「舞ちゃーん!!」
変わらない毛利の笑顔を見て、舞は安堵する。
見知らぬ遠い地に一人は、少し不安だったのだ。
『お久しぶりです!
待ち合わせまで1時間もあるのに、もう来てたんですね』
「当たり前やんけ。一人で待たせたないし
それに少しでも長く一緒におりたいやん!」
眩しい笑顔で言われて
舞は久しぶりの毛利の笑顔が直視できなかった。
毛利はいつも自分が言葉に出来ないことを
サラッと言ってしまう。
今日はちゃんと気持ちを言葉にしよう、そう思っていたのに
いつものように毛利のペースに飲まれつつあることを
舞は実感していた。
「ここ、中学生の忍足って奴に教えてもろて
舞ちゃんとカフェデートにええなぁて思っててん」
『わ~、素敵なお店ですね!』
毛利が連れてきたのは
初老の男性が営んでいる、昔ながらの喫茶店。
落ち着いた雰囲気で
舞が好きそうな店だった。
「せやねん!良かったわ、喜んでもらえて。
ほら、メニュー見んせーね」
毛利はメニューを見る舞をじっと見つめて
それに気がついた舞は
恥ずかしそうに目をそらす。
注文した料理が届くまで、その繰り返しだった。
『はぁ~、美味しかったです』
「ほんまやね。ええ店教えてもろたわ。
舞ちゃんの可愛いモグモグ姿も
写真撮れたし、満足や」
『え!ちょっ、消して下さいっ』
「消さへんよ~。今日はぎょうさん
舞ちゃんの写真撮ったろ思てん」
舞は毛利のスマホを取り上げようとする。
女子にしては170cmとかなり高身長だったが
191cmもある毛利相手では
全くもって届かなかった。
「危ないけ、やめんせーね」
声を掛けられたと同時に
舞はバランスを崩して
毛利の胸に顔を埋めるかたちになる。
「……舞 ちゃん、しばらく会わん間に
随分と大胆になりんさって…」
舞は、ぎゅうっと、毛利に抱き締められて
しばらく身動きが取れなかった。
恥ずかしさで限界になっている彼女を見て
毛利は渋々腕の中で固まっている彼女を離した。
高校生達による、夜のミーティングが終わる。
毛利はほぼ号令と同時に
失礼します、と慌ただしく声を掛けて
部屋から去っていった。
「珍しく寝ずに聞いてると思ったら
出ていくの早すぎだし」
「まあまあ。何か用事でもあったんじゃないですか?」
事情を知っている越知は黙っていたが
茶化すように種ヶ島が笑う。
「彼女ちゃんに電話とちゃうん?」
「…………」
「そういえば、彼女がいるって前話してたし。
あいつもマメな奴だな」
「随分と束縛の激しい女じゃねーの」
「遠野くん、失礼ですよ」
好き勝手話す他のメンバーを尻目に
越知は密かに毛利の彼女のことを思い出していた。
束縛とはかけ離れている彼女のことを。
そこへ、相変わらずニヤニヤと
含み笑いを浮かべた種ヶ島が近づく。
「ツッキー、ほんまは逆なんとちゃうん?」
「さして興味ない」
電話をすると約束した時間まで、後2分。
毛利は人気の居ない場所を探すも
どこへ行くも中学生たちがいて
なんとか一目のない屋上へとやってきた。
急いでスマホを取り出してコールする。
3回程呼び出しが鳴った後、電話が繋がる。
「もしもし!」
『あ、もしもし?お疲れ様です』
毛利は声を聞くだけで
じんわりと心が暖まる気がした。
「堪忍なぁ。
時間指定しておいてギリギリになってもうて」
『ううん。大丈夫ですよ。
ハードな練習した後にミーティングもあって
疲れていませんか?』
「疲れてたんけど
舞ちゃんの声聞いたら元気なったわ」
『…ミーティング中寝てたりして?』
「今回は寝てへんよ!電話するの楽しみで
そわそわしてて……って、あ」
『あははっ、いつもは寝てるってことですね』
「しもた~」
舞は、毛利より1歳年下だが
非常に大人びていて
年下とは思えないほどに落ち着きのあるタイプ。
付き合ってもうすぐ1年になる二人ではあるが
なかなか会える機会が少なく
この電話が、二人にとってはとても大切な時間だ。
頻繁に連絡をしているからか
舞は他の高校生達のことも
中学生達のことも、なんとなく覚えてしまっていて
話が盛り上がる。
『あ、そういえば…寿三郎さん
次のお休みって来週の土曜でしたっけ?』
「ああ、せやね!
なんも予定ないけ、月光さん誘うて
買い物でも行ってみよかな」
毛利は久しぶりのオフの日だったが
予定は立てておらず
ゴロゴロするか買い物するか悩んでいたのだった。
『あら、それは残念です。
ここになぜか高速バスのチケットがあるんですよね~』
「へ?」
『…今度のお休みのとき、会いに行っても良いですか?』
「え!えぇ!?ほ、ほんまけ!?」
『本当です。この日のために交通費貯めてたんですよ』
「どないしよ、めっちゃ嬉しい…!会えるん!
いつぶりやろか…
あ!この前舞ちゃんの好きそうな店見つけてん。
あー、連れていきたいとこぎょうさんあるわ!」
毛利のはしゃぐ声が本当に嬉しそうで
舞は自分の計画していたサプライズが
うまくいって安堵した。
次の休みまであと一週間。
毛利は今までにないくらいのやる気で
練習に取り組むのだった。
『ふう、やっと着いた』
高速バスを乗り継いで、舞は毛利のいる
この街へと辿り着いた。
早朝から出発し、着いたのは丁度お昼。
約束の時間までまだ1時間はある。
(こんなことなら、待ち合わせ時間早めればよかったかな)
少しでも長く一緒にいられたのに、と後悔していると
降り口にキョロキョロと周りを見渡している
背の高い人影が見えた。
バチっと目が合うと
長い腕でぶんぶんと手を降る。
人目も憚らず手を振るその姿は
相変わらず無邪気で可愛らしく思えた。
「舞ちゃーん!!」
変わらない毛利の笑顔を見て、舞は安堵する。
見知らぬ遠い地に一人は、少し不安だったのだ。
『お久しぶりです!
待ち合わせまで1時間もあるのに、もう来てたんですね』
「当たり前やんけ。一人で待たせたないし
それに少しでも長く一緒におりたいやん!」
眩しい笑顔で言われて
舞は久しぶりの毛利の笑顔が直視できなかった。
毛利はいつも自分が言葉に出来ないことを
サラッと言ってしまう。
今日はちゃんと気持ちを言葉にしよう、そう思っていたのに
いつものように毛利のペースに飲まれつつあることを
舞は実感していた。
「ここ、中学生の忍足って奴に教えてもろて
舞ちゃんとカフェデートにええなぁて思っててん」
『わ~、素敵なお店ですね!』
毛利が連れてきたのは
初老の男性が営んでいる、昔ながらの喫茶店。
落ち着いた雰囲気で
舞が好きそうな店だった。
「せやねん!良かったわ、喜んでもらえて。
ほら、メニュー見んせーね」
毛利はメニューを見る舞をじっと見つめて
それに気がついた舞は
恥ずかしそうに目をそらす。
注文した料理が届くまで、その繰り返しだった。
『はぁ~、美味しかったです』
「ほんまやね。ええ店教えてもろたわ。
舞ちゃんの可愛いモグモグ姿も
写真撮れたし、満足や」
『え!ちょっ、消して下さいっ』
「消さへんよ~。今日はぎょうさん
舞ちゃんの写真撮ったろ思てん」
舞は毛利のスマホを取り上げようとする。
女子にしては170cmとかなり高身長だったが
191cmもある毛利相手では
全くもって届かなかった。
「危ないけ、やめんせーね」
声を掛けられたと同時に
舞はバランスを崩して
毛利の胸に顔を埋めるかたちになる。
「……舞 ちゃん、しばらく会わん間に
随分と大胆になりんさって…」
舞は、ぎゅうっと、毛利に抱き締められて
しばらく身動きが取れなかった。
恥ずかしさで限界になっている彼女を見て
毛利は渋々腕の中で固まっている彼女を離した。
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